黒服Hと呪われた歌の契約者 23
…「組織」本部
今、ここは「夢の国」騒動の後始末がやっと終わった中、今度は別の騒ぎに翻弄されようとしていた
今、ここは「夢の国」騒動の後始末がやっと終わった中、今度は別の騒ぎに翻弄されようとしていた
「あ~、マッドガッサーの被害広がってんな……「ゴブリン・マーケット」に向かってた「富山の薬売り」が行方不明ってのも、ヘタしたらそっち絡みか?」
「それと、やけに「コーク・ロア」の契約者が増えてるみたいだよ。ほら、麻薬が混じってるー、って奴」
「それと、やけに「コーク・ロア」の契約者が増えてるみたいだよ。ほら、麻薬が混じってるー、って奴」
黒服Hのぼやきに、どこかやる気のない黒服が続く
…確かに、そうなのである
最近、「コーラにはコカインが含まれている」と言う都市伝説と契約し、悪事を働く者が増えている
こちらは、マッドガッサー騒ぎではないと思うが…一応、気をつけておくべきだろう
もしかしたら、黒幕がいるのかもしれないし
…確かに、そうなのである
最近、「コーラにはコカインが含まれている」と言う都市伝説と契約し、悪事を働く者が増えている
こちらは、マッドガッサー騒ぎではないと思うが…一応、気をつけておくべきだろう
もしかしたら、黒幕がいるのかもしれないし
「普通の人間の被害者が今んとこまだ少ないのが、救いかねぇ」
「…確かに、都市伝説及び、その都市伝説契約者を中心に被害が広がっていますね」
「…確かに、都市伝説及び、その都市伝説契約者を中心に被害が広がっていますね」
資料をチェックしつつ、過労死候補ナンバー1などと呼ばれるお人好しの黒服が呟いた
都市伝説同士は、自然と引き合うからだろうか
マッドガッサーのガスの被害者は、今現在、都市伝説とその契約者を中心に広がっている
都市伝説同士は、自然と引き合うからだろうか
マッドガッサーのガスの被害者は、今現在、都市伝説とその契約者を中心に広がっている
「無機物系の奴にまで効くとか、デタラメだよなぁ…さすがに霊体相手にゃ効かないかね?」
「今の所は、ですが…」
「…パワーアップするかもしれないんだよねぇ」
「今の所は、ですが…」
「…パワーアップするかもしれないんだよねぇ」
…お人好しの黒服じゃないが、頭の痛い問題だ、と黒服Hは考える
マッドガッサー一人なら、まだ厄介ではない
さっさと捕獲すればいい話だ
…だが、マッドガッサーには仲間がいる
しかも、なかなかのチームワークと来た
どこまで、厄介になっていくというのか
さっさと捕獲すればいい話だ
…だが、マッドガッサーには仲間がいる
しかも、なかなかのチームワークと来た
どこまで、厄介になっていくというのか
「マッドガッサー一味は、仲間同士のつながりが強いそうです」
「あー、そう言えば、仲間が負傷したら、とっとと仲間連れて逃げたって報告があるな」
「あー、そう言えば、仲間が負傷したら、とっとと仲間連れて逃げたって報告があるな」
…仲間の治療を優先した、と考えられる
目的よりも、仲間の治療を優先したのだ
目的よりも、仲間の治療を優先したのだ
「マッドガッサー一味は、仲間思いの集まり、って事?」
「その可能性もあるだろうなぁ……上の連中に、爪の垢煎じて飲ませてぇ」
「その可能性もあるだろうなぁ……上の連中に、爪の垢煎じて飲ませてぇ」
ぼそり、後半は小声で呟く黒服H
どこで、誰が聞いているのかわからないのだ
うかつな発言はするべきではない
どこで、誰が聞いているのかわからないのだ
うかつな発言はするべきではない
「「組織」としても、いい加減動く…と、言いたいところなんだがなぁ。マリ・ヴェリテのベートの変身能力が厄介なんだよ」
「…以前のように、内部に入り込まれるのを警戒しているのかもしれませんね」
「…以前のように、内部に入り込まれるのを警戒しているのかもしれませんね」
様々な姿に変身するマリ・ヴェリテのベート
黒服に変身されたら、厄介である
…恐らくは、大丈夫だとは思うが
黒服に変身されたら、厄介である
…恐らくは、大丈夫だとは思うが
とにかく、「組織」ではマッドガッサー対策が、完全に出来上がっていない
一味の正確な人数と戦闘力さえわかれば、まだいいのだが
一味の正確な人数と戦闘力さえわかれば、まだいいのだが
「「13階段」の契約者が一味に加わったのはまだマシとして、「爆発する携帯電話」がなぁ。番号知られたらアウトだぞ、マジで」
「「爆発する携帯電話」って、討伐指令出てたよね?倒せてなかったんだっけ?」
「…確か、「夢の国」の騒動でうやむやになっていましたね。「組織」を裏切って討伐対象にされた「13階段」も同じです」
「あー、面倒くせぇ」
「「爆発する携帯電話」って、討伐指令出てたよね?倒せてなかったんだっけ?」
「…確か、「夢の国」の騒動でうやむやになっていましたね。「組織」を裏切って討伐対象にされた「13階段」も同じです」
「あー、面倒くせぇ」
どうして、こうも次から次へと問題が起きるのだ、学校町は
そちらの担当にされた事を不運と思うしかないのか、これは
…まぁ、黒服H的には、そんなカオスな環境だからこそ……活動しやすいのだが
そちらの担当にされた事を不運と思うしかないのか、これは
…まぁ、黒服H的には、そんなカオスな環境だからこそ……活動しやすいのだが
「とにかく、一味の隠れ家を探そうと思います。どこか、拠点があるでしょうから」
「俺は、解毒剤の当て探してみるわ。まぁ、期待できねぇが」
「…僕はどうしようかな…」
「俺は、解毒剤の当て探してみるわ。まぁ、期待できねぇが」
「…僕はどうしようかな…」
黒服たちは、事件解決のために動く
…だが、黒服Hは、今回の件について、積極的に動く気は、実は無かった
マッドガッサーの考えに、ちょっとは共鳴しているからである
……だからと言って、協力するつもりはないが
あちらについても、長生きは出来なさそうだ
…だが、黒服Hは、今回の件について、積極的に動く気は、実は無かった
マッドガッサーの考えに、ちょっとは共鳴しているからである
……だからと言って、協力するつもりはないが
あちらについても、長生きは出来なさそうだ
もう、死ぬなんて経験は御免である
死と言う経験をしている彼は、とにかく生き延びられる確立が強い方の味方だ
死と言う経験をしている彼は、とにかく生き延びられる確立が強い方の味方だ
「…ま、死なない程度に頑張ろうや」
同僚達に、そう言って
黒服Hは、学校町への見回りへと、戻る事にしたのだった
黒服Hは、学校町への見回りへと、戻る事にしたのだった
終わる