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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 赤い靴・DNo-05b

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 …それは、日が暮れ出すより、少し前
 花見客で賑わう会場にて、とある二人が顔を合わせていた

 一方は、褐色の肌に黒い髪、黒い瞳、すらりとした高身長の青年
 一方は、白い肌に金の髪、青い瞳の、人形のように整った容姿の青年

 一方の名はディラン・ドランスフィールド
 正体はインキュバス……即ち、淫魔であり、夢魔、悪魔の一種である

 一方の名は、ヘンリー・ギボンヌ
 ユニコーンの契約者であり、「教会」お抱えの存在

 悪魔と、それを狩るべき「教会」のお抱え契約者

 出会ってはいけない二人が出会ってしまっ…


「あ、ディランさん!?どうして学校町に!?」
「…あ、あれ…?……もしかして、ヘンリー君……?」


 ……出会って……


「わぁ……前に会ったの、10年以上前だよね。大きくなったなぁ」
「っちょ、やめてくださいよ。俺もう20過ぎですよ?」


 ……………


 どうやら、この二人、既に知り合い同士のようで
 まるで、久々に出会った甥っ子相手にでもする様に、ディランはヘンリーの頭を撫でたのだった



 落ち着いて、ベンチに腰掛け
 二人は、互いに学校町に来ている理由を明かしていた

「…そっか。大変だったんだね、ヘンリー君」
「まぁ、憑かれたのは自業自得ですから」
「でも……「教会」に言われて、「黄金伝説」のドラゴンの封印を確認しに行って、やられたんでしょう?」

 まぁそうですけど、と苦笑するヘンリー
 …彼が朝比奈 秀雄と遭遇し、悪魔の囁きの卵を植え付けられ…即座に孵化したそのタイミングは、「教会」からの命令で、「黄金伝説」のドラゴンの封印の様子を見に行った時だ
 「教会」が厳重な封印を施し、誰も侵入不可能なはずの場所に入り込んでいた朝比奈
 即座に悪魔の囁きに憑かれ、朝比奈の言葉に惑わされて部下となったが為、あの時のヘンリーは特に疑問は感じなかったが…今にして思えば、少しおかしいのだ
 朝比奈は今でも詳しく話してはくれないが……もしかしたら、「教会」内部から情報を得て、そこに辿り着き、封印を解く事ができたのではないだろうか
 今のヘンリーは、そう、疑問に思う
 朝比奈本人を問い詰めるつもりもないし、「教会」内部のゴタゴタに関わるつもりもないから、詳しく調べるつもりはないが…

「……罪は、犯してしまったけれど…俺は、「教会」のお膝元を離れて、こっちに来た事事態は、後悔していないんです。檻の中の飼い殺し状態から、抜け出る事ができましたから」
「…そうなんだ」

 ヘンリーの話を聞いているディランの表情は、優しい
 学校での出来事を話す子供を見守る親のような、そんな雰囲気すら漂っている

 「檻の中の飼い殺し」
 …イギリスにいた頃のヘンリーは、まさにそう言う状態だった
 ユニコーンの契約者であるが故、肉親殺しという大罪を犯した身でありながらも「教会」のお抱え契約者と言う立場についていたヘンリー
 だが、それは同時に、「教会」の命令なしにはほぼ動きを取れない飼い殺し状態に等しかったのだ
 ディランも、かつては「教会」の子飼いであった事があるから…「教会」のやり方は、わかっている
 最近は「教会」全体の力が弱まり、以前ほどの強硬な姿勢はとりにくくなったとはいえ…「教会」は今でも、昔からのやり方が主流なのだ

「…とりあえず、俺もまだしばらく学校町にいますから。何かあったら、協力しますよ。主に乙女絡みなら、特に」
「え……い、いいの?いくら「教会」監視下から離れた状態って言っても、勝手な行動をとったらにらまれるんじゃ…」
「誰かを助ける為の行動なら、問題ありません。犯した罪の償いの為に…俺は、こっちに残ってるんですから」

 ヘンリーの言葉に、うぅん、とディランはしばし、考えて
 …そして、申し訳無さそうに、笑う

「…そ、それじゃあ……もしもの時は、お願いね……僕も、君に何かあったなら…その時は、協力するから」
「シスター・ドリスの友人の力が借りれるなら、心強いですよ」

 そんな事ないよ、とディランは苦笑する
 …自分には、ヘンリーや彼の契約都市伝説であるユニコーン
 それに、ドリスのような……誰かを救えるような力はない
 傷を、病を癒すような優しい力は、自分は持ち合わせていないから

 自分の持つ能力は………誰かを苦しめる能力、ばかりだから
 だから…ヘンリー達のように、誰かを救える力が、羨ましいと
 そう、感じるのだ

「それじゃあ、俺はこれで」
「あ、う、うん………呼び止めちゃって、御免ね」
「いえ、構いませんよ。こっちで知り合いに会えたのは心強いし」

 すっく、と立ち上がったヘンリー
 女性を惹き付ける整った顔立ちに、笑みを浮かべる

「…護る、って、約束した相手がいるんです。護ってやる為にも…一人では、難しい事もあるから。協力できる相手がいる事は、心強いんです」

 あえて良かった、と笑うヘンリー
 その後ろ姿を見送って…ディランは、小さく苦笑した

 尊敬するシスターの知り合いだからと、淫魔である自分を受け入れてくれているヘンリー
 「教会」に対しては、「組織」に対してと同様、複雑な感情があるが…
 …彼のような存在も、「教会」にはいるのだ


「…うん……昔の事にばかり、囚われていちゃいけない……「今」の事も、見ていかなくちゃ…」

 …それに
 ヘンリーは、護ると約束した相手がいると言った
 ……自分と、同じだ
 自分も、自分「達」にも、護ると約束した相手が居る
 どんなに大きな存在を敵に回そうとも、護ると決めた相手が

「……「今」の「組織」の事も、もっと情報集めて………もっと、ダレンを護れるように、ならなくちゃ」

 頑張ろう、と自分に気合をいれるディラン
 すくり、立ち上がる


 …はらり
 舞い落ちる桜の花びらの中
 ディランは一人、花見の喧騒の中に姿を消していった


終わる?



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