A 先天性小腸狭窄・閉鎖症
102D32
生後24時間の新生児。著明な腹部膨満と胆汁性嘔吐とのためNICUに入院した。胎便の排泄はまだない。腹部エックス線単純写真立位像で腹部全体に多数の液面形成〈niveau〉を認める。
最も考えられるのはどれか。
a 先天性食道閉鎖症
b 肥厚性幽門狭窄症
c 先天性十二指腸閉鎖症
d 先天性小腸閉鎖症
e 鎖肛
× a
× b
× c
○ d
× e
正解 d
99I1,99I2,99I3
次の文を読み,1~3の問いに答えよ。
34歳の初産婦。胎児の異常を指摘され,妊娠31週に近医の紹介で精査のため入院した。
現病歴: 妊娠初期に特記すべきことはなく,妊娠29週ころから軽度の腹部緊満感を訴えていた。妊娠30週の妊婦健康診査で胎児の異常を指摘された。
既往歴・家族歴: 特記すべきことはない。
現症: 意識は清明。身長 155cm,体重 58㎏。体温 36.0℃。脈拍 80/分,整。血圧 98/64mmHg。下肢に浮腫を認める。触診上,胎児は第1頭位であった。子宮底長 32cm。
検査所見: 尿所見:蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球 320万,Hb 10.2g/dl,Ht 30%,白血球 9800,血小板 20万。血清生化学所見:総蛋白 6.0g/dl,アルブミン 3.1g/dl,クレアチニン 0.5mg/dl,AST 22単位,ALT 20単位,LDH 180単位(基準 176~353),アルカリホスファターゼ 350単位(基準 260以下)。胎児の腹部超音波写真と胎児MRIのT2強調冠状断像とを別に示す。
入院後の経過: 腹部緊満感が徐々に強くなり,妊娠33週には子宮底長が38cmとなり,軽度の呼吸困難を訴えるようになった。超音波検査で羊水腔の拡大が認められる。胎児心拍数パターンには異常を認めない。
I1 今後生じやすいのはどれか。
a 早産
b 子癇
c 癒着胎盤
d 胎盤機能不全
e 胎内感染
○ a
× b
× c
× d
× e
正解 a
I2 胎児の画像所見で正しいのはどれか。
a 多量の腹水
b 胃の拡張
c 腸の拡張
d 肝嚢胞
e 腎嚢胞
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
I3 治療として適切なのはどれか。
a 利尿薬投与
b 分娩誘発
c 羊水除去
d 胎児手術
e 緊急帝王切開術
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
診断 妊娠33週,消化管閉塞,羊水過多症