「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - 守護者

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kemono

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だれでも歓迎! 編集
 この国は無防備だ
 平和ボケした国民が大半を占めるこの国は、あまりにも無防備で
 だからこそ、都市伝説にも狙われやすい
 この日もまた、UFOの大軍が、このちっぽけな島国に大挙して押し寄せようとしていた

「---視覚結界設置、完了しました」
「あぁ」

 「組織」上層部のとある黒服
 彼は、押し寄せてくるUFOの団体を双眼鏡で眺めながら…こっそりと、同情していた
 きっと、自分達ならば楽勝でこの国を占拠できると思っていることだろう
 可哀想に

「さて、後は経過を見守るだけだな」
「…よろしいのですか。本当に、我々が手出ししなくても」
「今回、「組織」がすべき事は、現れる都市伝説達が一般人に目撃されないよう、視覚的な結界を張ることだけだ」

 海上を飛んでくるUFO達


 -----ぼこぼこと、海が泡立ち始めた
 来たか


「…あいつら、海外産だとしたら、知らんのかねぇ」

 深々と、黒服はため息をつく
 ぼこぼこぼこぼこ、泡立つ海面

 直後、海から発射された放射火炎が、UFOを一機、打ち落とした
 UFO達の隊列が乱れる
 一機を打ち落とした放射火炎はそれだけでは満足せず、次々とUFOを撃ち落していく
 反撃するようにUFO達が光線を放っているが、海の中にいるあいつには届きはしないだろうし…届いたとしても、効果はあるまい

 ぼこぼこぼこぼこぼこぼこぼこ
 海面の泡が更に激しく、大きくなって


 そして、それは姿を現した


 漆黒の体、とげとげしい背びれ、長い長い尻尾
 ゴツゴツとした肌、鋭い牙
 …日本人ならば、知らぬ者がいるはずのない、それが
 海外でもよく知られている、それが


 怪獣王の姿が、海から出現した


 天に向かって、吼える怪獣王
 UFO達が光線で攻撃するが、それを受けても涼しい顔をしている
 じろり
 その巨大な目が、UFO達を睨んだ

「わかってないな。連中。手を出したらそこまでだ。お前らの人生終了だな」
「都市伝説でも人生と言うのでしょうか?」

 んな事は知らん
 部下のツッコミを無視して、その黒服は暴れ始めた怪獣王を見つめていた

 いつ見ても、惚れ惚れとする暴れっぷりだ
 その巨大な口から吐き出される放射火炎が、長い尻尾での一撃が、次々とUFO達を撃ち落していく


 …とある、ハリウッドの映画監督は、自分が作成した、宇宙人が地球を侵略する映画の裏話として、こんな趣旨の事を語ったそうだ

「日本にはゴ○ラがいるし、日本は怪獣や侵略者と戦いなれている。だから、被害はほとんど出ていないんだよ」

 と

 その発言が真実であるかどうかはわからない
 真実であったとしても、日本からの取材に対する、リップサービス的な発言だろう

 だがしかし、日本の特撮映画は海外でも人気である
 その特撮映画の中で、日本ばかりが怪獣や侵略者に襲われ、それを撃退せんと戦っているシーンが多いのは事実
 そして、映画監督の発言がネット上で語られて……それは、都市伝説となる


「日本が怪獣や宇宙からの侵略者に襲われても、日本ならばどうにかなる」


 怪獣王によって、UFO達は全滅した
 あの怪獣王は、この国を自分の縄張りであると認識しているらしい
 縄張りに入り込んだ蝿を全て叩き落し満足したのか……ゆっくりと、海の中に戻っていっている
 夕日をバックにしたその様子は、怪獣映画のラストさながらだ

「…いやぁ、いつ見ても素晴らしい戦いだった」

 ふぅ
 黒服は、眼福な様子の笑みを浮かべた
 映画のような戦いを、双眼鏡ごしとは言え、生で見られる
 いやぁ、日本の本部勤めで良かった良かった
 これが、アメリカ支部とか南米支部勤めでは、こうはいかない

「…怪獣王に任せなくても、「組織」の力を持ってすれば、あのUFO集団、どうにかなったのでは」
「この国には最強の怪獣王がいるんだぞ!その活躍の機会を逃させてどうする!!」

 さて、今回も戦いの映像は記録したし
 後でまた、じっくり楽しむとしようか


 国の危機を前にして、怪獣王の戦いを優先させていた上司のそんな様子に
 部下は呆れたように、深々とため息をついたのだった



続く予定なんざないので終わる






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