「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-53d

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 はないちもんめの少女の親が…特に、父親がロクでもない存在だったらしい事は、はっきりとではないが、黒服から聞いていた
 黒服の方でも、正確には把握していないようだったが…相当な、ロクでなしだったようだ
 もし、まだ生きているようだったら、殺してやるところだが……今は、もう死んでいると言う

 あの少女のその体験を、考えれば
 自分が両親から受けた仕打ちなど、生ぬるく感じる
 自分が、酷く甘ったれな存在に思えてならない
 父親からは人間らしい扱いを受けなかったし、母親からはロクに面倒を見てもらえなかった覚えがあるが
 …それでも、あの少女の体験に比べれば、ずっとずっと、生易しい

 ……大人から無理矢理、と言うその手の経験は、しかけたりしたりした事はあるが
 それでも、大事に至ったことは、なかったし
 …中学の時のあれは、人生的にノーカウントにしたい事ではあるが、あの保険医は結局訴えられたりなんだりでもう社会的には死んだようなもんだし…

「……あれ、そう言えば…」

 …そう言えば
 あの時、自分は誰に助けられたのだろう
 無理矢理強いられた行為の最中、気を失って
 ……気づいた時には、傍で黒服が心配そうに見守ってくれていた
 だから、あの頃の自分は、黒服が助けてくれたのだと、そう思っていた

 …だが、後になって
 黒服が駆けつけた時には、気絶した自分と保険医の姿があったらしく
 …つまり
 黒服ではない誰かが、自分を助けた事になる


 …それは、誰だったのだろうか?
 思い出すことができない
 自分が、完全に意識が飛んでいた間の出来事
 何があったのか…全く、わからない


「…あ、あいつ、落ち着いたか?」
「一応、寝かせておきましたが……目を覚ました頃には、落ち着いていると思います」

 黒服の言葉に、そうか、とほっとする
 …自分が、しっかりしないと
 あいつだって、都市伝説と契約していると言っても、まだ子供なのだ
 ……自分が、しっかりしなければ
 もっと、強くあらなければ
 自分が、二人を護れるようにならないと

 …そのためにも、早く元の体に戻るのだ
 「日焼けマシン」の契約者は、そう心に決めたのだった


fin

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