参加者の皆様方、ご機嫌よう。
ゲーム支配人のテミスです。
正午になりましたので、これより、第二回放送を始めます。
ゲーム支配人のテミスです。
正午になりましたので、これより、第二回放送を始めます。
まずはこの放送を聴いている皆様方に、祝福を―――。
このゲームが始まって半日が経過しましたけど、よくぞここまで生き抜きました。
辛いことも、悲しいことも、痛いことも沢山あったことでしょう……。
そんな苦難を乗り越えて、今この放送を聴いている皆様方に、心より賛辞を送りたいと思います。本当におめでとう。
このゲームが始まって半日が経過しましたけど、よくぞここまで生き抜きました。
辛いことも、悲しいことも、痛いことも沢山あったことでしょう……。
そんな苦難を乗り越えて、今この放送を聴いている皆様方に、心より賛辞を送りたいと思います。本当におめでとう。
そして、ありがとう―――。
皆様の生き様と死に様は、特等席からしっかりと堪能させて頂いています。
激しい戦いはまだまだ続くと思うのだけど、皆様どうぞめげずに、戦い抜いてくださいませ。
皆様の生き様と死に様は、特等席からしっかりと堪能させて頂いています。
激しい戦いはまだまだ続くと思うのだけど、皆様どうぞめげずに、戦い抜いてくださいませ。
さて、前置きはここまでとして、禁止エリアの発表を行いましょうか。
F-3
B-6
H-4
B-6
H-4
以上3つのエリアが15時から進入禁止になります。
該当エリアに滞在している方は早いうちに避難することをお勧めするわ。
折角盛り上がってきているのに、禁止エリアでの爆死だなんて間抜けな最期、我々としても興醒めですから。
それと今回は電車が通過するエリアも、禁止エリアに含まれていますが、電車に乗っている限りは爆破対象外となりますので、そこは安心して良いですよ。
該当エリアに滞在している方は早いうちに避難することをお勧めするわ。
折角盛り上がってきているのに、禁止エリアでの爆死だなんて間抜けな最期、我々としても興醒めですから。
それと今回は電車が通過するエリアも、禁止エリアに含まれていますが、電車に乗っている限りは爆破対象外となりますので、そこは安心して良いですよ。
次は、お待ちかねの死亡者の発表といきましょうか。
【マリア・キャンベル】
【王】
【セルティ・ストゥルルソン】
【天本彩声】
【高千穂麗】
【ミカヅチ】
【安倍晴明】
【絹旗最愛】
【チョコラータ】
【累】
【リゾット・ネエロ】
【マギルゥ】
【ジョルノ・ジョバァーナ】
【Stork】
【鈴仙・優曇華院・イナバ】
【オスカー・ドラゴニア】
【王】
【セルティ・ストゥルルソン】
【天本彩声】
【高千穂麗】
【ミカヅチ】
【安倍晴明】
【絹旗最愛】
【チョコラータ】
【累】
【リゾット・ネエロ】
【マギルゥ】
【ジョルノ・ジョバァーナ】
【Stork】
【鈴仙・優曇華院・イナバ】
【オスカー・ドラゴニア】
以上16名が今回の脱落者よ。
これで残りは46名……。
皆様、生き残るために必死のようで、初回放送の時を超えるペースで、ゲームは進んでいるわぁ。
殴り合いに、化かし合いに、撃ち合い―――。
此の地で行われている、どれもこれもが、手に汗握る素晴らしい展開となっていて、見ているこちらとしても本当に退屈しないわぁ。
もっともっと激しい闘争を以って、私たちを愉しませてくださいな。
これで残りは46名……。
皆様、生き残るために必死のようで、初回放送の時を超えるペースで、ゲームは進んでいるわぁ。
殴り合いに、化かし合いに、撃ち合い―――。
此の地で行われている、どれもこれもが、手に汗握る素晴らしい展開となっていて、見ているこちらとしても本当に退屈しないわぁ。
もっともっと激しい闘争を以って、私たちを愉しませてくださいな。
今回の放送はここまで。
次の放送で、何人に減っているのか、見ものね
最後に前回同様、μが皆さまを奮い立たすべく、生歌を披露してくれます。
次の放送で、何人に減っているのか、見ものね
最後に前回同様、μが皆さまを奮い立たすべく、生歌を披露してくれます。
今回歌ってくれるのは「Distorted†Happiness」。
これは……所謂ラブソングっていうのかしらぁ?
ふふっ、こちらも「コスモダンサー」に負けず劣らずの素晴らしい曲なので、是非堪能してくださいな。
それでは、また次もお会いできることを願っております。
ご機嫌よう――。
これは……所謂ラブソングっていうのかしらぁ?
ふふっ、こちらも「コスモダンサー」に負けず劣らずの素晴らしい曲なので、是非堪能してくださいな。
それでは、また次もお会いできることを願っております。
ご機嫌よう――。
◇
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白の歌姫が、その美しい歌声を以って会場に届けるは「Distorted†Happiness」。
死別という形で、愛する者への別れを経験したとある楽士の慟哭を綴ったこの曲は、激しい曲調とともに、彼の者が抱える激情を撒き散らす―――。
愛する者への執着を。
愛する者を独りで逝かせた臆病者への憎悪を。
愛する者がいなくなった現実 への絶望を。
死別という形で、愛する者への別れを経験したとある楽士の慟哭を綴ったこの曲は、激しい曲調とともに、彼の者が抱える激情を撒き散らす―――。
愛する者への執着を。
愛する者を独りで逝かせた臆病者への憎悪を。
愛する者がいなくなった
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主催本部のとある一室。
スピーカー越しにμの歌声が木霊するその部屋でLucidこと田所興起は、ソファに腰かけながら、無言のまま彼女の歌に耳を傾け、愛するアイドルのライブに酔いしれていた。
スピーカー越しにμの歌声が木霊するその部屋でLucidこと田所興起は、ソファに腰かけながら、無言のまま彼女の歌に耳を傾け、愛するアイドルのライブに酔いしれていた。
(やっぱり、μの歌声は最高だぜ)
薄ら笑いを浮かべる彼は、内心でそう呟いて、スピーカーから流れる歌声に聞き惚れている。
「少し、宜しいかしらぁ」
そんな彼の安寧を遮るようにして、部屋の扉が開かれ、ラベンダー色の髪を靡かせた女性、テミスが現れる。
途端に顔を顰める田所だったが、そんな彼を気にした風もなく、彼女はニコリと所謂営業スマイルを見せて彼に話しかけてきた。
途端に顔を顰める田所だったが、そんな彼を気にした風もなく、彼女はニコリと所謂営業スマイルを見せて彼に話しかけてきた。
「あらぁ? そんなに露骨な顔されると傷つくわぁ」
「……何か用か? 今良いとこなんだ。下らない用だったら、あんたと言えど殺すぞ?」
「……何か用か? 今良いとこなんだ。下らない用だったら、あんたと言えど殺すぞ?」
殺気を込めた視線を向ける田所に、テミスはクスリと笑う。
「まぁまぁ、そんなに怒らないで下さいな。少しお願いしたいことがあるだけなのだからぁ」
「あ? 願い事だぁ?」
「あ? 願い事だぁ?」
妖艶な笑みを見せる彼女に、田所の表情が一層険しくなる。
「えぇ。これから私は今後の認識合わせのために、GM に会いに行くのだけど、貴方も同席して下さらないかしらぁ。」
「GMだと?」
「GMだと?」
テミスの言葉に眉根を寄せて、田所は彼女を見据える。
「俺はあんたがこのイカれたゲームの元締めだと思っていたんだが、あんたの上にそのGMとやらがいるってことか?」
「ええ、その通りよ。私は表向きの進行管理役を任せられているだけで、オーナーたるGMは別にいらっしゃるわぁ」
「ええ、その通りよ。私は表向きの進行管理役を任せられているだけで、オーナーたるGMは別にいらっしゃるわぁ」
田所の問い掛けに対して、肩をすくめて答えるテミス。
その仕草を見て、更に訝しむような眼差しで彼女を睨む。
その仕草を見て、更に訝しむような眼差しで彼女を睨む。
「んで、何で俺がそのGMとやらに会わないといけねぇんだよ。」
「今後のため、貴方たちの内の誰かと、顔合わせくらいはしておいた方がいいと思ったのよぉ。貴方も自分の雇用主の顔くらいは知っておきたいでしょう?」
「……他の連中は……?」
「セッコさんとリックさんはお仕事中よ。私のいない間は、会場内の参加者のモニタリングをお願いをしているわ。流石に監視役が誰一人いないのはまずいですし。まぁ田所さんが、嫌だというなら、彼らと交代してもらっても構わないけれど……」
「今後のため、貴方たちの内の誰かと、顔合わせくらいはしておいた方がいいと思ったのよぉ。貴方も自分の雇用主の顔くらいは知っておきたいでしょう?」
「……他の連中は……?」
「セッコさんとリックさんはお仕事中よ。私のいない間は、会場内の参加者のモニタリングをお願いをしているわ。流石に監視役が誰一人いないのはまずいですし。まぁ田所さんが、嫌だというなら、彼らと交代してもらっても構わないけれど……」
テミスの提案に、しばらく考え込む田所。
田所としては、あの忌まわしき琵琶坂永至や、梔子の顛末は気になるところだが、それ以外の参加者については正直どうでもよい。
全く興味のない参加者の動向を逐一チェックするなど、退屈極まりない業務に従事するよりは、GMとやらの面を拝んだ方が遥かに有意義だろう。
田所としては、あの忌まわしき琵琶坂永至や、梔子の顛末は気になるところだが、それ以外の参加者については正直どうでもよい。
全く興味のない参加者の動向を逐一チェックするなど、退屈極まりない業務に従事するよりは、GMとやらの面を拝んだ方が遥かに有意義だろう。
「ちっ、分かったよ。かったりいがあんたに付き合ってやるよ。GMとやらの面を拝ませて貰おうじゃねえか」
舌打ちをしつつ、面倒臭げに了承する田所。
それを見て、テミスは満足そうに微笑むのであった。
それを見て、テミスは満足そうに微笑むのであった。
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「―――なあ~?おい、リックよォォォ。」
「何だい、セッコ?」
「何だい、セッコ?」
主催本部のとある一室。
この場所にいれば、音声または映像という形で、ゲーム会場内の参加者にまつわる様々な情報が転がり込んでくる。
そんな空間にて、セッコとリックは肩を並べて椅子に座り、参加者の監視を行っていた。
この場所にいれば、音声または映像という形で、ゲーム会場内の参加者にまつわる様々な情報が転がり込んでくる。
そんな空間にて、セッコとリックは肩を並べて椅子に座り、参加者の監視を行っていた。
「あの仮面野郎、本当に放っておいても良いのかよォォォォ。明らかに俺達に対する反逆行為だろうがよォォォォ。」
セッコが指差した先に画面に映るは、遺跡内にいるオシュトルの姿。
彼はつい先程まで、参加者向けのホームページを公開しているサーバにハッキングを試み、主催者側のシステムに潜り込もうとしていたのである。
主催者として、これを看過するのは如何かなものかとセッコは疑問を呈する。
彼はつい先程まで、参加者向けのホームページを公開しているサーバにハッキングを試み、主催者側のシステムに潜り込もうとしていたのである。
主催者として、これを看過するのは如何かなものかとセッコは疑問を呈する。
「僕は『さーば』や『はっきんぐ』なるものはよく分からないが、テミスは放置しても問題ないと言っていた。だから大丈夫なんじゃないかな?」
「……テミスねぇ……」
「……テミスねぇ……」
リックの言葉に、どこか納得いかない様子で首を傾げるセッコ。
セッコが慕っているのは、あくまでもμであって、テミスではない。
それにテミスは時折、μをないがしろにする発言が見受けられる。
それがどうにも気に入らないし、彼女に対する不信を募らせる一因となっていた。
セッコが慕っているのは、あくまでもμであって、テミスではない。
それにテミスは時折、μをないがしろにする発言が見受けられる。
それがどうにも気に入らないし、彼女に対する不信を募らせる一因となっていた。
「君の方こそ、大丈夫かい?」
「あぁ?」
「いや、先程放送で死亡者として発表されたチョコラータという男、聞けば君の相棒だったという話だったが……」
「あぁ?」
「いや、先程放送で死亡者として発表されたチョコラータという男、聞けば君の相棒だったという話だったが……」
セッコを気遣う口ぶりで尋ねるリックに対し、彼は不機嫌そうな目つきで彼を見返す。
「……あぁん、チョコラータだァァァァ?ふんッ!あんな弱い奴、とうの昔に見限っったんだよオォォォ!」
吐き捨てるように叫ぶ彼を見て、リックは苦笑いをする。
「……そうか、余計なことを聞いたね。すまない」
「けっ」
「けっ」
謝るリックを横目に、苛立ちを隠そうともせず、セッコはそっぽを向き、モニターに目を向け監視を続ける。
(そうだ、今の俺にはμがついてる。μと一緒にいれば、くそチョコラータなんかといた時よりも、ずっとずっと楽しく過ごせるはずなんだよォ!)
自分に言い聞かせる様に、胸中で呟くセッコ。
今度こそ逃すわけにはいかない、μが齎してくれる幸福と安寧を。
そう―――μの傍にいる限り、自分不幸になることなんてあろうはずがないのだから。
今度こそ逃すわけにはいかない、μが齎してくれる幸福と安寧を。
そう―――μの傍にいる限り、自分不幸になることなんてあろうはずがないのだから。
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「……。」
主催本部エレベーター内。
偽りの仮面に覆われた楽士Lucidを伴って、テミスはGMが待つ階層へと向かっていた。
表面上は和やかな雰囲気を醸しながらも、テミスの心中は穏やかではなかった。
偽りの仮面に覆われた楽士Lucidを伴って、テミスはGMが待つ階層へと向かっていた。
表面上は和やかな雰囲気を醸しながらも、テミスの心中は穏やかではなかった。
(一体何を考えているつもりなのかしら……あの御方。)
彼女の心に去来するのは、つい先刻、会場内のとある参加者に起こった出来事である。
―――魔王ベルセリア。
自らをそのように名乗った、ベルベット・クラウの覚醒とその絶大なる力は、テミスの想定を遥かに上回るものであった。
琵琶坂永至の身におきた痣の発動や、鬼舞辻無惨と高坂麗奈に押し寄せたデジヘッド化については、多少のイレギュラーとして、彼女の中でも許容範囲だったのだが、ベルベット・クラウが見せた圧倒的なまでの力には、さしものテミスも危機感を覚えてしまった。
一歩間違えれば、この世界の創造主 たるμの存在すらも脅かしかねない、強大な脅威の出現。
これまで悠長に参加者達の闘争を見下していたテミスであったが、自らの安全圏を脅かすのではないかという焦燥が芽生え、彼女はGMに今後の対応とその真意について、問いただそうとしているのであった。
琵琶坂永至の身におきた痣の発動や、鬼舞辻無惨と高坂麗奈に押し寄せたデジヘッド化については、多少のイレギュラーとして、彼女の中でも許容範囲だったのだが、ベルベット・クラウが見せた圧倒的なまでの力には、さしものテミスも危機感を覚えてしまった。
一歩間違えれば、この世界の
これまで悠長に参加者達の闘争を見下していたテミスであったが、自らの安全圏を脅かすのではないかという焦燥が芽生え、彼女はGMに今後の対応とその真意について、問いただそうとしているのであった。
やがて、エレベーターは目的の階へ到着し、その扉が開かれる。
Lucidとテミスの眼前に拡がるのは、広大で無機質な部屋。
そして―――。
Lucidとテミスの眼前に拡がるのは、広大で無機質な部屋。
そして―――。
「―――失礼。GM、ゲームの進行についてお話があって、参りましたわ」
その奥に佇んでいるのは―――。
【死亡者29名 残り46名】
前話 | 次話 | |
Monster Hunter | 投下順 | Origin regression |