黒服Y 09
日付も変わる頃の深夜のマンションの一室、そのドアの前に黒い服の男が立っていた
黒服が荷物で塞がってない方の手でドアをコンコンッとノックする
しばらくして、若い男の声が返ってきた
黒服が荷物で塞がってない方の手でドアをコンコンッとノックする
しばらくして、若い男の声が返ってきた
青年「どちら様ですか?」
黒服Y「僕僕、僕だよ~」
青年「太郎君ですか?」
黒服Y「そうそう太郎だよ、開けてよ」
青年「残念ながら、僕には太郎という名の知り合いはいません」
会話が途切れた
冷たい空気が吹きぬけてゆき
どこからか犬の遠吠えが寂しそうに響いてくる
どこからか犬の遠吠えが寂しそうに響いてくる
黒服Y「………………」
青年「…………」
青年「…………」
そして10秒ほど経ってドアのロックが外す音がした
中から出て来たのは20歳前後の真面目そうな雰囲気の青年だった
そして以外にもこの黒服が担当している人物である
中から出て来たのは20歳前後の真面目そうな雰囲気の青年だった
そして以外にもこの黒服が担当している人物である
ちなみに青年は姉と二人でこの部屋にいるが
黒服が青年のために知らない人が近づかない処置をしているので、そのことを誰も知らない
黒服が青年のために知らない人が近づかない処置をしているので、そのことを誰も知らない
青年「虚しくなるから何か喋って下さいよ。それと今度から来るときは日付だけじゃなく時間も言って下さい」
黒服Y「まぁまぁ、ほら、宴会のおすそ分けにきたよ」
手荷物を掲げて言った
ギィ ギィ
案内された部屋で黒服は手にしていた荷物を広げている
酒の瓶が何本かと2段重ねの重箱、重箱には料理が種類も適当に詰め込まれていた
キッチンから青年がコップを二つ持ってやってきた
酒の瓶が何本かと2段重ねの重箱、重箱には料理が種類も適当に詰め込まれていた
キッチンから青年がコップを二つ持ってやってきた
青年「もうだいぶ酒飲んでるんじゃないですか?」
黒服Y「まだまだ飲めるよー。ほら、宴会の料理ツマミにして もうすこし飲もうよ」
青年「何か既にテンションがおかしいですよ」
青年は呆れつつ ソファに座った
ギィ ギィ
黒服は酒を口に含みながら、隣の部屋を眺めた
窓からは月の光が差し込んで部屋の一部を照らしていた
空には円より少し欠けた月が浮かんでいる
窓からは月の光が差し込んで部屋の一部を照らしていた
空には円より少し欠けた月が浮かんでいる
黒服Y「お姉さんは今日も綺麗だねぇ」
青年「ありがとう、姉さんも喜んでいるよ、きっと」
空になったコップに酒が満たされる
青年「ところで、もう宴会とやらは終わったんですか?」
黒服Y「やってる人はまだやってるんじゃないかな。僕は知り合いあんま居ないから最後までいても仕方ないし」
青年「同僚の女性と一緒に行ったんじゃ……」
黒服Y「あまり長く残ってたら彼女が怒りそうだし。こっちから運転頼んでついて来てもらったんだから」
ギィ ギィ
しばらく黒服は自分の近況を青年に語っていた
先の大規模な闘いではそれなりに頑張ったとか、宴会はいろんな意味で盛り上がっていたとか
同僚の女性に怒られただとか、日本人形に憑かれたとか
先の大規模な闘いではそれなりに頑張ったとか、宴会はいろんな意味で盛り上がっていたとか
同僚の女性に怒られただとか、日本人形に憑かれたとか
話をしながら、料理をつまんでいたが
重箱の中の食べ物はもうほとんど無くなっている
酒はもう少し残っているようだが、すぐになくなる量だ
重箱の中の食べ物はもうほとんど無くなっている
酒はもう少し残っているようだが、すぐになくなる量だ
黒服Y「ん、重箱は3段にするべきだったか」
青年「食べすぎるのはよくないと思いますよ」
ギィ ギィ
話したいことは大体話し終わった、そんな雰囲気が出てきた
黒服Y「……知り合ってからどのくらい経ったのかなぁ」
青年「まだ3、4年くらいじゃないですか?」
黒服Y「はじめて見たときから、ほんとに変わらないねぇ、お姉さん」
青年「……貴方も、変わっていませんよ」
黒服Y「いろいろ変わったよ? 知りあいとか考えかたとか」
青年「外見とか、全てがどうでもいいとでも言いたそうなやる気の無さそうな態度は変わりませんね」
黒服Y「全てがどうでもいいとまでは思ってないよ」
青年「現状維持ばかりで前にも後ろにも進まないのはどうかと思いますよ?」
黒服Y「……。参ったな、飲みすぎたせいか言いかえせないや」
ギィ ギィ
青年「すみません、少し言い過ぎましたね。酔いがまわってきたみたいで。会話が微妙に噛み合っていませんでした」
黒服Y「いや、いいよ。何となく噛みあってない気はしてた」
青年「さぁ、そろそろ帰らないといけないのでは?」
黒服Y「そうだね。また同僚に怒られちゃうよ」
荷物をまとめて帰り支度をはじめるる黒服
黒服Y「じゃまたねー。気をつけてね」
青年「ええ、また今度。夜道に気をつけて」
ドアが閉じられて、しばらくしてから鍵をかけた
どうでもいいけどドアを出た瞬間に鍵を掛けられるとちょっと傷つく
どうでもいいけどドアを出た瞬間に鍵を掛けられるとちょっと傷つく
黒服を見送った後、先ほど居た部屋の、隣の部屋に青年は座っていた
ギィ ギィ
青年「黒服Yさんはだいぶ変わったね」
青年「僕は変わったのかな。どう思う? 姉さん」
問い掛けながら青年は姉の顔を見つめた
視線の先には目を閉じ、何も応えない姉の顔
そして
視線の先には目を閉じ、何も応えない姉の顔
そして
姉の首から上へと伸びるロープ
何も言わない姉の身体は静かに吊られて揺れていた
何も言わない姉の身体は静かに吊られて揺れていた
――――――――
黒服Y「……まだ大丈夫かな、あの部屋」
夜道を歩きながら黒服は呟いた
黒服Y「人をおびき寄せやすい状況なんだけどな」
黒服Y「【窓辺の女】か【星を見る少女】って言ったかな……死体に恋する怪談は」
黒服Y「そのうちまた見つかりにくくなるような処置するか」
おわり
黒服Y「しまった……ここから歩いて帰るのか……遠い……」