V 切迫早産
101G2
37歳の2回経産婦。妊娠28週4日。少量の出血と規則的な腹部緊満感とを主訴に来院した。外子宮口は閉鎖しているが,少量の出血を認める。経腟超音波検査では,内子宮口の漏斗状開大を認め,子宮頸管長は24mmである。胎児心拍数陣痛図で子宮の収縮は当初15分に1回程度であったが,徐々にその間隔は短縮しつつある。胎児は週数相当の発育を示しており,特別な異常を認めない。尿所見:蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球 401万,Hb 12.0g/dl,Ht 36%,白血球 16400,血小板 25万。CRP 6.9mg/dl。子宮頸管粘液中顆粒球エラスターゼ 4.4μg/ml(基準 1.6以下)。
対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
a 抗菌薬投与
b 頸管縫縮術
c 帝王切開術
d 塩酸リトドリン投与
e 副腎皮質ステロイド薬投与
○ a
× b
× c
○ d
× e
正解 ad
診断 切迫早産,絨毛膜羊膜炎
100C4,100C5,100C6
次の文を読み,4~6の問いに答えよ。
32歳の1回経産婦。妊娠30週に少量の性器出血と発熱とを主訴に来院した。
月経歴: 初経14歳。周期は28日型,整。
妊娠・分娩歴: 30歳時,妊娠32週で1800gの男児を早産した。
現病歴: 6か月前,無月経を主訴に受診し,双胎妊娠と診断された。この時の経腟超音波写真(写真A)と妊娠22週妊婦健康診査時の経腟超音波検査による子宮頸管写真(写真B)とを別に示す。その後も定期的に妊婦健康診査を受けており,胎児の発育は両児とも順調で,母体の異常を指摘されたこともない。妊娠29週で定期健康診査を受けたが,異常を指摘されなかった。昨夜から軽い不規則な子宮収縮を感じていたが放置していた。
現症: 意識は清明。身長 158m,体重 60kg。体温 38.1℃。呼吸数 16/分。脈拍 92/分,整。血圧 120/80mmHg。顔貌正常。胸部に異常はない。下腿に浮腫はない。子宮底長 30cm。Leopold触診で第1児は頭位,第2児は骨盤位。両児とも胎動は活発である。腟鏡診で少量の出血がみられる。内診で外子宮口は閉鎖している。この時の経腟超音波検査による子宮頸管写真(写真C)を別に示す。
検査所見: 尿所見:蛋白(-),糖(-),血液所見:赤血球 378万,Hb 11.1g/dl,Ht 33%,白血球 18000,血小板 32万。CRP 7.0mg/dl。
写真A
写真B
写真C
C4 この双胎妊娠で正しいのはどれか。
a 無絨毛膜1羊膜
b 1絨毛膜1羊膜
c 1絨毛膜2羊膜
d 2絨毛膜1羊膜
e 2絨毛膜2羊膜
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
C5 入院時考えられるのはどれか。
a 前置胎盤
b 切迫子宮破裂
c 絨毛膜羊膜炎
d 頸管熟化不全
e 妊娠中毒症〈妊娠高血圧症候群〉
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
C6 投与する薬で適切なのはどれか。2つ選べ。
a 抗菌薬
b オキシトシン
c インドメタシン
d 塩酸リトドリン
e プロスタグランディン
○ a
× b
× c 禁忌
○ d
× e
正解 ad
診断 切迫早産,子宮内感染(絨毛膜羊膜炎)