「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-78j

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「ドクター達、大丈夫でしょうか…」
「何となく、大丈夫そうな予感はするでありますが」
「相手は殺しまではしないんだし、大丈夫じゃないかー?」

 ドクターとパスカルが流されていって、それをヘンリーが追いかけていった様子を見ながら、エニグマ姉妹と沙々耶は心配したり対して心配して居なかったりしていた
 何というか……何となくだが、大丈夫そうな気がするのだ
 主に、命の危険はないような気がする
 ポロリの危険はあるかもしれないが

 とまれ、三人が、プールから少し離れた位置で、事の成り行きを見守っていると

「ちょっとすいませーん」
「うー!」
「ちゅー」

 不意に、声をかけられた
 そちらを見ると、肩に白いハツカネズミを乗せたどこか眠たそうな表情の少女と、小学校低学年くらいの少年が、彼女らに近づいてきていた
 …ネズミは、どっかで見た事あるような…

「……あ、お姉の水着を持って着てくれたネズミ…」
「ちゅっちゅー」

 デリアの言葉に、また会ったね、とでも言うように、ネズミがぴっと前足を上げた
 …何か、ものすごく、ハツカネズミを超越した存在のような

「こっちに、浮き輪流れてきませんでしたかー?」
「うー、おねーちゃんの浮き輪、来てないー?」

 てとととと
 三人に近づいてきながら、尋ねてくる少女と少年
 ……浮き輪?

「来ていませんよね、お姉」
「見覚えはないでありますな。まぁ、こちらも色々とパニックに巻き込まれておりました故、気付かなかった可能性も捨てきれないでありますが…」

 エニグマ姉妹の言葉に、こっちにもないかー、と困った様子の少女
 うー?と少年が首をかしげる

「浮き輪、こっちにもないー?」
「そうみたいだねー……んー、都合よく流れてきたりしないかなぁ」
「ちゅちゅー」

 んー、と、プールを眺める少女とネズミ
 今、あまりプールに近づかないほうがいい、と
 デリアが忠告しようとした……その時


「…………そう………哀れだね。親の仇に利用されて…………………でも、その事実にすら気付かずに。味方も自分も不幸にして、死ぬ運命なんて、さ」


「………え?」

 聞こえてきた、その言葉に
 きょとん、と、デリアは、その言葉を発した主である……少年を、見つめた

 じ、と
 少年も、また……デリアを、じっと、見つめてきている
 先ほどまでの、歳相応の可愛らしい子供の表情では、なく
 冷め切っているような、哀れんでいるような、蔑んでいるような、同情しているかのような
 ……そんな、表情を浮かべて

「…どう言う……意味、ですか?」

 デリアが
 そう、尋ねると

「……???うー?」

 きょとん、と
 少年は、元の子供っぽい表情になって、首をかしげた
 まるで、先ほど発した言葉の内容すら、まったく覚えていないかのように

「うーん、やっぱり来ないねぇ、浮き輪」
「…うー?おねーちゃんの浮き輪来ないー?」
「探し方、変えた方がいいのかなぁ」

 むむー、とプールを眺め続ける少女の傍らで、首をかしげる少年
 先ほどの豹変など、まるで、一時の幻であったかのように
 その面影は、カケラも残っていないのだった





「……どう言う意味?さっきの?」

 ぽそり、と
 少女…葉は、少年…幸太に、小さくそう尋ねた
 ---すぅ、と表情が、また一変し…幸太は、答える

「…………言ったままの意味だよ……あのお姉ちゃんは、本人も気付かないうちに操られていて…でも、それに誰も気付けないで。それをどうにかできる存在は傍にいなくて………あのままじゃ、自分や周りを巻き込んで、死ぬよ」

 まるで、慈悲なき予言のように
 冷たく、突き放したように、幸太は言い切った
 葉は、小さく眉をひそめる

「それはまた、物騒だね…どうにかならないの?」
「さぁ?…………まぁ……おねーちゃんなら、もしかしたら、どうにかできるかもしれないけど、ね」

 きひひっ、と
 そう、小さく笑った幸太

 …が
 次の瞬間には

「…うー!浮き輪、見えたー!」

 と
 また、元に、戻ってしまった

「あー、いいところで…って、浮き輪?」
「ちゅちゅちゅー!」

 キターーー!!
 浮き輪が、ぷかぷかと流れてきた!
 回収すべく、葉はプールへと近づいていって

 その、葉の後姿を、幸太はじっと見つめて

「………ここで、それを知った事で…………さぁ、どう未来は変わるかな………?」

 と、小さくきひひ、と笑っていたのだった






to be … ?



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