冷たい風と暖かい手の続き。
雪が降っていた。
このへんではあまり積もるという事はないのだけど、今回は積もりそうなほど降り続いていた。
白い結晶達が庭一面を白く染めていく。
ただ雪が降っているだけで、いつもの景色が幻想的に変わる。
「つかさーちょっと手伝ってー」
「はーい」
クリスマスイブの今日。お姉ちゃんはクリスマスケーキを作ろうと言い出した。
―雪が溶けたら何になる?―
終業式が終わった後、私はこなちゃんに全てを明かした、そしてクリスマスの日、私とお姉ちゃんは別の
場所で待っていると伝えた。
場所で待っていると伝えた。
驚いていたけど、あの時の私のように、どこか妙な冷静さがあったように思う。
私の話をただ、うん、うんと頷いて聞いていた。
その表情はいつに無く真剣で、そこから思考を読み取る事はできなかった。
あれから三日があっという間に過ぎ、運命の日は明日へと迫っていた。
「いつも買ってくるのにどうして作ろうなんて思ったの?」
私は生クリームを泡立てながらお姉ちゃんに聞いてみる。
「なんとなくよ、なんとなく」
しかし、質問しながらも私の心はさっきの幻想的な世界に囚われていた。
「ふーん、ねぇ作り終わったらちょっと外でない?」
「えーこんな寒いのに?」
お姉ちゃんは本当に嫌そうな顔で答える。
「私も寒いのはいやだけど、雪積もってるから、ね、ちょっとだけ」
「わかったわよ、ちょっとだけね」
「うん!」
私は生クリームを泡立てながらお姉ちゃんに聞いてみる。
「なんとなくよ、なんとなく」
しかし、質問しながらも私の心はさっきの幻想的な世界に囚われていた。
「ふーん、ねぇ作り終わったらちょっと外でない?」
「えーこんな寒いのに?」
お姉ちゃんは本当に嫌そうな顔で答える。
「私も寒いのはいやだけど、雪積もってるから、ね、ちょっとだけ」
「わかったわよ、ちょっとだけね」
「うん!」
「あっそれはもうちょっと少な目の方が綺麗に焼けるよ」
私は砂糖の継ぎ足そうとするおねえちゃんを制した。
「そうなの?」
「うん、本とかはちょっと多めだからうちのオーブンだと焦げちゃうの」
「へぇ~さすが良く作ってるだけあるわね」
「へへへ、まあね」
私は砂糖の継ぎ足そうとするおねえちゃんを制した。
「そうなの?」
「うん、本とかはちょっと多めだからうちのオーブンだと焦げちゃうの」
「へぇ~さすが良く作ってるだけあるわね」
「へへへ、まあね」
お姉ちゃんはこなちゃんの話をしなかった。だから私も話さなかった。
今日は、ただの姉妹でいたかったのだ。なんも考えずただ、大好きなお姉ちゃんといたかったんだ。
自惚れかもしれないけど、お姉ちゃんも同じ気持ちだったんだと思う。
こなちゃんの言葉を借りれば、シンクロ率400%ってとこかな?
今日は、ただの姉妹でいたかったのだ。なんも考えずただ、大好きなお姉ちゃんといたかったんだ。
自惚れかもしれないけど、お姉ちゃんも同じ気持ちだったんだと思う。
こなちゃんの言葉を借りれば、シンクロ率400%ってとこかな?
完成したケーキを冷蔵庫へ入れ、私達は玄関から靴を履いて庭へとでた。
「やっぱり寒いね」
さすがに雪がふっているだけある。
さすがに雪がふっているだけある。
それに腕を通すと再度呼び止められた。
「それと……、これもね」
ふわっと首に巻きつけられる。
「それと……、これもね」
ふわっと首に巻きつけられる。
「これまだあったんだ……」
小さい頃お揃いで買ってもらったピンクのマフラーだった。本当は違う色がよかったんだけど、お姉ちゃ
んとお揃いにしたくて、お姉ちゃんと同じピンクにしたんだっけ。
小さい頃お揃いで買ってもらったピンクのマフラーだった。本当は違う色がよかったんだけど、お姉ちゃ
んとお揃いにしたくて、お姉ちゃんと同じピンクにしたんだっけ。
「この前部屋の掃除してたらでてきてねー。つかさ、ずいぶんあったかくなるまでしてたわよねーこれ」
「うん、だってすごくお気に入りだったから……エヘ」
「うん、だってすごくお気に入りだったから……エヘ」
使い込んだそれは、すこし色あせていて、なんだか懐かしい匂いがした。
私は綺麗に敷かれた白い絨毯の上を歩きだす。おもしろいくらいくっきりと足跡が残った。
子供の頃よく、お姉ちゃんの足跡の後を歩いたっけ。
「すごい真っ白……」
お姉ちゃんは同じピンクのマフラーを巻きながら呟いた。
お姉ちゃんは同じピンクのマフラーを巻きながら呟いた。
「うん、綺麗だねー」

「ホワイトクリスマスになったわねー。あ、でも正式には明日だから明日まで降らないとか」
「この分だと降り続きそうだけどね」
「この分だと降り続きそうだけどね」
空を見上げると、絶え間なく白い雪が降り注ぐ。
「小さい頃よくここで雪合戦したよね、お姉ちゃん達と」
「そういえばそうだったわねー、雪で壁作ったりして」
「またやりたいなー雪合戦」
「そういえばそうだったわねー、雪で壁作ったりして」
「またやりたいなー雪合戦」
ポフッと背中に物をぶつけられる感覚に振り向いた。
お姉ちゃんはにやりと笑っていた。
そして新たな雪玉を私に向かって投げようと――。
そして新たな雪玉を私に向かって投げようと――。
「わー! ま、待ってよー」
「戦いに情けはかけない主義なのよっ」
「戦いに情けはかけない主義なのよっ」
その手から離れた雪玉がまっすぐに向かってくる。
「うあっ!!」
顔面ストライク。雪とはいえ、固めてあるだけに少し痛い。しかも冷たさが痛さを増加させる。
顔面ストライク。雪とはいえ、固めてあるだけに少し痛い。しかも冷たさが痛さを増加させる。
「ほらほら、早く玉作らないと、こっちの独占場になるわよー」
顔の雪を払いのけ、でてきた視界には、また新たな武器を手に入れた敵が居た。
「ま、待ってってばー」
奇襲なんて酷いや。やりたいって言ったのは私だけど……。
「っと、うあっ――」
今度は胴にヒット。そして私は尻餅をつく。
「あうっ冷たいよ……」
「あはは、もーつかさとじゃ張り合いなさすぎてつまんないじゃない」
お姉ちゃんはお腹をかかえて大笑い。
「みんなが強すぎるんだよ」
「そんなことないわよ、いのりお姉ちゃんも結構弱いわよ」
「でもお姉ちゃん達、いのりおねえちゃんには絶対あてないんだもんっ、だからいつも私ばっかり標的にな
ってたし……」
「へー気づいてたんだ」
ってたし……」
「へー気づいてたんだ」
「お姉ちゃんとまつりお姉ちゃんがペアだったときとか悲惨だったもん……」
「そういえばそうだったねー」
お姉ちゃんは二ヒヒと笑う。
「そういえばそうだったねー」
お姉ちゃんは二ヒヒと笑う。
でも、私とペアのときは必死に私を守ってくれたよね……。
笑いながらもお姉ちゃんは私に手を差し伸べてくれ、私はその手をとって起き上がる。
「ありがとう」
そう、昔からお姉ちゃんは優しかった。
「お姉ちゃん」
「……ん?」
「私達は何があっても姉妹だよね?」
「何言ってんのよ、あたりまえでしょ」
「ふふ……そうだよね。私おねえちゃんと姉妹でよかったよ」
「え……」
「お姉ちゃんは一人っ子がよかったんだっけ?」
ちょっと意地悪。
「あっあれは……。そういう風に思ったこともあったけど、つかさやお姉ちゃん達がいてよかったって思っ
てるわよ……」
お姉ちゃんは少し照れて顔が赤くなっていた。
「そっか……よかった」
私は微笑んだ。そんなお姉ちゃんをかわいいって思ったんだ。
その時、ガラガラという音が聞こえた。
「あ、お母さん達帰ってきたかな」
「ケーキ見せて驚かせよっ」
私はお姉ちゃんの手を取ると、靴を脱いで縁側を登った。
「ちょっ、つかさ――もう……しょうがないなぁ」
「……ん?」
「私達は何があっても姉妹だよね?」
「何言ってんのよ、あたりまえでしょ」
「ふふ……そうだよね。私おねえちゃんと姉妹でよかったよ」
「え……」
「お姉ちゃんは一人っ子がよかったんだっけ?」
ちょっと意地悪。
「あっあれは……。そういう風に思ったこともあったけど、つかさやお姉ちゃん達がいてよかったって思っ
てるわよ……」
お姉ちゃんは少し照れて顔が赤くなっていた。
「そっか……よかった」
私は微笑んだ。そんなお姉ちゃんをかわいいって思ったんだ。
その時、ガラガラという音が聞こえた。
「あ、お母さん達帰ってきたかな」
「ケーキ見せて驚かせよっ」
私はお姉ちゃんの手を取ると、靴を脱いで縁側を登った。
「ちょっ、つかさ――もう……しょうがないなぁ」
私はこなちゃんが好き。
私はお姉ちゃんが好き。
こなちゃんの好きになった人が、他の誰でもないお姉ちゃんでよかったと、この日、心の底からそう思えた。
それぞれの分岐へ続く。
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