Project-ACE case03:Sample /検体候補/
ここは、とある実験室。
多数の黒服が歩き回る中で、立ったまま向かい合う黒服の男と白衣の男。
白衣の男、code:01は、黒服、A-No.206から渡された資料に目を通している。
最期の1ページを読み終えると同時に、code:01は興奮した面持ちで顔を上げた。
多数の黒服が歩き回る中で、立ったまま向かい合う黒服の男と白衣の男。
白衣の男、code:01は、黒服、A-No.206から渡された資料に目を通している。
最期の1ページを読み終えると同時に、code:01は興奮した面持ちで顔を上げた。
「いいですねぇ、”これ”!是非ともいろいろ調べたいですねぇ!”これ”の捕獲予定は?」
「既に「組織」内の過激派や強硬派の中に、こいつを捕らえようという動きがある。…が、」
「それは素晴らしい!早速実験用の資料を作らなければ!ああ楽しみだなぁ、早く捕まらないかなぁ。」
「…お前は表向きには普通の契約者だ。よしんば捕獲に成功しても、調査に参加する権利はない。」
「……なんですかそれ、期待させておいて突き落とすんですか…。相変わらず酷い人だ…。」
「既に「組織」内の過激派や強硬派の中に、こいつを捕らえようという動きがある。…が、」
「それは素晴らしい!早速実験用の資料を作らなければ!ああ楽しみだなぁ、早く捕まらないかなぁ。」
「…お前は表向きには普通の契約者だ。よしんば捕獲に成功しても、調査に参加する権利はない。」
「……なんですかそれ、期待させておいて突き落とすんですか…。相変わらず酷い人だ…。」
うなだれるcode:01。
ふと、何かをひらめいたように顔を上げる。
ふと、何かをひらめいたように顔を上げる。
「勢い余って殺しちゃったことにして、こっちに持って来ればいいじゃないですか。」
「「組織」の精鋭を差し置いて、そんなことが簡単に出来ると思うな。」
「「組織」の精鋭を差し置いて、そんなことが簡単に出来ると思うな。」
一蹴された。
再びため息をつき、うなだれる。
再びため息をつき、うなだれる。
「上の奴らが捕獲に成功した場合、調査データは確保する。それを元に、各種プロジェクトを進行させろ。」
「……直接調査できないのは不満ですが、まぁそれで我慢しましょう。」
「……直接調査できないのは不満ですが、まぁそれで我慢しましょう。」
落胆を隠せない様子で顔を上げるcode:01。
再び、手に持った資料に目を落とす。
再び、手に持った資料に目を落とす。
「”七人みさき”……実に興味深いですねぇ。」
そう呟いたcode:01の目は、新しいおもちゃを見つけたようにキラキラと、
美味しそうな獲物を見つけたようにギラギラと輝いていた。
美味しそうな獲物を見つけたようにギラギラと輝いていた。
「複数の”何か”を呼び出し、殺した者から都市伝説のエネルギーを吸収。加えて、ビルを容易く粉砕する能力。
擬似的な多重契約に、高効率のエネルギー回転、そして強大な破壊力…。カタログスペックならcode:06以上ですねぇ。」
「code:06は究極の”生命体”だ。その”化け物”とはベクトルが違う。」
「くっくっく…。”生き物”と”化け物”の境界なんて曖昧なモンですよ。
あんただって人の形をした人じゃない存在…いわば”化け物”じゃないですか。」
擬似的な多重契約に、高効率のエネルギー回転、そして強大な破壊力…。カタログスペックならcode:06以上ですねぇ。」
「code:06は究極の”生命体”だ。その”化け物”とはベクトルが違う。」
「くっくっく…。”生き物”と”化け物”の境界なんて曖昧なモンですよ。
あんただって人の形をした人じゃない存在…いわば”化け物”じゃないですか。」
からかうように笑いながら、毒を含んだ言葉を吐きかける。
それを受けてNo.206は、ゆっくりと口を開く。
それを受けてNo.206は、ゆっくりと口を開く。
「…そうだ、我ら都市伝説は所詮”化け物”だ。人と化け物の融和などという甘い理想は、決して成らんのだ。」
「いいですねぇ。それでこそ私も、人間を捨てた甲斐があったってもんですよ。」
「いいですねぇ。それでこそ私も、人間を捨てた甲斐があったってもんですよ。」
くっくっく、と愉しそうに笑うcode:01。
手に持った資料をひらひらと振り、No.206に背を向けながら話しかける。
手に持った資料をひらひらと振り、No.206に背を向けながら話しかける。
「これは後々のために貰っておきますよ。そろそろProject-ACCの検体が入るんで、私はそちらの確認に行ってきます。」
*
code:01が部屋を後にし、残されたNo.206は足元に横たわる大きなカプセルを見下ろす。
その中に横たわる青年は、時間の流れから隔離されたように身じろぎ一つせず、静かに静かに眠っていた。
その中に横たわる青年は、時間の流れから隔離されたように身じろぎ一つせず、静かに静かに眠っていた。
Project-ACE case03:Sample /検体候補/ END.