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鍛冶媼(かじがばば、かじがかか)
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概要
鍛冶媼は高知県室戸市・佐喜浜地域などに伝わる妖怪で、狼にまつわる伝承の中でも「千疋狼」と呼ばれる類型の一つに含まれる。狼に襲われた女性の霊が狼に取り憑き、旅人を襲う存在として語られる。
伝承の流れ
夜道で身重の女性が狼の群れに襲われ、通りかかった飛脚とともに樹上へ逃れる。しかし狼たちは肩車のように組んで襲いかかってくる。絶体絶命の中で狼たちが「佐喜浜の鍛冶媼を呼べ」と叫び、鍋を兜のようにかぶった白い巨大な狼が現れる。飛脚は必死に応戦し、鍋を割る一撃を与えて狼たちを退散させた。翌朝、血痕をたどって鍛冶屋へ行くと、老婆が傷を負って倒れており、その正体が狼に取り憑かれた霊であったことが判明する。屋敷の床下からは老婆や他の人々の骨が見つかったとも語られている。
ケモドラwikiでの分類の面白さ
鍛冶媼は人間の霊と狼という異なる存在が結びついた混合的な妖怪で、妖怪型ケモノ要素と霊的要素を併せ持つ。狼の姿をとることで獣性を示しつつ、憑依による変質性も強く、地域によっては猫など他の動物に置き換わるバリエーションもある。単なる獣妖怪とも幽霊とも違う特異な成り立ちを持つため、分類の奥行きを広げる題材になる存在といえる。
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