【上田明也の協奏曲11~歯車みたいに回る世界は~】
「じゃあ頼んだもの仕入れておいてくれよ。
ああ、代金は直接現金払いにするから。
良いよ、そう言う経費は自分で出すことにしているの。」
プツッ
電話を切る。
この俺、探偵笛吹丁こと殺人鬼上田明也は仕事に忙しい。
この三日間だけでも俺の元には依頼が四つ来ている。
調べてみると全て都市伝説がらみ。
厄介極まりない話である。
噂が噂を呼んで今では秘密裏に都市伝説絡みの事件を解決してくれる探偵として妙な所で評判になっている。
「組織」に目をつけられたくないのであまり有名になりたくないのだが……。
ああ、代金は直接現金払いにするから。
良いよ、そう言う経費は自分で出すことにしているの。」
プツッ
電話を切る。
この俺、探偵笛吹丁こと殺人鬼上田明也は仕事に忙しい。
この三日間だけでも俺の元には依頼が四つ来ている。
調べてみると全て都市伝説がらみ。
厄介極まりない話である。
噂が噂を呼んで今では秘密裏に都市伝説絡みの事件を解決してくれる探偵として妙な所で評判になっている。
「組織」に目をつけられたくないのであまり有名になりたくないのだが……。
「いよぅ、笛吹」
「やぁ、黒服さん」
「やぁ、黒服さん」
電話をかけ終わると丁度良く彼が来た。
「組織」の黒服H。
彼の名前を俺は知らない。
だが、一度溺れかけている所を救って貰った命の恩人だ。
その縁で「組織」には発覚しないような形でこっそり連絡を取っている。
「組織」の黒服H。
彼の名前を俺は知らない。
だが、一度溺れかけている所を救って貰った命の恩人だ。
その縁で「組織」には発覚しないような形でこっそり連絡を取っている。
「悪いな。俺と接触したら、黒服さん、立場危ういだろ?」
「なぁに、バレなきゃ問題ないさ」
「なぁに、バレなきゃ問題ないさ」
とはいえ、わざわざ来たのだから彼だって「組織」の追跡くらい躱せるのだろう。
「で、話ってのはなんだ?ピッチピチのナイスバディボインなねーちゃんでも紹介してくれんのか?」
「残念。俺はロリ専なので、その手の女性との縁はないので紹介不可能……ちょっと、尋ねたい事がある」
「残念。俺はロリ専なので、その手の女性との縁はないので紹介不可能……ちょっと、尋ねたい事がある」
縁が無いというのは完全に嘘だ、しかしそれは今後の取引材料にとっておきたいので隠すことにする。
というか彼だってそれ位自前でどうとでもできるだろうに。
俺は自分で出来ることは自分でやるべきだと思っている。
自分ではどうしようもない困った時、始めて他人を頼れば良いのだ。
例えば今みたく。
というか彼だってそれ位自前でどうとでもできるだろうに。
俺は自分で出来ることは自分でやるべきだと思っている。
自分ではどうしようもない困った時、始めて他人を頼れば良いのだ。
例えば今みたく。
「何だ?」
おや、感情が表情になってしまったらしい。
俺としたことがらしくない。
「…穀雨 吉静、という少女を知っているか?」
下手に持って回った言い方はやめよう。
今回は彼に頼るのが一番の得策なのだ。
「どこで、その名前を知ったんだい?」
「街中にて、運命的な出会いを少々」
これが本当だから困った物である。
「うんめー、ねぇ?」
こちらの表情を探る黒服。
あんたも嘘つきだから解るだろう?
その通り、嘘じゃないんだよ、笑っちまうよな。
「知っているが、どうしたんだ?そいつは過激派の連中が引き取る予定のロリだろ?」
「…過激派?」
「あぁ。「組織」内も派閥争いが七面倒くさくてよ。過激派は、まぁ、名前の通り、都市伝説討伐とかのためなら何やってもオッケー、つぅ乱暴な考えの連中さ」
ああ、俺を懸命に追っかけてきたりする奴か?
普通の人の被害を考えないから逃げ回る分には愉快な奴らだ。
だが、幾ら生け捕ろうとしてもその前に大抵死ぬからそう言う意味では面白くない。
「何をやっても、か…その過激派が子供を引き取るとなると、理由は…」
「想像、つくんじゃないのか?」
想像したくない。
いたいけな幼女を人体実験だなんて肛虐の監禁病棟24時~小児科編~でだけ行われていれば良いのだ。
だが答えねば話は進まない。
「……実験体に、使うんだな?何かの」
ああ、スーパーひとし君人形を使っても良いほど間違いない。
「ご名答」
やっぱりな。
ひとし君人形を寄越せ。
おや、感情が表情になってしまったらしい。
俺としたことがらしくない。
「…穀雨 吉静、という少女を知っているか?」
下手に持って回った言い方はやめよう。
今回は彼に頼るのが一番の得策なのだ。
「どこで、その名前を知ったんだい?」
「街中にて、運命的な出会いを少々」
これが本当だから困った物である。
「うんめー、ねぇ?」
こちらの表情を探る黒服。
あんたも嘘つきだから解るだろう?
その通り、嘘じゃないんだよ、笑っちまうよな。
「知っているが、どうしたんだ?そいつは過激派の連中が引き取る予定のロリだろ?」
「…過激派?」
「あぁ。「組織」内も派閥争いが七面倒くさくてよ。過激派は、まぁ、名前の通り、都市伝説討伐とかのためなら何やってもオッケー、つぅ乱暴な考えの連中さ」
ああ、俺を懸命に追っかけてきたりする奴か?
普通の人の被害を考えないから逃げ回る分には愉快な奴らだ。
だが、幾ら生け捕ろうとしてもその前に大抵死ぬからそう言う意味では面白くない。
「何をやっても、か…その過激派が子供を引き取るとなると、理由は…」
「想像、つくんじゃないのか?」
想像したくない。
いたいけな幼女を人体実験だなんて肛虐の監禁病棟24時~小児科編~でだけ行われていれば良いのだ。
だが答えねば話は進まない。
「……実験体に、使うんだな?何かの」
ああ、スーパーひとし君人形を使っても良いほど間違いない。
「ご名答」
やっぱりな。
ひとし君人形を寄越せ。
「「組織」内で主に実験行為を行っていた機関は、6年くらい前に解体されてな?
以降、まともに実験許可が下りないもんだから、実験行為をしたい連中、上の目を盗んで好き勝手やるようになったのさ。
以前ですら、許可が下りなかったような実験に手を出す奴も出始めてる」
「穀雨 吉静も、そんな実験の為に?」
「何だったかねぇ………あぁ、そうだ、「桃娘と契約した場合の変化について」の実験、だったか」
「桃娘?中国の都市伝説か?」
組織に対して直接的にはなんの役にも立たない都市伝説だ。
だが、奴隷として使う為にどこかに売り払う分には最高だろうな。
これを欲しがる人間の下卑た笑みが簡単に浮かぶよ。
ぶっ殺したい、これが今の正直な感想だ。
誰だってそんなろくでもない人間殺したくなるだろう?
だから俺はいつもそんな奴は楽しく殺している。
法律に縛られない身分はとても楽だ。
……まぁ、桃娘と聞いた瞬間それを考えてしまった自分がもっとも死ぬべきか?
「今まで、「組織」が確認してきた桃娘は、桃娘という都市伝説として、肉体と意識をもった存在だけだ。
だが…もし、人間の女が、桃娘と契約したら、そいつは桃娘になるのか?……そんな実験さ」
おお、外道外道。
奴らは人を人と思っていないに違いない。
良くて生体都市伝説起動装置だろう。
「過激派の、その連中。その子を桃娘に変えちまおう、って言うのさ」
「酷いもんだな」
「まったくだ。穏健派の連中にバレたら、まぁ、即座に止められるだろうよ。まだバレてないんだが」
「あの、お人好しの極みの黒服は知らないのか?」
「あいつ、今、他の厄介事を抱えてる最中なんだよ。この問題も背負ったら、また過労死しかけそうなんでね」
それなら手を煩わせるわけにはいかない。
正直、彼が過労死してしまうと組織に俺を弁護してくれる奴が居なくなる。
以降、まともに実験許可が下りないもんだから、実験行為をしたい連中、上の目を盗んで好き勝手やるようになったのさ。
以前ですら、許可が下りなかったような実験に手を出す奴も出始めてる」
「穀雨 吉静も、そんな実験の為に?」
「何だったかねぇ………あぁ、そうだ、「桃娘と契約した場合の変化について」の実験、だったか」
「桃娘?中国の都市伝説か?」
組織に対して直接的にはなんの役にも立たない都市伝説だ。
だが、奴隷として使う為にどこかに売り払う分には最高だろうな。
これを欲しがる人間の下卑た笑みが簡単に浮かぶよ。
ぶっ殺したい、これが今の正直な感想だ。
誰だってそんなろくでもない人間殺したくなるだろう?
だから俺はいつもそんな奴は楽しく殺している。
法律に縛られない身分はとても楽だ。
……まぁ、桃娘と聞いた瞬間それを考えてしまった自分がもっとも死ぬべきか?
「今まで、「組織」が確認してきた桃娘は、桃娘という都市伝説として、肉体と意識をもった存在だけだ。
だが…もし、人間の女が、桃娘と契約したら、そいつは桃娘になるのか?……そんな実験さ」
おお、外道外道。
奴らは人を人と思っていないに違いない。
良くて生体都市伝説起動装置だろう。
「過激派の、その連中。その子を桃娘に変えちまおう、って言うのさ」
「酷いもんだな」
「まったくだ。穏健派の連中にバレたら、まぁ、即座に止められるだろうよ。まだバレてないんだが」
「あの、お人好しの極みの黒服は知らないのか?」
「あいつ、今、他の厄介事を抱えてる最中なんだよ。この問題も背負ったら、また過労死しかけそうなんでね」
それなら手を煩わせるわけにはいかない。
正直、彼が過労死してしまうと組織に俺を弁護してくれる奴が居なくなる。
「黒服さん、もし、俺がその少女を「組織」が引き取るのを邪魔したら、どうする?」
答えはわかっている。
言わずとも解っていることをわざわざ聞いている自分が可笑しい。
「あー?むしろ、遠慮なく邪魔してくれや。俺は過激派の連中は嫌いだしな。あの連中の実験が阻止されても、困るのはあいつらだけだし」
俺の顔からは今、笑みが漏れているに違いない。
答えはわかっている。
言わずとも解っていることをわざわざ聞いている自分が可笑しい。
「あー?むしろ、遠慮なく邪魔してくれや。俺は過激派の連中は嫌いだしな。あの連中の実験が阻止されても、困るのはあいつらだけだし」
俺の顔からは今、笑みが漏れているに違いない。
「なるほど、遠慮はいらないか?」
「あぁ。いっそ、過激派連中全部まとめて始末してくれると、俺が喜ぶ」
嗚呼、可笑しい。
可笑しくて可笑しくて声を上げて笑ってしまいそうだ。
「全部は多いだろう、全部は。全部でどれだけいると言うんだ?」
だが出来るだけそれを抑えて黒服に問う。
獲物の数を抑えないとちゃんと殺せないじゃないか。
「知らね。「組織」全体の……今だと、37%くらい、かねぇ?はっきりとわかってる過激派は」
「教えてくれて、どうもありがとう。いつか礼はしよう」
抑えろ、抑えろ。
殺人が楽しいんじゃないんだ。
俺はろくでなしを殺すのが楽しいだけなんだ。
「OK、礼ってか、俺たちの仕事を減らす意味で事件起こす頻度を減らしてくれれば俺は喜ぶぞ」
まあ何時忘れるかは解らないがそれ位おやすいご用だ。
「努力してみよう。」
人が良さそうに笑っておく。
こういう笑顔は人間関係の潤滑剤。
「あ、そうだ、笛吹」
「何だ?」
「すまん」
はて、俺は謝られるようなことをされたか?
「どうしたんだ?いきなり?」
「いやー、それがな?同僚たちとで、お前を捕縛した場合、誰が説得するのが一番か、
って話し合った結果…………ガチホモマッチョ禿に説得させるのが一番、という結論に達した」
土下座して謝ればいい。
「そいつは今、アメリカに左せ……出張中だけどな。そいつの代わりに日本にいる奴がまぁ、似たような存在で。今、「組織」に捕まったら、そいつに尻掘られるかもな」
「教えてくれてありがとう。絶対に「組織」には捕まらないからな!!」
こ、こんな黒服が来るかもしれない場所に居られるか!
俺はひとまず逃げ帰ることにした。
「あぁ。いっそ、過激派連中全部まとめて始末してくれると、俺が喜ぶ」
嗚呼、可笑しい。
可笑しくて可笑しくて声を上げて笑ってしまいそうだ。
「全部は多いだろう、全部は。全部でどれだけいると言うんだ?」
だが出来るだけそれを抑えて黒服に問う。
獲物の数を抑えないとちゃんと殺せないじゃないか。
「知らね。「組織」全体の……今だと、37%くらい、かねぇ?はっきりとわかってる過激派は」
「教えてくれて、どうもありがとう。いつか礼はしよう」
抑えろ、抑えろ。
殺人が楽しいんじゃないんだ。
俺はろくでなしを殺すのが楽しいだけなんだ。
「OK、礼ってか、俺たちの仕事を減らす意味で事件起こす頻度を減らしてくれれば俺は喜ぶぞ」
まあ何時忘れるかは解らないがそれ位おやすいご用だ。
「努力してみよう。」
人が良さそうに笑っておく。
こういう笑顔は人間関係の潤滑剤。
「あ、そうだ、笛吹」
「何だ?」
「すまん」
はて、俺は謝られるようなことをされたか?
「どうしたんだ?いきなり?」
「いやー、それがな?同僚たちとで、お前を捕縛した場合、誰が説得するのが一番か、
って話し合った結果…………ガチホモマッチョ禿に説得させるのが一番、という結論に達した」
土下座して謝ればいい。
「そいつは今、アメリカに左せ……出張中だけどな。そいつの代わりに日本にいる奴がまぁ、似たような存在で。今、「組織」に捕まったら、そいつに尻掘られるかもな」
「教えてくれてありがとう。絶対に「組織」には捕まらないからな!!」
こ、こんな黒服が来るかもしれない場所に居られるか!
俺はひとまず逃げ帰ることにした。
「ただいまー。」
「あ、お帰りなさい。所長、何か荷物届いてましたよ?」
「おお、来たか来たか。」
メルが細長い筒を二つもってくる。
どうやら俺の頼んだ荷物は事務所に届いていたらしい。
「無茶苦茶高かったんですけど?」
「封筒の中に料金入ってただろう?」
「何入っているんですか?」
「秘密。」
んふふふ、と柄にもなく笑ってしまう。
我が恋人達をさっそく自室に運ぶとしよう。
「メル、今日の晩飯は丸鳥のスープか何かか?」
――――――――――――違和感。
「え?」
「血の臭いがする。」
「あ、ああ!そうなんですよ!今日はちょっと鳥肉のスープでも作ろうかと。」
「そうか、ならば良いんだ。」
まぁ深くは問うまい。
とりあえず部屋に届け物を置いてくることにしよう。
俺は探偵事務所の所長室に向かった。
あの少女が暖かな夜を迎えられることを願いながら、俺はひとまず休眠を取ることにした。
「なんであんな子供が不幸にならなきゃいけないんだよ……。」
さらに言えばなんで俺みたいな人間が強くてニューゲームの人生を送らねばならないのだ?
このろくでもない世界に悪態を吐きながら俺はひとまず眠ることにした。
【上田明也の協奏曲11~歯車みたいに回る世界は~ fin】
「あ、お帰りなさい。所長、何か荷物届いてましたよ?」
「おお、来たか来たか。」
メルが細長い筒を二つもってくる。
どうやら俺の頼んだ荷物は事務所に届いていたらしい。
「無茶苦茶高かったんですけど?」
「封筒の中に料金入ってただろう?」
「何入っているんですか?」
「秘密。」
んふふふ、と柄にもなく笑ってしまう。
我が恋人達をさっそく自室に運ぶとしよう。
「メル、今日の晩飯は丸鳥のスープか何かか?」
――――――――――――違和感。
「え?」
「血の臭いがする。」
「あ、ああ!そうなんですよ!今日はちょっと鳥肉のスープでも作ろうかと。」
「そうか、ならば良いんだ。」
まぁ深くは問うまい。
とりあえず部屋に届け物を置いてくることにしよう。
俺は探偵事務所の所長室に向かった。
あの少女が暖かな夜を迎えられることを願いながら、俺はひとまず休眠を取ることにした。
「なんであんな子供が不幸にならなきゃいけないんだよ……。」
さらに言えばなんで俺みたいな人間が強くてニューゲームの人生を送らねばならないのだ?
このろくでもない世界に悪態を吐きながら俺はひとまず眠ることにした。
【上田明也の協奏曲11~歯車みたいに回る世界は~ fin】