○20年前 PPPのP国 ボブド家
「ギッヘッホォーイ!」
「ホッパァー!誕生日おめでとじゃぁーい!!」
そう言うのは、長兄のゴブオバ=ボブド、21歳。
野太い声で、末弟のホッパレイド=ボブド、12歳を祝っている。
「ウフフ。ホッパレイド。お前も12歳だね。おめでとう♪」
長女のブギウギーナ=ボブド、15歳もまた祝う。
ホッパレイドは照れながら。
「ウフ♪ウフフ♪ウフフフフフ♪♪」
「嬉しいよ、兄さん。姉さん。」
「内乱の絶えないこの国。」
「父さんも母さんも死んで、兄弟3人になったけど…。」
「皆で力を合わせて生きて行こうね。」
ゴブオバはホッパレイドの肩を叩きながら。
「ホッホッホォーイ!当然じゃーい!!」
ブギウギーナはホッパレイドを両腕で抱きつつ。
「ウフフ。そうさね。皆で生きて行こうね。」
そして、3人で。
「「「かんぱーい!!」」」
ホッパレイドの誕生日を祝った♪
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
○超鋼戦機カラクリオー外伝
クロガネの賛歌 第8.5章 ー ショートストーリー ー
第 3 話 「 私 等 、 P P P の P 国 民 ! ! 」
○現在 PPPのP国 ボブド家・自室
「ん…。んん…。」
この私…。
ホッパレイドは目を覚ます。
私は夢を見ていた。
在りし日の時。
“乱世の奸雄(らんせいのかんゆう)”と評された…。
『 兄・ゴブオバ=ボブド 』が存命だった日。
夢の中の兄は21歳だった。
まだ、大きな役職についている訳では無かったが、
それでも、誰からも大きく評価をされる傑物(けつぶつ)であった。
そんな兄が、自分の誕生日を祝ってくれた夢だった。
嬉しかった。
父も死に…。母も死んだ…。
残された家族は3人。
3人でやっていこうと思った。
そうして…。私達はこのPPPのP国でのし上がっていった。
決定的だったのは、PPPのP国の内乱軍の『右腕』と言われる程、
力を持っていた兄・ゴブオバが『正規軍に入った事』だ。
内乱軍の長所も短所も丸裸の状態にし、内乱軍を排除。
国は形式上ではあるが『一枚岩』の状態になった。
そうして、戦争。戦争。戦争。
目指すはアフリカ大陸統一だ。
兄はその野望が荒ぶるままに戦争を仕掛けた。
私も兵士として兄の力になった。
そんな中であった。
兄 が 暗 殺 さ れ た の は !
憎い。憎い。憎い。
やったのは元内乱軍の奴等か?
許せない。許せない。許せない。
そんな私の怒りが吹き荒れると同じくするように国は荒れていった。
元の内乱の絶えない国になった。
今、現在。
私達は宇宙からの侵略者と戦う為に、内乱は休止され、
他の国とも休戦状態になっているが…。
正直。この溝(みぞ)は。
埋まるものじゃあないと思っている。
だが。
一つ良い事がある。
それは武功をあげる事さ。
世界の隅々に『PPPのP国、此処に在り』って事を思い知らしめる。
それは亡き兄に対しての弔(とむら)いにもなるだろう。
そして、もう一つ。
「起きたのだね、ホッパレイド。」
同じベッドから、女の声がした。
その声の主は『ブギウギーナ=ボブド』。
私の姉。現・PPPのP国の『大統領』である。
私と姉は、兄が死んだその日から、ほぼ毎日。
どうしても離れざるを得ない日以外、2人で一緒に寝るようになった。
父が死んだ。母が死んだ。兄が死んだ。
この世に残された親族は私と姉だけなのだ。
そんな姉を…。
『 愛 さ な い 訳 が な い 。 』
姉もまた私を『愛した』。
肉体関係は無いが、深く入り混じるように心と心が結ばれていた。
単純に血が繋がった、姉と弟以上の関係だと思っている。
お互い…。他人と結婚は出来ないなと思っている。
それでも構わなかった。
互い互いが最良の理解者であり、
最良の伴侶(はんりょ)であると思っているのだから。
そんな…。
そんな姉の為に『戦おう』。
そう言う『想い』が私にはある。
この戦争。どう言う結末を迎えるか先が読めないが…。
たった一人の肉親である、姉・ブギウギーナ=ボブドの為に戦おう。
そう決意をしているのだ。
その決意は…!
決して…!
揺らぐモノじゃあない!!
そう感じている。
「どうしたのか?ホッパレイド??」
「何か思い詰めている…。」
そう言う姉に私はこう言う。
「ウフフフフ。決意がね。更に硬くなったんだよ。」
ブギウギーナは問う。
「決意?」
私は答える。
「姉さん。この戦争。必ず勝ってみせるよ。」
「姉さんの為にも…。そして、死んだ両親や兄さんの為にもね。」
そう言うと、姉さんは…。
「(ニコリ)」
と、笑った。
○PPPのP国 軍事基地
私は基地に来た。
私の愛機『JET・P』の整備をする為にだ。
武功をあげる為には整備はマメにしなくちゃいけない。
だからそうする。
そんな私に話しかける男が一人。
「オホー!大佐!ホッパレイド大佐!!整備ですかーん?」
「俺も整備さぁー!今度の戦場では俺が一番になるんですよーん!!」
私はあきれた顔でこう言う。
「ヨッペロゥ=ギニスカンか…。」
「大尉。どうして君はそう無駄にテンションが高いんだ?」
ヨッペロゥはごっきげんにこう言う。
「だってよぅ!愛する、ホッパレイド大佐に会えたんだぜぇーい?」
「そりゃあ、心も体もギンギンさ、アハンアハン!!」
アハンアハンで腰を振っている。
この“ホモ”は…。
簡単だが彼の事を紹介しよう。
ヨッペロゥ=ギニスカン。軍人。ホモ。29歳。
BLで言うトコロの“攻め”であり、思い込んだら一途なタイプ。
そして彼とセットなのが。
「キャー、ヨッペロゥ大尉の熱いアプローチですわぁー♪」
と言う、モモノ=ハニャーニュと。
「美形同士の絡みですわー♪もう鼻血だくだくですわぁー♪♪」
と言う、メーナ=シュパロイネンだ。
彼女達は『通称・フジョッシーズ』。
いわゆる。腐女子(ふじょし)である。
共に24歳の中尉。ヨッペロゥと同じく、
パイロットとして優秀だが、性格に難があるね。
私は彼等にこう言う。
「相変わらずだね、君達。」
「正直、煙(けむ)たいと思っているよ。」
ヨッペロゥはマシンガンのよーにトークする。
「フジョッシーズを悪く思わないでくれーよ!」
「良い事を教えましょうぜ、ホッパレイド大佐!!」
「俺が大佐の尻にエレクトロしたナニをぶち込んだその時!」
「彼女達はその時のエピソードを、
『同人誌』として売り出す事を約束してんだーぜぃ?」
「最ッ高ッッじゃあないですかぁー!ヨホォー!!」
モモノがはしゃぐ。
「目指すはBL界の『レツゴーエルフちゃんシリーズ』ですわぁー!!」
「私達フジョッシーズはBL界の『穴ん堂先生(インド出身)』になるんですのぉー!!」
メーナもはしゃぐ。
「穴ん堂先生はまっとうな仕事に就職したのを理由に、断筆宣言してしまいましたがぁー!」
「私達フジョッシーズは軍人と同人作家の両輪を大車輪しますのよぉー!!」
モモノ、メーナは同時にこう言う!
「「私達フジョッシーズは『ヨペ×ホパ』でBL界の天下を取りますのッ!!」」
ドジャァ~~~~~ン!!
私は心底呆れる。
「やれやれ…。君達には心底お手上げだよ…。」
ヨッペロゥはご機嫌に。
「へっへっへ。褒(ほ)めても、なんにもでませんぜ?た・い・さ♪」
私は再度呆れる。
「褒めてないよ。」
そんなこんなとしている時の事であった。
スピーカーから声が響く!
「アフリカ南部同盟への依頼です!」
「国はアフリカ大陸中部の国!『コンゴ民主共和国』!!」
「侵略者の空飛ぶロボットが軍事基地を攻めています!!」
「至急援軍として向かって下さい!!」
私は含み笑いをする。
「ウフフ。またまた、PPPのP国に『JET・P』在りって事を思い知らせる事が出来そうだね。」
ヨッペロゥ。
「大佐!俺のが撃墜数が多かったら、バッグからキメさせて下さいーよ!!」
モモノ。
「あーん!いよいよ、ヨペ×ホパが芽吹く時ですわぁー!」
メーナ。
「滾(たぎ)りますわぁ!頭がティーパックマンになりますわぁー!!」
私はほとほと諦めながら。
「君達のアハンな思考回路には付き合っていられないな。」
「まぁ、君達の『JET・Q』じゃあ、私の『JET・P』には追いつけない。」
「大暴れしているから、残ったのを君達に任せようか、ウフフフフ。」
そうして私達は出撃した。
○コンゴ民主共和国 軍事基地付近
私の戦果は上々だった。
速度に優れるJET・Pで、撃墜しまくる。
討ち損じたのを3機のJET・Qで撃墜する。
あとは…。
「毎度毎度!商売人上りの1軍人!」
「『ヲラッシャイ大尉』が相手をするでござんす!!」
「この戦闘機型操兵『羅商(らしょう)』でお客様達を倒すでござんすよー!!」
私。
「君、うるさいね。」
ヨッペロゥ。
「大佐!あの『ヲラッシャイ』とやらーを倒したら、大佐のバックを好きにして良いですーか?」
私。
「親切で言ってあげるよ。ヨッペロゥ、君じゃあアイツには敵わない。」
ヨッペロゥ。
「そんなのやってみなーきゃ、解らないですーぜ、大佐ァー!」
「ヨッペロゥ!行きまぁーす!!」
ッ
ッ
ヨッペロゥがJET・Qで突っ込む!!
ッ
ッ
ヲラッシャイ!
「ありがとうございます!毎度、ごひいきにさせってもらっております!!」
「そんなお客様に、心ばかりの『銭』でございます!!」
「いくで、ござんすよー!!」
ッ
ッ
「 銭 型 機 関 銃 ! ! 」
ッ
ッ
ジャリンジャリンジャリンジャリン
ジャリンジャリンジャリンジャリン
ジャリンジャリンジャリンジャリン
銭の形をした弾丸が発射される!
ヨッペロゥのJET・Qはボロボロになった!!
ッ
ッ
ヨッペロゥ。
「くぅ~!?性能差ってヤツかーよ!!?」
「JET・QはJET・Pの劣化コピー!!量産機だもんーね!!?」
私。
「それだけじゃないよ、ヨッペロゥ。」
「あの『ヲラッシャイ大尉』とやらは腕も素晴らしい。」
「ま。私程じゃあないだろうがねぇ。フフフ。」
ヨッペロゥ。
「こうなれば相討ち覚悟で、いくでーよ!!」
私。
「馬鹿言うなよ、ヨッペロゥ。」
ヨッペロゥ。
「ホッパレイド大佐…!」
私。
「フジョッシーズ。ヨッペロゥを軍事基地に不時着させるんだ。」
「彼程の人材。失う訳にはいかないからね。頼むよ、フジョッシーズ。」
モモノ。
「あーん、大佐、優しいですわぁー!!」
メーナ。
「愛する者を愛するが故のお言葉…!」
「たまらん!ヨダレ、ズビィー!!ですわぁー!!」
ヨッペロゥ。
「大佐ぁ~!俺、感動して、もう、ナニがビンビンでさぁ~!!」
私。
「そう言うのいいから、早く行きなよ。」
「ヲラッシャイに集中させてくれ…。フフフ。」
3人。
「「「ラジャー!!」」」
そう言い、3人は撤退する。
そして私は…。
「さ、待たせたね。ヲラッシャイ。」
「君はこの『JET・P』を操縦する…!!」
ッ
ッ
「“奸雄の血統”」
「ホッパレイド=ボブドに敗北をする…ッ!!」
ッ
ッ
ヲラッシャイ!
「いえいえ、お客様。」
「この星で音に聞く“超音速の貴公子”が相手ならともかく…。」
「その他の方にこの『ヲラッシャイ大尉』が倒せるたぁ思いませんがね?」
ッ
ッ
私!
「フフフ。それじゃあ体験してもらうしかないね。」
ッ
ッ
ヲラッシャイ!
「良いでがしょう、お客様…!!」
ッ
ッ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
まず動いたのは“私”だった。
ズバババババババババババババババババババババババ!!
機銃だ!機銃でもって、羅商を狙い撃つ!!
ヒ
ュ
オ
ン
羅商が回避するッ!!
ッ
ッ
羅商の反撃だ!!
ッ
ッ
ヲラッシャイ!
「 銭 型 機 関 銃 ! ! 」
ッ
ッ
ジャリンジャリンジャリンジャリン
ジャリンジャリンジャリンジャリン
ジャリンジャリンジャリンジャリン
銭の形をした弾丸が発射される!
ッ
ッ
私は舌を巻く!
「私に回避行動をさせる事で、徐々に追い込んでいくような射撃だね。」
「フフフ…。やるじゃないか。しかしね。追い込んでいるのは君だけじゃない。」
ッ
ッ
「P・ミサイルだよ。発射!」
ッ
ッ
ド ッ ッ ヒ ュ ォ ォ オ オ オ オ ! !
ッ
ッ
ヲラッシャイ!
「お客様!その程度の攻撃(お買い上げ)じゃ!!」
「お話にならないで、ござんすよぉー!!」
ヒ
ュ
オ
羅商は最小限の動きで回避をし!
ッ
ッ
ヲラッシャイ!
「すぐさま、反撃(大売出し)でござんす!!」
「 銭 型 機 関 銃 ! ! 」
そ
れ
よ
り
も
速
く
に
で
あ
っ
た
!
ズバババババババババババババババババババババババ!!
機銃だ!JET・Pの機銃だ!!
狙
い
は
!
私はこう言い放つ!
「P・ミサイルだよ。」
「ウフフフフフ。」
ッ
ッ
「P・ミサイル。」
「 爆 破 ッ ! ! 」
ッ
ッ
ド ッ ッ カ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ン ! !
ッ
ッ
至近距離で、ミサイルが爆破した羅商はッ!!
ッ
ッ
キリキリキリキリキリキリキリキリキリ
マイマイマイマイマイマイマイマイマイマイマイ
キリキリ舞いしながら、ふっ飛ばされ!!
ッ
ッ
ズバババババババババババババババババババババババ!!
JET・Pの機銃を浴びる!
そ
の
結
果
!
羅商はボロボロになった!!
ッ
ッ
ヲラッシャイ!
「何故でござんす!何故コックピットを狙わなかったでござんすかァー!?」
ッ
ッ
私はこう答える。
「君。名のあるパイロットなんだろう?」
「君の口から君の軍の人達にこう言って欲しいんだ。」
ッ
ッ
「“奸雄の血統”ホッパレイド=ボブドが駆る『JET・P』は半端無いって事をさ。」
「君流に言うなら、君は私の商売の『広告』『チラシ紙』って事だね。フフフフフ。」
ッ
ッ
ヲラッシャイ!
「ホッパレイド=ボブド!忘れないでござんすよぉー!!」
ヲラッシャイはそう捨て台詞を吐くと、羅商で退却をした。
○PPPのP国 ボブド家・自室
私は自室の姉にこう言う。
「ただいま、姉さん。」
「今日も活躍してきたよ、ウフフフフフ。」
姉は応える。
「よくやったよ、ホッパレイド。」
「お前は私の自慢の弟さ。」
私は…。
「姉さんだって…。」
こう言う。
「私の自慢の姉さんさ。」
私は続ける。
「兄さんが暗殺されて以降、ずっと大統領として頑張ってきたじゃないか。」
「内乱が絶えないこの国の大統領を続けると言う事…。」
「それがどんな大変な事かって言うまでもない事さ。」
「そんな姉さんを…。誇りに思っているよ。」
姉は。
「(ホロリ…。)」
と涙を流す。
私はそんな姉に。
「今日はもう寝ようか姉さん。」
「疲れたよ。明日に備えよう。」
と言い。
そのままベッドで眠るのであった。
ーーーーーー
第3話「私等、PPPのP国民!!」