---悪魔としての、衝動
都市伝説として生まれた以上、それらは生まれるに至った、人間達の想いに忠実に動こうとする
それに逆らう事ができるかどうかは、個人の精神力や、語られる内容がどれだけ有名か、にもよるだろう
都市伝説として生まれた以上、それらは生まれるに至った、人間達の想いに忠実に動こうとする
それに逆らう事ができるかどうかは、個人の精神力や、語られる内容がどれだけ有名か、にもよるだろう
…だが
悪魔と言う存在は…少々、その手の衝動に逆らうのが、難しい面があるのは、確かだ
悪魔と言う存在は…少々、その手の衝動に逆らうのが、難しい面があるのは、確かだ
だからこそ、ディランにはマクスウェルの苦悩がわかる
この若き悪魔は、己の悪魔としての衝動と、契約者であるエーテルとの恋心の、板ばさみになってしまっていて
それを、どうしたらいいのか…わからなくなってしまってきている
この若き悪魔は、己の悪魔としての衝動と、契約者であるエーテルとの恋心の、板ばさみになってしまっていて
それを、どうしたらいいのか…わからなくなってしまってきている
「……ねぇ、ディラン……あなたは……悪魔の、淫魔としての衝動が、出てしまった時……どうしているの…?」
じ、と
ディランを見あげ、尋ねてきたマクスウェル
…ディランは、少し困った顔をして、答えた
ディランを見あげ、尋ねてきたマクスウェル
…ディランは、少し困った顔をして、答えた
「うぅん………僕は、なるべく抑えるようにしてるよ…………僕の本来の本能は、誰かを殺しかねないものだから」
淫魔
人の精気を吸い取り、それを糧とする存在
…ディランは、それを抑え続けている
淫魔本来の食事を、拒絶し続けている状態だ
その状態で、淫魔としての本性が出たならば……恐らくは、獲物を、それこそ木乃伊になるまで精気を吸い続ける事になりかねない
だからこそ、ディランは余計に、本能を押さえ込んでいるのだろう
人の精気を吸い取り、それを糧とする存在
…ディランは、それを抑え続けている
淫魔本来の食事を、拒絶し続けている状態だ
その状態で、淫魔としての本性が出たならば……恐らくは、獲物を、それこそ木乃伊になるまで精気を吸い続ける事になりかねない
だからこそ、ディランは余計に、本能を押さえ込んでいるのだろう
…しかし
彼のその本能は、淫魔としての生命維持に直結するはず
……人間でいえば、「食欲」を抑えこんでいるような状態だ
彼のその本能は、淫魔としての生命維持に直結するはず
……人間でいえば、「食欲」を抑えこんでいるような状態だ
「…抑えこんでいて……あなたは、大丈夫なの?」
「人間がとるような食事でも、生命維持はできるから大丈夫だよ……それに、僕はそれで命を落とす事があったとしても、後悔はしないから」
「人間がとるような食事でも、生命維持はできるから大丈夫だよ……それに、僕はそれで命を落とす事があったとしても、後悔はしないから」
それにね、と
ディランは、小さく苦笑する
ディランは、小さく苦笑する
「………もう、何百年、こう言う状態を続けてきたから…………正直、僕の中にどれだけ、淫魔としての本性が残っているのか…もう、わからない状態なんだ」
「…あなたの、都市伝説としての…一番の核となる部分が、曖昧になってる…?」
「そう、なのかな…よく、わからないや。案外、本能が、衝動が表に出てしまえば……………止まらなく、なってしまうのかもしれないけれど」
「…あなたの、都市伝説としての…一番の核となる部分が、曖昧になってる…?」
「そう、なのかな…よく、わからないや。案外、本能が、衝動が表に出てしまえば……………止まらなく、なってしまうのかもしれないけれど」
そうならないよう、抑え込みつづけているから…と、ディランはそう言った
彼は、悪魔としての本能を抑える事を、否定していない
………それを否定しない存在と、出会えたから、だろう
ディランは、一人で衝動と戦っているのではない
……支えてくれる存在が、いるのだ
彼は、悪魔としての本能を抑える事を、否定していない
………それを否定しない存在と、出会えたから、だろう
ディランは、一人で衝動と戦っているのではない
……支えてくれる存在が、いるのだ
「マクスウェルちゃん……君は、君のその本能が…エーテル様に、迷惑をかけてしまうと思ってる…?」
「………」
「………」
マクスウェルは、答えられない
俯く彼女を心配したのか、ダミアがてちてちとその傍に近づき、足元でぺたん、と腰をおろした
もぞもぞと、背中が蠢いているのが、見える
俯く彼女を心配したのか、ダミアがてちてちとその傍に近づき、足元でぺたん、と腰をおろした
もぞもぞと、背中が蠢いているのが、見える
「…君は、エーテル様の事が…好きだよね?」
「………」
「………」
こくり
頷く、マクスウェル
頷く、マクスウェル
「大好きだよね?」
こくり、と
はっきり、大きく頷く
…好きだ
彼を、愛している
はっきり、大きく頷く
…好きだ
彼を、愛している
だからこそ、余計に、辛い
「…君は、悪魔としての衝動を、ずっと抑え続けている…だから、どうしても反動が出てしまうのだと思う。悪魔としての本能は……人間が語る通り、契約者の魂を、求めてしまうのだから」
でも、と
少しでも、マクスウェルを安心させようとするように、ディランは続ける
少しでも、マクスウェルを安心させようとするように、ディランは続ける
「…エーテル様は…君に、あっさりと魂を奪われてしまう程、弱いお方?」
「え………」
「え………」
きょとん、とマクスウェルは顔をあげて
…首を、左右に降った
…首を、左右に降った
「…まさか…………それに、いざとなれば……逆に、悪魔を騙してしまうくらいの知恵は、ある……」
「そうだよね」
「そうだよね」
…口に出して、はっとする
でも、と首を左右にふる
でも、と首を左右にふる
「……でも、でも……その、本能を知られたら…エーテルに、嫌われてしまうかもしれない……」
「君と、エーテル様の絆は、そんなに弱いものじゃないはずだよ?」
「君と、エーテル様の絆は、そんなに弱いものじゃないはずだよ?」
大丈夫、と
マクスウェルと、目線をあわせ
ゆっくりと、ディランは続けてくる
マクスウェルと、目線をあわせ
ゆっくりと、ディランは続けてくる
「君の夢の中に、エーテル様が現れたんだよね?…それは、君とエーテル様の絆。エーテル様も、君を心配している……気遣ってくれている、求めてくれている。その、証」
「…エーテルが………私を……」
「だから…たとえ、君の本能が、現れてしまったと、しても。エーテル様は、君を嫌ったりしないはずだよ。今の君も、君が封じてしまっている面の君も……全てが、マクスウェルと言う、君と言う存在で…エーテル様は、そう言う面も含めて、君の事を大切に思ってくれているはずだから」
「…エーテルが………私を……」
「だから…たとえ、君の本能が、現れてしまったと、しても。エーテル様は、君を嫌ったりしないはずだよ。今の君も、君が封じてしまっている面の君も……全てが、マクスウェルと言う、君と言う存在で…エーテル様は、そう言う面も含めて、君の事を大切に思ってくれているはずだから」
だから
「だから……どうか、嫌われる事を、恐れないで。エーテル様と会う事を、恐れないで。君達は、こんなにも強い絆で結ばれているのだから……だから、大丈夫」
マクスウェルを元気付けるよう、そう言ってくれたディラン
マクスウェルは、自分の心と向かい合うように、また俯いて
マクスウェルは、自分の心と向かい合うように、また俯いて
…にゃん、と
自分を見上げてきているダミアと、目が合って
心配してきている彼に、大丈夫だよ、と言うように
かすかに……まだ、ぎこちないものだが…笑って見せたのだった
自分を見上げてきているダミアと、目が合って
心配してきている彼に、大丈夫だよ、と言うように
かすかに……まだ、ぎこちないものだが…笑って見せたのだった
to be … ?