「…あら?」
と
「はないちもんめ」の契約者の少女が、何かに気付いた
「はないちもんめ」の契約者の少女が、何かに気付いた
「あの扉、何?」
「…?あぁ、あの扉、ですか」
「…?あぁ、あの扉、ですか」
一向に、景色の変わる様子のなかった地下通路
そこに、突然表れた扉
確かに、不思議に思うかもしれない
そこに、突然表れた扉
確かに、不思議に思うかもしれない
「別の、夢の国関連の都市伝説へと繋がっている扉です。あなたを襲った「夢の国」とは関連のない都市伝説ですよ」
「へぇ…?」
「へぇ…?」
興味があるのだろうか
その扉を見つめている
その扉を見つめている
「入ってみますか?」
「…危険はないの?」
「むしろ、人間に…特に、子供には有効な都市伝説ですよ」
「…危険はないの?」
「むしろ、人間に…特に、子供には有効な都市伝説ですよ」
…まぁ、問題は
子供が入るのが、はたして、適切な場所かどうか…いや、いかがわしい場所ではないが
扉を開ける
瞬間、眩しい光が視界に入り、思わず目を閉じた
まったく…相変わらず、無駄にきらびやかな場所だ
子供が入るのが、はたして、適切な場所かどうか…いや、いかがわしい場所ではないが
扉を開ける
瞬間、眩しい光が視界に入り、思わず目を閉じた
まったく…相変わらず、無駄にきらびやかな場所だ
「あら?黒服さん、お久しぶり!」
かけられた明るい声に、目をあける
きょとん、と
自分の背後にいる少女が、あっけにとられているであろう事が、気配でわかった
…それは、そうだろう
暗い地下通路の扉を開けたら、そこはきらびやかな……カジノ
しかも、バニーガールの代わりに、夢の国の王様の恋人やシンデレラに白雪姫などに扮装した女性がドリンクを運び
ディーラーは、七人の小人の姿に扮装している
何とも、異様な光景である
それに慣れてしまった自分が、少し嫌だ
きょとん、と
自分の背後にいる少女が、あっけにとられているであろう事が、気配でわかった
…それは、そうだろう
暗い地下通路の扉を開けたら、そこはきらびやかな……カジノ
しかも、バニーガールの代わりに、夢の国の王様の恋人やシンデレラに白雪姫などに扮装した女性がドリンクを運び
ディーラーは、七人の小人の姿に扮装している
何とも、異様な光景である
それに慣れてしまった自分が、少し嫌だ
「あら?その女の子、あなたのお子さん?」
「…私には子供はいませんよ」
「…私には子供はいませんよ」
話し掛けてきた人魚の扮装をした女性に、彼はそう答えた
「はないちもんめ」の契約者の少女は、やや警戒している様子だ
「はないちもんめ」の契約者の少女は、やや警戒している様子だ
「…何、ここ」
「…「夢の国の地下には、巨大カジノがある」と言う都市伝説、ですよ」
「…「夢の国の地下には、巨大カジノがある」と言う都市伝説、ですよ」
このカジノ、及び、ここで働いている者全員が都市伝説と言う、「東京の地下には巨大要塞がある」と言う都市伝説並の、大型都市伝説
カジノとしてのレートは超高額だが…まぁ、もともとの生まれが夢の国である
ここの連中は、皆、子供好きだ
そして…
カジノとしてのレートは超高額だが…まぁ、もともとの生まれが夢の国である
ここの連中は、皆、子供好きだ
そして…
「あら?その子、怪我をしてるの?」
「え?」
「え?」
人魚に扮装した女性が、そう言うと
え?怪我??と、他の従業員たちも、ぞろぞろと集まってきた
夢の国の住人たちに囲まれたような、奇妙な錯覚
え?怪我??と、他の従業員たちも、ぞろぞろと集まってきた
夢の国の住人たちに囲まれたような、奇妙な錯覚
「怪我は治療済ですよ」
「あらら…でも、浴衣が切れちゃってるわ」
「血の痕もついてる、可哀想」
「そうだわ、こんな格好のままじゃ可哀想、着替えさせてあげなくちゃ」
「……え?」
「あらら…でも、浴衣が切れちゃってるわ」
「血の痕もついてる、可哀想」
「そうだわ、こんな格好のままじゃ可哀想、着替えさせてあげなくちゃ」
「……え?」
話の展開に、付いていけないのだろう
が、同時に、本能的に何か感じたのか
「はないちもんめ」の少女は、じり、と後ずさる
が、同時に、本能的に何か感じたのか
「はないちもんめ」の少女は、じり、と後ずさる
「そうだわ、着替えさせましょう!」
「素敵なドレスがあるわ、それがいいわね」
「浴衣も、ちゃんと縫い直してあげましょう」
「…ちょっと!?勝手に話を進めないでよ!?」
「素敵なドレスがあるわ、それがいいわね」
「浴衣も、ちゃんと縫い直してあげましょう」
「…ちょっと!?勝手に話を進めないでよ!?」
きゃあきゃあわいわい
かしましく話し合っている夢の国のプリンセスたちに、「はないちもんめ」の契約者は抗議する
が、向こうは彼女の話など、全く聞いていない様子
ぎ!と、「はないちもんめ」の少女に睨むように見上げられ、彼は苦笑した
かしましく話し合っている夢の国のプリンセスたちに、「はないちもんめ」の契約者は抗議する
が、向こうは彼女の話など、全く聞いていない様子
ぎ!と、「はないちもんめ」の少女に睨むように見上げられ、彼は苦笑した
「…おせっかいなのですよ、ここの住人たちは。特に、子供相手に」
がし!!
「はないちもんめ」の少女は、プリンセスたちに捕まった
「はないちもんめ」の少女は、プリンセスたちに捕まった
「さぁ、どのドレスがいいかしら?」
「夏なんだし、涼しげなサマードレスがいいわ」
「女の子なんだから、とびきり可愛くしなくちゃ」
「ちょっと!?離してよ!?」
「夏なんだし、涼しげなサマードレスがいいわ」
「女の子なんだから、とびきり可愛くしなくちゃ」
「ちょっと!?離してよ!?」
じたばたじたばた
「はないちもんめ」の少女は、プリンセスたちから逃れようとしているが
…数の暴力とは、恐ろしい
あっさりと、彼女は連れて行かれてしまった
…害はないのだ、問題あるまい
それに、彼女も子供なのだ、少しくらい、可愛らしい格好をしても問題はないだろう
何故助けなかった、と抗議されてしまうかもしれないが…はっきり、言おう
女性の数の暴力に、自分は勝てる自信はない
せめて、この後、夢の国で思い切り遊ばせてやる事で、償いをしようと、彼はそう考えたのだった
「はないちもんめ」の少女は、プリンセスたちから逃れようとしているが
…数の暴力とは、恐ろしい
あっさりと、彼女は連れて行かれてしまった
…害はないのだ、問題あるまい
それに、彼女も子供なのだ、少しくらい、可愛らしい格好をしても問題はないだろう
何故助けなかった、と抗議されてしまうかもしれないが…はっきり、言おう
女性の数の暴力に、自分は勝てる自信はない
せめて、この後、夢の国で思い切り遊ばせてやる事で、償いをしようと、彼はそう考えたのだった