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自動販売機
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自動販売機 05/01/03
自動販売機との戦いは常に敗北している。今回もまた。
新札が発行されてより薄々嫌な予感はしていたが、ついに激突する日がやってきた。硬貨を取り出し易い小銭入れを使っていることが災いして百円玉前後が品薄であり、一枚だけ残っていた新千円札で勝負が始まる。煙草ごときに一万円札は使いたくない。
最初の目的地であるへたれなコンビニは正月だからと閉店している。それは仕方がないから並んでいる煙草の自販機に少し緊張しつつ野口英世を挿入してみた。ひとまず吸い込まれて、一瞬の間の後にずるずる出てくる。二台あるからさして落胆もせず続いて試すがやはり受け付けられない。新千円札が無理なら無理と表示したまえ。
次なる目的地は煙草の自販機が四台並んでいるから間違いなく目的を果たせようと考えていたが、四台全て「だめでした」と項垂れて戻ってくる英世が情けない。ここで六台連続負けとなっている。すぐ近くに一台あった筈だ。あれで駄目なら熱い紅茶でも買って小銭に崩そうか。
また次の一台も当然のように使えない。ならば仕方あるまい。気が変わった。紅茶はやめだ。とことん勝負してやろうじゃないか。最早銘柄は何でもよい。ともかく英世で煙草を買うのだと決意を秘めて次の自販機を探す。目をやると通りの向こうに二台あるようだ。
渡って近付くと新千円札は使えませんと書いてある。二台とも書いてある。これで九連敗となった。少し離れて飲料自販機がある。紅茶はないがココアはある。もうここで諦めようか。自販機に十連敗なんて馬鹿馬鹿しい限りだ。よし、もうココアでいい、崩そう。英世くん、君はよくやってくれた。あれほど連続して偽札と疑われても挫けずに突入を繰り返した勇気を手前は決して忘れない。さらばだ。君は煙草ではなくてココアの為にその身を崩すことになるが恥じることはない。本当に感謝しているよ。
ところがココアは出てこない。不審に思って表示を調べてみると「釣銭切れ」が輝いている。ならばと十円玉を二枚投入しても依然として釣銭切れが赤いままだ。眼を近付けて価格が120円であることを確認し、釣銭が切れていることの説明を求めていたら、なんと「百円玉釣銭切れ」俺は百円玉が必要やねん!やあ英世くん、また逢えたね?
図らずも十連敗となってしまった。確かもう少し遠くに三台並んでいる煙草自販機があった筈だ。あそこで駄目ならいっそ煙草を止めてやる。
煙草は止められなかった。
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