「お前ら、無事か?」
「あ…翼のにーちゃん」
「あ…翼のにーちゃん」
ひとまず、逃がしたとは言え、ロリ狙いの変態を撃退した裂邪
4体の都市伝説の力を同時に使うという状況に、体力を消耗しぐったりしていると…翼が、駆け寄ってきた
ぐったりしている裂邪の様子に、心配しているようだ
4体の都市伝説の力を同時に使うという状況に、体力を消耗しぐったりしていると…翼が、駆け寄ってきた
ぐったりしている裂邪の様子に、心配しているようだ
「ご主人様は、ちょっと体力を消耗しちゃってるけど、大丈夫です。それに、あの都市伝説を、一体撃退したんですよ!」
「…逃げられたけどな」
「…逃げられたけどな」
あぁ、ミナワに膝枕してもらいたい…と思いつつ、ぐってりしている裂邪
二人の言葉に、そうか、と翼はほっとしたように笑った
…まさか、裂邪が水着を流されて、今現在「シャドーパンツ」状態である事など、知る由も無い
二人の言葉に、そうか、と翼はほっとしたように笑った
…まさか、裂邪が水着を流されて、今現在「シャドーパンツ」状態である事など、知る由も無い
「そうか、良かった。相手は人を殺したくないとは言ってたけど、いざとなったらどうなるかわからないからな。無理するなよ?」
ぽんぽん、と
裂邪の頭を、気遣うように撫でた翼
裂邪の頭を、気遣うように撫でた翼
…裂邪達と翼は、以前にも顔をあわせたことがあるとは言え、本格的に知り合ったのは、つい先程の事
そんな相手を、翼がここまで心配してくれている事実に、裂邪は少し驚いた
そんな相手を、翼がここまで心配してくれている事実に、裂邪は少し驚いた
「さて、と。とりあえず、野郎狙いの変態は潰したから、あと4体…」
呟き、プールの水面を睨みつける翼
これ以上被害が増える前に、さっさと始末しないと…
これ以上被害が増える前に、さっさと始末しないと…
と
翼がそう考えていた、その時
翼がそう考えていた、その時
「おや?翼、友達かい?」
と
泳いできた女性が、翼に声をかけた
泳いできた女性が、翼に声をかけた
どう見ても、10代後半から20代前半向けの水着を着た、その女性
名前は、朝比奈 マドカ
翼の、実の母親である
名前は、朝比奈 マドカ
翼の、実の母親である
この日、母親がこの施設に来ていた偶然を驚く翼
が
それよりも、何よりも
が
それよりも、何よりも
「歳考えろよっ!?ババアっ!?」
………と
思い切り突っ込みを入れた彼に、罪はあるまい
マドカは、今年で40歳の大台に入るのだから
思い切り突っ込みを入れた彼に、罪はあるまい
マドカは、今年で40歳の大台に入るのだから
「何だい、まだまだイケるよっ!」
言い返すマドカもマドカだが
「まだイケるとかそう言う問題じゃ…………って、それよりもお袋!プールから出ろ!」
「へ?」
「へ?」
どう言うことか、と、マドカが問い返そうとした瞬間
プールの、水の流れが、一気に速まって
-----すぱぁんっ!!
「はぁっ!?」
「ご、ご主人様、見ちゃいけませんっ!!??」
「ご、ご主人様、見ちゃいけませんっ!!??」
驚くマドカと、慌てて裂邪に目隠しするミナワ
翼は舌打ちして、流される水着を見る
翼は舌打ちして、流される水着を見る
「遅かったか…ちょっと待ってろ、ここにタオルあるから」
「翼、母親の胸見て、何か感慨深いもんは感じないのかい」
「洗濯板に興味はねぇ」
「誰が洗濯板だいっ!?あんたを産んだ直後はもうちょっとあったよ!!」
「翼、母親の胸見て、何か感慨深いもんは感じないのかい」
「洗濯板に興味はねぇ」
「誰が洗濯板だいっ!?あんたを産んだ直後はもうちょっとあったよ!!」
コント一歩寸前の会話
とにかく、翼はマドカに大きめのタオルを渡して、さっさと水着の流れを追うつもりだった
水着は、あの変態都市伝説によって流されていっているはず
ならば、流れを追っていけば、攻撃のチャンスが…
とにかく、翼はマドカに大きめのタオルを渡して、さっさと水着の流れを追うつもりだった
水着は、あの変態都市伝説によって流されていっているはず
ならば、流れを追っていけば、攻撃のチャンスが…
そう判断した翼が、マドカにタオルを渡した
その、直後
その、直後
っごぅ!!と
灼熱の炎が、プールの表面を撫でるように、走っていって
灼熱の炎が、プールの表面を撫でるように、走っていって
『ぎゃあああああああああああああっ!?熱いっ!?蒸発するっ!?』
その、炎は
流される水着の一歩手前で、水を蒸発させながら、プールの底に向かって、動いた
一瞬、あの都市伝説の、ゼリー状の体が、熱さにのたうち苦しむ姿が露出する
流される水着の一歩手前で、水を蒸発させながら、プールの底に向かって、動いた
一瞬、あの都市伝説の、ゼリー状の体が、熱さにのたうち苦しむ姿が露出する
部分的に蒸発したプールの水
しかし、一瞬の空白は、すぐに別の水で閉ざされる
しかし、一瞬の空白は、すぐに別の水で閉ざされる
「………逃がしたか」
ゆらり
炎が飛んできた先からの、声
恐る恐る、翼や裂邪達が、そちらを見ると、そこには
炎が飛んできた先からの、声
恐る恐る、翼や裂邪達が、そちらを見ると、そこには
「…お、親父?」
黄金竜のオーラを纏った、秀雄の姿が、そこにあった
はっきりと感じられる、強い怒り
はっきりと感じられる、強い怒り
「あんた、どこ行ってたんだい」
その秀雄に、やや空気を読まず声をかけるマドカ
タオルに包まるマドカに、秀雄は淡々と答える
タオルに包まるマドカに、秀雄は淡々と答える
「……勝手に、私の傍を離れたのはお前だろう………………とりあえず、そこにいろ。あれを、始末してくる」
「は?あんた、今日は調査だけって…」
「………気が変わった」
「は?あんた、今日は調査だけって…」
「………気が変わった」
小さく、息を吸い込み
再び、灼熱のブレスを吐く秀雄
苦しんでいて、逃げ切れて居なかったのだろうか
再び、蒸発した水の跡に、あの都市伝説の姿が見えた
再び、灼熱のブレスを吐く秀雄
苦しんでいて、逃げ切れて居なかったのだろうか
再び、蒸発した水の跡に、あの都市伝説の姿が見えた
「ここで始末しても、何の問題もあるまい」
「まぁ、そうだけど……って、親父待て!親父の炎のブレスじゃ、ヘタしたらここの施設も壊すだろっ!?」
「まぁ、そうだけど……って、親父待て!親父の炎のブレスじゃ、ヘタしたらここの施設も壊すだろっ!?」
大樹に迷惑がかかる、と
そう考えた翼が、慌ててそう言う
が
そう考えた翼が、慌ててそう言う
が
「……問題ない…………大門 大樹に負担をかけるのは忍びないが………………「組織」に迷惑がかかるのならば、私としてはむしろ歓迎だ」
「それは俺も同感だけど、「組織」に迷惑かかって大樹に迷惑かからない状況って少ないんだよ!?少しは手加減しろ!!」
「…………断る」
「それは俺も同感だけど、「組織」に迷惑かかって大樹に迷惑かからない状況って少ないんだよ!?少しは手加減しろ!!」
「…………断る」
三度、ブレス
のたうちまわるそれは、急いで水へと戻ろうとした、が
のたうちまわるそれは、急いで水へと戻ろうとした、が
辺りが、光に包まれる
マドカの「フィラデルフィア計画」の能力が、発動したのだ
マドカの「フィラデルフィア計画」の能力が、発動したのだ
『うわっ!?何だこれ!?』
びちびちびち
体が、半分プールサイドに埋まった変態都市伝説
体の半分だけがプールに浸かった状態で、身動きできない
体が、半分プールサイドに埋まった変態都市伝説
体の半分だけがプールに浸かった状態で、身動きできない
ゆらり
秀雄は、それに近づいて
冷たく、冷たく……金色の双眸で、それを見下ろした
秀雄は、それに近づいて
冷たく、冷たく……金色の双眸で、それを見下ろした
「………泣け、叫べ………そして、死ね」
と、低く、低く、告げて
辺りに、絶叫が響き渡ったそうだが
その都市伝説が生き延びられたどうか、真相は闇の中である
その都市伝説が生き延びられたどうか、真相は闇の中である
熟女狙いの変態・リタイア