床に散らばった資料の整理を終え、紗江良を待つついでに、書類を纏めていたSに報告が入った。
その内容は、《悪魔の囁き》事件が収拾したと言う物だった。
その内容は、《悪魔の囁き》事件が収拾したと言う物だった。
「そうか、終ったのか」
「はい。ただ、朝比奈秀雄の回収は失敗した様です。それでは失礼します」
「ご苦労さん」
「はい。ただ、朝比奈秀雄の回収は失敗した様です。それでは失礼します」
「ご苦労さん」
他の人間への報告のために、《組織の黒服》はその場を離れる。
その背に一言を告げて、Sは、先程まで見ていた資料から知った事実に思考を伸ばそうとしたが。
何の接点も無い自分がしても、そんな事は意味が無いと思い止めた。
そこに、同じ様に報告を聞いていたらしい紗江良が、帰って来た。
その背に一言を告げて、Sは、先程まで見ていた資料から知った事実に思考を伸ばそうとしたが。
何の接点も無い自分がしても、そんな事は意味が無いと思い止めた。
そこに、同じ様に報告を聞いていたらしい紗江良が、帰って来た。
「終わったみたいですねぇ」
「やっと、解放されたか。こんな時だってのに、人気者は辛いな」
「まぁ、どんな時でも、女の人にとって恋愛は無視できない事ですからぁ」
「やっと、解放されたか。こんな時だってのに、人気者は辛いな」
「まぁ、どんな時でも、女の人にとって恋愛は無視できない事ですからぁ」
紗江良は今まで、組織本部に居た女性陣に捕まっていたのである。
彼女の《女の勘》は、恋愛を含む『愛』に関わる事象に関してはチートが働くのだ。
だから、恋に悩む女の人達に、恋愛診断を頼まれていたと言う訳だ。
この様な非常時だと言うのに、だ。
もっとも、的確過ぎる故に、良い結果ばかりでは無いのだが、それでも頼んでくる女性は尽きない。
彼女の《女の勘》は、恋愛を含む『愛』に関わる事象に関してはチートが働くのだ。
だから、恋に悩む女の人達に、恋愛診断を頼まれていたと言う訳だ。
この様な非常時だと言うのに、だ。
もっとも、的確過ぎる故に、良い結果ばかりでは無いのだが、それでも頼んでくる女性は尽きない。
「さてと。んじゃあ、こっちも報告に入るとするか」
「……《七人みさき》の事、ですよねぇ」
「……《七人みさき》の事、ですよねぇ」
書類を渡して立ち上がるSに、受け取った書類を軽く見ながら紗江良が返す。
《七人みさき》は殺した相手から、エネルギーを奪って居るなどの情報がそれには書かれている。
と、その中に《七人みさき》以外の事が書かれているのに気が付いた。
それは、《兄鬼》と名乗った漢に付いての報告だ。
《七人みさき》は殺した相手から、エネルギーを奪って居るなどの情報がそれには書かれている。
と、その中に《七人みさき》以外の事が書かれているのに気が付いた。
それは、《兄鬼》と名乗った漢に付いての報告だ。
「《兄鬼》さんの事も、報告するんですかぁ?」
「強い奴と戦いたい、って言ってただろ。組織の中にも、狙われる奴が居るかも知れないからな。
それと、予想でしか無いが戦いに関して、アイツは躊躇を持たないぞ」
「なるほど、確かに報告した方が良いかもしれませんねぇ」
「だろ」
「強い奴と戦いたい、って言ってただろ。組織の中にも、狙われる奴が居るかも知れないからな。
それと、予想でしか無いが戦いに関して、アイツは躊躇を持たないぞ」
「なるほど、確かに報告した方が良いかもしれませんねぇ」
「だろ」
サラッとだが、内容を読み終わったらしく、紗江良は書類を返す。
Sは返された書類を受け取り、上司へ提出に行くために、そのまま部屋を出る。
Sは返された書類を受け取り、上司へ提出に行くために、そのまま部屋を出る。
トントン
「S-No.560です。《七人みさき》諸々の報告書を持ってきました」
「あ~。今忙しいから、そこに置いといて」
「大変そうですね。J-No.4」
「あ~。今忙しいから、そこに置いといて」
「大変そうですね。J-No.4」
今回の件の事後処理に追われているらしく、上司である女性はSに顔を向けずに言う。
その様子を見て、労いの言葉をSは告げる。やはり、顔を向けずJが言った。
その様子を見て、労いの言葉をSは告げる。やはり、顔を向けずJが言った。
「ええ、見ての通りだよ。まったく、私が行けばイチコロだってのにさ」
「……いや。アンタの場合、無差別すぎるだろ。朝比奈秀雄だけじゃ無く、他の奴らも殺す気か?
その上、死因が笑い死に何て、不憫すぎるだろ」
「……いや。アンタの場合、無差別すぎるだろ。朝比奈秀雄だけじゃ無く、他の奴らも殺す気か?
その上、死因が笑い死に何て、不憫すぎるだろ」
呆れと共に、口調がフランクになり、ツッコミを入れるS。
その中に、笑い死に等と言う単語が出て来たが、これは彼女の能力に因る。
彼女ことJ-No.4が、人間時代に契約していた都市伝説は、《殺人ジョーク》と言う。
その名の通りに、人を殺すジョークだ。簡単に言うと、あまりの可笑しさに、笑い過ぎて死んでしまうジョークだ。
第二次世界大戦中に、ある作家が考え出し様々な人を殺し、遂には軍事利用まで計画されたとも言われている。
その中に、笑い死に等と言う単語が出て来たが、これは彼女の能力に因る。
彼女ことJ-No.4が、人間時代に契約していた都市伝説は、《殺人ジョーク》と言う。
その名の通りに、人を殺すジョークだ。簡単に言うと、あまりの可笑しさに、笑い過ぎて死んでしまうジョークだ。
第二次世界大戦中に、ある作家が考え出し様々な人を殺し、遂には軍事利用まで計画されたとも言われている。
「むー」
「むくれんで下さい。じゃあ、俺は失礼させて貰いますよ」
「ん。じゃあね~」
「むくれんで下さい。じゃあ、俺は失礼させて貰いますよ」
「ん。じゃあね~」
片手をヒラヒラとさせて、出て行くSを送るJ。
結局、Sが部屋を出るまでJは顔を上げる事は無かった。
結局、Sが部屋を出るまでJは顔を上げる事は無かった。
「さて。俺も戦う為の準備、しとくかね。はぁ」
先程の部屋で休んでいた紗江良を迎えに行ってから、Sは次の目的を果たすための部屋へ進む。
そこは、人があまり近寄らない様な本部の奥にあり、その中には、所狭しと様々な武器が置かれている。ただし、どれも綺麗とは言い難い。
実は、この武器の全てがかつて誰かが使って居た事のある、言うなれば中古品なのである。
そこは、人があまり近寄らない様な本部の奥にあり、その中には、所狭しと様々な武器が置かれている。ただし、どれも綺麗とは言い難い。
実は、この武器の全てがかつて誰かが使って居た事のある、言うなれば中古品なのである。
その中古品こそが、Sにとって、何よりも心強い武器なのだ。
続く