ムーンブルク城。
その地は二度、波乱の運命を遂げた地である。
その地は二度、波乱の運命を遂げた地である。
一度目は現実の世界。
邪教の者に襲われ、王女一人を残して廃墟となった地。
邪教の者に襲われ、王女一人を残して廃墟となった地。
二度目は幻の世界。
勝つことの許されない永遠の戦いを義務づけられた神なき地。
勝つことの許されない永遠の戦いを義務づけられた神なき地。
そして新たな世界。
この殺し合いの地において再び戦火が交わる。
この殺し合いの地において再び戦火が交わる。
○○○
屋根無き城、ムーンブルク城。
一見すると野ざらしで寒気を感じさせるが、城内は不思議と温かな空気に包まれている。
その秘密は城門に飾られたロトのかがり火の加護にある。
極寒のムーンブルクにおいても雪が積もる事なく生活することができる。
一見すると野ざらしで寒気を感じさせるが、城内は不思議と温かな空気に包まれている。
その秘密は城門に飾られたロトのかがり火の加護にある。
極寒のムーンブルクにおいても雪が積もる事なく生活することができる。
「解せんな」
城内の探索をしながら、ヴライは誰にも言うわけでなく呟いた。
戦いを重視するヴライから見れば、屋根が無いのは外敵に攻めて下さいと言っているようなものである。
にも関わらず、大いなる父が作り出したかのような罠の残骸や、ヤマトでも見たことのない程の大きさを誇るミナディン砲なる砲台がそびえている。
優れた技術を持つにも関わらず、守りが薄いといういびつさ。
不可解。印象としてはそんなところだ。
戦いを重視するヴライから見れば、屋根が無いのは外敵に攻めて下さいと言っているようなものである。
にも関わらず、大いなる父が作り出したかのような罠の残骸や、ヤマトでも見たことのない程の大きさを誇るミナディン砲なる砲台がそびえている。
優れた技術を持つにも関わらず、守りが薄いといういびつさ。
不可解。印象としてはそんなところだ。
そのいびつさの答えは、このムーンブルク城の歴史にある。
数十年、毎日、一度も休ませる事なくハーゴン教団に襲われ続け、勝つことの決して許されない日々。
勝てないからこそ、より安全に負ける文化が発達した。
数十年、毎日、一度も休ませる事なくハーゴン教団に襲われ続け、勝つことの決して許されない日々。
勝てないからこそ、より安全に負ける文化が発達した。
設計用語においてフェールセーフという言葉がある。
壊れる事を前提としたモノづくりの考え方だ。
事故が発生しても、致命的な障害とならないよう被害を最小限に食い止める。
致命的な破損を抑え、機能が維持できるようにしておく設計法である。
屋根が無いというのも、考え方を変えれば一つのフェールセーフだ。
震災などの災害において被害の大きい死因は崩壊した建物による圧死だと言われる。
屋根が無いというのはそれだけ被害が軽減される。
壊れる事を前提としたモノづくりの考え方だ。
事故が発生しても、致命的な障害とならないよう被害を最小限に食い止める。
致命的な破損を抑え、機能が維持できるようにしておく設計法である。
屋根が無いというのも、考え方を変えれば一つのフェールセーフだ。
震災などの災害において被害の大きい死因は崩壊した建物による圧死だと言われる。
屋根が無いというのはそれだけ被害が軽減される。
また、弱点が晒されているというのは、裏を返せば相手がどこから来るのか分かるということ。
ビルド達が行った様に、相手の進行方向にワナを張れば弱点は裏返り、攻撃手段へと変わる。
塀を乗り越えて上から侵入するものは、その間未防備となる。
弱点があることで、魔物が来る進行方向に合わせて罠を張ればカウンターを決められる。
攻められやすいからこそ、結果的に危険を減らせる。
ビルド達が行った様に、相手の進行方向にワナを張れば弱点は裏返り、攻撃手段へと変わる。
塀を乗り越えて上から侵入するものは、その間未防備となる。
弱点があることで、魔物が来る進行方向に合わせて罠を張ればカウンターを決められる。
攻められやすいからこそ、結果的に危険を減らせる。
侵入して来るならば、あらかじめトゲわなを貼ればいい。
飛び越えて来るならば、デインバリア打ち落せばいい。
などと、少しずつ迎撃手段を集めたのが今のムーンブルク城だ。
相手を油断させ、相手から攻めさせて、その隙を狙う。
大きな被害を食い止める為に、危険が少ない責められ方と、それを逆手に取った戦術を考えられてきた。
飛び越えて来るならば、デインバリア打ち落せばいい。
などと、少しずつ迎撃手段を集めたのが今のムーンブルク城だ。
相手を油断させ、相手から攻めさせて、その隙を狙う。
大きな被害を食い止める為に、危険が少ない責められ方と、それを逆手に取った戦術を考えられてきた。
デコポンポとの闘いにおいて、そうした敵の攻撃を誘う戦術を用いたオシュトルであれば、この城の仕組みに気づけたかもしれないが、策略や交渉を嫌うヴライがその発想に行き着くことはない。
もっともヴライがそのことを知ったとしても、つまらぬ小細工だと鼻で笑うだけだろうが。
もっともヴライがそのことを知ったとしても、つまらぬ小細工だと鼻で笑うだけだろうが。
ムーンブルク城、王座の間。
がら空きの王座と、背後にそびえ立つミナディン砲をしばし眺め、ヴライは部屋を後にする。
がら空きの王座と、背後にそびえ立つミナディン砲をしばし眺め、ヴライは部屋を後にする。
「……理解出来ぬ」
ミナディン砲は自衛の為のもの。
攻める為でなく、ムーンブルク王が民草を守る為に考えた力。
そのことをヴライが知ることは無い。
攻める為でなく、ムーンブルク王が民草を守る為に考えた力。
そのことをヴライが知ることは無い。
○○○
異国の城であろうと牢屋はある。
その粗末な作りは、ヤマトにてオシュトルを捕らえていた牢を彷彿とさせ、異国でも罪人への扱いは同じである事を感じさせる。
その粗末な作りは、ヤマトにてオシュトルを捕らえていた牢を彷彿とさせ、異国でも罪人への扱いは同じである事を感じさせる。
「……」
入口となる中庭が荒地となっていたことからこの近くで戦闘があったことは分かる。
他の参加者が隠れているかと思い覗きはしたものの、収穫は無い。
狭い地下の階段を身を屈めながら昇り、中庭へと戻って、
他の参加者が隠れているかと思い覗きはしたものの、収穫は無い。
狭い地下の階段を身を屈めながら昇り、中庭へと戻って、
死の水は ヴライが みがまえるまえにおそいかかってきた!
「タタリの類か」
タタリ。遺跡周辺に生息する不定形の生物。
目の前で蠢く死の水をそれに似たものだと判断する。
襲い掛かる水に合わせるように、剛腕を振るう。
目の前で蠢く死の水をそれに似たものだと判断する。
襲い掛かる水に合わせるように、剛腕を振るう。
「消えい!」
拳圧で飛び散った死の水は、拳の皮を僅かに焦がした。
酸のような痛みを感じるがその程度でヴライは動じない。
酸のような痛みを感じるがその程度でヴライは動じない。
死の水は多少怯みはしたものの、それでも襲いかかるのを止めない。
飛び散った水は再び集まろうとし、再びヴライの身を喰らわんとする。
ならばと、ヴライは距離を取り、炎の槍を発現させる。
タタリは決して倒せぬ不死の存在であるが弱点はある。
どれだけ攻撃を受けても意に返さないが、大きな音と光を苦手とする。
飛び散った水は再び集まろうとし、再びヴライの身を喰らわんとする。
ならばと、ヴライは距離を取り、炎の槍を発現させる。
タタリは決して倒せぬ不死の存在であるが弱点はある。
どれだけ攻撃を受けても意に返さないが、大きな音と光を苦手とする。
「むん!」
炎の槍を勢いよく投げつける。
水属性である死の水は、火の神の加護を持つヴライとの相性は最悪だ。
高熱を持ったそれは、死の水を貫き、その勢いのまま爆音を上げて、泉を破壊する。
燃え盛る炎は閃光のような輝きで中庭を焼き尽くし、砕けた瓦礫が死の水を石窯のように包み込む。
瓦礫を溶かすことも間に合わず、死の水は高温に晒されて次第に小さくなってゆく。
水属性である死の水は、火の神の加護を持つヴライとの相性は最悪だ。
高熱を持ったそれは、死の水を貫き、その勢いのまま爆音を上げて、泉を破壊する。
燃え盛る炎は閃光のような輝きで中庭を焼き尽くし、砕けた瓦礫が死の水を石窯のように包み込む。
瓦礫を溶かすことも間に合わず、死の水は高温に晒されて次第に小さくなってゆく。
「……つまらぬ」
戦闘と呼ぶにはあまりに味気ない。
ヴライの相手としては余りにも弱すぎた。
ヴライの相手としては余りにも弱すぎた。
○○○
場内を一通り見渡しても、参加者の姿は無かった。
既に闘いが終わっているならばこの場所に用は無い。
所々に破壊跡の残る城門から外に出る。
既に闘いが終わっているならばこの場所に用は無い。
所々に破壊跡の残る城門から外に出る。
「うがあああああああああああ!」
不意に悲鳴のような、ぐちゃぐちゃの感情をそのまま吐き出したような叫び声が辺りに響く。
破壊音を聞きつけたのか、大剣を携えこちらに向かって来る少年の姿が見える。
破壊音を聞きつけたのか、大剣を携えこちらに向かって来る少年の姿が見える。
「気狂いか」
自己の認識を失う者は戦場において珍しくはない。
“いきなり おそいかかってきた”少年シドーに向けてブライは炎の槍を発現する。
“いきなり おそいかかってきた”少年シドーに向けてブライは炎の槍を発現する。
ムーンブルク城門前。
ロトのかがり火に照らされる王家の紋章。
かつて平和を取り戻した証として掲げられたその目の前で、争いは再び起こる。
ロトのかがり火に照らされる王家の紋章。
かつて平和を取り戻した証として掲げられたその目の前で、争いは再び起こる。
○○○
少し前の時刻。
久美子達から離れるようにシドーは逃げだした。
誰とも会わぬことを望み、フラフラと弱々しく歩く。
何処へ向かうわけでも無かったが、視線の先に見覚えのある城が見えた。
久美子達から離れるようにシドーは逃げだした。
誰とも会わぬことを望み、フラフラと弱々しく歩く。
何処へ向かうわけでも無かったが、視線の先に見覚えのある城が見えた。
「この、城は……」
ムーンブルク城。
シドーが当初、目的地としていたそのエリア。
そこに偶然にも辿り着いた。
シドーが当初、目的地としていたそのエリア。
そこに偶然にも辿り着いた。
(ふむ、所々破壊されていますが、あの世界のものと全く同じですね……兵器の数々まで再現とはご丁寧なことで)
シドーの中にいるハーゴンは一人考える。
現実のムーンブルク城ではなく、幻の世界のムーンブルク城。
遠方からでもはっきりと見えるミナディン砲。破壊されてはいるが、所々ビルダーの作成した罠の残骸が散らばっていることもその裏付けとなる。
現実のムーンブルク城ではなく、幻の世界のムーンブルク城。
遠方からでもはっきりと見えるミナディン砲。破壊されてはいるが、所々ビルダーの作成した罠の残骸が散らばっていることもその裏付けとなる。
(テミスとμとやらが、あの世界のものを模倣したと考えるべきか)
思いつくのは幻の世界の様に、この世界も作られた世界ではないかということ。
0からものを作り上げるより、既にあるものを再現したほうが容易に出来るのをハーゴンはよく知っている。
ビルドもビルダーペンシルを使って丸ごと再現していたことや、ハーゴン自身もローレシア城やムーンブルク城などそのまま再現していたことを回想する。
0からものを作り上げるより、既にあるものを再現したほうが容易に出来るのをハーゴンはよく知っている。
ビルドもビルダーペンシルを使って丸ごと再現していたことや、ハーゴン自身もローレシア城やムーンブルク城などそのまま再現していたことを回想する。
(だが、作られた世界……となると)
脳裏に過ぎる、一抹の疑念。
幻の世界の住民達はハーゴンの作り物だ。
ならばこの世界で参加者として呼ばれた者達はどうなのか。
幻の世界の住民達はハーゴンの作り物だ。
ならばこの世界で参加者として呼ばれた者達はどうなのか。
自らの経験から考える。
幻の世界にはビルドやルル、船長、しろじい、モンばあのように現実世界より来た者もいる。
他にも旅の扉という手段を使い別の世界、別の時間のビルダーがからっぽ島に来たこともあった。
これらは、ハーゴン自身が侵入を許可したり、偶然迷い込んだり、手段を用いて入ってきている。
彼らが来ることに対して創造主であるハーゴンに代償は発生しない。
幻の世界にはビルドやルル、船長、しろじい、モンばあのように現実世界より来た者もいる。
他にも旅の扉という手段を使い別の世界、別の時間のビルダーがからっぽ島に来たこともあった。
これらは、ハーゴン自身が侵入を許可したり、偶然迷い込んだり、手段を用いて入ってきている。
彼らが来ることに対して創造主であるハーゴンに代償は発生しない。
ただ、これは向こうから来たり、迷い込んできた時の場合だ。
無理矢理呼び出すとなれば話が変わってくる。
例えば、破壊神シドーの召喚。
元々シドーはハーゴンの命ではなく、祈りと儀式によって異世界から召喚する予定であった。
自分の命を犠牲にせずとも召喚に成功していたが、あの場においてローレシアの王子達に倒されるというイレギュラーが入ったからこそ、ハーゴンは自分の命を引き換えにすることを選んだ。
無理矢理呼び出すとなれば話が変わってくる。
例えば、破壊神シドーの召喚。
元々シドーはハーゴンの命ではなく、祈りと儀式によって異世界から召喚する予定であった。
自分の命を犠牲にせずとも召喚に成功していたが、あの場においてローレシアの王子達に倒されるというイレギュラーが入ったからこそ、ハーゴンは自分の命を引き換えにすることを選んだ。
言ってしまえば、自分の命という犠牲を払ったからこそ破壊神を即座に呼び出すことに成功したのだ。
異世界から強制的に連れてくるというのはそれだけで代償の大きい行為であることをハーゴンは身をもって知っている。
異世界から強制的に連れてくるというのはそれだけで代償の大きい行為であることをハーゴンは身をもって知っている。
テミス達が何を望んで参加者達を集めたのか分からないが、単に殺し合いを見たいだけなら再現した者達を集めるだけで事足りる。
ハーゴンには幻のローレシア城の住民やムーンブルク王の様に現実の人物を再現した経験もある。
ならばテミスやμも、同様に実在人物を模倣して参加者を作り出している可能性も視野に入れる。
ハーゴンには幻のローレシア城の住民やムーンブルク王の様に現実の人物を再現した経験もある。
ならばテミスやμも、同様に実在人物を模倣して参加者を作り出している可能性も視野に入れる。
(可能性のひとつとしては考えておくとしましょうか)
その可能性が正しい場合、今宿っているシドーも偽りであるかもしれない。
ハーゴンはシドーを信仰している。しかしその信仰はシドーでは無く、シドーの持つ力に向けられたものだ。
少し未来において、悪霊の神々や少年シドーをゴミと呼んだように、ハーゴンは自分の役に立たない神に関しては軽視している。
逆に言えば、今宿っているシドーが破壊神として覚醒し、世界を破滅へと導くのであれば、偽りの神であろうと構わない。
ハーゴンはシドーを信仰している。しかしその信仰はシドーでは無く、シドーの持つ力に向けられたものだ。
少し未来において、悪霊の神々や少年シドーをゴミと呼んだように、ハーゴンは自分の役に立たない神に関しては軽視している。
逆に言えば、今宿っているシドーが破壊神として覚醒し、世界を破滅へと導くのであれば、偽りの神であろうと構わない。
(もしかしたら私も幻なのかもしれんが……)
脳裏に過ぎる、自分も再現された存在であったとしたらという可能性。
少年シドーを再現するうえで一緒に付いてきた付属品。
だとするならばだ、自分が実体化出来ないのも裏付ける。
ほんの少し考えて。
少年シドーを再現するうえで一緒に付いてきた付属品。
だとするならばだ、自分が実体化出来ないのも裏付ける。
ほんの少し考えて。
(……まあ、そこに関してはもう、どーでもいい)
自分が幻であったとしてもハーゴンとしては、もう、どっちでもいい。
ハーゴンは既に亡霊の身。幻の世界でしか存在しえぬもの。
それは、本物でも偽物でも、どのみち変わらない。
肉体も、夢も、愛も、信念も既に無に帰った。
彼の物語は既に終わっている。
ハーゴンは既に亡霊の身。幻の世界でしか存在しえぬもの。
それは、本物でも偽物でも、どのみち変わらない。
肉体も、夢も、愛も、信念も既に無に帰った。
彼の物語は既に終わっている。
(破壊神様、早くお目覚めになってください)
自虐的に、自暴自棄に、嗤う。
ハーゴンは自分の過去を語らない。
分かることは、仲間もおらず、ただ一人で教団を築き上げ、国々を脅かす程の軍事力を身に着け、悪霊の神々を従えたということのみ。
ハーゴンは自分の過去を語らない。
分かることは、仲間もおらず、ただ一人で教団を築き上げ、国々を脅かす程の軍事力を身に着け、悪霊の神々を従えたということのみ。
彼が何を思い世界の破滅を目指したのかは推測しか出来ない。
敗北した彼の思いは、冒険の書に載ることは無く、世に伝わるのは勇者に倒されたという事実だけ。
敗北した彼の思いは、冒険の書に載ることは無く、世に伝わるのは勇者に倒されたという事実だけ。
生きていた頃であれば、破壊神の力で自分の理想の世界を作り出すこと望んだかもしれない。
それは、幻のローレシア城のように誰もが自分と、自分の教団を崇拝する夢の世界。
そんな理想を追い求めていたかもしれない。
それは、幻のローレシア城のように誰もが自分と、自分の教団を崇拝する夢の世界。
そんな理想を追い求めていたかもしれない。
しかし、それは死した今は望めぬもの。
理想を追えぬ今、唯一残ったものは狂気とも言える破滅への執念だけ。
ローレシアも、サマルトリアも、ムーンブルクも、自分の教団も、その教えも、なにもかも消して、自分も消える。それだけを胸に。
ローレシアも、サマルトリアも、ムーンブルクも、自分の教団も、その教えも、なにもかも消して、自分も消える。それだけを胸に。
破滅の願いが叶った時にハーゴンは幸せなのか。
心の奥に踏み込むものは、いない。
心の奥に踏み込むものは、いない。
(む……)
ムーンブルクに戦火が上がる。
遠目に見える炎。燃え盛る爆風と爆音は、シドーの破壊の意思を助長させる。
かつてビルドと共に復興させたムーンブルク。
それを壊されるたびに、シドーの黒い衝動は増してゆく。
遠目に見える炎。燃え盛る爆風と爆音は、シドーの破壊の意思を助長させる。
かつてビルドと共に復興させたムーンブルク。
それを壊されるたびに、シドーの黒い衝動は増してゆく。
「や、やめろ……」
幾ら抑えようと、破壊神からは逃げられない。
それはシドー自身にも当てはまる。
運命からは決して逃れられない。
それはシドー自身にも当てはまる。
運命からは決して逃れられない。
(ふむ丁度良いですね、実験といきましょうか)
「うがあああああああああああ!」
○○○
「むぅん!」
炎の槍をシドーへと投擲する。
並みの人間であれば、それだけで終わりだ。
先ほどの死の水のように全身を燃やし尽くされて死へと至る。
並みの人間であれば、それだけで終わりだ。
先ほどの死の水のように全身を燃やし尽くされて死へと至る。
シドーは意に返さず、ヴライの元へと走りながら、大剣の側面で弾きとばす。
破壊神シドーはもとより、"はげしいほのお"といった業火を扱う神だ。
破壊神として目覚めかけている少年シドーにも今、その耐性が身についている。
普通の人間であればともかく、これだけでは致命傷にはならない。
瞬く間に肉薄し、ヴライへと大剣が振り下ろされる。
ヴライは脚を滑らせるよう半歩下がり回避。
そのまま上半身を回すように勢いを付けて豪腕を振りかざす。
隙を付いて横腹を狙い、拳を思い切り叩きつける。
破壊神シドーはもとより、"はげしいほのお"といった業火を扱う神だ。
破壊神として目覚めかけている少年シドーにも今、その耐性が身についている。
普通の人間であればともかく、これだけでは致命傷にはならない。
瞬く間に肉薄し、ヴライへと大剣が振り下ろされる。
ヴライは脚を滑らせるよう半歩下がり回避。
そのまま上半身を回すように勢いを付けて豪腕を振りかざす。
隙を付いて横腹を狙い、拳を思い切り叩きつける。
「ぐっ、は」
全身の筋肉をフルに使った暴力。
“ちから”を見れば、ボストロールやアトラス、それ以上に匹敵するであろう豪腕のヴライ。
よく鍛え抜かれ、しなやかさを持つ筋肉はその力強さを存分に伝える。
体技により上乗せされた力は、シドーといえど喰らえばダメージは大きい。
“ちから”を見れば、ボストロールやアトラス、それ以上に匹敵するであろう豪腕のヴライ。
よく鍛え抜かれ、しなやかさを持つ筋肉はその力強さを存分に伝える。
体技により上乗せされた力は、シドーといえど喰らえばダメージは大きい。
(単に力を振り回すだけでなく、技術も併せ持っていますか、どっかの王子様を彷彿させる……)
巨体を誇るヴライであるが、その動きは決して力任せでなく、実に練られていることが分かる。
ハーゴンの脳裏に浮かぶのは憎き、ローレシアの王子。
かつて魔法の力に頼らず、鍛え抜いた己の力と技術のみで破壊神を破壊した勇者の血族。
ハーゴンの脳裏に浮かぶのは憎き、ローレシアの王子。
かつて魔法の力に頼らず、鍛え抜いた己の力と技術のみで破壊神を破壊した勇者の血族。
一方のシドーは技術も無く、力任せに大剣を振り回すのみ。
闇雲に襲ってくる魔物達を倒してきた経験は数多くあれど、鍛錬を積んだ人間を相手にしたことはない。
一撃の威力はあれどシドーの攻撃は当たらず、意味を成さない。
闇雲に襲ってくる魔物達を倒してきた経験は数多くあれど、鍛錬を積んだ人間を相手にしたことはない。
一撃の威力はあれどシドーの攻撃は当たらず、意味を成さない。
(ふん……)
身の丈以上の大剣を振り回す姿に、ヴライは亡き皇女の姿を彷彿とさせるがそれも一瞬のこと。
確かに威力はあれど、あまりに攻撃のパターンが少ない。皇女とは似ても似つかない戦い方だ。
僅かながら期待はしていたが、手口が分かれば相手にならない。
確かに威力はあれど、あまりに攻撃のパターンが少ない。皇女とは似ても似つかない戦い方だ。
僅かながら期待はしていたが、手口が分かれば相手にならない。
(弱者よ)
口に出すことすらなく、落胆する。
己の力に振り回されるばかりで練度がまるで足りていない。
力を扱うとはこういうことだと、分からせるかのようにハンマーの様な豪腕を振りかざす。
シドーは思わず、大剣を盾換わりにして防ぐ。
それでも勢いは殺せず、剣が悲鳴を上げ、シドーごと壁に叩き付けられる。
己の力に振り回されるばかりで練度がまるで足りていない。
力を扱うとはこういうことだと、分からせるかのようにハンマーの様な豪腕を振りかざす。
シドーは思わず、大剣を盾換わりにして防ぐ。
それでも勢いは殺せず、剣が悲鳴を上げ、シドーごと壁に叩き付けられる。
「が、……ぐ……」
常人ならば死に至る程の衝撃。
それでもなお、シドーは戦うのを辞めない。
死を求む破壊神としての意思が、壊したいという衝動が、シドーの意思に関係なくその身体を動かす。
それでもなお、シドーは戦うのを辞めない。
死を求む破壊神としての意思が、壊したいという衝動が、シドーの意思に関係なくその身体を動かす。
「うがあああああ!」
再び、ヴライ目掛けて疾走。
この戦況、“すばやさ”で言えばヴライより僅かながらシドーが上に行った。
ムーンブルクというロケーションは彼の味方をする。
ビルドと共に再興したこの地形は嫌でも頭に入っている。
それは暴走している状態でも変わらない。
地の利で言えば、シドーにある。
この戦況、“すばやさ”で言えばヴライより僅かながらシドーが上に行った。
ムーンブルクというロケーションは彼の味方をする。
ビルドと共に再興したこの地形は嫌でも頭に入っている。
それは暴走している状態でも変わらない。
地の利で言えば、シドーにある。
屋根の無い部屋壁を利用した、立体的な攻撃。
家具を足場に高所から跳躍し、勢いを付けたままヴライへと剣を叩きつける。
しかし、"疾さだけでどうにかなるほどヴライは甘くない"。
大きく振りかぶり、弧を描いた剣の軌道に合わせてヴライは炎の槍を投合。
シドーは衝撃で打ち落とされ、剣は空気を裂くのみで終わる。
家具を足場に高所から跳躍し、勢いを付けたままヴライへと剣を叩きつける。
しかし、"疾さだけでどうにかなるほどヴライは甘くない"。
大きく振りかぶり、弧を描いた剣の軌道に合わせてヴライは炎の槍を投合。
シドーは衝撃で打ち落とされ、剣は空気を裂くのみで終わる。
○○○
(……少々マズイ状況か)
破壊神とはいえ、今のシドーは力を完全に取り戻していない。
完全に目覚める前に、死亡なんてことになれば目も当てられない。
完全に目覚める前に、死亡なんてことになれば目も当てられない。
(私が 少しだけ チカラをおかししましょう)
「うっ、……がっ、あああああ!」
ハーゴンはムーンペタのときのように、シドーの衝動をさらに助長させる。
次第にシドーの全身にオーラが漂い、その力を向上させた。
次第にシドーの全身にオーラが漂い、その力を向上させた。
”シドーが パワーアップした!”
それは、普段のシドーが纏う光り輝くオーラではない。
破壊神シドーが纏う闇のオーラだ。
破壊神シドーが纏う闇のオーラだ。
「……貴様もか」
ヴライから見れば、既視感のある光景だ。
先ほど戦った少女、天本彩名のような輝きを纏っていたのだから。
カタルシスエフェクト・オーバードーズと呼ばれる帰宅部員の切り札。
リミットを解除し、欲望のタガを解除することで使用者を解除する技。
自分を保っていられぬほどに心の力を暴走させて到れる領域。
先ほど戦った少女、天本彩名のような輝きを纏っていたのだから。
カタルシスエフェクト・オーバードーズと呼ばれる帰宅部員の切り札。
リミットを解除し、欲望のタガを解除することで使用者を解除する技。
自分を保っていられぬほどに心の力を暴走させて到れる領域。
ならば、破壊衝動を抑えきれず、自分を保てなくなっているシドーがその領域に至れない理由はない。
シドーに支給された響健介の大剣。
カタルシスエフェクトの力を再現したその剣はシドーの溢れる衝動を受け止めた。
偶然にも擬似的なカタルシスエフェクトオーバードーズへの引き起こす引き金となる。
シドーに支給された響健介の大剣。
カタルシスエフェクトの力を再現したその剣はシドーの溢れる衝動を受け止めた。
偶然にも擬似的なカタルシスエフェクトオーバードーズへの引き起こす引き金となる。
シドーの衝動を受け止め、カタルシスエフェクトは変異する。
より巨大に。銀に輝いていた刀身は黒く禍々しく染まっていく。
名を付けるならば”魔王の剣”とでも呼ぶべきであろうか。
より巨大に。銀に輝いていた刀身は黒く禍々しく染まっていく。
名を付けるならば”魔王の剣”とでも呼ぶべきであろうか。
過剰強化されたシドーをヴライは向かい打つ。
形勢は互角。威力も反応速度も更に向上。
いくら技術の無い、獣の様な闘いをするシドーであれ本能を解放すれば打ち合える。
形勢は互角。威力も反応速度も更に向上。
いくら技術の無い、獣の様な闘いをするシドーであれ本能を解放すれば打ち合える。
「があああああああああ!」
再び振るわれる豪腕と大剣。
繰り返すように再び鍔迫り合い。
ヴライの拳とシドーの剣が重なった瞬間。
繰り返すように再び鍔迫り合い。
ヴライの拳とシドーの剣が重なった瞬間。
ヴライの目の前からシドーが消えた。
それは、ほんの一瞬。
瞬きにも満たない程の時間。
それだけの間に、シドーはヴライの真横を瞬時に駆け抜けた。
瞬きにも満たない程の時間。
それだけの間に、シドーはヴライの真横を瞬時に駆け抜けた。
「む…」
その剛腕に裂傷を負わせて。
ムーンブルクの構造と同じ。
攻撃させるからこそ相手の隙を生み出し、反撃技が決まる。
カウンターは、大剣の持ち主である響健介が得意とする戦い方だ。
カタルシスエフェクトを再現したその武器に、彼の意志がほんのわずかに残っていたのか。
“ブラックカウンティング”による防御からの”イニシアチブネイル”による反撃。
シドーが無意識に行った技は偶然にもその動きとよく似ていた。
全力を出し合う戦いの中、足りない戦闘技術が呼び出された。
攻撃させるからこそ相手の隙を生み出し、反撃技が決まる。
カウンターは、大剣の持ち主である響健介が得意とする戦い方だ。
カタルシスエフェクトを再現したその武器に、彼の意志がほんのわずかに残っていたのか。
“ブラックカウンティング”による防御からの”イニシアチブネイル”による反撃。
シドーが無意識に行った技は偶然にもその動きとよく似ていた。
全力を出し合う戦いの中、足りない戦闘技術が呼び出された。
ヴライは身体を反転させ、シドーへと振り返る。
その僅かな時間に、シドーは追撃せんと攻撃を連鎖させる。
大剣を振りかざし衝撃波が放たれ、形となりて壁のように取り囲んだ。
“ネヴァーランドディスコード”、響健介のオーバードーズスキル。
相手の逃走路を奪い、大剣を叩きつける大技。
跳躍し、今まさにヴライの頭部を破壊せんと跳ねた。
シドーの中に過剰に蓄積された破壊衝動が一気に解放される。
身動きを封じられたヴライは、拳で受ける他ない。
その僅かな時間に、シドーは追撃せんと攻撃を連鎖させる。
大剣を振りかざし衝撃波が放たれ、形となりて壁のように取り囲んだ。
“ネヴァーランドディスコード”、響健介のオーバードーズスキル。
相手の逃走路を奪い、大剣を叩きつける大技。
跳躍し、今まさにヴライの頭部を破壊せんと跳ねた。
シドーの中に過剰に蓄積された破壊衝動が一気に解放される。
身動きを封じられたヴライは、拳で受ける他ない。
「ぬぅううん!!!」
拳と剣がぶつかり合う。
シドーの”魔王の剣”は衝動を蓄え、大きさも重さも増していく
受け止めるヴライの拳もまた、それに負けじと炎を燃え滾らせる。
両者ともに一歩も譲らない。
空気を振るわせ、衝撃波が辺りに鳴り響く。
シドーの”魔王の剣”は衝動を蓄え、大きさも重さも増していく
受け止めるヴライの拳もまた、それに負けじと炎を燃え滾らせる。
両者ともに一歩も譲らない。
空気を振るわせ、衝撃波が辺りに鳴り響く。
「ぬおおおおおおおッ!!」
「おおおおおおおぉッ!!」
「おおおおおおおぉッ!!」
獣の様な咆哮が挙げる。
地鳴りを引き起こし、城の一部が崩れ去る。
膠着したエネルギーは互いの身体を弾き飛ばした。
地鳴りを引き起こし、城の一部が崩れ去る。
膠着したエネルギーは互いの身体を弾き飛ばした。
「ぐっ……」
互いに城壁に叩きつけられ、瓦礫の山を生み出す。
それでも戦いは終わらない。漢二人は再び立ち上がり、同時に疾走。
この戦いは、どちらかが死に至るまで続く。
殴打と斬撃を重ねていき、幾度かの打ち合いが過ぎた際。
それでも戦いは終わらない。漢二人は再び立ち上がり、同時に疾走。
この戦いは、どちらかが死に至るまで続く。
殴打と斬撃を重ねていき、幾度かの打ち合いが過ぎた際。
ピシリという乾いた音が鳴った。
「貴様……」
崩れてゆく、音を立てて。
ヴライの仮面には亀裂が走っていた。
ヴライの仮面には亀裂が走っていた。
「帝より賜わりし仮面に何をした!」
シドーはまだ未熟である。
単純な力勝負であれば、この会場において平和島静雄やヴライには叶わない。
だが、破壊することに関して言えばシドーの右に出るものは居ない。
仮面とはオンヴィタイカヤン、すなわちヒトが作った"モノ"。
ならば破壊を司る神が、壊せぬ道理は無い。
先程の打ち合いによる衝撃波。
シドーの溢れんばかりの破壊衝動は仮面にすらも影響した。
単純な力勝負であれば、この会場において平和島静雄やヴライには叶わない。
だが、破壊することに関して言えばシドーの右に出るものは居ない。
仮面とはオンヴィタイカヤン、すなわちヒトが作った"モノ"。
ならば破壊を司る神が、壊せぬ道理は無い。
先程の打ち合いによる衝撃波。
シドーの溢れんばかりの破壊衝動は仮面にすらも影響した。
シドーは再び剣を構え、今度こそヴライの命を狩らんとする。
迎え撃つヴライの手に纏っていた炎は、先程までとは違い小さきもの。
破損した仮面では十分な威力を発揮出来ず、炎への耐性があるシドーには火傷すら追わせられない。
迎え撃つヴライの手に纏っていた炎は、先程までとは違い小さきもの。
破損した仮面では十分な威力を発揮出来ず、炎への耐性があるシドーには火傷すら追わせられない。
この殺し合いが始まり12時間、ヴライはずっと仮面を付けていた。
仮面によって強化された動きに慣れてしまったヴライの身体は、彼の想定よりもほんの少し遅れが生じてしまう。
その僅かな隙を破壊神は見逃さなかった。
仮面によって強化された動きに慣れてしまったヴライの身体は、彼の想定よりもほんの少し遅れが生じてしまう。
その僅かな隙を破壊神は見逃さなかった。
襲い来るヴライの右拳をひらりとみをかわし、魔王の剣を振りかざす。
袈裟掛けに線を描きヴライの胸元を―――
袈裟掛けに線を描きヴライの胸元を―――
「むん!」
剣は、構えていた左拳で受け止められた。
ヴライは武功を積んだことで仮面を授かった。
それは数々の武勇と八柱将に選ばれる程の強さがあるからこそだ。
仮面はあくまで装備品であり、戦闘経験に関してはヴライ自身が身につけたもの。
武士として幾多の修羅場を潜り抜けたからこそ、考えるより速く身体が動く。
破壊神の斬撃すらも上回る程に。
それは数々の武勇と八柱将に選ばれる程の強さがあるからこそだ。
仮面はあくまで装備品であり、戦闘経験に関してはヴライ自身が身につけたもの。
武士として幾多の修羅場を潜り抜けたからこそ、考えるより速く身体が動く。
破壊神の斬撃すらも上回る程に。
シドーが技を身に着けようと関係ない。
亡き皇女の様に太剣の鍛錬を積んだ訳で無い。先ほどのはただのまぐれ当たりだ。二度は無い。
百戦錬磨のヴライに付け焼き刃の技など通用しない。
亡き皇女の様に太剣の鍛錬を積んだ訳で無い。先ほどのはただのまぐれ当たりだ。二度は無い。
百戦錬磨のヴライに付け焼き刃の技など通用しない。
「……つまらぬ小細工だ」
帝を傷つけたことを死を持って償わせるよう、ヴライは一歩一歩近づいてゆく。
ズシリと、音を立てて死が近づく。
シドーには、もはや打つ手は無い。
理性を失っても分かるほどの死への威圧。それを感じ取ったのかシドーの身体は動かない。
"Zone of Control"、この状況はもうヴライが支配した。逃げることは叶わない。
ズシリと、音を立てて死が近づく。
シドーには、もはや打つ手は無い。
理性を失っても分かるほどの死への威圧。それを感じ取ったのかシドーの身体は動かない。
"Zone of Control"、この状況はもうヴライが支配した。逃げることは叶わない。
その時、不意にヴライは身体がしびれるような感覚を感じた。
「呪法か」
(薄々分かっていましたが、効果は薄いかっ……!)
(薄々分かっていましたが、効果は薄いかっ……!)
それは、過去にサマルトリアの王子を病に追い込んだハーゴンの呪い。
本来であれば、遠くからでも人を呪い殺す力を持つハーゴンであるが、それは元より本拠地であるロンダルキアでなければ効果の薄い術だ。
この殺し合いの場において十分な発動は不可能。
ヴライは力を込めるだけでその呪いをかき消した。
鎖の巫、ウルゥル・サラァナの大封印オンリィヤークすらも跳ねのけたヴライに即興の呪術など気休めにもならない。
本来であれば、遠くからでも人を呪い殺す力を持つハーゴンであるが、それは元より本拠地であるロンダルキアでなければ効果の薄い術だ。
この殺し合いの場において十分な発動は不可能。
ヴライは力を込めるだけでその呪いをかき消した。
鎖の巫、ウルゥル・サラァナの大封印オンリィヤークすらも跳ねのけたヴライに即興の呪術など気休めにもならない。
「我が前から消え失せい!」
仮面は帝の遺品。
ヴライにとって帝を傷付けたも同然である。
その怒りは収まらず、業火となりて拳に纏いつく。
シドーは大剣を盾にするも、勢いは止まらない。付け焼き刃のカウンターでは防ぎようもない程に。
シドーの身体は宙を舞い、やがて地面へと叩き付けられる。
ヴライにとって帝を傷付けたも同然である。
その怒りは収まらず、業火となりて拳に纏いつく。
シドーは大剣を盾にするも、勢いは止まらない。付け焼き刃のカウンターでは防ぎようもない程に。
シドーの身体は宙を舞い、やがて地面へと叩き付けられる。
「ガハ……つ」
勢いは叩きつけられた後も収まらず、大砲を撃ち込んだ様に石床を陥没させる。
地盤が崩れるほどの一撃を直に受けて、シドーの身体は土の中へと沈んでいった。
遺体を確認するまでもない。
戦いを終えたヴライは次なる相手を求め、ムーンブルクを後にした。
地盤が崩れるほどの一撃を直に受けて、シドーの身体は土の中へと沈んでいった。
遺体を確認するまでもない。
戦いを終えたヴライは次なる相手を求め、ムーンブルクを後にした。
○○○
…
………
………………
………………………………
………………………………………………………………
「……ここは、どこだ」
どれだけ時間が過ぎたか。
気を失い、倒れていたシドーは目を覚ます。
ムーンブルク地下牢。ビルドと絶交するきっかけになった忌まわしき場所。
土に飲まれたシドーは偶然にもその空間へと落ちた。
気を失い、倒れていたシドーは目を覚ます。
ムーンブルク地下牢。ビルドと絶交するきっかけになった忌まわしき場所。
土に飲まれたシドーは偶然にもその空間へと落ちた。
周囲は薄暗く、周りの状況が掴めない。
本来部屋を照らすろうそくの炎は、崩壊に巻き込まれ消えかけている。
本来部屋を照らすろうそくの炎は、崩壊に巻き込まれ消えかけている。
「……ド」
近くに何かの気配を感じた。
暗がりでよく見えないが、何者かに触られている感覚。
それはバブルスライムの毒を受けた様な、冷たさと肌が焼ける感覚。
暗がりでよく見えないが、何者かに触られている感覚。
それはバブルスライムの毒を受けた様な、冷たさと肌が焼ける感覚。
「や、やめろ!オレに近づくな!」
激痛が走る身体に鞭を打ち、立ち上がる。
衝動のままに大剣を拾い、思わず払いのけた。
衝動のままに大剣を拾い、思わず払いのけた。
「なんだ……?魔物か……?」
シドーの顔に生暖かい液体がかかる。
その熱にゆっくりと冷静さを取り戻し、耳をすませる。
その熱にゆっくりと冷静さを取り戻し、耳をすませる。
「……な、……て」
声が聞こえた。
「シ、ドー」
何度も聞いてきた、この場では聞きたくない声。
いや、そんなはずはない。と首を振る。
元々ムーンブルクで合流することは考えていたが、こんな時に、こんな状況で会うことは望んでいない。
いや、そんなはずはない。と首を振る。
元々ムーンブルクで合流することは考えていたが、こんな時に、こんな状況で会うことは望んでいない。
道具の中に懐中電灯なる"あかり"が入っていた事を思い出す。
聞き間違いだと信じたくて、そっと照らした。
聞き間違いだと信じたくて、そっと照らした。
「あ……ああああああああああ!」
その顔は紛れもなくビルドのものであった。
腹部を見れば、致命傷であることは分かる。
誰が怪我を負わせたのか、なんて考えるまでもない。
腹部を見れば、致命傷であることは分かる。
誰が怪我を負わせたのか、なんて考えるまでもない。
「違う……オレはそんなつもりじゃ!」
マリアのときと違い、ビルドはまだ生きている。
間に合うはずだ、何か方法は無いかと、デイバックをひっくり返して何か無いかと漁る。
ひらりとしたものが目に入った。
くすりの葉。マリアへと渡した物の余りだ。
それはビルドがやくそうを作る際に使っていた材料でもある。
間に合うはずだ、何か方法は無いかと、デイバックをひっくり返して何か無いかと漁る。
ひらりとしたものが目に入った。
くすりの葉。マリアへと渡した物の余りだ。
それはビルドがやくそうを作る際に使っていた材料でもある。
「ビルド、少し待ってろ!」
破壊しかできない自分にモノづくりはできない。それは分かりきっている。
だけどやるしかない。もう自分のせいで人を殺すのは嫌だった。
だけどやるしかない。もう自分のせいで人を殺すのは嫌だった。
「オレなら……オレなら、必ずやれる」
ビルドの為に初めての創造を行う。
転がる瓦礫を作業台代わりにくすりの葉を広げる。
転がる瓦礫を作業台代わりにくすりの葉を広げる。
「まだだ、次こそ絶対に」
誰よりも近くでビルドのモノづくりを見てきたシドー。
ビルドのやり方を真似るように、見様見真似で作り上げる。
何度も失敗し、手を痛めながら。
ビルドのやり方を真似るように、見様見真似で作り上げる。
何度も失敗し、手を痛めながら。
「ぐああああああああああぉああああーーーーーーー!」
“やくそう を手に入れた”
「ハハハ、出来た、出来たぜ…ビルド、オレにもやくそうが作れ……」
やくそうを手にビルドの元へ。
そして気付く。気づきたくない。
ぞっとするほどに冷たくなった身体。
やくそうは死にゆく者には使えない。
そして気付く。気づきたくない。
ぞっとするほどに冷たくなった身体。
やくそうは死にゆく者には使えない。
「……シドー」
ビルドは、生気の無い目でただシドーを眺めて。
「……なんで」
マリア・キャンベルと同じく、殺されたことに困惑するような最期の言葉を呟き、それっきり動かなくなった。
「あ……」
“返事がない。
ただの しかばねのようだ…。”
ただの しかばねのようだ…。”
オレが、ビルドを、殺した?
間に合わなかった
マリアのように
そうです、あなたが殺したのです、破壊神様
違う
また幻じゃないのか
なんでよ……何でこんなことするの……?
これが貴方の本質ですよ、破壊神様
なんで、どうして
ねえどんな気持ち?大事なお友達ぶっ殺して、今どんな気持ち?
違う違う違う!
運命からは逃れられません、決して
○○○
「……地鳴りか?」
どくん。
地面が震える。
鼓動のように地面が脈を打つ。
背後より、殺気の溢れた存在感を感じ取る。
それは、仮面の者であるヴライがよく知っている気迫。
鼓動のように地面が脈を打つ。
背後より、殺気の溢れた存在感を感じ取る。
それは、仮面の者であるヴライがよく知っている気迫。
「貴様も、貴様もか……!」
一目散にムーンブルクへと戻る。
"あれ"は倒さねばならない相手だと、即座に理解した。
"あれ"は倒さねばならない相手だと、即座に理解した。
どくん、どくん。
空間が、歪んでいく。
シドーが埋まった地の真上。何も無かった場所に魔力が集まり黒に染まりゆく。
その空間は鼓動を打ち、胎動の如く地を揺らす。
シドーが埋まった地の真上。何も無かった場所に魔力が集まり黒に染まりゆく。
その空間は鼓動を打ち、胎動の如く地を揺らす。
こじ開ける様に地面から飛び出すは、禍々しきウデ。
蛇のように艶かしく、見るだけで死へと誘わんとする。
そしてそれは巨体を誇るヴライの、その数倍もあるほどの大きさを誇っていた。
蛇のように艶かしく、見るだけで死へと誘わんとする。
そしてそれは巨体を誇るヴライの、その数倍もあるほどの大きさを誇っていた。
「貴様もその力を使うかああああ!」
それは仮面よりウィツァルネミテアの力を引き出すヴライだからこそ分かる。
同じく神の力を呼び出したのだと。
ヴライ以上の”剛腕”を構え、少年―――
同じく神の力を呼び出したのだと。
ヴライ以上の”剛腕”を構え、少年―――
―――破壊神シドーはこの城に降臨した。
○○○
(いかがでしたか?破壊神様。生贄のお味は)
破壊神の心の奥。
その中で大神官は満足そうに嗤う。
その中で大神官は満足そうに嗤う。
(一時はどうなることかと思いましたが、丁度良い所に"スライム"がいて助かりました。)
ハーゴン教団は姿を変える術を得意とする。
ムーンブルクの王女を犬の姿へと変えたハーゴン。
光線を当てた相手を石像に変える乙女メドーサボール。
ムーンブルクの兵士に化け、内部から人間関係を破壊したハーゴンの騎士。
リックにシルバーデビルの身体を与えた悪魔神官。
など自他問わずその身体を作り替える事が出来る。
ムーンブルクの王女を犬の姿へと変えたハーゴン。
光線を当てた相手を石像に変える乙女メドーサボール。
ムーンブルクの兵士に化け、内部から人間関係を破壊したハーゴンの騎士。
リックにシルバーデビルの身体を与えた悪魔神官。
など自他問わずその身体を作り替える事が出来る。
ハーゴンがやったこともその応用。
“死の水”の外見を”ビルド”の姿へと変えた。
“死の水”の外見を”ビルド”の姿へと変えた。
先の戦いで高熱に晒された死の水は、蒸発を防がんと、少しづつ地下へと流れ込んで退避していた。
だが、死の水は術者の指示に従い動く存在。
メアリの指示により人を襲うことを命じられているが為に、シドーを発見した死の水は自分の保身より襲うことを優先する。気を失っていたシドーを飲み込まんと近づいたその瞬間、ハーゴンの呪いにより姿を変えられた。
本調子でない呪いでも相手が弱っているならば効果は十分に発揮する。
だが、死の水は術者の指示に従い動く存在。
メアリの指示により人を襲うことを命じられているが為に、シドーを発見した死の水は自分の保身より襲うことを優先する。気を失っていたシドーを飲み込まんと近づいたその瞬間、ハーゴンの呪いにより姿を変えられた。
本調子でない呪いでも相手が弱っているならば効果は十分に発揮する。
そしてハーゴンはシドーが気を失っている内に身体の主導権を握り、支給品を取り出す。
ガイド役のプレート。シドーにはまだ馴染みが無く、ただの板切れだと判断していたものだが、本来はビルドが異世界のビルダーを招く際に使う家具だ。
特定の者に登録したセリフを喋らせるという、本来は玩具のようなもの。
ガイド役のプレート。シドーにはまだ馴染みが無く、ただの板切れだと判断していたものだが、本来はビルドが異世界のビルダーを招く際に使う家具だ。
特定の者に登録したセリフを喋らせるという、本来は玩具のようなもの。
ハーゴンはマリアを殺した際の心的外傷を再起させる様に、彼女の最期の言葉を登録しておいた。
薄暗いこの状況ならば、設置してあることにシドーは気づかない。
シドーの目にはあの時のことが再び繰り返されたかのように映っただろう。
薄暗いこの状況ならば、設置してあることにシドーは気づかない。
シドーの目にはあの時のことが再び繰り返されたかのように映っただろう。
(しかし、妙な……)
破壊の対極にあるビルドを自らの手で殺してしまうというのはそれだけで破壊神として覚醒出来る行為だと予想していた。
それ自体は成功したが、ハーゴンが想定していたよりも破壊神としての力が低い。
目覚めてしまえば、この惑星ごと破壊してしまえるかと思ったが、そういう訳でもない。
それ自体は成功したが、ハーゴンが想定していたよりも破壊神としての力が低い。
目覚めてしまえば、この惑星ごと破壊してしまえるかと思ったが、そういう訳でもない。
(ふむ……私としたことが先走りすぎたか……或いは破壊神様自身か、この世界そのものが力を押さえ付けているか……)
この世界において正規の力が発揮できぬ者は多い。
破壊神様もそうかもしれぬと苦々しく思い、ハーゴンは再び静観に回る。
破壊神様もそうかもしれぬと苦々しく思い、ハーゴンは再び静観に回る。
○○○
力と力。
災害と災厄。
ヒムカミと破壊神。
神の力を根源とする者同士の闘い。
災害と災厄。
ヒムカミと破壊神。
神の力を根源とする者同士の闘い。
破壊し合うエネルギーは、周り全てを破壊していく。
幾多の魔物達の猛攻を受け止めてきた要塞はただの砂へと帰る。
攻撃の衝撃だけで、ビルド達が苦労して作り上げたムーンブルク城は塵山のように崩れ去る。
拮抗した破壊の意思は、城壁を削り取り、雪原を溶かし、死の大地へと変える。
互いに全霊を破壊尽くさんと荒れ狂う。
空が割れる。炎が舞う。
ここまで来たら、もう誰にも抑えられない。
幾多の魔物達の猛攻を受け止めてきた要塞はただの砂へと帰る。
攻撃の衝撃だけで、ビルド達が苦労して作り上げたムーンブルク城は塵山のように崩れ去る。
拮抗した破壊の意思は、城壁を削り取り、雪原を溶かし、死の大地へと変える。
互いに全霊を破壊尽くさんと荒れ狂う。
空が割れる。炎が舞う。
ここまで来たら、もう誰にも抑えられない。
この戦いは、どちらかが戦闘不能になるまで続く。
神々の最終戦争とはそういうものだ。
神々の最終戦争とはそういうものだ。
破壊神の口から業火が放たれる。
ヴライはヒムカミの加護により炎を纏い、受け流す。
飛び散った燃え盛る炎がムーンブルク中を包み込む。高熱に晒された大地は焦土となりて黒に染まりゆく。
ヴライはヒムカミの加護により炎を纏い、受け流す。
飛び散った燃え盛る炎がムーンブルク中を包み込む。高熱に晒された大地は焦土となりて黒に染まりゆく。
「…………!」
破壊神シドーはただ壊すのみ。
目の前の男も、ムーンブルクも、この世界も。
言葉無く、純粋に破壊のみに徹する姿は、元々その役目を負った神であることを示す。
目の前の男も、ムーンブルクも、この世界も。
言葉無く、純粋に破壊のみに徹する姿は、元々その役目を負った神であることを示す。
空間を割いて、幾多も闇より出現する破壊神の豪腕。
強靭なムーンブルクの壁も大地も削り取り、無くなってゆく。
距離を無視して出現するそれに合わせてヴライもまた、豪腕を振るう。
自分の背丈以上の神の掌目掛けて思い切り豪腕を叩きつける。
強靭なムーンブルクの壁も大地も削り取り、無くなってゆく。
距離を無視して出現するそれに合わせてヴライもまた、豪腕を振るう。
自分の背丈以上の神の掌目掛けて思い切り豪腕を叩きつける。
シドーの腕は動きが僅かに怯む。
ヴライの剛力は、破壊神にすら通用していた。
しかし、仮面の力が使えぬ以上、決定打を与えることは出来ない。
破壊神シドーの恐ろしさは、その破壊力だけではない。
中途半端な攻撃では意味の無いほどの豊富な体力にもある。
ヴライの剛力は、破壊神にすら通用していた。
しかし、仮面の力が使えぬ以上、決定打を与えることは出来ない。
破壊神シドーの恐ろしさは、その破壊力だけではない。
中途半端な攻撃では意味の無いほどの豊富な体力にもある。
立て直すかのように、互いに再び豪腕を打ち付ける。何度も繰り返す。
永遠に続くかのような錯覚すら覚える、二人だけのラグナロク。
永遠に続くかのような錯覚すら覚える、二人だけのラグナロク。
「ガアアアアアアアアア」
死よ、或れ。
そう言わんばかりにシドーの掌に闇が集まり、ヴライの真後ろへと放たれた。
それは死へと導く破滅の光。
ガオンと音を立て、ヴライの真後ろにあった空間が突如消滅する。
代わりに残されたスパークした魔力が圧縮を繰り返し、何もかもを飲み込んでゆく。
一つだけでは収まらず、ムーンブルク城を破壊せんと泡のように幾多の渦が放たれてゆく。
そう言わんばかりにシドーの掌に闇が集まり、ヴライの真後ろへと放たれた。
それは死へと導く破滅の光。
ガオンと音を立て、ヴライの真後ろにあった空間が突如消滅する。
代わりに残されたスパークした魔力が圧縮を繰り返し、何もかもを飲み込んでゆく。
一つだけでは収まらず、ムーンブルク城を破壊せんと泡のように幾多の渦が放たれてゆく。
「小癪な……!」
黒いウズと呼ばれる、破壊神が産み出す超高密度な重力体。
言い換えればブラックホール。
あらゆる物を吸い込み破壊する。それはたとえ生物であれど例外にあらず。
触れるだけで如何なる存在でも即死する、死を呼び込む神に相応しき力。
言い換えればブラックホール。
あらゆる物を吸い込み破壊する。それはたとえ生物であれど例外にあらず。
触れるだけで如何なる存在でも即死する、死を呼び込む神に相応しき力。
あのヴライの巨体ですら1歩も踏み出せず、地面を滑るように少しずつ引っ張られていく。
発動してしまえば、どれだけ脚を動かそうが、地を滑るのみで前に進むことは叶わない。
普通の人間であれば、死刑執行台と同じ。
どれだけ足掻いても無意味。
仮面の力が引き出せぬ今、刻々と近づく、与えられる死を待つだけになるだろう。
発動してしまえば、どれだけ脚を動かそうが、地を滑るのみで前に進むことは叶わない。
普通の人間であれば、死刑執行台と同じ。
どれだけ足掻いても無意味。
仮面の力が引き出せぬ今、刻々と近づく、与えられる死を待つだけになるだろう。
「我を愚弄するかっ!!」
だが、ヴライは決してここで終わる男ではない。
八柱将、ヴライ。
この世界に呼ばれてから、連戦に次ぐ連戦。
休息を取らず既に体力は底へと達している。
多様な強者達と常に戦い詰めだったその身体は、いつしか限界へと近づいていく。
この世界に呼ばれてから、連戦に次ぐ連戦。
休息を取らず既に体力は底へと達している。
多様な強者達と常に戦い詰めだったその身体は、いつしか限界へと近づいていく。
それでもなお、決して尽きぬことない闘志。
帝の忘れ形見を見届けた漢が、この程度で膝を、魂を折るわけにはいかない。
敢然と立ち向かう。戦いはまだ終わらない。終わらせるわけに行かない。
帝の忘れ形見を見届けた漢が、この程度で膝を、魂を折るわけにはいかない。
敢然と立ち向かう。戦いはまだ終わらない。終わらせるわけに行かない。
だからヴライの身体は、この瞬間。
「ぬう…………!」
もう1段階、限界を超えた。
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
"窮死覚醒"。
言い換えれば『火事場の馬鹿力』。
“池袋最強“が行きついたその領域を“ヤマト最強”が到達せぬ理由は無い。
“池袋最強“が行きついたその領域を“ヤマト最強”が到達せぬ理由は無い。
大地を押さえつけるように、勢いよく踏み込む。
地面に沈み込む程の震脚が、一歩、また一歩と前へと進めていく。
それでも速度が足りない。
あの化け物を倒すには"この程度"ではまだまだ足りない。
地面に沈み込む程の震脚が、一歩、また一歩と前へと進めていく。
それでも速度が足りない。
あの化け物を倒すには"この程度"ではまだまだ足りない。
「力だ!仮面よ力を!我が魂魄を食い潰し、その力を寄越せ!!」
仮面の力とは魂を喰らい、使用者の強い思いによって与えられるもの。
普段の出力が発揮できぬなら、不足分を補う以上に糧を与えてやればいい。
普段の出力が発揮できぬなら、不足分を補う以上に糧を与えてやればいい。
「まだだ!足りぬ!足りぬ!足りぬぅぅぅぅぅぅぅ!」
今がその時だ。
心を燃やす。命を燃やす。怒りを燃やす。
四肢が捥げ、魂魄が砕け散るのはこの闘いに有らず。
心を燃やす。命を燃やす。怒りを燃やす。
四肢が捥げ、魂魄が砕け散るのはこの闘いに有らず。
一歩踏み出すたびに仮面は魂魄を喰らい、代価に命を奪わんとするが気迫のみで耐える。
寿命を削り、己を支える礎としていく。
命を喰いつぶす心意気のあるヴライで無ければそれだけで死へと向かう程の激痛。
寿命を削り、己を支える礎としていく。
命を喰いつぶす心意気のあるヴライで無ければそれだけで死へと向かう程の激痛。
「おぉぉぉぉぉぉォォォォォォォォォォォォッ!!」
仮面は願いを叶えた。
その身体を過剰強化させる。
ヴライの全身に炎が宿り、 生命の火を燃やし尽くさんとする。
その身体を過剰強化させる。
ヴライの全身に炎が宿り、 生命の火を燃やし尽くさんとする。
限界を超えたヴライの全力疾走は、ブラックホールの吸引力すら上回る。
その疾走は破壊神の目に映ることすら叶わなかった。
各所より発生する黒い渦達を何一つ意に返さずに、瞬く間に、シドーへと肉薄。
その疾走は破壊神の目に映ることすら叶わなかった。
各所より発生する黒い渦達を何一つ意に返さずに、瞬く間に、シドーへと肉薄。
「あ……」
シドーにとっては何が起こったかすら、分っていないだろう。
彼は近づいてくるという過程をすっ飛ばして、自分がぶん殴られたという結果だけを理解する。
耳をつんざく轟音と共に、二人は真っ白な閃光に包まれた。
彼は近づいてくるという過程をすっ飛ばして、自分がぶん殴られたという結果だけを理解する。
耳をつんざく轟音と共に、二人は真っ白な閃光に包まれた。
○○○
さざん、と波の音で目が覚める。
エネルギーは行き場を失い、シドーの身体を遥か彼方へと吹き飛ばした。
白く染まった視界に少しずつだが、光が指す。
エネルギーは行き場を失い、シドーの身体を遥か彼方へと吹き飛ばした。
白く染まった視界に少しずつだが、光が指す。
「う、あ」
シドーは人の姿を取り戻していた。
――――これから先、オレに何かあったら…。オマエがぶんなぐってオレの目をさまさせてくれ。
ヴライの拳が当たった瞬間。
シドーの脳裏に浮かぶ、かつてあった記憶。
殴られるというシチュエーションが、心を取り戻させた。
その瞬間、わずかながら“ビルドの相棒“シドーの意志が暴走を抑え込んだ。
暴走をしていても、心の奥では止められることを望んでいる。
シドーの脳裏に浮かぶ、かつてあった記憶。
殴られるというシチュエーションが、心を取り戻させた。
その瞬間、わずかながら“ビルドの相棒“シドーの意志が暴走を抑え込んだ。
暴走をしていても、心の奥では止められることを望んでいる。
「オレは……オレは……」
先程までの自分の行為を理解している。
絶交していても大切な相棒だったビルド。そのビルドとの思い出のあるムーンブルクを壊してしまったことは、少年シドーの心的外傷となる。
それでも壊したいという気持ちは収まらず、何度でも湧き上がってくる。
絶交していても大切な相棒だったビルド。そのビルドとの思い出のあるムーンブルクを壊してしまったことは、少年シドーの心的外傷となる。
それでも壊したいという気持ちは収まらず、何度でも湧き上がってくる。
(そんな忌まわしき感情など、捨て去ってしまえ)
「ハ、ハハ……」
「ハ、ハハ……」
破壊神の囁きに、そっと少年シドーは両手を頭に添える。
確かに、このままビルドとの思い出を破壊してしまえば、これ以上苦しむことはない。
何もかも忘れて破壊神としての自分を受け入れてしまえば、堕ちてしまえば、楽になれるのだろう。
それがシドーが救われる唯一の道だから。
確かに、このままビルドとの思い出を破壊してしまえば、これ以上苦しむことはない。
何もかも忘れて破壊神としての自分を受け入れてしまえば、堕ちてしまえば、楽になれるのだろう。
それがシドーが救われる唯一の道だから。
「そうか……そうだな……」
壊す事しか出来ない自分。
この地に呼ばれてから人殺しばかり。
初めてのモノづくりすら、役に立たない。
この地に呼ばれてから人殺しばかり。
初めてのモノづくりすら、役に立たない。
「それでも、オレは……」
バチン。
開いていた両手を握りしめ、顔を殴りつける。
破壊と創造は対極にあり、闇ある限り光もまたある。
邪悪なる本能が大きくなるたび、相反する感情もまた助長される。
破壊神として暴れ回ったことで、破壊衝動は多少解放された。
僅かながら今は少年シドーの抑制が上回っている。
でもそれは、小さき抑制。ふとした刺激で消え去ってしまうほどに脆い。
それでもシドーは、自分が自分であるために自分を抑えつける。
開いていた両手を握りしめ、顔を殴りつける。
破壊と創造は対極にあり、闇ある限り光もまたある。
邪悪なる本能が大きくなるたび、相反する感情もまた助長される。
破壊神として暴れ回ったことで、破壊衝動は多少解放された。
僅かながら今は少年シドーの抑制が上回っている。
でもそれは、小さき抑制。ふとした刺激で消え去ってしまうほどに脆い。
それでもシドーは、自分が自分であるために自分を抑えつける。
ただ、自分らしく生きてく。
その為に。
その為に。
(……助けてくれ)
頭の中で響き渡る破壊衝動を押さえつけて、どこへ向かうわけでもなく歩きだす。
少年シドーのその小さな心の声を聴くものは居ない。
誰も、不安定な神様の心の奥に踏み込まない。
少年シドーのその小さな心の声を聴くものは居ない。
誰も、不安定な神様の心の奥に踏み込まない。
○○○
(全く破壊神様ともあろう方が、仲間などというゴミクズにうつつを抜かすとは……早く悪しき記憶から開放して差し上げねば)
破壊神は復活したばかり。
この世界を壊し、現実世界も破滅させるにはまだ力が足りない。
この世界に働いているであろうリミッター、それすらも上回るほどの力を破壊様に身に着けさせなくては自分の目的は到達出来ない。
この世界を壊し、現実世界も破滅させるにはまだ力が足りない。
この世界に働いているであろうリミッター、それすらも上回るほどの力を破壊様に身に着けさせなくては自分の目的は到達出来ない。
破壊神シドーは信者の命を好み、喰らう程に強くなる神だ。
この場合の信者とは必ずしも宗教的な意味合いに限らない。
例えばマリア・キャンベル。
命を失う最後の時までシドーの事を信じていた少女。
彼女を殺した際のシドーは破壊神として相応しき暴れぶりを見せてくれた。
この場合の信者とは必ずしも宗教的な意味合いに限らない。
例えばマリア・キャンベル。
命を失う最後の時までシドーの事を信じていた少女。
彼女を殺した際のシドーは破壊神として相応しき暴れぶりを見せてくれた。
(破壊神様を縛る余計なゴミは、捧げ物にしてしまいましょうか)
糧が足りぬのなら与えればいい。
ビルダーの命を破壊神の生贄にする。
殺したと思っていたビルドと出会い、再び自分の手で殺してしまった時。
その時こそシドーを縛る余計な錠が消え、本当の意味で破壊神へと目覚めるだろう。
ビルダーの命を破壊神の生贄にする。
殺したと思っていたビルドと出会い、再び自分の手で殺してしまった時。
その時こそシドーを縛る余計な錠が消え、本当の意味で破壊神へと目覚めるだろう。
(まあ、ビルダーがまだ生き残っでいるとは限らないですし、最悪の場合に備えて他のプランも考えておきたいところです)
大神官は思案する。
全てはあなたのために。
いずれ来る破滅の為に。
全てはあなたのために。
いずれ来る破滅の為に。
(何処かに破壊神様を進化させられるものでもあれば良いんですけどねえ)
○○○
暴れ狂っていた豪腕や黒い渦はいつしか鳴りを潜め、ムーンブルクに静かな時が戻る。
大地は所々に穴が空き、外壁は削られ意味を成さない。
ランドマークのミナディン砲は崩れ去った。
罠の数々は渦に飲み込まれ、欠片も残っていない。
残されたのは、石のがれきや大岩のように鎮座する破壊神の抜け殻。
所々に残った炎は、僅かな緑を燃やし尽くして消えてゆく。
幻のムーンブルクと違い、この破損をほぼ元通りに戻す民は居ない。
廃墟となったその城の中で、ヴライは激昂する。
大地は所々に穴が空き、外壁は削られ意味を成さない。
ランドマークのミナディン砲は崩れ去った。
罠の数々は渦に飲み込まれ、欠片も残っていない。
残されたのは、石のがれきや大岩のように鎮座する破壊神の抜け殻。
所々に残った炎は、僅かな緑を燃やし尽くして消えてゆく。
幻のムーンブルクと違い、この破損をほぼ元通りに戻す民は居ない。
廃墟となったその城の中で、ヴライは激昂する。
「情をかけたつもりか!」
攻撃の瞬間、シドーの力が弱まったのを理解している。
破壊神の身体から抜け落ちるかのように人間の姿へと戻ったシドーは、ヴライの想定を超えて遥か彼方へと飛んでいった。
シドーの変身が解けた理由など分かるはずもない。
加減をしたのか、そうでないのか、ヴライにとっては分からない。
闘いの後味の悪さのみが残る。
破壊神の身体から抜け落ちるかのように人間の姿へと戻ったシドーは、ヴライの想定を超えて遥か彼方へと飛んでいった。
シドーの変身が解けた理由など分かるはずもない。
加減をしたのか、そうでないのか、ヴライにとっては分からない。
闘いの後味の悪さのみが残る。
消耗は余りにも大きい。
帝より承った仮面は罅割れ、長く持たない。
あの神の力を持つ少年は打ち滅ぼさねばならないが、オシュトルとの決着もまだ着いていない。
次なる戦闘に向かうべきは何処か。
帝より承った仮面は罅割れ、長く持たない。
あの神の力を持つ少年は打ち滅ぼさねばならないが、オシュトルとの決着もまだ着いていない。
次なる戦闘に向かうべきは何処か。
ヴライは思案する。
全てはヤマトのために。
いずれ来る闘いの果ての為に。
全てはヤマトのために。
いずれ来る闘いの果ての為に。
【死の水@とある魔術の禁書目録 破壊】
※ムーンブルク城は壊滅しました。
※破壊神のぬけがら@ドラゴンクエストビルダーズ2がムーンブルク城に残されています。
※『ちからのオーブ』は周辺に転がっています。
※『ゆうきのオーブ』の有無は次の書き手にお任せします。
※ガイド役のプレート@ドラゴンクエストビルダーズ2が瓦礫に埋まっています。
※死の水の姿はただの水に元に戻りました。
※ビルダーの鐘は無事です。
※破壊神のぬけがら@ドラゴンクエストビルダーズ2がムーンブルク城に残されています。
※『ちからのオーブ』は周辺に転がっています。
※『ゆうきのオーブ』の有無は次の書き手にお任せします。
※ガイド役のプレート@ドラゴンクエストビルダーズ2が瓦礫に埋まっています。
※死の水の姿はただの水に元に戻りました。
※ビルダーの鐘は無事です。
【C-5/ムーンブルク城 跡地/昼/一日目】
【ヴライ@うたわれるもの 二人の白皇】
[状態]:ダメージ(絶大)、疲労(絶大)、額に打撲痕、左腕に切り傷(中)、火傷(絶大)、頭部、顔面に複数の打撲痕、右腕に複数の銃創、シドーに対する怒り
[服装]:いつもの服装
[装備]:ヴライの仮面(罅割れ、修理しなければ近いうちに砕け散る)@うたわれるもの3
[道具]:基本支給品一式、不明支給品2つ
[思考]
基本:全てを殺し優勝し、ヤマトに帰還する
1:次の戦場へと赴き、参加者を蹂躙する
2:あの男(シドー)を追うか……?
3:アンジュの同行者(あかり、カタリナ)については暫くは放置
4:オシュトルとは必ず決着をつける
5:デコポンポの腰巾着(マロロ)には興味ないが、邪魔をするのであれば叩き潰す
6:皇女アンジュ、見事な最期であった……
7:あの術師(清明)と金髪の男(静雄)は再び会ったら葬る。
[備考]
※エントゥアと出会う前からの参戦です。
※破損したことで、仮面の効能・燃費が落ちています。
※『特性』窮死覚醒 弐を習得しました。
[状態]:ダメージ(絶大)、疲労(絶大)、額に打撲痕、左腕に切り傷(中)、火傷(絶大)、頭部、顔面に複数の打撲痕、右腕に複数の銃創、シドーに対する怒り
[服装]:いつもの服装
[装備]:ヴライの仮面(罅割れ、修理しなければ近いうちに砕け散る)@うたわれるもの3
[道具]:基本支給品一式、不明支給品2つ
[思考]
基本:全てを殺し優勝し、ヤマトに帰還する
1:次の戦場へと赴き、参加者を蹂躙する
2:あの男(シドー)を追うか……?
3:アンジュの同行者(あかり、カタリナ)については暫くは放置
4:オシュトルとは必ず決着をつける
5:デコポンポの腰巾着(マロロ)には興味ないが、邪魔をするのであれば叩き潰す
6:皇女アンジュ、見事な最期であった……
7:あの術師(清明)と金髪の男(静雄)は再び会ったら葬る。
[備考]
※エントゥアと出会う前からの参戦です。
※破損したことで、仮面の効能・燃費が落ちています。
※『特性』窮死覚醒 弐を習得しました。
【C-8海岸沿い/昼/一日目】
【シドー@ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島】
[状態]:ダメージ(大)、顔面打撲(大)、破壊衝動(極大:不安定)、精神的疲労(極大)、返り血で血塗れ、殺害による心的外傷
[服装]:いつもの服
[装備]:響健介の大剣(形状変化)@Caligula Overdose
[道具]:基本支給品、やくそう(シドー製)@ドラゴンクエストビルダーズ2
[思考・行動]
基本方針:テミスとμとかいうのをぶっ倒す
1:ビルド……。
2:今はとにかく逃げる、誰とも会いたくない
3:自分でもよくわからない衝動にムシャクシャするが、とにかく自制する
4:久美子に対する恐怖。
[備考]
※参戦時期はムーンブルク島終了後、からっぽ島に帰った後です。
※霊夢、マリアと知り合いについて情報交換を行いました。
※破壊衝動をどうにか抑制している状況です。
※シドーの心境変化に伴い、響健介の大剣が変異しました。形状は魔王の剣@DQ11に似ています。
※破壊衝動による暴走と響健介の大剣を合わせることで疑似的にカタルシスエフェクト・オーバードーズと同様の状態となれます。健介のスキルも擬似的に使用出来ます。
※ビルドを殺したと誤解しています。
[状態]:ダメージ(大)、顔面打撲(大)、破壊衝動(極大:不安定)、精神的疲労(極大)、返り血で血塗れ、殺害による心的外傷
[服装]:いつもの服
[装備]:響健介の大剣(形状変化)@Caligula Overdose
[道具]:基本支給品、やくそう(シドー製)@ドラゴンクエストビルダーズ2
[思考・行動]
基本方針:テミスとμとかいうのをぶっ倒す
1:ビルド……。
2:今はとにかく逃げる、誰とも会いたくない
3:自分でもよくわからない衝動にムシャクシャするが、とにかく自制する
4:久美子に対する恐怖。
[備考]
※参戦時期はムーンブルク島終了後、からっぽ島に帰った後です。
※霊夢、マリアと知り合いについて情報交換を行いました。
※破壊衝動をどうにか抑制している状況です。
※シドーの心境変化に伴い、響健介の大剣が変異しました。形状は魔王の剣@DQ11に似ています。
※破壊衝動による暴走と響健介の大剣を合わせることで疑似的にカタルシスエフェクト・オーバードーズと同様の状態となれます。健介のスキルも擬似的に使用出来ます。
※ビルドを殺したと誤解しています。
【ハーゴン@ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島】
[状態]:幽体(シドーに憑依) 満足
[思考・行動]
基本方針:シドーを「破壊神」として覚醒させ、生還させる
1:ビルドを探し、破壊神様への生贄とする。
2:然るべきときにシドーを「破壊」の道へと誘う
3:色々と調べる必要がありそうですね
[備考]
※幽体となっており、シドーに取り憑いていますが、実体化はできません。
※シドーにどれ程の干渉ができるかについては、後続の書き手様にお任せします。
※呪いは相手が非常に弱っているときでないと効かず、一定時間経過か何らかの解呪法で元に戻ります。
[状態]:幽体(シドーに憑依) 満足
[思考・行動]
基本方針:シドーを「破壊神」として覚醒させ、生還させる
1:ビルドを探し、破壊神様への生贄とする。
2:然るべきときにシドーを「破壊」の道へと誘う
3:色々と調べる必要がありそうですね
[備考]
※幽体となっており、シドーに取り憑いていますが、実体化はできません。
※シドーにどれ程の干渉ができるかについては、後続の書き手様にお任せします。
※呪いは相手が非常に弱っているときでないと効かず、一定時間経過か何らかの解呪法で元に戻ります。
【ガイド役のプレート@ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島】
シドーに支給。
かざり家具。
ガイド役の セリフを登録しておける プレート。
オンラインで島をおとずれる 人のために
町のガイド役として プレートに
住民を立たせ セリフをつけることができる。
シドーに支給。
かざり家具。
ガイド役の セリフを登録しておける プレート。
オンラインで島をおとずれる 人のために
町のガイド役として プレートに
住民を立たせ セリフをつけることができる。
通常プレイではただのプレートだが、セリフを設定しておくと、オンラインプレイ時に住民がその上に乗り、決められたセリフを話してくれる家具。
このロワでは対象の者が踏んだ者に、設定したセリフを言わせることが出来る。
このロワでは対象の者が踏んだ者に、設定したセリフを言わせることが出来る。
【やくそう(シドー製)@ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島】
現地調達品。
シドーが支給品のくすりの葉から作ったもの。
通常のやくそうよりも効果が高く、ラスボス戦ではシドーがこれを使い回復させてくれる。
一説によるとFC版シドーのベホマをオマージュしているとか。
現地調達品。
シドーが支給品のくすりの葉から作ったもの。
通常のやくそうよりも効果が高く、ラスボス戦ではシドーがこれを使い回復させてくれる。
一説によるとFC版シドーのベホマをオマージュしているとか。
前話 | 次話 | |
例えようのない、この想いは | 投下順 | 崩壊序曲 |
前話 | キャラクター | 次話 |
触らぬ神に祟りなし | シドー | カウントダウン |
カラスウリの咲く頃に | ヴライ | 裁定、そして災害(前編) |