???「もうすぐだ、もうすぐその時が来る。」
ある時、ある場所で、ある男はそう呟いた。
???「『あれ』が完成し、情報さえ揃えば、世界征服は目の前だ。」
世界征服のため、活動してきた男がいた。
???「嬉しいでしょう?『大王様』。」
そう、彼の名は―――
手下「「[黄昏マサヨシ]将軍!」」「「我等が黄昏将軍!」」「「この世界の救世主!」」
黄昏「貴方には、もうこれだけの手下がいるんですよ。大王様。」
黄昏「貴方には、もうこれだけの手下がいるんですよ。大王様。」
城のような建物の窓から群衆を見ながら、マサヨシはそう微笑んだ。ふと扉からノックが聞こえる。
心星「将軍。お話があります。」
黄昏「心星か。入れ。」
黄昏「心星か。入れ。」
“ガチャリ”と、マサヨシの部屋に心星が入ってくる。
黄昏「『あれ』についてか。」
心星「はい。もうすぐ完成します。あなたの求めた最強兵器『封印槍』が。」
心星「はい。もうすぐ完成します。あなたの求めた最強兵器『封印槍』が。」
その言葉を聞き、マサヨシは高らかに笑い出した。
黄昏「遂にだ。遂に大王様が世界を支配する時が来る!」
心星「それについてなんですが・・・。」
心星「それについてなんですが・・・。」
自信に溢れているマサヨシに、心星が疑問を挙げる。
心星「『封印槍』はどうやら1本の生産ペースが長いようなのです。
それにとてもあんなもので強敵を倒せるとは思えないのですが。」
黄昏「・・・あぁ、まだ説明していなかったか。いいだろう。そろそろ話してやる。」
それにとてもあんなもので強敵を倒せるとは思えないのですが。」
黄昏「・・・あぁ、まだ説明していなかったか。いいだろう。そろそろ話してやる。」
マサヨシは王座のような椅子に座り、『封印槍』について語りだした。
黄昏「そもそもあの槍にどのような力が秘められているか知っているか?」
心星「いいえ。詳しくは存じません。」
黄昏「そこからだな。あの槍には『都市伝説の能力を封印する』力がある。」
心星「都市伝説の能力を?!・・・失礼しました。」
黄昏「無理もない。都市伝説に頼ってきた人間が、それを封じられては赤子同然だからな。」
心星「しかし、どうやって?」
心星「いいえ。詳しくは存じません。」
黄昏「そこからだな。あの槍には『都市伝説の能力を封印する』力がある。」
心星「都市伝説の能力を?!・・・失礼しました。」
黄昏「無理もない。都市伝説に頼ってきた人間が、それを封じられては赤子同然だからな。」
心星「しかし、どうやって?」
マサヨシが少し考えてから、逆に心星に質問する。
黄昏「都市伝説が何でできているか知っているか?」
心星「は?さ、さぁ・・・。」
黄昏「都市伝説は人々の幻想だ。欲望・怨念・恐怖・・・それらの塊だ。コロすと消滅するところからもそれは分かるだろ?」
心星「はい。」
黄昏「つまりこの幻想をデータ化し、メモリの中に閉じ込めれば、都市伝説を封印した事になる。そうだろ?」
心星「そうかもしれませんが、データ化なんて、あ!」
心星「は?さ、さぁ・・・。」
黄昏「都市伝説は人々の幻想だ。欲望・怨念・恐怖・・・それらの塊だ。コロすと消滅するところからもそれは分かるだろ?」
心星「はい。」
黄昏「つまりこの幻想をデータ化し、メモリの中に閉じ込めれば、都市伝説を封印した事になる。そうだろ?」
心星「そうかもしれませんが、データ化なんて、あ!」
ふと、心星はある事に気が付く。それを見て、マサヨシは不敵な笑みを浮かべる。
黄昏「そう、日向の都市伝説、【電脳世界=自然界論】だ。
やつの能力なら、肉体まで封印できないが能力などなら可能らしい。
そのために情報や他の都市伝説が必要だった。だが全て掻き集めた。この日のために!」
心星「し、しかし、そのためには数が必要です。それに、万が一避けられたとしたら・・・。」
やつの能力なら、肉体まで封印できないが能力などなら可能らしい。
そのために情報や他の都市伝説が必要だった。だが全て掻き集めた。この日のために!」
心星「し、しかし、そのためには数が必要です。それに、万が一避けられたとしたら・・・。」
不意にマサヨシが立ち上がり、心星に歩み寄る。
黄昏「そのために、俺と・・・お前がいる。」
マサヨシが笑みを浮かべたまま心星の肩を掴む。
心星「え・・・?」
黄昏「『封印槍』は1本で充分だ。俺には、大王様の能力がある。」
心星「あ、そ、そうでしたね。取り乱して申し訳ないです。」
黄昏「なぁに、それだけ俺の事を心配してくれているんだと思っておいてやる。」
心星「ぁ、ありがとうございます。しかし数の問題は解決しましたが、命中率は・・・。」
黄昏「『封印槍』は1本で充分だ。俺には、大王様の能力がある。」
心星「あ、そ、そうでしたね。取り乱して申し訳ないです。」
黄昏「なぁに、それだけ俺の事を心配してくれているんだと思っておいてやる。」
心星「ぁ、ありがとうございます。しかし数の問題は解決しましたが、命中率は・・・。」
その質問に、マサヨシは呆れたように返す。
黄昏「そこは、お前の仕事だ。」
心星「はい?ですが、私には・・・。」
黄昏「お前には、全ての槍を確実に命中させる術がある。」
心星「はい?ですが、私には・・・。」
黄昏「お前には、全ての槍を確実に命中させる術がある。」
そういうと、マサヨシがポケットから十円玉を取り出し、心星にトスする。
心星「ぉっと、・・・なるほど。そういう事ですか。」
黄昏「槍には【コックリさん】を共有する能力も付加されている。
『封印槍』のコピーを大王様の能力で生成し、コインの能力で敵に必中させれば。」
心星「確実にこの町の都市伝説を狩れる。」
黄昏「夢の世界征服、となる訳だ。」
黄昏「槍には【コックリさん】を共有する能力も付加されている。
『封印槍』のコピーを大王様の能力で生成し、コインの能力で敵に必中させれば。」
心星「確実にこの町の都市伝説を狩れる。」
黄昏「夢の世界征服、となる訳だ。」
急に部屋の扉が開き、隊長らしき人物が入ってくる。
隊長「将軍!また【組織】の人間が動いたようです!今、我が隊は苦戦中で、死傷者も出ています!」
黄昏「・・・そうか。」
黄昏「・・・そうか。」
隊長の頭上に黒雲が広がる。同時に、何故か隊長は金縛りにあったかのように動かなくなった。
隊長「しょ、将軍、何を・・・?」
黄昏「1つ、死傷者を出すような隊の長は要らない。2つ、自分だけノコノコと帰ってくる精神が気に入らない。」
黄昏「1つ、死傷者を出すような隊の長は要らない。2つ、自分だけノコノコと帰ってくる精神が気に入らない。」
マサヨシはゆっくりと隊長に歩み寄る。
黄昏「3つ、この扉をノックせずに開けた事が許せない。」
隊長「将軍、待」ガゴン!
隊長「将軍、待」ガゴン!
マサヨシは隊長に向かって謎のリモコンのスイッチを押すと、突然巨大な鉄板が現れ、隊長とその頭上の雲を囲う。
黄昏「大王様の言葉だ。『お前は隊長から、地獄の労働者に格下げだ』とな。」
心星「・・・良かったのですか?今は人手が必要な時期では?」
黄昏「だからこそ、あんな人材は必要ない。今すぐ他の隊を送れ。」
心星「はっ。あの、私も向かいましょうか?」
黄昏「・・・死ぬなよ。」
心星「・・・はい!」
心星「・・・良かったのですか?今は人手が必要な時期では?」
黄昏「だからこそ、あんな人材は必要ない。今すぐ他の隊を送れ。」
心星「はっ。あの、私も向かいましょうか?」
黄昏「・・・死ぬなよ。」
心星「・・・はい!」
心星は敬礼をして、駆け足でこの部屋を離れた。
黄昏「死なれては困るからな。『今は』。」
マサヨシがそういうと、コンテナ状になった鉄板を1枚剥がす。
そこには居るはずの隊長の姿は無く、代わりに剥がした鉄板に、彼の影が写されていた。
そこには居るはずの隊長の姿は無く、代わりに剥がした鉄板に、彼の影が写されていた。
黄昏「また1枚、『私に逆らった愚か者の最期』が増えたな。いい見せしめだ。」
マサヨシがそこから離れると同時に、鉄板はどこかに消えていった。
黄昏「あいつはいざという時に俺の身代わりになってもらう。そんな人材を今捨てる訳には行かんからな。
やがて全てが揃う。そして俺の世界征服が完成する!」
やがて全てが揃う。そして俺の世界征服が完成する!」
何故か、マサヨシの足が止まる。
黄昏「なんだ、これは・・・?」
同時に、今まで感じたことが無い『恐怖』を覚えた。すぐにそれによって動く事ができなくなったと悟る。
それはいつ来るか分からない。それは何処から来るか分からない。
だが貴方達は、いつもそれと隣り合わせになっている。
だから貴方達は、いつもそれから逃げるために走り続ける。
しかし貴方達は、いつまでもそれから逃れる事ができない。
だが貴方達は、いつもそれと隣り合わせになっている。
だから貴方達は、いつもそれから逃げるために走り続ける。
しかし貴方達は、いつまでもそれから逃れる事ができない。
―――そう、我こそが【Θανατοσ 】だ―――
黄昏「貴様、都市伝説、か?」
タナトス「さぁ『Αμαρτωλοσ 』よ。今日、お前は終わる。」
黄昏「まさか、貴様が、死の神、【タナトス】なのか?」
タナトス「そうだ。だからお前をアヤメに来た。」
黄昏「何故だ、どういう、事だ・・・!?」
タナトス「さぁ『
黄昏「まさか、貴様が、死の神、【タナトス】なのか?」
タナトス「そうだ。だからお前をアヤメに来た。」
黄昏「何故だ、どういう、事だ・・・!?」
マサヨシの首に鎌をかけたまま、後ろに立つ【タナトス】は話し始めた。
タナトス「私は人をアヤメ、不幸にする者を狩るために生きている。例えばお前のような、な。」
黄昏「な、なら俺もそのために、世界、征服を」
タナトス「そのために多くの犠牲を生んだ。多くの人を苦しめた。そんな『正義』は必要ない。」
黄昏「く、ちゃ、チャンスをくれ!もう1度生まれ変わるチャンスを」
タナトス「『Ευκαιρια 』なら与えた。いつか良くなると信じていたが・・・。」
黄昏「な、なら俺もそのために、世界、征服を」
タナトス「そのために多くの犠牲を生んだ。多くの人を苦しめた。そんな『正義』は必要ない。」
黄昏「く、ちゃ、チャンスをくれ!もう1度生まれ変わるチャンスを」
タナトス「『
【タナトス】は鎌をゆっくりと黄昏から離していく。
今なら逃げられる?いいや、彼の前ではそれはできない。彼の恐怖がそれをさせない。
今なら逃げられる?いいや、彼の前ではそれはできない。彼の恐怖がそれをさせない。
タナトス「残念だ。」
黄昏「く、チクショォォオーーーーー!」
黄昏「く、チクショォォオーーーーー!」
――――――完―
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もう1つの世界
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正義「・・・。」
剣裁「―――その後はあえて見ていない。だが結果は見えているだろ?」
剣裁「―――その後はあえて見ていない。だが結果は見えているだろ?」
―――夢の中。剣裁はもう1つの世界で起こった出来事を語っていた。
正義「別の世界ではそんな事になっていたなんて・・・。」
剣裁「分岐点は、『ある少年との出会い』。この出会いのせいでお前の人生は大きく変わる。」
剣裁「分岐点は、『ある少年との出会い』。この出会いのせいでお前の人生は大きく変わる。」
剣裁の発言と同時に、剣裁の傍に見た事もない少年が映し出される。どうやら学校町の人間らしい。
剣裁「正義、今すぐ学校町から逃げろ。そうすれば似た運命を辿る可能性はなくなる。」
そう、剣裁はそう忠告するためだけにここに来たのだ。
正義「ありがとう、剣裁。でもボクはここに残るよ。」
剣裁「なッ、なんでだ?!」
正義「たしかにここは危険な町かもしれない。ボクもその危険な存在になってしまうかもしれない。」
剣裁「なッ、なんでだ?!」
正義「たしかにここは危険な町かもしれない。ボクもその危険な存在になってしまうかもしれない。」
それを無視してでも、正義はここに居たい理由があった。
正義「でもこの町での出会いが、きっといつか役に立つと思うんだ。
この町の、良い人悪い人、多くの人の考えに触れる事で、ボクは強くなれると思うんだ。」
この町の、良い人悪い人、多くの人の考えに触れる事で、ボクは強くなれると思うんだ。」
ただそれだけの理由だった。ただ守りたいものを守るための力を求めていた。
そのためには、多くの人の知恵や人生観・正義感も必要となる。それ故にこの町での経験は重要だと思ったのだ。
そのためには、多くの人の知恵や人生観・正義感も必要となる。それ故にこの町での経験は重要だと思ったのだ。
剣裁「・・・そうか。なら良い。それがお前の選択なんだな。」
正義「ありがとう剣裁。でもこれだけ聞かせて。」
剣裁「ん?なんだ?」
正義「【タナトス】についてなんだけど・・・。」
正義「ありがとう剣裁。でもこれだけ聞かせて。」
剣裁「ん?なんだ?」
正義「【タナトス】についてなんだけど・・・。」
意外な質問に、剣裁は戸惑った。
剣裁「待て、あいつと戦う事になる可能性はないと思うぞ。今のお前のままなら、だが。」
正義「もしもの事もあるし。それに・・・。」
正義「もしもの事もあるし。それに・・・。」
正義は何かを隠している。剣裁はそう思ったのか、ふと呟く。
剣裁「奴の力の源は【死】だ。」
正義「え?」
剣裁「奴は自分の中に【死】のイメージや恐怖を取り込む事で本来以上の力を得た。」
正義「と、都市伝説ってそんな事もできるの?」
剣裁「【死】を神格化したあいつだからできたんだ。そしてあいつはその力と恐怖を手にした。」
正義「・・・。」
正義「え?」
剣裁「奴は自分の中に【死】のイメージや恐怖を取り込む事で本来以上の力を得た。」
正義「と、都市伝説ってそんな事もできるの?」
剣裁「【死】を神格化したあいつだからできたんだ。そしてあいつはその力と恐怖を手にした。」
正義「・・・。」
剣裁は振り返り後ろへと歩いていく。
正義「え、待って!まだ答えを聞いていないよ!」
剣裁「そんなの自分で考えろ!オレの話を聞いたなら分かるはずだ!『どうすれば【死】に打ち勝てるか』・・・。」
剣裁「そんなの自分で考えろ!オレの話を聞いたなら分かるはずだ!『どうすれば【死】に打ち勝てるか』・・・。」
ゆっくりと剣裁が歩いていると、剣裁を線が包み、線が下にスクロールすると剣裁はいなくなっていた。
正義「・・・【死】に打ち勝つ方法・・・。」
ボクは忘れない。『【死】に打ち勝つ方法』と―――別の世界の自分の存在を―――
番外「もう1つの世界」―完―