扇風機をつけっぱなしにして寝ると死ぬの契約者と靴なめ男
星の降るある夜のこと。
ロシア帽を被り、毛皮のコートを着た少女が一人、路地を歩いていた。
冷え込んでいるとはいえあまりにもロシアな恰好のその少女は、
まるで此処はモスクワだと錯覚させるかのように堂々と歩いていた。
まるで此処はモスクワだと錯覚させるかのように堂々と歩いていた。
がさり。
十数メートルほど前にあるごみ捨て場の陰から大きな物音。
少女は足を止める。
ちらりと見える陰に猫かと目をこらす。
ちらりと見える陰に猫かと目をこらす。
はぁ……、はぁ……、という獣の息遣いと共に、
物陰がゆっくりとごみ捨て場から姿を現した。
物陰がゆっくりとごみ捨て場から姿を現した。
「お嬢ちゃんのブーツは汚いねぇ、ひひひ」
正体は四つん這いの男であった。
舌をだらりとのばし、
かさかさかさと駆け寄って来る。
舌をだらりとのばし、
かさかさかさと駆け寄って来る。
「おじさんが綺麗にしてあげようねぇ~」
少女は振り返りダッシュで逃げるが、
四つん這いとは思えない速さで男は迫る。
四つん這いとは思えない速さで男は迫る。
「本当にっ、汚ら、しいなっ、貴様らはぁっ!」
這い寄る男をかわし、ショルダーバッグに手を突っ込む。
「おくつチュパチュパさせてぇ~!!」
「一生寝てなっ!」
少女は卓上扇風機をバッグから取り出し、男に振り向く。
--スイッチオン。
「エターナルフォースブリザード!!」
扇風機から生み出されるすさまじい暴風雪が靴なめ男を襲った。
…………。
氷浸けと化した男を確認して
安心したように息を吐き、少女は凍りついた道をしゃりしゃりと歩き出した。
安心したように息を吐き、少女は凍りついた道をしゃりしゃりと歩き出した。
おしまい