「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - サムディ男爵-09

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集

サムディ男爵の華麗なる(?)日々 09


 か~~~~~っらからからからからからからからからからからからから!!
 グゥウッドナァイッツ!!エ~~~ンド、ハバナイストゥデーイ?
 我輩、雪に誘われ優雅に散歩であるよ
 いやはや、ハロウィン直後に雪とはなんとも寒いである、この寒さが続いたら、我輩凍死してしまうかもしれないであるよ
 まぁ、死神だから、死ぬなんて不可能であるがな!か~~~~~~っらからからからからからからから!!

 ところで、最近学校町でマッドガッサーが大暴れらしいのであるよ
 マッドガッサーと言えばアメリカ発祥の都市伝説、うっかり我輩の今までの担当地域の都市伝説であるよ
 でぇぇ~~~も!我輩に責任はナァッシング!!
 確かに、アメリカで少々おいたをしていたマッドガッサーがいたのは事実であるよ
 ただ、そいつはスリーピー・ホロウに首を切られて死んだと聞いているである
 多分、それとは別人であるよ
 うっかり同一都市伝説であったとしても、我輩、アメリカ全土を見張っていた訳でもないから責任負えないのである
 か~~~~~~っらからからからからからからからからからから!!

 しかししかし、そのマッドガッサー、なかなか面白い個体であるよ
 ただの突然変異体であるだけでなく、そのガスの能力が男を女にチェエエンッジさせる!!
 しかも!女相手の場合は性的欲求を強く引き出させる!!
 なんとも素晴らしいガスである
 そんな魔法薬を、是非とも「薔薇十字団」で量産してほしいものであるよ
 そんな連絡を「薔薇十字団」にしてみたところ、電話を受け取っていたエンちゃんに「セクハラ」って怒られたであるがな!!
 いやはや、残念無念であるよ

 ならば、いっそマッドガッサーを捕らえてみるのもありであるかなぁ?
 マッドガッサーは、あちらこちらの都市伝説組織の恨みを買っている最中であるらしいのだよ
 うまく「薔薇十字団」で保護すると言う名目で、捕らえる事は…可能そうであるなぁ
 あんな素敵な能力の保持者、抹殺されるのを黙って見ているのは勿体無いである、からからからからからからから!!

 ………おぉぉ~~~~っと!?
 目の前にいるは、ちょうどその目標のマッドガッサーであるな!
 ふんふん、隣になにやらヴェールを被った西洋幼女がいるであるが……噂に聞いているマリ・ヴェリテのベートっぽいである
 1対2では我輩絶対不利?
 ノォ~~~ンノンノン!我輩、バトルする気はないである
 ただ、こちらの傘下にはいらないか説得してみるだけであるよ
 そぉ~れ、当たって砕けろ!!あ、砕けちゃ駄目であるな
 か~~~~~~~っらからからからからからからからからからからからからからからからぁ!!

「からからから、グゥッドナァイツ?マッドガッサーとマリ・ヴェリテであるな?」
「!?」

 サムディ男爵に声をかけられ、ガスマスクの男…マッドガッサーは、警戒するように身構えた
 その隣で、マリ・ヴェリテは小さく首を傾げている

「誰ー?」
「…ゲデか。ハイチの死神が、どうしてこんな島国にいやがる?」
「か~~~~っらからからから!おやおやおやぁ?我輩、速攻で正体見破られてしまったであるかぁ?」

 からからと、サムディ男爵は笑う
 まぁ、正体を隠しているつもりなど、今はないが
 相手が相手だ、むしろ、正体をおおっぴらにした方がいい

「死神ー?」
「あぁ、直接、命を取ってくるタイプじゃないがな」

 いつでもガスを発射できるようにしているらしいマッドガッサー
 ガスが届くか、届かないか
 そのギリギリの位置に立ち、サムディ男爵は二人を見据える

「そぉ~~っの通り!我輩、そんな野蛮な事はしないであるよ。ただ、人の黒歴史を暴露するのがちょっぴり好きなだけである!たとえば、マッドガッサー。アメリカにいた頃男にh」

 ぶしゅうううううううっ!!!
 問答無用で、サムディ男爵にピンク色のガスが吹き付けられる!!

「いやぁんっ!?我輩、女になる気はないであるよ。美女を観察するのは好きであるがなぁ!からからからからからから!!」
「っの、性悪死神が…っ」

 数歩退いて、ガスを逃れる
 マッドガッサーの毒ガスの射程範囲は、さほど広くない
 射程範囲を離れてしまえば、すぐに拡散して効果は消滅するのだ

 ……そのガスを、切り裂くように
 幼女の姿のままのマリ・ヴェリテがサムディ男爵に襲い掛かる

「アウッチ!?」

 ごがっ!!
 マリ・ヴェリテに押し倒され、サムディ男爵は強かに後頭部を打った
 ちょこん、とサムディ男爵の上に座り込むようにして、マリ・ヴェリテはサムディ男爵を押さえつける

「肉ー?それとも女にするー?」
「食欲的にイートされるかいやんエッチィ!な意味でイートされるかの二択!?これは我輩流石にピーーーンチっ!?」

 からからと、サムディ男爵は笑う
 口にした言葉とは裏腹に、己の身の危険など、全く感じている様子はない

「後者だな。こいつの能力はいざとなりゃ使えるし」
「この状態でガスを発射しちゃいやーーーんっ!?とりあえず、我輩の話をちょぉっとは聞いて欲しいであるよ。ガスを発射するかどうかはそこからサムシィング!」

 サムディ男爵の言葉に…マッドガッサーは、一旦、ガスの発射を重い度と待ったようだ
 しかし、いつでも発射できるよう、構えている
 マリ・ヴェリテはサムディ男爵を長つけたまま…その、幼女的な愛らしい手が、凶悪な狼の爪を生やし、サムディ男爵の首筋に添えられる

「ユーたち、「薔薇十字団」に所属する気はないであるか?」
「…「薔薇十字団」?」
「知ってるー。ヨーロッパの都市伝説組織ー。引き篭もり集団ー」
「か~~っらからからからから!!マリたんの言う通りであるよ。わりとそんな感じの都市伝説組織である。幸いと言うか何と言うか、活動拠点がヨーロッパなお陰で、「薔薇十字団」は今回の騒動でほぼ被害を受けていないのである。だから……ユーたちを、保護する事が可能であるよ?」
「……保護、なぁ?」

 疑いの声が向けられる
 ガスマスクのせいで表情はわからないが、さぞ、胡散臭いと言いたそうな顔をしていることだろう

「そう!保護であるよ!……ユーたち、うっかり色んな都市伝説組織の恨みを買いすぎであるよ。「組織」に「首塚」、「怪奇同盟」と敵を増やしすぎである。このままでは、「第三帝国」や「メンバー」まで敵に回しかねないであるよ?」
「どんだけ都市伝説組織集まってんだっ!?この街はっ!?」
「か~~~~っらからからからからからからからからから!!この街はあまりにも特殊であるよ。よって、都市伝説組織も集まりまくりである!」

 正直、まだまだこれからも増えていくのではないか?…という気配すら、ある
 隣町では「イルミナティ」が活動しているらしいし

「そぉっこでぇ!「薔薇十字団」では、そちらにその気さえあれば、保護するであるよ?」
「…それで、そっちにどんなメリットがあるんだか」
「メリット?正直、「薔薇十字団」は引き篭もりが多すぎである。動ける人材は喉から手が出る程ほしいであるよ…それに、その特殊なガス、我輩個人的にとっても興味津々である」
「後半だな?むしろ、本音は後半だな?」

 …さて、どうでるか?
 サムディ男爵は、窺うようにマッドガッサーの様子を見る
 マッドガッサーは、思案した様子で…
 サムディ男爵を押さえつけているマリ・ヴェリテに尋ねる

「マリ、お前はどう思う?」
「「薔薇十字団」嫌いー。3,4回殺されたことあるー」
「オーマイガっ!?そう言えばマリ・ヴェリテはフランスの都市伝説っ!?うっかり「薔薇十字団」とやりあった事があったであるか?」
「そりゃあ、もう」

 瞬時に、マリ・ヴェリテの姿が、幼女から人狼のものへと変わった
 獰猛な眼差しで、サムディ男爵を見下ろす

「…てめらにゃ、何度も殺されたさ。向こうじゃ、俺は生まれた瞬間に討伐対象だ」
「むむむむ、ローちゃんたちも、もうちょっと後々の事も考えて行動してほしいものである」

 ギラリ
 マリ・ヴェリテの鋭い爪が、サムディ男爵を狙う
 月光に照らされ、その爪が光り…

「……まぁ、仕方ないであるな」

 サムディ男爵の姿が
 忽然と、消えた

「…っ、どこに消えやがった!?」
「マリ、こっちだ!」

 サムディ男爵が現れたのは…二人を見下ろす位置の、木の上
 雪が降り積もるその木の天辺に立ち、からからと笑っていた

「説得が不可能なら、仕方ないであるよ。とりあえず、様子見続行なのである。今の所、「薔薇十字団」はお前たちの敵ではないであるよぉ?」
「あぁ、そうかい」

 マッドガッサーは、ガスの発射口を構える

「マリを殺した事がある時点で、俺にとっては敵だがな」
「…か~~~っらからからからからからから!!!友人の言っていた通りであるよ。マッドガッサーの一味は、仲間思いの集まりであるとな!」

 再び、忽然と消えるサムディ男爵
 ただ、その声だけが、はらはらと雪が降る中、響く

『今度会う時は、改めてユーたちをこちらに引き込む時か……ユーたちをお迎えに行く時であるよ。か~~~~~っらからからからからからからからからからからぁ!!!』



「…性悪死神めが」

 マッドガッサーは毒づく
 噂通り、あの死神は人の神経を逆撫でするのが得意らしい

「逃がしちまったけど、いいのか?」
「ヘタに正面切って戦って勝ち目があるかどうかわからないからな…相手は腐っても死神だ」

 積極的に命を刈り取るタイプではないとは言え
 …その気になられたら、どうなるかわからないのだ

「とりあえず、帰るぞ、この糞寒い中、外うろつくのは嫌になってきた」
「ハーメルンたちとも遭遇したし、嫌な日だな」
「まったくだ」

 まぁ、ハーメルンの笛吹き男は女に出来たからいいが
 うん、ナイス巨乳だった
 ぜひとも、今度遭遇した時は自分のガスかスパニッシュフライでエロエロに
 傍にいたハーメルン本体も同時にゲットできれば好都合

 仲間は、今いるだけでいい
 これ以上は望まない
 ……その仲間を護りつつも、野望は達成する
 その為に…本格的な作戦を練る必要がありそうだ
 一気に、広範囲に、このガスを撒き散らす事ができれば…


 はらはら、はらはら
 雪が降る中、マッドガッサーとマリ・ヴェリテは、静かに夜の闇の中へと姿を消していったのだった



to be … ?



前ページ   /   表紙へ戻る   /   次ページ

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー