B 多胎
備考
- 双胎間輸血症候群,一児胎内死亡
102A23
40歳の初産婦。双胎妊娠のため妊娠10週3日に紹介受診となった。外来初診時の超音波検査では,胎児頭殿長〈CRL〉は30mmと29mm(10週相当)で,1絨毛膜2羊膜双胎と診断した。妊娠17週ころから両児間の推定体重に差を認めるようになり(第1子:180g,第2子:100g),羊水量にも差を認めるようになった。妊娠17週6日に規則的子宮収縮を主訴に来院し入院となった。意識は清明。身長 158cm,体重 76kg。体温36.8℃。脈拍 96/分,整。血圧 138/88mmHg。外診では10~20分間隔の不規則な子宮収縮を認めるが持続性の圧痛は認めない。超音波検査では,胎児推定体重は,第1子 210g,第2子 120gで体重差は43%である。第1子の羊水深度は90mmであるが他に形態異常は認めない。第2子の羊水深度は8mmで膀胱は描出できないが,他に明らかな形態異常は認めない。子宮頸管長は20mm。外子宮口は閉鎖しているが内子宮口の楔状の開大〈funneling〉を認める。尿所見:蛋白 1+,糖 1+。血液所見:赤血球 387万,Hb 10.2g/dl,Ht 33%,白血球 8800,血小板9万。血液生化学所見:空腹時血糖 87mg/dl,HbA1c 4.7%(基準 4.3~5.8),尿素窒素 12.0mg/dl,クレアチニン 0.4mg/dl,尿酸 3.0mg/dl,AST 20IU/l,ALT 18IU/l,LDH 180IU/l(基準 176~353)。
考えられるのはどれか。
a 切迫早産の状態である。
b 母体に耐糖能異常がある。
c HELLP症候群を発症している。
d 第2子の循環動態は保たれている。
e 双胎間輸血症候群を発症している。
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
100F2
在胎28週の胎児。1絨毛膜2羊膜性双胎と診断されている。妊娠初期には2児の大きさにほとんど差を認めなかったが,次第に差を認めるようになり,大きい方の児に羊水過多と胎児水腫とを認めるようになった。
異常があると考えられるのはどれか。
a 骨髄
b 臍帯
c 胎盤
d 羊膜
e 脱落膜
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
診断 双胎間輸血症候群(TTTS)