墓場というのは、なかなか不気味な場所だ。多くの死者が眠り、無機質な石製の墓がならぶ。夜の墓場も怖いのだが、早朝の霧の立ち込める墓場も不気味なものだ。
知り合いの墓があるわけでもないのにこんな所に来たくはなかったのだけれど、組織からの命令ならしかたない。なにより、最後の任務だ。
私は、この任務を最後に組織を抜ける。今の担当の黒服がそう約束してくれた。
私は、前の私の担当の黒服が好きだった。黒服も私を好きだと言ってくれた。でも、その黒服は死んでしまった。
任務中の死だから、組織が悪い訳ではない。
それでも、そんな危険な任務をさせたのは組織だし、それに、組織の黒服を見るたびに彼を思い出してしまう。正直、組織にいるのは辛かった。
だから、私は黒服に組織を抜けたいと頼み込んだ。その結果が、この任務を終わらせたら、組織を抜けて良いという約束。
流石にいつまでもフリーではいられないが、幸い私の住んでいる場所には組織以外にも色々な集団がいる。そのどれかに入ればいいさ。
知り合いの墓があるわけでもないのにこんな所に来たくはなかったのだけれど、組織からの命令ならしかたない。なにより、最後の任務だ。
私は、この任務を最後に組織を抜ける。今の担当の黒服がそう約束してくれた。
私は、前の私の担当の黒服が好きだった。黒服も私を好きだと言ってくれた。でも、その黒服は死んでしまった。
任務中の死だから、組織が悪い訳ではない。
それでも、そんな危険な任務をさせたのは組織だし、それに、組織の黒服を見るたびに彼を思い出してしまう。正直、組織にいるのは辛かった。
だから、私は黒服に組織を抜けたいと頼み込んだ。その結果が、この任務を終わらせたら、組織を抜けて良いという約束。
流石にいつまでもフリーではいられないが、幸い私の住んでいる場所には組織以外にも色々な集団がいる。そのどれかに入ればいいさ。
「まーた組織かっよ。面倒臭いっなぁ。」
標的の茶髪の男が言う。何だってこんな墓場を根城にしているのかと思っていたが、こいつの都市伝説と相性の良い場所のようだ。
男のまわりに青白い炎が現れる。おそらく、男の都市伝説は「鬼火」だろう。
「燃えっろ!」
炎がこちらへ飛んで来る。
私は慌ててはいけない。静かに、集中する。そして、イメージする。
標的の茶髪の男が言う。何だってこんな墓場を根城にしているのかと思っていたが、こいつの都市伝説と相性の良い場所のようだ。
男のまわりに青白い炎が現れる。おそらく、男の都市伝説は「鬼火」だろう。
「燃えっろ!」
炎がこちらへ飛んで来る。
私は慌ててはいけない。静かに、集中する。そして、イメージする。
次の瞬間、墓石が浮き上がり、墓石と炎がぶつかり合う。
「!!………『サイコキネシス』っか!?」
「ええ……まあ……正確には『テレキネシス』ですけど。」
私の都市伝説は「念力(テレキネシス)」
物を浮かしたりする能力だ。よくポルターガイストと間違えられるのだけど、よくわかったな。
正直、墓石を使うのは気が引けるが、墓場で一番丈夫そうだから仕方ない。むしろ、他に使える物がないのだ。
鬼火と墓石が飛び交う墓場。一般人に見られてないといいが。まあ、この霧なら大丈夫だろう。
「!!………『サイコキネシス』っか!?」
「ええ……まあ……正確には『テレキネシス』ですけど。」
私の都市伝説は「念力(テレキネシス)」
物を浮かしたりする能力だ。よくポルターガイストと間違えられるのだけど、よくわかったな。
正直、墓石を使うのは気が引けるが、墓場で一番丈夫そうだから仕方ない。むしろ、他に使える物がないのだ。
鬼火と墓石が飛び交う墓場。一般人に見られてないといいが。まあ、この霧なら大丈夫だろう。
「いい加減焼け死ねっよ。」
「そろそろ……諦めて。」
十分程時間が過ぎた。流石に集中力が落ちて来た。が、相手の方も疲れが見えている。炎に勢いがない。
「あれ?まだ終わってない。なんだ、急ぐ必要なかったんですか。」
突然掛けられた声の方向を見れば、傘をさした女がいた。
「何っだ?新手っか?」
男が女に尋ねる。しかし、この任務は私しかいないはずだ。二人の疑問を女は無視する。
「魔界天使アカリールさーんじょー」
女は不機嫌そうに意味のわからないことを言った。
あれは、そう、「明日は休日。今日は徹夜でアニメ見るぜ。」「あ、朝日だ。そろそろ寝るかぁ」で、寝たら一時間もしないうちに呼び出された。そんな、不機嫌さだ。
「突き上げろ、ウォーターノック」
女の言葉に、とっさに近くの墓石に飛び乗る。考えるだけならともかく、言葉にするなんて馬鹿なんじゃないだろうか。
が、「ウォーター」なんて名前のくせに水ではなく、「突き上げろ」と言ったのに、上からコンクリートの塊が降り注いだ事に気付いたのは、全て終わった後だった。
突然掛けられた声の方向を見れば、傘をさした女がいた。
「何っだ?新手っか?」
男が女に尋ねる。しかし、この任務は私しかいないはずだ。二人の疑問を女は無視する。
「魔界天使アカリールさーんじょー」
女は不機嫌そうに意味のわからないことを言った。
あれは、そう、「明日は休日。今日は徹夜でアニメ見るぜ。」「あ、朝日だ。そろそろ寝るかぁ」で、寝たら一時間もしないうちに呼び出された。そんな、不機嫌さだ。
「突き上げろ、ウォーターノック」
女の言葉に、とっさに近くの墓石に飛び乗る。考えるだけならともかく、言葉にするなんて馬鹿なんじゃないだろうか。
が、「ウォーター」なんて名前のくせに水ではなく、「突き上げろ」と言ったのに、上からコンクリートの塊が降り注いだ事に気付いたのは、全て終わった後だった。
「敵と裏切り者排除完了っと。まったく、クロしぃは、こんな朝早くから……」
女の声が徐々に遠ざかる。裏切り者、そうか私はそう判断されたのか。
体中が痛い。意識が朦朧とする。頭から血が止まらない。視界が血で霞む。視界の端に男がうつった。首が変な方向に曲がっている。あれは死んでるな。
ああ、そうだ。男が死んだなら、任務完了じゃ、ないか。これで、組織を、抜け…れる。
次は……どこに、いこう、か………そうだ。首塚…………と、か……………いい………………か…………………も……………………
女の声が徐々に遠ざかる。裏切り者、そうか私はそう判断されたのか。
体中が痛い。意識が朦朧とする。頭から血が止まらない。視界が血で霞む。視界の端に男がうつった。首が変な方向に曲がっている。あれは死んでるな。
ああ、そうだ。男が死んだなら、任務完了じゃ、ないか。これで、組織を、抜け…れる。
次は……どこに、いこう、か………そうだ。首塚…………と、か……………いい………………か…………………も……………………
終