「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ※ただしイケメンに限る-13

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【平唯の人間観察 第十四話「平和な日」】

「むー、平和だねー。」
「平和だねー。」
「この前の模試どうだったよ。」
「いやー、良い判定だったよ。」
「そりゃあいーね。」
「…………どうしよう、私の小遣いが0になっちゃう。」
「もう0でしょ、むしろ親に今からお金払ったら?」
「マイナスか……。」

番屋町はどこぞの魔界都市学校町とは違って平和だった。
そして私は友達と平和に平和に学校から帰っているところだったのである。

「そういえば最近話題の駅前の占い師さん知ってる?」
「なにそれ?」
「駅前にいるらしいんだけど、なんでもおまじないが不気味なくらい効くとか……。」
「そんなの有ったんだ。」
「唯は本当に甘い物にしか興味無いねー。」
「甘い物を世界中にばらまけばきっと皆幸せになる。」
「食糧問題は解決するね。」

素晴らしい、スイーツは世界を救うね。





「とりあえず今度行こうよ、占い師さんのところに。ちなみに駅前だそうで。」
「面白そうだね、天音ちゃんはもう行ったの?」
「実はまだなんだよねー。」

と、そんな話をしていたところでいきなり肩を掴まれる。

「赤いマントと青いマント、どちらが好きかな?」

私と天音ちゃんの背後に立つ長身の男。
目は血走り、真っ赤なマントには沢山の刃物をぶら下げていた。

「キャアアアアア!」

天音ちゃんは驚いて腰を抜かしてしまう。
私も正直びっくりである。
だが驚いていてもしょうがないのだ。
驚けば唯々殺されるだけなんだから。


都市伝説の能力を発動する。
光に包まれると同時に服装が男性のものに変わった。
軽く魔法少女である。
ナイフで襲いかかってきた赤マントを光の壁で弾き飛ばすと天音ちゃんを抱きかかえる。
「※イケメンに限る」の能力でイケメンにしか通れないバリアを張れるのだ。
突然のことに天音ちゃんは口をぽかーんと開けていた。




「ゆ、唯ちゃんが男になっちゃった……。」
「説明は後にさせて!今はこいつを倒さないと!」
「都市伝説を使うなんて聞いてないぞ!?あの占い師騙しやがったな!」

光の壁を収束させて鞭のようにしてから赤マントに飛ばす。
鞭は赤マントに絡みついて赤マントの動きを完全に封じた。
鞭で赤マントをギリギリと締め付けているとそのうちに赤マントは動かなくなって砂のように消えてしまった。

「……終わったか。天音ちゃん大丈夫?」
「…………はい!」

またか、困ったな。
この能力を発動している間は女の人に無条件で惚れられてしまうのだ。
なんせイケメンですから。

「そうか……それは良かった。
 ――――ごめん!」

天音ちゃんの首筋にチョップを喰らわせて気絶させる。
我ながらチョップばかり上手くなったものだ。
彼女をそこら辺の路地裏に連れ込んでから黒服さんに電話をかける。
黒服さんは思ったより早く来てくれて、彼女の記憶をいじったらすぐに帰ってしまった。

「しかし妙ですね、番屋町は都市伝説が少ない筈なのですが……。」

やたら巨乳な黒服のお姉さん、F-No.333さんは首をかしげていた。
先ほど赤マントが口走ってた占い師のことについて話しておいた。
333さんは番屋町の占い師を調査してみると約束してくれた。



「じゃあねー」
「じゃあね唯ちゃん。」

分かれ道。
とはいってもお互いにここから家は近いのだが。
家のドアに手をかけた時、隣の家のドアが開く。

「おう平。」
「あ、神崎じゃん。今から何処行くのさ?」
「予備校だよ、予備校、俺は忙しいの。なんせH大志望だからな。」
「ふーん。」

お兄ちゃんの行っていた大学か……。
学校町に近いなあ……。
学校町に行ったらモブ顔の神崎君は一瞬で殺されてしまうに違いない。

「がんばれよ!」
「おう!」

私は家に帰ってくる。
お父さんもお母さんもいない。
お父さんは会社、お母さんも多分伯母さんと遊んでいるのだろう。

ちょっとハプニングが有ったけど、これが私の平和な一日です。
【平唯の人間観察 第十四話「平和な日」fin】

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