「大丈夫か!?」
「あ……H、さん」
「あ……H、さん」
ガチガチガチ
暖房機の前で毛布に包まり、佳奈美は震えていた
かなり、温められている部屋の中
しかし、その唇は青紫になってきていて、寒さに震えているのがはっきりとわかる
暖房機の前で毛布に包まり、佳奈美は震えていた
かなり、温められている部屋の中
しかし、その唇は青紫になってきていて、寒さに震えているのがはっきりとわかる
「な、なんだか、寒くて…もしかして、何か都市伝説のせいかな、って…」
「外歩いてる時か何か、誰かに抱きしめられたような感覚はなかったか?」
「…そう、言えば…家に入る直前、に…」
「外歩いてる時か何か、誰かに抱きしめられたような感覚はなかったか?」
「…そう、言えば…家に入る直前、に…」
原因は、それだ
ファーザー・フロストによる被害
それが、佳奈美にも及んでいたとは
ファーザー・フロストによる被害
それが、佳奈美にも及んでいたとは
そっと、佳奈美の頬に触れる黒服H
かなり、体温が下がってきてしまっている
意識を保てているのが、奇跡のような状態だ
かなり、体温が下がってきてしまっている
意識を保てているのが、奇跡のような状態だ
「…ちょっと、じっとしてろよ」
「……にゃ??」
「……にゃ??」
しゅるり
黒服Hの髪が、伸びる
しゅるしゅると、目にも止まらぬ速さで伸びていく髪
それは、H自身と…佳奈美の体を、包み込んだ
するり、Hの腕が佳奈美の背中に回されて…ぴったりと、抱きしめられる
黒服Hの髪が、伸びる
しゅるしゅると、目にも止まらぬ速さで伸びていく髪
それは、H自身と…佳奈美の体を、包み込んだ
するり、Hの腕が佳奈美の背中に回されて…ぴったりと、抱きしめられる
「ひゃ!?」
ぺとり
顔を胸板に押し付けられ、その感覚に佳奈美は目をぱちくりとさせる
伸びた髪は、二人をまるで繭のように包み込んだ
視界が、一気に真っ暗になる
顔を胸板に押し付けられ、その感覚に佳奈美は目をぱちくりとさせる
伸びた髪は、二人をまるで繭のように包み込んだ
視界が、一気に真っ暗になる
「いいか、絶対に寝るなよ。俺が温めておいてやるから」
「え、ええええ、Hさん!?」
「体温をこれ以上さげると不味いからな。この状態で、温める」
「え、ええええ、Hさん!?」
「体温をこれ以上さげると不味いからな。この状態で、温める」
…確かに
髪で包み込まれている事と、Hに抱きしめられていることにより…温かみを、感じる
体温が下がり続けている状況ではあるが、ほっと一息つけたような、そんな感覚
髪で包み込まれている事と、Hに抱きしめられていることにより…温かみを、感じる
体温が下がり続けている状況ではあるが、ほっと一息つけたような、そんな感覚
どくん
どくんっ、と
感じる、Hの心臓の鼓動
その鼓動よりも、速い速い、佳奈美の鼓動
青白くなってきていた頬を真っ赤にそめて、佳奈美は半ばパニック状態だった
どくんっ、と
感じる、Hの心臓の鼓動
その鼓動よりも、速い速い、佳奈美の鼓動
青白くなってきていた頬を真っ赤にそめて、佳奈美は半ばパニック状態だった
「…大丈夫だ」
ぼそり
Hが、佳奈美の耳元で、低く囁く
「大丈夫だ……必ず、護ってやるから」
「H、さん…?」
「原因が払拭されるまで、こうしていてやる。絶対に眠るなよ………絶対に、放さない。護ってやるから」
「H、さん…?」
「原因が払拭されるまで、こうしていてやる。絶対に眠るなよ………絶対に、放さない。護ってやるから」
いつになく真剣な、Hの言葉に
佳奈美は、ぎゅう、とHにすがりつく
佳奈美は、ぎゅう、とHにすがりつく
どくん
どくんっ、と
しばし、二人の鼓動だけが、この場を支配し続けた
どくんっ、と
しばし、二人の鼓動だけが、この場を支配し続けた