とある少女のお部屋には、テディベアが所狭しと並べられている。それは大きかったり小さかったり、色も様々であったが、どこか寂しげな表情をしているものばかりだった。
それは何故か、このテディベア達は少女が揃えたものであるが、買ったものではない……手作り? いや、それは――
「おい、そこの……お前、契約者だな?」
日も落ちた公園で、よれよれのスーツの冴えないおっさんが、ひらひらのフリルのスカートを翻し歩く少女に声をかける。その目は獲物を見つけた獣の目で、少女を捉えて離さない。
「……」
声をかけられた少女は、一見していたいけのない少女で、無言のままおっさんに向き直った。
「まあいい、悪いが、死ね……」
すっと、男の後ろに女性の影が現れた。簡素な赤いワンピースを着ていて、スタイルはいいが、長髪で隠れた隙間から見えた顔は、大きなマスクで覆われていて、顔が判別できない。
「わたし……キレイ?」
女性は、不安そうな声色で少女にそう尋ねた。すると少女は質問に答えることも無く、ただこう言った。
「口裂け女……彼女は悪くなかったけど、彼の言葉……不適切ね」
「これでも……?」
と、口裂け女は少女の発言を気にも留めず、顔を覆う大きなマスクを外そうとして、あることに気づく。
自分の契約者だったはずの男が、その場から姿を消している。
「え……?」
「残念だけど、あなたの契約者はもう居ないわよ」
少女は、にっこりと笑って、先ほどまで男が立っていた位置に近づき、地面からそっとそれを拾い上げた。
「んー、こいつは7番目のお父さん熊かな」
少女が抱えているのは、よれよれのスーツを着たテディベアで、どこか寂しげな表情をしているのが見て取れた。
「その……ぬいぐるみ……私の……」
口裂け女がそのテディベアに手を伸ばしてくるが、少女はそれを気にも留めずぷいっと反対を向き、歩き出す。
「あなた、もっといい契約者、探すといいわ」
最後に一言、少女はそう言ってその場を立ち去った。
それは何故か、このテディベア達は少女が揃えたものであるが、買ったものではない……手作り? いや、それは――
「おい、そこの……お前、契約者だな?」
日も落ちた公園で、よれよれのスーツの冴えないおっさんが、ひらひらのフリルのスカートを翻し歩く少女に声をかける。その目は獲物を見つけた獣の目で、少女を捉えて離さない。
「……」
声をかけられた少女は、一見していたいけのない少女で、無言のままおっさんに向き直った。
「まあいい、悪いが、死ね……」
すっと、男の後ろに女性の影が現れた。簡素な赤いワンピースを着ていて、スタイルはいいが、長髪で隠れた隙間から見えた顔は、大きなマスクで覆われていて、顔が判別できない。
「わたし……キレイ?」
女性は、不安そうな声色で少女にそう尋ねた。すると少女は質問に答えることも無く、ただこう言った。
「口裂け女……彼女は悪くなかったけど、彼の言葉……不適切ね」
「これでも……?」
と、口裂け女は少女の発言を気にも留めず、顔を覆う大きなマスクを外そうとして、あることに気づく。
自分の契約者だったはずの男が、その場から姿を消している。
「え……?」
「残念だけど、あなたの契約者はもう居ないわよ」
少女は、にっこりと笑って、先ほどまで男が立っていた位置に近づき、地面からそっとそれを拾い上げた。
「んー、こいつは7番目のお父さん熊かな」
少女が抱えているのは、よれよれのスーツを着たテディベアで、どこか寂しげな表情をしているのが見て取れた。
「その……ぬいぐるみ……私の……」
口裂け女がそのテディベアに手を伸ばしてくるが、少女はそれを気にも留めずぷいっと反対を向き、歩き出す。
「あなた、もっといい契約者、探すといいわ」
最後に一言、少女はそう言ってその場を立ち去った。