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連載 - わが町のハンバーグ-39d

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「メリークリスマース!クリスマス限定発売『ミッドナイトケーキ』いかがっすかー!」


色々な店がクリスマス商戦に参戦している中、うわさの産物ももちろん例外でなかった。
普段なら店のメニューどころか気まぐれ定食にも出ない特別ケーキを店の前で売り出し中である。


…まぁやはり店長。特別、というか最早謎なケーキである。


黒い。チョコレートケーキとかの比じゃなくて黒い。

「このケーキのクリームには特殊物質ダークマターが混ぜ込まれていて、体内の毒素を吸い取って排出してくれるんだぜ!」
自信満々に宣伝する店長。このケーキを試食した次の日に謎の腹痛を起こし、どうもそれを毒素の排出と思っているようである。

「…なんで本来食用でないものを材料に使うのか…」
呆れ顔のこっちゃん。その服装はいつもの和服とは違ってミニスカのサンタ服である。
「やっぱりクリスマスの客寄せは可愛いミニスカサンタだよな!」という店長の独断で決めたものである。

…まぁ頑張りもむなしく、今までで3個ほどしか売れてないが…

「だって婆さんがくれたし?もらったものは有効活用しねぇと」「だからと言ってなぜ、食べ物にする…」
「…じゃあ逆に聞くが、ダークマターって何に使うの?」「………宇宙創造?」


………


「そ、そろそろケーキ第二陣が焼けるころだな。ちょっと取ってくるわ」店の中へと入って行く店長。
「…まだ、焼くの…?」その後ろ姿をやはりあきれ顔で見送るこっちゃん。


……あたりを静寂が包む…



というわけには、いかなかった。


「メリィー・クリスマァース!」目の前に、突然サンタがわいて出たように現れた。
「…誰?」「こんな日も働くいい子にはプレゼントを!」
そう言ってサンタが持っていた袋を開ける…そこには…



先ほど店内に入って行ったはずの、店長の……店長の……


どぱんっ「へぶぅ!?」

こっちゃんはそれが「何」かを理解する前に行動を起こした。正確には「何」かを理解できないまま体が動いた。
手元にあったケーキを丸ごと全力投球、ケーキはサンタの顔面にクリーンヒットした。


どぱんっ、どぱんっ。
「おぶぁ!ながぁ!?」三個目が直撃したところで、サンタは意識を失い、その場に倒れ込んだ。


「…嘘。…分かってる、これは偽物…」ぱぁん、すぱぁん。

気絶したサンタになおケーキをぶつけ、自らに言い聞かせるように呟くこっちゃん。

彼が、そう簡単に死ぬはずがない。
彼は、強い。私を残して、いなくなるはずがない。

一人は嫌だ一人は寂しい一人はつまらない一人は怖い彼といたい彼とずっといたい彼t「何か騒がしいけどどした…って、え?」


店の中から出てきた店長だが、とりあえずこの状況の理解に苦しんでいるようだ。

自分の死体の横に転がる顔面が黒いクリームまみれのサンタに、ケーキをぶつけるこっちゃん。…一体何がどうなってんの?

「こ、こっちゃん…?一体何があったって」ぎゅっ
こっちゃんに声をかけたとたんに、思いきり抱きつかれてしまった。

「ちょ、ちょい、本当に何が」「…グスッ…エグッ…」「こ、こっちゃん…?」
そして抱きついたまま泣き出してしまったこっちゃん。…店長は意味を全く理解できてないが…

「まぁその…なんだ、俺はここにいるから…ずっといっしょにいるから、な?大丈夫だから、泣くなって…」
「……」


ぎぅ。


店長の言葉に、さらにきつく抱きつくことで答える。

「…しばらく…グスッ、このままで…」「あ、あぁ…」



……



「で、コイツがこの俺の死体を?」「…コクリ」
足元に転がるサンタを、かがんでツンツンつつく店長。そして店長の横でまだ抱きついたままのこっちゃん。

「ふぅん…ま、誰だかしらねぇけど…こっちゃんを泣かすくれぇの奴だ。お も て な し してやらねぇと、なぁ…?」


その日、うわさの産物内からは悲鳴が絶えることはなかったがそれはまた別の話である。



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