「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 悪意が嘲う・悪意が消えたその後に・純白の騎士-01a

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だれでも歓迎! 編集
「はい………はい。了解、ボス」

 朝比奈からの連絡に応対していたヘンリー
 通話を終えた彼に、バスカルは尋ねる

「何だって?」
「騒動の原因の都市伝説が5体。うち、少なくとも2体はどうにかしたそうだ。相手は水から引きずり出さればほぼ無力化できるらしい」

 ヘンリー達の目の前の水は……静かだ
 それは、そうだろう、誰もプールに入っていない状況だ
 獲物がいなければ、変態も現れまい

「いざとなれば戦っていいとは言われたけど、どうするか…」

 呼吸する国際問題に戦闘許可出すなよ
 その突っ込みを抑えつつ、バスカルはヘンリーと共に、目の前のプールに視線をやる

 騒動の原因はわかったのだ、「調査」は既に終わっている
 後は、それ以上の行為を行うか、否かという事

「乙女を辱めるような奴、放っておくわけにはなぁ…」

 ちらりと、沙々耶やデリアの様子を見ながら呟くヘンリー
 しかし、相手が来てくれなくては、どうにもならない
 ここの施設は広すぎて、相手を探して彷徨う、となると効率が悪すぎる

「仕方ない。俺が囮に…」
「それは駄目だ」

 バスカルの言葉に、ヘンリーは即答
 それはもう、すがすがしいほどにきっぱりと

「乙女を危険な目にあわせる訳にはいかない」
「だから、乙女じゃないっての…」

 まったく、この節操なしの処女厨は
 バスカルは、呆れたようにため息をついた

「せめて、コンスタンツェの水着だけでも回収したいところだがね。水の中に入れないとなると…」

 むぅ、と難しい表情をしているドクター
 それでも、危険を覚悟でプールに入ろうとした、その時


 ちゅちゅちゅ、ちゅちゅちゅ、ちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅ♪


 …どこからか、聞こえてきた鼻歌らしき、メロディ
 見ると、ぱっちゃぱっちゃぱっちゃ
 小さなハツカネズミが、何かを引っ張りながら泳いできている
 そよそよ、水に揺れる、それは

「あ、お姉の水着…」
「ややや!?た、確かにその通りであります!?」

 どこからどう見ても、沙々耶によってうっかり脱がされ、流されたコンスタンツェの水着だった
 エニグマ姉妹の声に、ちゅ?とネズミが反応する

 ぱちゃぱちゃ
 ネズミは、プールサイドまで近づいてきて

「ちゅちゅ?」

 と、愛らしく、首をかしげてエニグマ姉妹を…特に、コンスタンツェを見上げてくる
 「これ、君の?」とでも言うように

「あ…ありがとうであります」
「ちゅっちゅー!」

 コンスタンツェが水着を受けると、ネズミはちょっと誇らしげに鳴いて
 また、鼻歌を歌いながら、犬かきで泳いでいった

 ………
 …………

「日本のネズミって、泳ぐ上に鼻歌まで歌うんだな」
「いや、それはないっ!?」

 明らかに普通のネズミじゃないだろ、と
 バスカルは、ヘンリーのボケた発言に盛大に突っ込んだのだった




続くかどうかわからない




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