紗江良の勘を理由に、2人は急いで病院に向かっている。
「この状況だと、病院はハンニバルの部下に襲われてるって、考えるべきか」
「それ以外に無いですよ。仮にも「組織」管轄の病院ですし、下手な事じゃビクともしないでしょうからぁ」
「だな」
「それ以外に無いですよ。仮にも「組織」管轄の病院ですし、下手な事じゃビクともしないでしょうからぁ」
「だな」
全力疾走とはいかないまでも、かなりの速さで走りながら2人は会話をしていた。
実の所、想軌と紗江良の両人とも運動神経・スタミナ共に悪くない。
想軌は、黒服としての戦闘訓練を受けているし、彼の奥の手は体力を滅茶苦茶に消耗し筋肉を限界以上使用する事も有る。
紗江良の方は、戦闘技能を全く持っていないため、遮蔽物の無い場所で戦闘に成った場合、敵の攻撃を全て避け続ける事が必要になる。
勘で攻撃を察知できるとは言え、並大抵に出来る事では無い。
彼女は……闘う為の力を、全て避ける為の力に変えたと考えれば良いかもしれない。
実の所、想軌と紗江良の両人とも運動神経・スタミナ共に悪くない。
想軌は、黒服としての戦闘訓練を受けているし、彼の奥の手は体力を滅茶苦茶に消耗し筋肉を限界以上使用する事も有る。
紗江良の方は、戦闘技能を全く持っていないため、遮蔽物の無い場所で戦闘に成った場合、敵の攻撃を全て避け続ける事が必要になる。
勘で攻撃を察知できるとは言え、並大抵に出来る事では無い。
彼女は……闘う為の力を、全て避ける為の力に変えたと考えれば良いかもしれない。
そうこうしながら進んでいると、病院に居る筈の祐樹がククージィと共に、何処かへ走っていくのを見た。
想軌は単純に病院から逃げ出して来たのかと思ったが、紗江良には「誰かに、会いに行った」と勘が囁いている。
兎も角、彼らに合流しようと話しかける事にした。
想軌は単純に病院から逃げ出して来たのかと思ったが、紗江良には「誰かに、会いに行った」と勘が囁いている。
兎も角、彼らに合流しようと話しかける事にした。
その際に、自分達が知る筈の無い病院の事件に触れる事を言ってしまう想軌だったが、
「病院の方が、何か騒がしかったみたいだからな。病院の門から出てきた姿を見たから、怪我の一つでもしているかと思ったが…無傷のようだな」
と、言う事で何とか祐樹は誤魔化す事が出来た。
急いでいるらしい祐樹達は立ち去ろうとするが、今まで気に成って居た事を想軌が言う。
急いでいるらしい祐樹達は立ち去ろうとするが、今まで気に成って居た事を想軌が言う。
「…門条 天地、と言う青年を知っているだろうか?」
「………っ!」
「………っ!」
その動揺ぶりから、やはり2人は無関係では無かったと想軌は思い。
紗江良は、病院で何かがあったのだと、勘じていた。
話している内に、祐樹達が急いでいたのは天地に会いに行く為だと分かり、同行することにした。
天地が診療所で倒れている事を聞き、嫌な予感が当たっていたと、2人は確信する。
紗江良は、病院で何かがあったのだと、勘じていた。
話している内に、祐樹達が急いでいたのは天地に会いに行く為だと分かり、同行することにした。
天地が診療所で倒れている事を聞き、嫌な予感が当たっていたと、2人は確信する。
「それで、何処の診療所なんだ?」
「北区にある診療所だと、聞いている」
「分かった、急ごうか」
「北区にある診療所だと、聞いている」
「分かった、急ごうか」
診療所の場所に覚えを感じながら、想軌は祐樹達に付いて行く。
自分達の事をククージィが警戒しているのを、紗江良は気付いていたが気にした様子は無い。
彼から親としての愛情を感じているから、逆に内心で微笑ましく思っていたのかもしれない。
自分達の事をククージィが警戒しているのを、紗江良は気付いていたが気にした様子は無い。
彼から親としての愛情を感じているから、逆に内心で微笑ましく思っていたのかもしれない。
日が沈むにつれて見えて来た診療所から、想軌は都市伝説の気配を感じていた。
これに関しては予想出来なかった訳ではない。今の状況で、普通の診療所と言うのも違うだろう。
そう考えれば、診療所に覚えがあるのも不思議では無い。
学校町における都市伝説の関連施設として、この町での生活中に何処かで読み取って居たわけだ。
そんな事を考えていると、ちょうど診療所に到着した。
これに関しては予想出来なかった訳ではない。今の状況で、普通の診療所と言うのも違うだろう。
そう考えれば、診療所に覚えがあるのも不思議では無い。
学校町における都市伝説の関連施設として、この町での生活中に何処かで読み取って居たわけだ。
そんな事を考えていると、ちょうど診療所に到着した。
(なるほど、第三帝国か)
外壁に触れながら、想軌がさり気無く情報収集をしていると。
診療所の中から、女性が1人現れた。
診療所の中から、女性が1人現れた。
「あぁ、広瀬 宏也から連絡は聞いている……が、そちらの男女は?」
4人を出迎えた一般的に美女と呼べる凛々しい女性――ドクターが、想軌と紗江良を警戒している。
自分達が予定外の来客だと理解しているので、2人も不満は無い。
しかし、このままと言う訳にもいかず祐樹が説明しようとしたとき、
自分達が予定外の来客だと理解しているので、2人も不満は無い。
しかし、このままと言う訳にもいかず祐樹が説明しようとしたとき、
「………夜分遅くに、申し訳ない」
背後から近づいてきた男性がそう言った。
灰色のコートを身に纏いサングラスで眼を隠した……壮年の男性。
その姿は、想軌を驚かせるには十分だった。
「組織」でも、かなりの知名度を持っているその男性の名は、朝比奈 秀雄。
悪魔の囁き事件の首謀者だった人物だ。その彼が、何故此処に来たのだろうか?
その疑問は、次の秀雄の言葉で晴らされた。
灰色のコートを身に纏いサングラスで眼を隠した……壮年の男性。
その姿は、想軌を驚かせるには十分だった。
「組織」でも、かなりの知名度を持っているその男性の名は、朝比奈 秀雄。
悪魔の囁き事件の首謀者だった人物だ。その彼が、何故此処に来たのだろうか?
その疑問は、次の秀雄の言葉で晴らされた。
「…ここに、門条 天地という青年が、いるはずだが」
「……ふむ?」
「……ふむ?」
奇しくも、想軌達と同じ目的でやって来たらしい。
天地が、門条 晴海の関係者だと言うのは、紗江良の勘にも引っ掛かっていた。
なので、想軌と紗江良はそれで納得出来たが、知らないドクターは警戒を強めたようだ。
医師として、患者を訪ねる人物に注意を払っているのだろう。
もっとも、秀雄と同行して来たらしい青年が想軌達以外の全員と知り合いだったらしく。
天地が、門条 晴海の関係者だと言うのは、紗江良の勘にも引っ掛かっていた。
なので、想軌と紗江良はそれで納得出来たが、知らないドクターは警戒を強めたようだ。
医師として、患者を訪ねる人物に注意を払っているのだろう。
もっとも、秀雄と同行して来たらしい青年が想軌達以外の全員と知り合いだったらしく。
「…彼について、問題はない。僕が保障する。彼は、あなた方にも、天地にも、害は与えない」
と、彼がとりなす事で警戒心を弱めた。
「…君が一緒とは。この男性は、門条 天地のどのような知り合いなのかね?」
「………昔の……友人、の、息子だ」
「………昔の……友人、の、息子だ」
天地との関係を尋ねた質問に、苦しげな表情で秀雄は答える。
それを見て、紗江良は秀雄が門条 晴海に抱いていた感情(好意)を感じとっていた。
それを見て、紗江良は秀雄が門条 晴海に抱いていた感情(好意)を感じとっていた。
害は無いと判断したのか、ドクターはやれやれと言った仕種を見せる。
秀雄の存在に気を取られていた想軌と紗江良も、その様子を見て何とか会えそうだと安心した。
2人よりも、天地と逢う事を望んでいただろう祐樹と秀雄はなおさらだろう。
秀雄の存在に気を取られていた想軌と紗江良も、その様子を見て何とか会えそうだと安心した。
2人よりも、天地と逢う事を望んでいただろう祐樹と秀雄はなおさらだろう。
しかし、しかし、だ。
彼らの出会いは、しばし延期となってしまう。
彼らの出会いは、しばし延期となってしまう。
「ッド、ドクター!」
「ミツキ?どうした?」
「…か、患者が!!」
「ミツキ?どうした?」
「…か、患者が!!」
病室から、ミツキと呼ばれた看護師が飛び出す。
彼女から都市伝説の気配を感じる想軌だが、今はそんな事よりもミツキの様子に嫌な予感を感じている。
彼女が出て来たのは、ドクターが天地の病室だと言った部屋。ならば、彼女の言った患者とは即ち……。
その場にいた殆んどの人間が、訪ねに来た青年を心配し部屋へと駆け寄る。
だが、その中に在るのは、もぬけの殻と成ったベッドと開け放たれた窓のみ。
患者である筈の、天地の姿は何処にも無かった。
彼女から都市伝説の気配を感じる想軌だが、今はそんな事よりもミツキの様子に嫌な予感を感じている。
彼女が出て来たのは、ドクターが天地の病室だと言った部屋。ならば、彼女の言った患者とは即ち……。
その場にいた殆んどの人間が、訪ねに来た青年を心配し部屋へと駆け寄る。
だが、その中に在るのは、もぬけの殻と成ったベッドと開け放たれた窓のみ。
患者である筈の、天地の姿は何処にも無かった。
(絶望に焦燥と疑念、そして僅かな希望……か)
天地の眠っていたベッドに自然に触れて、想軌は《残留思念》を読み取る。
むしろ部屋の状況に驚いていたからこそ、ベットに触れる動作に不自然さが無かったのかもしれない。
しかし、本人を直接読んだ訳でも無く正体を知られたくない祐樹が居るので、気付かれない程度にしか読み取れなかった。
むしろ部屋の状況に驚いていたからこそ、ベットに触れる動作に不自然さが無かったのかもしれない。
しかし、本人を直接読んだ訳でも無く正体を知られたくない祐樹が居るので、気付かれない程度にしか読み取れなかった。
(それでも、今の天地が精神的に危ないのは分かる。アイツには恩も有る、俺に出来る事はあるのか?)
続く