「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - トイレの花子様-15

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トイレの花子様 15


いきなりなんだが、今日は祭りだ。
花子様はリビングの方で母ちゃんに浴衣を着させてもらっている。
一人でできると言ってたんだが、母ちゃんが強引にその役目を買って出たワケだ。
そして俺は自分の部屋で財布や服装の最終チェックをしている。
まず絶対おごる事になる、いや、おごらさせて頂くことになるのは目に見えているから財布は忘れられない。
あれだけの美人と歩くのだから、少しでも釣り合えるようにしないとな。

花「駄犬!私は準備できたわよッ、早く降りて来なさい!このノロマなナメクジめ。」

実は待ってたのは俺なんだけどなーと思いつつ、階段を下りる。
そこにはとんでもない光景が待ち受けていた。

我が家は階段を下りると玄関が見える間取りなんだが…

花「似合わないとは言わせないわよ♪」

黒い布地に赤と金で蝶が上品に描かれた浴衣を着た、美しい国日本の女神様がおられた。
この浴衣を買いに行った時、試着したのは見たが、やっぱり実戦投入モードは格別だ。
さしずめ試作機YF-22が正式採用の末F-22ラプターとして完成したかのように。
後ろ髪は結われ、危険に甘く香りそうなうなじが良い。
やや大きめな胸が少し窮屈そうに収まっているのが良い。
手首に下げた、高級そうな金魚の柄の巾着袋もまた良い。
今回の祭りで祀られる神様も、その席を譲ってもおかしくないとさえ思える。
またしても無言の、だけど最大の賞賛に満足した花子様は少し先に玄関を出ていく。
ポケっとしてる俺に母ちゃんはボソッと言った。

母「花ちゃん、けっこう【有る】わよ…」
男「なにが?」
母「胸」

母ちゃんの言葉に呆れつつも、俺は花子様について家を出た。

神社についたのは夕方、だいたい五時くらいか。
規模こそ決して大きくはないが、なかなかの賑わいだ。それは良いのだが…

大衆(なに、あのヒト。チョー綺麗。)(えらいベッピンさんだなあ)(ちょっと釣りあわねー)

非常に肩身が狭い。花子様が目立ち過ぎてとっても肩身狭い。ちょっと離れて歩こうかな…
そんな思考を読んだのか知らんが、

花「ちょっと男、ちゃんと付いてきなさい。これだから駄犬は…。
  それに、もうちょっと堂々としなさいよ。飼い犬がそんなんじゃ、私の躾が悪いみたいじゃない。
  それとも、この私と歩くのがそんなにイヤ?」

そんなことは、そんなことはないんですけどね。

男「むしろ、身に余り過ぎる光栄って感じですね。」

花「あっそ…」

そんなこんなしながら、まずは出店のラインナップを確認して歩く。

とりあえず、タコ焼きが食べたいそうなので、タコ焼き屋に向かう。
ちなみにこのタコ焼き屋、祭りにしか出ない素人では無く、普段からこの町で営業している激ウマなお店が、祭りに出張しているのだ。そして俺も何度も行ったことがある。

オヤジ「いらっしゃい!お、男じゃねーか。えらい美人連れてるじゃねーの?やるねー!」

男「連れてるっていうか、連れられてるのほうが…。まあ良いや、タコヤキ2つ。」

オヤジ「ハイよ!そっちの美人さんに免じて、1パックつけてやるよ。」

男「マジで?サンキューおっちゃん!」

オヤジ「その代わり、また2人でうちの店来てくれよな!」

無事、タコヤキを買った俺達は、座れる場所に移動した。

いざ食べようとして絶句した。

花「串が、一本しかないわね…。気前が良いんだか悪いんだか…」
花「サービスして貰った手前、文句言えないし我慢しましょう。」

そういって1人で串をつかってハフハフしながら喰い始めた。そのハフハフもなかなか色っぽいのだが…

花「なに物欲しそうにしてるの?まさか私に食べさせて欲しいとか?」

いや、そこまでしなくても良いけど、いやしたいけど。俺の串は…

花「私から食べさせて貰おうなんて、身の程を知りなさい。…お前が私に食べさせなさい。」

そう言って俺に串を任せる花子様。そしてまさに「あーん」って感じで待っているのだ。
これでは断れない。俺はタコヤキを花子様の口に運ぶ。
花子様がハフハフモグモグしてる間に俺もその串でタコヤキを食べる。

花「な、なにやってんのよ駄犬!間接キスじゃないそれじゃ!!
ふん、意気地無しの犬に相応しいわね。食い意地に偽装して間接キスだなんて…。」

男「いや、これは単純に食欲で・・・」

花「クス、嘘よ。今回は赦してあげるわ。ただ、あとでちゃんと直接するのよ?わかった?」

質量を持った残像が出そうなくらい頷いた。
それから10回を越える間接キスと1回の直キスをする。
串が一本だったのはタコヤキ屋のオヤジが、こうさせるためにやったんだと気づく。

タコヤキですっかりお腹いっぱい胸いっぱいになった俺達が次に向かったのは、あの王道「金魚すくい」!

男「おいちゃーん、金魚すくい2人分。」

お「はいよー。ありゃーあ、べっぴんさんだ。」

きっとどの店に行っても最初のリアクションなんだろうなあ。
花子様は袖を押さえて金魚をすくおうとする。しかし
花「あ!」

お「ありゃりゃー残念だね~」

残念でもなんでもない。「ポイ」さばきがなってない。
抵抗を少なくして紙をもたせるために、水平に動かすというセオリーができていない。

花「おじさん、もう一回!代金は男が出すわ。」

やれやれ、いくらかかるのやら…

花「おじさんもう一回よ!」

もう10回目だ。そして戦果ゼロ。マンガからあれだけ技を吸収する花子様がここまで苦戦するとは・・・

男「花子様~もう10回目ですよ?もう諦めませんか?」

花「絶対にイヤよ。すくうまで止めない、帰らない。」

若干涙目でそう言った花子様も可愛い。しかたない、見本見せるか。

男「良いですか?まず・・・」
知る限りのテクを教える。そこからが地獄の始まりだった・・・金魚とおいちゃんにとっての。

花「また取った!!」

俺が少しレクチャーしただけで、とんでもないハンターになってしまった花子様。
ビニールプールに金魚はほとんどいない。残るは一匹。
バカなガキを釣るための大物だ。15センチ級の錦鯉の子供。
弱りきった花子様のポイですくえるのか?あ、すくった。
これで金魚は全て花子様に狩られた。しかも10回目のポイ一つで。
おいちゃん青い顔してんぞおい。

花「つい取り過ぎたけど、こんなにしらないし、金魚が可哀想ね、これ一匹だけ貰うわ。」

そう言って、ラスボスだった鯉の子供以外を返上した。

その後の花子様は「有象無象の区別なく、私の弾頭は赦しはしないわ」と言って射的でMGエクシアのガンプラを獲得したり、型抜きで万単位稼いだりと、次元はおかしいけど、祭をとことん楽しんだ。
しかしまだ何か満たされない花子様と人気の無い所で休憩していると、見慣れた、けど異質なものを見かけた。

男「あ、あれは・・・」
花「この間の[花子さん]ね。」
ちょっと前、いろいろあって共闘した「花子さん」とその契約者が見える。と言ってもワリと遠いけど。

花「そっか、あのコは普通の人間から見えないから・・・大変ね・・・」
男「へ?見えないなら余計フリーダムなんじゃ…」
花「バカね。何か食べたらいきなり食べ物が消えて見えるのよ?周りにはね。」男「そっか・・・。じゃあ声かけてみます?」
花「気遣いのできないバカね、お前は。2人だけの時間を邪魔するような真似はよしなさい。それと、あれ買ってきて。」

花子様が指差したのは、りんご飴だった。

花「万が一邪魔になるとも限らないわ。男が買いに行ってる間に私も少し移動するわ。もう少し祭り会場に近い所に。ちゃんと見つけなさいよ?」

そう言って、俺達は一時別れた。

 ・ ・ ・ ・ ・

男がりんご飴を買いに行った後、私は言った通り移動した。
祭り会場の近く、人通りが微妙な所で待つ。だが・・・

チャラ1「ねーねー、綺麗なお姉ちゃん。俺らと遊ぼうよ。」
チャラ2「そうだよ、あんなパッとしない男より俺らと遊ぼうよー」
チャラ1「犬扱いしてたじゃんよ~」
チャラ2「そぉそお、俺ら狼だがら(笑)」

何?このゴミクズ。

花「私が本気で怒る前に、さっさと散りなさい、生ゴミ。これでも優しく言ってるのよ?」

チャラ1「ちょっと何強気になっちゃってんの?」
チャラ2「女が男に勝てるわけないのに強がって。どうなってもしらないよ?」
そんなことを吐いて私の腕を掴もうと手を伸ばしてくる。気持ち悪い。

花「ごめんなさい。私が悪かったわ。でもここじゃ人目につき過ぎるから、こっちの人のいない方で遊びましょ?」

チャラ「最初からそうすりゃ良いのに。」

私はゴミクズと一緒に人目につかない場所に移動した。

完全に人目につかない適当な場所に来ると、ゴミクズは分かりやすく愚劣な雄だった。
私の浴衣を脱がして、身体を汚そうと手を伸ばしてくる。

花「クス、本当におバカさん…。」

チャラ1「そういう言葉責めプレイ?」

花「本当に頭空っぽなのね。なんで、私が人気の無い所に誘ったか分かる?」

チャラ2「俺達とズッコンバッコンとアオカンするためだろ?」

なおも伸ばしてくる手はあと数センチで私の身体に触れそうだ。私はその腕を捻り上げる。そして…

チャラ2「ギャアaモガモガ」

さらに捻り、筋、骨、間接を完全にダメにしつつ、叫びを上げられないように落ちてたペットボトルを口にねじ込む。

私と男の関係をバカにするヤツは絶対に赦さない。
たとえ都市伝説だろうが契約者だろうが人間だろうが、それだけは赦せない。
ソレダケハゼッタイニユルサナイ。

本当なら時間をかけてじっくり苦しませて※してやりたいけど、男を待たせてるから時間をかけられないし出血もNGだ。

花「クスクス、私が人気の無い所に誘ったのはね、てめぇらみたいな生ゴミを土に返すためなのよ…クスクスクスクス」

トイレじゃないから特殊能力は使えない。でも体術だけで十分ヤれる。
片方は痛みに悶えてるところを全身の筋を皮の下で捻り切り、もう片方は相方の有り様に腰を抜かしてるのを全の関節を踏み砕く。
そして両方とも500mlのペットボトルを喉まで完全挿入して窒息させる。
生ゴミは近くにあった井戸に捨てた。

花「こんな人間ならいなくても構わないわよね。まして・・・」

まして私達を冒涜する輩なんか・・・

もしバレるような事があっても私は人じゃなく都市伝説だから法で裁けない。
それ已然に機関の方で圧力やら工作をしてくれるだろう。

誰にも私達の邪魔はできない。ダレニモ。

私は男を探して歩き始める。

 ・ ・ ・ ・ ・

りんご飴を買い、花子様を探してウロウロする。
それっぽいところは全部回ったが、いない。
ひとまず祭りの雑踏の中を探してみて、それからもう一周回ってみよう。
こんな人ごみの中でも花子様は圧倒的に目立つだろう。簡単に見つかるさ。
そう考え、人ごみの中、花子様と回った出店を再度見て回る。
タコヤキ屋のおっちゃんが俺を見つけ、親指を立てている。やはりワザとだったか。
めんどくさいのでシカトするまた店に行った時の話のネタにとっておこう。

しばらく探して、さっき見かけた【花子さん】とその【契約者】の事を思い出す。
男(なにもこの祭りに来ている都市伝説及び契約者は俺と花子様だけではない…。
  ましてトイレではないここで遭遇したら、花子様といえど、そう時間をかけずにやられる)
男「まさか!」
ハッとして顔を上げる。同時に視界が闇に包まれる。

???「だぁ~れだ?」

男「この声は、花子様の声優真似レパートリー7番、能登○美子(var.1)!」

花「正解。まったく、遅いから探しに来たのよ。私に心配させるなんてどういうつもり?」

よかった、。ざっくりした。
単に無事だった安心だけじゃない気がする。

花「どうしたの?私の犬らしく尻尾振って喜びなさいよ。」
男「あ、いや、あんまり花子様が見つからなくて…他の都市伝説や悪い男に襲われたんじゃ!?
  って思ってたんで、安心してつい。あ、これリンゴ飴ドゾー。」
花「ん、お疲れ様。」

俺の手から受け取ったリンゴ飴をとりあえず五回ほど舐める花子様。
その舌使いは、ただ普通に飴を舐めてるだけなのに、なんか、そこはかとなくエロイ。
花子様の仕草はいちいち色っぽい。その舌で俺のムスコを舐めてくれ…ないよな。
花「なんかイヤらしいこと考えたでしょ?」
男「Yes。下劣な雄犬って罵ってくださいよ。」
花「頼まれると罵る楽しみ半減なのくらい分かるでしょ?まあ良いわ帰ったら御仕置きしてあげる。」
男「他にやり残しはありませんか?」
花「んー、ないわね。お前は?」
男「ないですよ。」
花「じゃあ帰るわよ。さすがにちょっと疲れたわ。」

すっかり暗くなった帰り道、夜風に吹かれながら家に向かった。

夏とは言え、暗くなると涼しくて気持ちがいい。
花子様の着物に合わせた下駄がカラコロと音を立てる。
本当なら幸せこの上ないのだが…何故か落ち着かない。

見れば見るほど、俺と花子様は不釣合いだ。
俺は花子様といて良いのか?
縁日を歩く時の周りの反応なんかから、改めてそう思わされた。
ずっとそんなことを考えながら歩いていた。
だから花子様も同じように物思いにふけりながら歩き、楽しい祭の帰り道なのに無口という不自然さに気づけなかった。

家に着き、俺は花子様が金魚すくいでゲットした鯉の子供のための水槽を準備する。
以前熱帯魚を飼っていた60センチ水槽を引っ張り出す。
15センチ程の鯉の子供ならひとまずコレで良いだろう。餌や水草等々の小物は、そのうち花子様と買いに行こう。
花子様が型抜きで荒稼ぎしたお金で。
水槽を準備し終えた俺は、自室に戻り、録画していたフレッシュプリキュアを見る。

男(パッションと白せつなも良いけど、イース様と黒せつなも良かったからなあ。複雑な心境だぜ。)

俺がそんなことをしている間に着物を脱ぎシャワーを浴びに行っていた花子様が部屋に入ってくる。
うん、それは分かるが…どうしよう。
理性を押し倒しそうです。

部屋に入ってきた花子様は透けそうで透けない生地の赤いセクシーなネグリジェを着ていた。

花「見るだけよ?見るだけ。」
男「うぐぅ。」
花「ほーら、見えるかしら?」
男「うっぐぅうううう!!!」
挑発的に近寄ってきた花子様。
前かがみの姿勢で、ネグリジェが重力に引かれて出来上がった胸と布の間のスペースが見える。
谷間は見えるけど乳首が見えそうで見えないこの究極のエロス。

抑えきれない本能的な情熱に加熱される俺に花子様がかけた声は若干温度が低かった。

花「ねえ、何か隠してるでしょ?悩み事してるって丸分かりよ。」

男「いや、イース様かパッションかって」
花「そういうことじゃないの。
  祭の帰り、ずっと元気なかったじゃない。遊び疲れって感じでも無かったし。」
男「・・・やっぱり分かっちゃいますか。」
花「当然よ。私を誰だと思っているの?
  他の人のはともかく、お前の異変を見逃すハズないでしょ。さ、言いなさい。」

威圧的で、でもどこか優しさを秘めた表情と声色でそう言われる。
胸につかえてたコトをスムーズに吐き出させる力が、たしかに有った。

男「祭は楽しかったです。花子様といっぱい遊んで。でも、まわりの目が痛いというか、
  実際そう言われたのも聞こえたんですけど・・・
  俺って、客観的に見て花子様と釣り合いませんよね。」

そこまで言って花子様に強烈に張り倒される。
仰向けに倒れ、とっさに起き上がろうとする俺の胸部をドスッと踏みつけて花子様は言う。
花「赦せないわ!」
男「ごふっ!」
花「良いこと?お前は今私の意志に思いっきり背いたの、分かる?
  釣り合いなんて者は周りの人間の感想でしかないのよ。
  釣り合いを気にするって事は、私より他人の意思を重んじたって事でしょ?
  私を気遣ってくれるのは有難いけど、これは全っ然嬉しくないわ!!
  お前が気にすべきなのは、その他大勢の客観的な感想じゃなくて
  私とお前の主観的な感情なのよ!!」
どっす!と、みぞおちを踏みつけられる。

花「あんなアニメ化したら谷口や国木田ほどの扱いも受けれぬ奴らのために
  私への忠誠心をガタつかせるなんて…
  私は男にとってその程度にしか思われてないのかしら!?」
どむっ、と二発目。

花「いい?お前は私だけを見て…」
ごっぐ、と三発目。

花「私のことだけを想って…」
ずごっく、と四発目。

花「私だけを好きでいれば良いのよ!!」
男「ぎゃんっ!!!」
五発目が入る。

花「私はお前だけを見て、お前だけを想って、お前だけを愛しているの。
  お前が私の全てなのよ!それをこんな風に傷つけられるのはもうゴメンなの。だから…。」
花「だから、今からお前の骨の髄まで、脳ミソの芯まで私で染めてあげる。
  私だけを見てくれるようにね。念には念を入れて…ね。」

そういった花子様は、いまだにみぞおちの痛みにうずくまる俺を蹴り転がして仰向けにする。
そしてロングドレスのお姫様の軽いあいさつの時のように(これで伝わるかな?)
ネグリジェのスカート部分を上げ、俺をまたぐように立つ花子様。
そのネグリジェの下は…
男(ののののの、ノーパン!?)
そして俺をまたいだまま、俺の下腹部に花子様は腰を下ろす。いわゆる馬乗りになる。
そこから覆いかぶさるように前屈し、俺の唇にその唇を重ねる花子様。
俺の口に舌をねじ込み、俺の舌を吸う。ちゅるちゅるとイヤラシイ音を立てる口元。
いままでにキスは何度もしているが、こんなに激しいのは初めてだ。
ひとしきり接吻をした花子様が糸を引かせながら唇を放す。
そして硬くなったムスコを触る。
花「こんなに硬くしちゃって…良いわぁ、そうやって私を求めなさい。」
男「で、では子作りを
花「ダメよ。」

馬乗りになったまま俺の目を見つめてピシャリと言い放つ花子様。
俺を見るその目つきはいつもの様に挑発的な表情だが、瞳は違った。
狂気と焦りの入り混じったような焦点の合わない瞳。
初めて俺に花子様を【怖い】と思わせるには充分なほど。

花「目の前に餌を置かれた犬がいるとして。よし、と言って餌を食べた犬は食後はしばらく餌を求めないでしょ?。
  でもオアズケを食らわせて、じーっと餌を見詰めるしかできない犬は餌を求め続けるのよ。
  その匂いが美味しそうであるほど犬はその場を動けない。
  もし私が全部を与えたら、お前から私を求めなくなるもの。だからまだダメ。」

この状態で目をそらせるハズが無い。
ズボンの上から我が愚息をさすり、俺が絶頂に達しそうになると止めるを繰り返す花子様。
先ほど感じた狂気を気にする余裕もなくなっていく。
寸止めを連発され、なんかもうわけがわからなくなる。あたまのなかがまっしろになる。
そして股間に血液が集まり過ぎて、貧血で気を失ってしまう。
そのまま睡眠モードに移り、朝までグッスリだった。

翌朝、強烈な朝勃ちで眼が覚める。
花子様は先に起きたようだったのが救いだ。ムスコが落ち着くのを待ち、リビングに向かう。
ちなみに、互いに処女・童貞なのだが、俺の自家発電は花子様の前以外では禁止という変態な状態なのだ。

リビングに向かうと、親父は新聞を広げている。

男「おはよー」

父「ん、おはよう。」

親父はそう良いながら台所を指差す。そこには母ちゃんと花子様が朝飯を作る姿があった。
制服にエプロンで料理を作る花子様はとっても輝いていた。通い妻みたいでジーンと来ちゃう。
昨晩の狂気なんて微塵も感じさせないし。
邪魔しないように、こっそりとリビングに戻るが・・・
ん?制服?今日は日曜、ってか花子様は制服は持ってないんじゃ

父「良い眺めだったろ。母さんが学生時代の遺産を引っ張り出した時は焦ったぜ。
  朝っぱらから珍獣ショーかってな。まあ、花たんに着せるって目的で良かったよ。」

あ、そういうことか。

この発言は聞かれてたらしく、親父の味噌汁だけ沸騰して、マグマのようにコポコポ泡だっていた。

朝食を済ませ。休日出勤の親父を玄関で見送る。
男・花・母「「「いってらっしゃーい」」」

親父は、いまだ制服にエプロンの花子様と自分の妻を見比べて、ため息混じりに漏らす。
父「男は良いなー。それに引き換え俺の嫁は・・・」

母「テメエの脳味噌で味噌汁作ってやろうか?犬の餌にもならねえがな!!」

父「しーましぇーん!!」

かくして、スリリングな朝を終える。

母「男、花ちゃん。ちょっと」

男「なに?」  花「なんですか、お義母さん。」

母「昨日お祭に行ったばかりだけど、またデートイベントのお知らせよ。」

そう言って新聞の折込チラシの中から一枚よこす。

男「夢の国・・・。浦安あたりの具体的に名前を出すのはちょっと危ないアレ?」

花「ありがとうお義母さん。さあ男、早速計画を練るわよ!」

チラシを握り締めた花子様に手を引かれ、自室に戻る。


バタン、とドアを閉めると同時に花子様は真剣な顔になる。
そこには、焦りが見えた。

花「大変な事になったわね。よりにもよって夢の国だなんて…」

夢の国の逸話は聞いている。その話だけでも、夢の国はとても大きいモノだと分かる。
それは規模としての大きさと、力の大きさ両方の意味だ。

男「戦うんですか?」
花「まさか、勝ち目が無いのは駄犬にも分かるでしょう?」
男「じゃあみすみす・・・」
花「誰もそんなコト言って無いわ!絶対に負けられないもの。
  負ければ取り込まれるし、噂から考えられる可能性として、
  うまーくゴマ擦れば永遠の若さと命、苦痛無き時間を与えられるかもしれない。
  でもそんなのいらないわ。私はずっとお前を虐げて年をとっって、一緒に死にたいの。
  都市伝説化で既に半不老不死だけど、ホントはそれもいらないのよ。それに・・・」
男「それに?」
花「苦痛が存在しないって、女王様にとって死活問題よ?
  苦痛を与えるのがある意味仕事だもの。」
男「それは同時に駄犬にも死活問題ですね。痛みがないと・・・ね。
  でもどうやってそれを防ぐおつもりで?」
花「私達だけでは戦わないわ。ただ、絶対にこの界隈の、他の都市伝説達が動く。
  それも少なくない数で、夢の国に立ち向かう形で。
  その時を待って便乗する。基本的には自衛程度にね。これに賭けるわ。
  他力本願っぽくてちょっとイヤだけど、共同戦線も燃えるでしょ?」
男「スト魔女の世界みたいですね。」
花「そうね、ネウロイのポジションよね、夢の国が。
  じゃあ、無事に終わったら、ミーナ隊長のコスしてあげるわ。パンツ(のようなモノ)も再現で。」
男「っしゃあああああああああ!!!夢の国なんざ消し去ってやるぜえええええええ!!!!!」





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