龍一のクラスの模擬店は、予想していた以上の繁盛で
あまり、長居しても迷惑だろうと考えた翼達は、早めに別の場所に移る事にした
…多分、また恵が人酔いを起こすだろうから、もうちょっとゆっくり休めそうな場所を探しておこう
あまり、長居しても迷惑だろうと考えた翼達は、早めに別の場所に移る事にした
…多分、また恵が人酔いを起こすだろうから、もうちょっとゆっくり休めそうな場所を探しておこう
「ごちそうさん、龍一」
「…どうも」
「…どうも」
御代を払う翼に、小さく頭を下げる龍一
ぱさぱさと、長い前髪が揺れる
ぱさぱさと、長い前髪が揺れる
そんな龍一の様子を、じっと、見詰めて
「…なぁ、龍一」
「……何です?」
「その…俺の爺ちゃんに、何か言われたか?」
「……何です?」
「その…俺の爺ちゃんに、何か言われたか?」
………一瞬
時間が止まったかのような、沈黙が、流れて
…それで、翼は大体、理解した
時間が止まったかのような、沈黙が、流れて
…それで、翼は大体、理解した
「やっぱりか」
「…宗光さんが悪い訳ではないです。翼さんの事が、心配なだけでしょうから……翼さんは、後継ぎ候補ではないけれど………契約者、だから」
「…宗光さんが悪い訳ではないです。翼さんの事が、心配なだけでしょうから……翼さんは、後継ぎ候補ではないけれど………契約者、だから」
契約者、と
その言葉だけは、周囲に聞かれぬよう、注意を払って、口にする龍一
その言葉だけは、周囲に聞かれぬよう、注意を払って、口にする龍一
…日景家の現当主・日景 宗光は、都市伝説の存在を把握している
だからこそ…契約者である孫の翼が、心配で仕方ないのだろう
それを、龍一は理解しているのだ
だからこそ…契約者である孫の翼が、心配で仕方ないのだろう
それを、龍一は理解しているのだ
「だからって、お前に迷惑かける訳には…」
「………迷惑だなどと、思っていませんよ」
「………迷惑だなどと、思っていませんよ」
小さく、笑う龍一
それは、作り笑いや愛想笑いなどではない…本物の、笑み
それは、作り笑いや愛想笑いなどではない…本物の、笑み
「…おかげで……俺は、8代目以降、獄門寺家の当主が務める事ができなかった役目を、まっとうできるんですから」
「……そこまで、家の事に縛られる必要、ないだろうが」
「受けた恩義は返します……それが、筋ですから」
「……そこまで、家の事に縛られる必要、ないだろうが」
「受けた恩義は返します……それが、筋ですから」
感じるのは、強い意志
曲がる事ない、決意
……ここでの説得は、無理か
曲がる事ない、決意
……ここでの説得は、無理か
「そうか……でも、気負いすぎて、無理すんなよ?」
「はい…それに、実際のところ、俺は翼さんを護れる程、強い訳でもないですから」
「はい…それに、実際のところ、俺は翼さんを護れる程、強い訳でもないですから」
火の粉をほんの少し払うので精一杯です、と
そう、苦笑した龍一
そんな龍一の頭を、ぽんぽん、と労うように、軽く撫でて
翼は、2年B組の模擬店を後にしたのだった
そう、苦笑した龍一
そんな龍一の頭を、ぽんぽん、と労うように、軽く撫でて
翼は、2年B組の模擬店を後にしたのだった
「………」
翼を見送って
ふぅ、と龍一は小さくため息をついた
…あそこまで、子供扱いしなくとも
頭を撫でられた事を考え、小さく苦笑する
ふぅ、と龍一は小さくため息をついた
…あそこまで、子供扱いしなくとも
頭を撫でられた事を考え、小さく苦笑する
「獄門寺君、そろそろ休憩時間じゃない?」
「ん?……あぁ、そうだな」
「ん?……あぁ、そうだな」
クラスメイトの天倉 紗奈に声をかけられ、顔をあげる龍一
休憩室に向かおうとした、龍一に
紗奈は、何気なく尋ねてくる
休憩室に向かおうとした、龍一に
紗奈は、何気なく尋ねてくる
「ねぇ、さっきの男の人、ずいぶん親しいみたいだったけど…知り合い?」
「ん?…………あぁ、そうだが。どうした?」
「いや、獄門寺君の知り合い、ってイメージの人じゃなかったから」
「ん?…………あぁ、そうだが。どうした?」
「いや、獄門寺君の知り合い、ってイメージの人じゃなかったから」
…龍一は、普段、極力目立たないよう、クラスでは振舞っている
そんな龍一と、金に染めた髪に日焼けした肌、露出が高めの服にシルバーアクセサリーをじゃらじゃらと身に付けた派手な格好の翼とは、イメージが違いすぎるのだろう
そのような相手と知り合い、というだけで不思議なのかもしれない
そんな龍一と、金に染めた髪に日焼けした肌、露出が高めの服にシルバーアクセサリーをじゃらじゃらと身に付けた派手な格好の翼とは、イメージが違いすぎるのだろう
そのような相手と知り合い、というだけで不思議なのかもしれない
「……家の関係で少し、な」
詳しく説明する事を避け、短く答える龍一
それじゃあ、と話を切り上げ、改めて休憩室に向かおうとして
それじゃあ、と話を切り上げ、改めて休憩室に向かおうとして
「獄門寺、だっけ。委員長とその辺周ってくるんだけど、暇だったら一緒に行かない?」
…と
そう、声をかけられて、足を止めたのだった
そう、声をかけられて、足を止めたのだった
to be … ?