すいすいと、水中を泳ぐ、それ
「プールの排水溝に吸い込まれる事故で死んだ子供の幽霊が、同じような被害者を生み出している」と言う……何とも長い名前で語られる都市伝説である
語られている名前からすれば霊体でありそうだが、水中をテリトリーとするそれらは、液体の体…液体とゼリーの中間のような体をしていた
水とほぼ同じ成分(と、思われる)の体をしているそれらが、水中を高速で泳ぎまわれば、その姿を視認するのは至難の業
うかつに水中から姿を現さない限り、なかなか攻撃を当てることなどできない
「プールの排水溝に吸い込まれる事故で死んだ子供の幽霊が、同じような被害者を生み出している」と言う……何とも長い名前で語られる都市伝説である
語られている名前からすれば霊体でありそうだが、水中をテリトリーとするそれらは、液体の体…液体とゼリーの中間のような体をしていた
水とほぼ同じ成分(と、思われる)の体をしているそれらが、水中を高速で泳ぎまわれば、その姿を視認するのは至難の業
うかつに水中から姿を現さない限り、なかなか攻撃を当てることなどできない
…もっとも
それらも、相手が水中に入ってくれなければ何も出来ない、という欠点・弱点があるのだが
それらも、相手が水中に入ってくれなければ何も出来ない、という欠点・弱点があるのだが
(……二人、やられたか)
その……名前が長くて面倒臭いので、もう「それ」で統一する事にする、それ
それは、自分と同質の存在が、二人倒された事を認識した
液体の体を持つそれらは、高温で熱されれば蒸発してしまうし、電撃にも弱い
打撃などには強いが、そのような弱点も持ち合わせていた
弱点をつかれれば、それらは脆い
弱点を突く攻撃方法を所持している者がいるならば、それらはますます、水中から姿を現す訳にはいかなかった
それは、自分と同質の存在が、二人倒された事を認識した
液体の体を持つそれらは、高温で熱されれば蒸発してしまうし、電撃にも弱い
打撃などには強いが、そのような弱点も持ち合わせていた
弱点をつかれれば、それらは脆い
弱点を突く攻撃方法を所持している者がいるならば、それらはますます、水中から姿を現す訳にはいかなかった
(…派手にやりすぎたせいか、ロリっ子が水中に入ってきてもくれない…)
……えー
若干、ズレた面でしょぼーんとしているそれだが
まぁ、変態なので仕方ない
ついでに、全部で5体いたうちの、ロリコンな変態なのだから仕方ない
若干、ズレた面でしょぼーんとしているそれだが
まぁ、変態なので仕方ない
ついでに、全部で5体いたうちの、ロリコンな変態なのだから仕方ない
とまれ、それは自分が水着を剥きたい対象であるロリっ子がプールに入ってきてくれない事実にしょぼーん、とする
それでも、獲物がいないか、とプールの中を泳ぎ続ける
そこは、流れるプール
泳ぎ周るそれを、更に見つけにくくする、そのプール
それでも、獲物がいないか、とプールの中を泳ぎ続ける
そこは、流れるプール
泳ぎ周るそれを、更に見つけにくくする、そのプール
……しかし
っじ!!と
水の外からの攻撃が、それに掠った
水の外からの攻撃が、それに掠った
(!?)
熱い、痛い
恐らくは、光線銃での攻撃
……自分を、見つけた!?
恐らくは、光線銃での攻撃
……自分を、見つけた!?
ぞっとして、それは、自分を攻撃してきた対象を、確認した
「…恐らく、直撃はしていない、掠っただけだ」
大樹から受け取った光線銃を構え、小さく舌打ちした愛美
姿の見えない相手を、気配だけで位置を捉え狙い撃ちにしようとしたのだ
それも、慣れていない武器で
掠っただけでも、かなりの腕前である
姿の見えない相手を、気配だけで位置を捉え狙い撃ちにしようとしたのだ
それも、慣れていない武器で
掠っただけでも、かなりの腕前である
「やはり、姿が見えないと難しいですか」
「あぁ………だが、次は外さん」
「あぁ………だが、次は外さん」
ゆったりと流れ続けている水面を睨みつける愛美
大樹も、水中にいるそれの気配を探ろうとする
……そもそも、都市伝説の気配を探るだけならば、大樹の方が上のはずなのだが…………愛美が相手の気配を補足できるのは、恐らく、長年都市伝説と戦い続けた勘によるものなのだろう
大樹も、水中にいるそれの気配を探ろうとする
……そもそも、都市伝説の気配を探るだけならば、大樹の方が上のはずなのだが…………愛美が相手の気配を補足できるのは、恐らく、長年都市伝説と戦い続けた勘によるものなのだろう
逃げ出しただろうそれに、愛美は光線銃を向けた
普通の銃と違い、それは小型の物でも、射程距離はかなり長い
たとえ、相手が逃げようとも……
普通の銃と違い、それは小型の物でも、射程距離はかなり長い
たとえ、相手が逃げようとも……
「っ!」
愛美が、引き金を引く
放たれた、強い熱を伴った光線は、狙いたがわず飛んでいき…
放たれた、強い熱を伴った光線は、狙いたがわず飛んでいき…
『っぎゃああああああああああああ!!??』
それに、命中した
痛みに悶えてか、体の表面が、水中に飛び出す
愛美は、続けて狙撃しようとして
痛みに悶えてか、体の表面が、水中に飛び出す
愛美は、続けて狙撃しようとして
……が
それよりも、先に
大樹が放った光線銃による攻撃の方が、早かった
水中に飛び出した箇所から、位置を完全に把握
まだ水中に入っている部分を狙い撃ちし……反動で、その全身が飛び出すように、攻撃した
それよりも、先に
大樹が放った光線銃による攻撃の方が、早かった
水中に飛び出した箇所から、位置を完全に把握
まだ水中に入っている部分を狙い撃ちし……反動で、その全身が飛び出すように、攻撃した
大樹の狙い通り、水中から飛び出したそれ
勢いで、プールサイドに落下した
急いで、水中へ逃げようとしたが
勢いで、プールサイドに落下した
急いで、水中へ逃げようとしたが
「逃がさん」
『っぎゃ!?』
『っぎゃ!?』
ぐにゃ!と
愛美が、それを踏みつけた
ゼリー状の体だが、踏みつければその逃亡を阻止する事は可能だ
びちびちぐにゃぐにゃ、それは暴れる
愛美が、それを踏みつけた
ゼリー状の体だが、踏みつければその逃亡を阻止する事は可能だ
びちびちぐにゃぐにゃ、それは暴れる
「さて、これは私の水着を剥いた奴か、そうでないか…」
『ババアに興味はないとです。ロリっ子最高!』
「よし、死ね」
『ババアに興味はないとです。ロリっ子最高!』
「よし、死ね」
……この状況において、こんな発言ができたそれは、恐らく、勇者と称えられてもいいかもしれない
そんな勇者、いらんが
そんな勇者、いらんが
「………なるほど、あなたは、望を辱めた固体でしたか」
…………刹那
周囲の空気が、ぴぃん…と、張り詰めた
周囲の空気が、ぴぃん…と、張り詰めた
すでにこの日、この空気を体験していた愛美は、すぐに気付く
己の背後にいる大樹が、どのような状態なのかを
即座に、把握した
己の背後にいる大樹が、どのような状態なのかを
即座に、把握した
…ゆっくりと、振り返る
大樹は、微笑んでいた
しかし
その背後に、般若を思わせるオーラが漂っている事実を………愛美は、確かに確認した
大樹は、微笑んでいた
しかし
その背後に、般若を思わせるオーラが漂っている事実を………愛美は、確かに確認した
数秒後
何が起こったのか……愛美は、語らなかった
ただ、娘である友美に「あれは、微笑みという名の悪魔だった」と
ただ、それだけを語ったのだという
何が起こったのか……愛美は、語らなかった
ただ、娘である友美に「あれは、微笑みという名の悪魔だった」と
ただ、それだけを語ったのだという
ロリ狙いの変態・リタイア