「委員長、お疲れ様」
「え?…あぁ、お疲れ様、逢瀬さん」
「え?…あぁ、お疲れ様、逢瀬さん」
学園祭中の、休憩時間
声をかけてきた佳奈美に、彼女は微笑んで返事を返した
…龍一を誘えなかった寂しさを、必死に覆い隠す
声をかけてきた佳奈美に、彼女は微笑んで返事を返した
…龍一を誘えなかった寂しさを、必死に覆い隠す
「宮定さんも、お疲れ様……ごめんなさい、うちのクラスが、変な事に巻き込んじゃって」
そして
佳奈美の隣に居た繰に、そう言って苦笑してみせた
いいのよ、と繰は小さくため息をついてくる
佳奈美の隣に居た繰に、そう言って苦笑してみせた
いいのよ、と繰は小さくため息をついてくる
「あなたが謝る必要ないわよ…こっちはこっちで楽しんでるつもりだから、気にしないで」
「そう?…なら、いいのだけども」
「そう?…なら、いいのだけども」
このクラスは、ほぼノリと勢いで、繰を強引に他クラスから借り受けたようなものだ
真面目な彼女はそれをずっと気にして、申し訳なく思っていたのである
やっと謝罪できた、と彼女は少しほっとする
真面目な彼女はそれをずっと気にして、申し訳なく思っていたのである
やっと謝罪できた、と彼女は少しほっとする
「…ね、委員長。これからの予定ないなら、みんなで一緒に、学園祭回らない?」
「え?」
「え?」
佳奈美にそう誘われ、きょとんとする
いいの?というように、首をかしげた
いいの?というように、首をかしげた
「逢瀬さんは、その……あの、広瀬、って男の人と一緒に回らなくて、いいの?」
「にゃ!?」
「にゃ!?」
ぽぽぽぽ!!と
彼女の言葉に赤くなる佳奈美
む、と繰が少々、面白くなさそうな表情を浮かべた
む、と繰が少々、面白くなさそうな表情を浮かべた
「や、で、でも。宏也さんは宏也さんで、ゆっくり回ってるだろうし、邪魔しちゃ悪いから…」
と
なにやら、おたおたしながら話す佳奈美だったが
なにやら、おたおたしながら話す佳奈美だったが
「あ、佳奈美の彼氏さん、さっきから教室の外で佳奈美待ちでスタンバってたぞ」
と
クラスメイトの真樹が、軽やかに告げてきた
クラスメイトの真樹が、軽やかに告げてきた
……え?と、ちらり、教室の外を見たら
いた
教室の外に、ごく自然に、宏也の姿がある
佳奈美の視線に、宏也はすぐに気付いて、笑顔で手をふってきて
………ぽんぽぽぽん、とますます佳奈美は赤くなる
いた
教室の外に、ごく自然に、宏也の姿がある
佳奈美の視線に、宏也はすぐに気付いて、笑顔で手をふってきて
………ぽんぽぽぽん、とますます佳奈美は赤くなる
…羨ましいな、と
彼女は、極自然に、そう思った
自分も……あと、ほんの少し、勇気を出す事が、できれば
彼と、あんな関係に、なれるのだろうか?
彼女は、極自然に、そう思った
自分も……あと、ほんの少し、勇気を出す事が、できれば
彼と、あんな関係に、なれるのだろうか?
彼女は、佳奈美の様子を微笑ましく思いながら
しかし、同時に羨ましく、思ってしまうのだった
しかし、同時に羨ましく、思ってしまうのだった
to be … ?