「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 仲介者と追撃者と堕天使と-14

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 それは、エニグマ姉妹がうっかりと誘拐未遂にあってから、数日後

「…先日は、ボクの姉が大変と迷惑をかけたようで。申し訳ない」

 帰宅にある診療所を訪れたその青年は、そう口にして
 深々と、まるで土下座でもせん勢いで、頭を下げてきたのだった


 彼が青年だとわかったのは、そのコートや服装が男物だったせいだ
 そうでなければ、その中性的な顔立ちや体付き、それに、髪を結ぶ真っ白なリボンのせいで、女性と間違いかねない
 もっとも、ドクターは彼が男性であると即座に見抜いたのだが、それはドクターだからこそわかったことであり、通常は判断が難しいだろう

「なるほど、可愛いものを見ると見境がなくなる、か……まぁ、気持ちはわからないでもないな」
「同意を得られたのをありがたいととるべきか否か。ただ、やっぱり誘拐は犯罪な訳で」

 ドクターの言葉に、青年…仲介者は、表向きは眉一つ動かさず
 ただ、心中では複雑な気分だった

「どうにも、姉さんは都市伝説や都市伝説契約者相手だと理性のタガが外れやすい。その辺り、もう少ししっかりしてくれるとありがたいのだが…」
「……ふむ?君のお姉さんは、都市伝説や都市伝説契約者を見分ける能力でも持っているのかね?」
「姉さんも契約者だから、その関係でわかるのだろう………まぁ、契約以前から、わりとその辺りの勘は良かったが」

 ある意味で、その勘が困った方向に活用されている訳で
 問題の人物の弟である仲介者としては、姉をどうにかしなければ、と言う思いはない訳ではなのだが……「自分では無理だ」、ととっくの昔に諦めていて、姉の恋人にその辺りを間か背っきりだからタチが悪い

「…ところで。ケーキはお気に召さなかっただろうか?」
「え?」
「あ、その…」

 …診療所の面々
 彼女らの前には、ケーキが差し出されていた
 どれもこれも、可愛らしくデコレーションされた一人用のケーキ
 仲介者が、謝罪の気持ちをこめて作ってきたものだ
 彼の姉の誘拐未遂の被害者であるエニグマ姉妹達だけではなく、その関係者の分もきっちり作ってきているのが、彼らしい

「…ふむ、そうだな。いただこうか。メアリー、すまないが紅茶を淹れて来てくれないか?」
「あ、はい」

 メアリーにそう言って、ドクターは自分の前に出されていたケーキに手を伸ばした
 フォークをいれ、一口分、口へと運び……じっくりと味わい、ふむ、と頷く

「店で出していても、充分通用するレベルだな」
「美しいレディにそう言われるのは、悪い気がしないな」

 ドクターの素直な感想に…仲介者の淡白な顔に、ようやく感情らしい感情が浮かんだ
 ドクターは笑って、メアリーが運んできた紅茶を受け取った
 仲介者は、ほっとしたように、自分が作ったケーキを食べてくれている面々を見つめている

「美味しいであります!……こちらも、一口食べて見たいであります!」
「はいはい。それじゃあ、お姉の分も一口こっちにくださいね……あぁ、ほら、口の周りにクリームをつけて」

 仲介者の謝罪相手である、エニグマ姉妹も、ケーキは気に入ってくれたようだった
 彼女たちの様子を、仲介者はじっと見詰めて

「…………?」

 ……ふ、と
 その視線が…姉妹の、妹の方へと固定される

「むぐ?……どうかしましたか?」

 その視線に気付いて、首をかしげる妹
 そんな妹に………そっと
 仲介者の細い手が、伸ばされた

「え?」

 す、と頬に触れる手
 その手は、かすかにひんやりと冷たさを伴っていた
 じっと、じっと
 仲介者の色素の薄い瞳が、眼鏡越しに彼女を見つめる

「あ、あの………?」
「……………あぁ、すまない」

 つい、と
 その指先が、彼女の頬を軽く撫でる

「君の頬にも、クリームがついていたもので」
「は、はぁ…」

 な、何だったのだろう?
 男性に、あぁまでも至近距離で見つめられるというものは……女性としては、なんとも、鼓動が不可抗力で早くなってしまうもので
 若干、頬を赤らめてしまっている妹

「………」

 それを、仲介者は静かに見つめていた

(………かすか、だが………何らかの、都市伝説の影響……)

 …ぱらり
 仲介者が傍らに置いていた「光輝の書」のページが、勝手にめくれる

(…その可能性…………52%………駄目だな。彼女の体に悪影響を及ぼしているかどうかまでは、今の僕では判断できない…)

 彼女から感じた、何らかの都市伝説の気配
 だが、仲介者には、それが彼女にとって有益なものか、不利益をもたらすものなのか、判断はできず
 その点を指摘してもいいものか否か、判断に迷うのだった




to be … ?




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