「はい、ではそう言う事で…………子供達の今後の処遇は、こちらにお任せください。土地と建物は、まとめてこちらで買い取ります」
学校町の隣町
とある、大きな屋敷にて
額に大きな赤い宝石をつけた生き物を膝に乗せた男性が、電話でどこかと取引をしているようだった
とある、大きな屋敷にて
額に大きな赤い宝石をつけた生き物を膝に乗せた男性が、電話でどこかと取引をしているようだった
「……はい。改めて、そこに孤児院を建てようかと……前のような場所には、させません。子供たちの為の場所にしてみせます」
つい先日、何者かの襲撃を受け、当時施設にいた大人達が全滅した
子供達には怪我はなかったのだが、一人は相当、怖い思いをしてしまったようで…精神的なケアは必須だろう
子供達には怪我はなかったのだが、一人は相当、怖い思いをしてしまったようで…精神的なケアは必須だろう
あの、施設は
彼、カーバンクル契約者にとっては、思い出の場所でもある
地獄のような日々を過ごした場所
しかし、かけがえのない友人を作った場所
彼、カーバンクル契約者にとっては、思い出の場所でもある
地獄のような日々を過ごした場所
しかし、かけがえのない友人を作った場所
あそこを抜け出して以来、よく、その20近くも歳の離れた友人達と、語り合ったものだ
…あんな、地獄のような場所じゃない
子供達が安心できる施設を、作ろうと
…あんな、地獄のような場所じゃない
子供達が安心できる施設を、作ろうと
事業家として成功して、彼はそれを実現してきていた
そして、最後に…あの、自分達が育った施設を、何とか手中に収めて、その仕組みを改革しようとしていた
政治家が絡んでいて、なかなか手が出せなかったが…あの事件の後だ
ようやく、こちらの手中に収める事ができた
そして、最後に…あの、自分達が育った施設を、何とか手中に収めて、その仕組みを改革しようとしていた
政治家が絡んでいて、なかなか手が出せなかったが…あの事件の後だ
ようやく、こちらの手中に収める事ができた
取引を終えて、ふぅ、とため息をつく
くー、と、カーバンクルが心配そうに見あげてきた
くー、と、カーバンクルが心配そうに見あげてきた
「…大丈夫だよ」
カーバンクルを、優しくなでてやる
まだ、休んでいる暇はない
まずは、子供達を別の、自分が経営している孤児院に移動させて……そちらで収容しきれないようだったら、あの話題の孤児院に、協力を願いでてみよう
「ひき子」なる女性が経営しているあの孤児院は、素晴らしい場所だと聞いているから
まだ、休んでいる暇はない
まずは、子供達を別の、自分が経営している孤児院に移動させて……そちらで収容しきれないようだったら、あの話題の孤児院に、協力を願いでてみよう
「ひき子」なる女性が経営しているあの孤児院は、素晴らしい場所だと聞いているから
「……僕らが居た頃に……救いの手が、伸びてくれていれば、な…」
ぽつり、思わず呟く
いや、たら、れば、にすがるつもりなど、ないし
それに、あのような場所だったからこそ…自分は、友人たちと知り合えて、共に生きられたのだし
カーバンクルと、出会うこともできたのだろう
その皮肉に、苦笑する
いや、たら、れば、にすがるつもりなど、ないし
それに、あのような場所だったからこそ…自分は、友人たちと知り合えて、共に生きられたのだし
カーバンクルと、出会うこともできたのだろう
その皮肉に、苦笑する
「でも…もう、僕らみたいな目にあう子供達は…出しちゃ、いけないんだ」
子供を守るのは、大人の仕事
友人達の中で一番年上で、一番慈悲深かった…いや、今でも、飛び切り慈悲深い、彼の言葉を思い出す
友人達の中で一番年上で、一番慈悲深かった…いや、今でも、飛び切り慈悲深い、彼の言葉を思い出す
自分は、もう子供じゃない
子供を守るべき大人の立場になったのだ
ならば、自分は自分が成し遂げるべきことを成し遂げるのだ
子供を守るべき大人の立場になったのだ
ならば、自分は自分が成し遂げるべきことを成し遂げるのだ
皆の夢だった
皆で実現したかった
でも、皆はもう、いないから
……だから、自分がやり遂げるのだ
皆で実現したかった
でも、皆はもう、いないから
……だから、自分がやり遂げるのだ
fin