18 Q & A
☞ 「罪深い赤薔薇の花子さんとかの人 ◆7JHcQOyXBMim」さんの連載「次世代の子供達」、
甲虫弾丸 から
結局、ワイルド野郎の奢りで話を聞く形となり
花束野郎は俺の質問に答えてくれることになった
花束野郎は俺の質問に答えてくれることになった
全員で中学校近くの「フォーチュン・ピエロ」に向かう
以前に一度だけ寄ったことがあったようなチェーン店だ
確か、ハンバーガー屋だよな? もう記憶があやふやだ
以前に一度だけ寄ったことがあったようなチェーン店だ
確か、ハンバーガー屋だよな? もう記憶があやふやだ
店に着いて、花束野郎は俺の質問に答え始めた
まず、東ちゃんとサクリさんは当時中学2年生だった
つまり東ちゃんは俺より一つ上だということになる
つまり東ちゃんは俺より一つ上だということになる
「狐」の今の体が誰なのかについては「知らない」そうだ
「狐」に魅了されている者は
今の時点で分かっているだけで十数名程度
但し、花束野郎が答えた中にはヤバそうなのが混じっていた
今の時点で分かっているだけで十数名程度
但し、花束野郎が答えた中にはヤバそうなのが混じっていた
「ピエロ人形」の契約者であるアダム・ホワイト
「ファザータイム」の契約者であるミハエル・ハイデッガー
そして、人を食うという「鬼」
「ファザータイム」の契約者であるミハエル・ハイデッガー
そして、人を食うという「鬼」
花束野郎は「狐」の手勢について結構細かく教えてくれた
逆に言うと、手勢の素性と能力は既に割れているということか
逆に言うと、手勢の素性と能力は既に割れているということか
ワイルド野郎の奢りを食べながら、花束野郎は回答を続ける
狐に対する勝算は、「『狐』相手だけならほぼ100%勝てる」
なるほど、随分な自信だ
“魅了”についてもそこまで深刻には捉えていないらしい
明言はしなかったが魅了に対する策を持っていることが窺えた
なるほど、随分な自信だ
“魅了”についてもそこまで深刻には捉えていないらしい
明言はしなかったが魅了に対する策を持っていることが窺えた
だが本当だろうか
本当にこいつらは勝てるのか
確かに「狐」単体だけならやりようもあるかもしれない
事実、花束野郎も「『狐』だけなら」と仮定した上で答えていた
本当にこいつらは勝てるのか
確かに「狐」単体だけならやりようもあるかもしれない
事実、花束野郎も「『狐』だけなら」と仮定した上で答えていた
恐らく花束野郎も分かっているんだろうが
問題は「狐」の取り巻き、側近達の方だろう
花束野郎は口にしなかったし、俺の方もあくまで真偽不明な情報止まりだが
現在、「狐」の手勢にはあの「アナベル」が混じっているという噂を掴んだことがある
問題は「狐」の取り巻き、側近達の方だろう
花束野郎は口にしなかったし、俺の方もあくまで真偽不明な情報止まりだが
現在、「狐」の手勢にはあの「アナベル」が混じっているという噂を掴んだことがある
それだけじゃない
まさか「ファザータイム」が居るとは思わなかった
聞いた話が本当なら、「ファザータイム」は時を止めるかそれに類する能力を有していた筈だ
まさか「ファザータイム」が居るとは思わなかった
聞いた話が本当なら、「ファザータイム」は時を止めるかそれに類する能力を有していた筈だ
花束野郎、本当に大丈夫なのか?
手勢の方は明らかにヤバいのばっかりだぞ
手勢の方は明らかにヤバいのばっかりだぞ
狐をどうしたいのかについて
野郎は「消えて二度と復活してほしくない」と答えた
野郎は「消えて二度と復活してほしくない」と答えた
まあそりゃそうなんだろうが
一貫して笑顔のまま答えるこいつに
俺は、若干の薄気味悪さを感じなくも無かった
一貫して笑顔のまま答えるこいつに
俺は、若干の薄気味悪さを感じなくも無かった
花束野郎の好きなタイプは
「ヒステリー起こさなくてメシマズじゃない、優しい子」
そして、「好きな子はいない」、「大事な親友逹ならいる」らしい
「ヒステリー起こさなくてメシマズじゃない、優しい子」
そして、「好きな子はいない」、「大事な親友逹ならいる」らしい
そして最後に
俺は彼からサクリさんの名前を教えてもらった
俺は彼からサクリさんの名前を教えてもらった
「慶次と星夜はさっき俺が言ってた以外に
『狐』に誘惑された奴で厄介なやつの情報って持ってるか?」
『狐』に誘惑された奴で厄介なやつの情報って持ってるか?」
質問へ一通りの回答が終わったタイミングで
花束野郎は、ワイルド野郎と「再現」担当の子、栗井戸君にそう振った
花束野郎は、ワイルド野郎と「再現」担当の子、栗井戸君にそう振った
ワイルド野郎は話すのを躊躇っていたが
情報が曖昧であると前置きして、手勢の契約者について話し出した
情報が曖昧であると前置きして、手勢の契約者について話し出した
曰く、その者は「三年前」の時点で「狐」の手勢に加わっており
その者にやられた奴は「剣の支配権が奪われた」と言い残した、と
その者にやられた奴は「剣の支配権が奪われた」と言い残した、と
「なるほど。うん、いい情報だ。ありがとう」
花束野郎のお礼を耳にしながら考える
何なんだろうな、一体
施設に居た頃から能力の断片情報を聞いて契約ANを当てる問題は凄く苦手だった
花束野郎には今の話で能力の見当がついたんだろうか、俺は奴の顔を盗み見た
施設に居た頃から能力の断片情報を聞いて契約ANを当てる問題は凄く苦手だった
花束野郎には今の話で能力の見当がついたんだろうか、俺は奴の顔を盗み見た
回答が終わり、店を後にする
ワイルド野郎はしばらくして俺と野郎の群れから抜けた
女の子を送らないといけないらしい
女の子を送らないといけないらしい
「一応、あのホモ野郎をしっかり警戒しとけよ」
おい、ばっちり聞こえてるぞ
「うん、いいタイミングでかなえが来てくれた」
ワイルド野郎が女の子と連れ立って行った後
花束野郎は笑いながらそう口にした
花束野郎は笑いながらそう口にした
「いやな。ちょっと、『慶次には聞かせにくい答え』をしなきゃいけない質問もされてたからさ」
彼は訝しむ栗井戸君にそう応じる
そうだ
先程、花束野郎は携帯で俺にこう指示したんだ
先程、花束野郎は携帯で俺にこう指示したんだ
『ちょっと、慶次に聞かせにくい答えをしなきゃいけない質問がいくつかあった
これから行く店で、じゃなくてその帰り道にででも答える』
これから行く店で、じゃなくてその帰り道にででも答える』
どうやら花束野郎はワイルド野郎と単に仲が良い間柄では無いらしい
その点に関して深入りはしない方が良さそうだ
その点に関して深入りはしない方が良さそうだ
そうして、花束野郎は店内では伏せていた回答を再開した
「狐」の魅了を受けた際の感覚について、やはりというか花束野郎では答えられないらしい
まあ仕方のない話だ。かなり突っ込んだ所を聞いた自覚はある
まあ仕方のない話だ。かなり突っ込んだ所を聞いた自覚はある
だが、野郎はこの質問に答えられる相手を知っていた
「先生」だ
野郎が先程東中で話していた「薔薇十字団」の「先生」
彼は東区で診療所を開いているらしく、彼なら答えられるかもしれないようだ
野郎が先程東中で話していた「薔薇十字団」の「先生」
彼は東区で診療所を開いているらしく、彼なら答えられるかもしれないようだ
正直、この質問は駄目元だった
回答が聞けるというなら奇跡に近い
回答が聞けるというなら奇跡に近い
話によれば、「先生」は直接「狐」の魅了を受けて、即座に解除されたらしい
「先生」本人が魅了を解除したのか、それとも「狐」が魅了を解いたのか
あるいは、別の何者かが「狐」の魅了を解除したのか
話の限りでは判然としない
「先生」本人が魅了を解除したのか、それとも「狐」が魅了を解いたのか
あるいは、別の何者かが「狐」の魅了を解除したのか
話の限りでは判然としない
「先生」であれば魅了時の身体感覚について答えられるかもしれない、というのはこうした故らしい
正直、精神干渉の影響で主観が歪んでいた場合、明瞭な答えが得られる可能性は凄く低い
だが聞くだけの意味はありそうだ
正直、精神干渉の影響で主観が歪んでいた場合、明瞭な答えが得られる可能性は凄く低い
だが聞くだけの意味はありそうだ
ところで、何故ここまで俺の質問に答えてくれるのか、についてだが
「お前が情報を知る事が、こっちにとっての情報料なんだからさ」
「まぁ、中途半端にわかってる状態で『狐』やら別の事やらに巻き込まれて敵になられても、鬱陶しいし邪魔なだけだからな」
「まぁ、中途半端にわかってる状態で『狐』やら別の事やらに巻き込まれて敵になられても、鬱陶しいし邪魔なだけだからな」
花束野郎と栗井戸君に言わせればそういうことらしい
なるほど、そりゃそうだな
ただ、つまりそれは
「何も知らない奴なら、巻き込まれようが敵になろうが、それは構わない」ということなのだろうか
「何も知らない奴なら、巻き込まれようが敵になろうが、それは構わない」ということなのだろうか
いや、これを訊くつもりはない
意味のないことだ
意味のないことだ
「まだ聞きたい事は、あるか?」
「今の所は訊きたかったことも分かったし。十分だな、ありがとう」
「今の所は訊きたかったことも分かったし。十分だな、ありがとう」
訊きたいことは粗方訊いた
そして答えも返ってきた
今は整理するときだ
そして答えも返ってきた
今は整理するときだ
だが、それは
「『先生』に話を聞いてみたいよ」
「先生」から残りの質問の答えを確認してからだ
「いいよ。星夜の診察ついでに。『先生』に聞いてみよう」
花束野郎は先程と全く変わらない笑顔のまま、そう応じた
☞ 「罪深い赤薔薇の花子さんとかの人 ◆7JHcQOyXBMim」さんの連載「次世代の子供達」、
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