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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 赤い靴-19

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だれでも歓迎! 編集
 三月三日
 日本では、この日は雛祭りだ
 女性のための祭
 すなわち、ロリにとっても祭
 うむ、素晴らしい

「変な事考えてないでしょうね?」
「考えてなどいないさ」

 契約者にそう言われて、即答した赤い靴
 別に、変な事は考えていない
 一切、考えていない
 甘酒で酔ったロリハァハァとか考えていない
 イエス、ロリータ。ノータッチ

「まぁ、いいけど」

 赤い靴の契約者はそう言って、目の前の雛人形に目を移した
 …いやはや
 流石、金持ち所有の雛人形
 今時、これだけの雛人形を飾れる家など、なかなかないだろう

「随分と古い物だな」
「えぇ。家に代々伝わる物らしいから」
「…なるほど」

 随分と、年季の入った雛人形
 しかし、しっかりと保存され、手入れされているお陰だろう
 若干色あせてはいるものの、ヒビが入っていたり痛んでいる様子はない

「…やっぱり、いつ見てもいいわね」

 雛人形を前に、嬉しそうな契約者
 この家の、一人娘
 彼女のためだけに飾られた、雛人形
 それが、嬉しいのだろう

 何分、これだけの立派な雛壇だ、まだ、契約者一人では全て飾りきれない
 これをいつか、自分だけで全て飾れるようになりたい、と言うのは、契約者のちょっとした目標らしかった
 そんな契約者を、赤い靴は微笑ましく見守る
 大人びていると言うか、ませていると言うか、そんなところがある契約者だが…ちゃんと、歳相応の面も、あるのだ

「…っと、そろそろ習い事の時間だぞ」
「わかったわ。行くわよ、赤い靴」

 すたすたと歩き出す契約者
 その後を、追いかけて


 ----------一瞬
 視線を、感じた


「…?どうしたの?」
「………いや、何でもない」

 そう?と首をかしげる契約者
 時間が押していた事もあってか、それ以上は追求してはこず

「……………」


 ちらり、雛人形に視線をやって
 赤い靴は、契約者の後を追いかけていった




 カタカタ
 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

 深夜、暗闇に響く音
 雛人形が飾られたその部屋で、音は響いていた

 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

 その音は、どんどん、どんどん大きくなっていく

 雛壇の、一番上
 そこに飾られた雛人形が、ゆっくりと、動き出し……


「----------待て」

 がしり
 動き出そうとしたその体を、大きな手で掴まれた
 人形はジタバタと暴れるが…逃れる事ができない

「…聞いた事がある。殺人雛人形の都市伝説。代々伝わる古い雛人形に魔性が宿り……人を、喰らうようになった、と」

 雛祭りの雛人形とは、本来は流し雛だった
 人形に穢れを託し、流す

 それが、本来の雛祭りの風習
 しかし、それはいつからか、家に人形を飾って楽しむのが本流となった

 しかし、雛祭りの本質自体が、そうそう変わる訳ではあるまい
 人形には、穢れが託されていく
 託された穢れは、流されぬがゆえに溜まり、溜まり……そこに、魔性が宿る

 それが、殺人雛人形
 それは家人が眠っている間に人を喰らい、その口元を赤く染める

「契約者から、この家の雛人形が口元を染めた事がある、という話は聞いていない。都市伝説としての気配も微弱だし…成り立てだな?」
『…っこ、壊さないで…せめて、顔は壊さないで!!人形は顔が命!!!』

 じたばた、じたばた
 暴れながら、必死に懇願してくる雛人形
 赤い靴は、小さくため息をつく

「人間を襲わないなら、人間を喰らわないなら、見逃してやってもいいだがな」
『しかし、それでは私が生まれた理由に反します』
「…生まれたその理由に、引きずられて生きる必要なんざ、ない」

 自らが、そうであるように
 …マリ・ヴェリテのベートが、積極的に人を襲うのをやめたように
 都市伝説とは言え…その生まれた理由に引きずられ続ける必要など、ないのだ

 生まれたての、今ならば
 自分達のように……取り返しがつかなくなる、その状態に堕ちずに、すむかもしれないから
 だから、赤い靴は止める
 契約者が大切にしている雛人形相手だから、尚更だ

「お前の力なら、この家を災いから護る事もできるだろう?そっちに力を使うつもりはないか?」
『護る?……護る……』

 雛人形が、その言葉を反復する
 そして、呟く様に尋ねてきた

『…殺人雛人形。そんな不吉な話から生まれた私でも、それができると?』
「できるさ」

 人を殺す事しかできなかった
 幼女を殺す事しかできなかった、自分でも
 …契約者を護る事が、できているのだから
 あんなにも血に塗れた自分でも、できているのだから
 生まれたてのこの存在なら、できる
 血に塗れてしまう前に…決められる

 そっと、赤い靴は人形から、手を放した
 雛人形はてちてちと、自分が元いた位置に、戻る

『…今年は、ひとまずただの人形として過ごします。来年、また飾られるその時まで…考えて起きましょう』
「できれば、こっちの話を受け入れて欲しいがな。お前を壊したくはない」
『……私も、顔を壊されたくありませんから』

 それでは、とそう言って
 …雛人形から、都市伝説の気配が消えた
 まだ、なりかけだったのだろう
 もし、衝動のままに人を食い殺していたら…これは、完全に殺人雛人形になってしまっていたかもしれない

「全く…都市伝説同士は引かれ合う、か………これは、俺のせいか?」

 小さく、苦笑して
 赤い靴は、契約者の寝室へと戻っていった


 飾られたお雛様
 その口元は、赤く染まる事はなかった



fin





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