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連載 - 三面鏡の少女-80

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Elfriede

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三面鏡の少女 80


「今年はどうだった?」
「俺はゼロ」
「俺も俺も」
「当然俺も」
ベッドに転がって漫画を読んでいた金田
PSPの画面に視線を向けたままの銀河と銅島
「モテねぇな、俺ら」
「モテる努力をしてないからな」
「というかモテたいんだな、お前ら」
溜息を吐く金田と銀河に、今気付いたと言わんばかりに意外そうな声を上げる銅島
「そりゃあ男としては女の子とイチャイチャしたい」
至極真面目な顔でそう呟く金田
「入学早々おもっくそ女子に嫌われたからな。今は割と地位は回復したが」
銀河が一段落したゲームを止めて、PSPの電源を切る
「大人しいから押せ押せでいけると思って、逢瀬に手を出したのがまずかった」
同じようにPSPを床に置いて、懐かしむように遠い目をする銅島
「三人まとめて宮定にボコられたな」
「挙句に言いふらされたからな」
「今思うとあの頃の、女子達の汚物を見るような目はたまらなかったな」
「「いや、そう思ってるのはお前だけだから」」
銅島の台詞に、綺麗にハモる金田と銀河
「まあクラスの女子達はさほどキツくないし、暴力的でもないし、殺意も無いからな」
「お前もうダメだわ……そういやPSPの充電するからケーブル借りるぞ」
「おうよー」
諦めた顔付きでごちゃごちゃとした机の上を探る銀河
掃き溜めとしか言いようがない机の上に、一つだけ異彩を放つ小さな箱
可愛らしい包装紙とリボンでラッピングされたそれは、季節柄過剰に反応せざるを得ない存在感を放っていた
「銅島……友達に嘘を吐くとは、変態的に堕ち切った事とは別に堕ちたもんだな」
「え、何? 何か俺嘘言った? 充電ケーブル無かった?」
わなわなと震える銀河が、その箱を手にして銅島の目の前に突き付ける
「今年の戦果はゼロと答えたはずだな? ならばこれは何だ」
「あ、それ妹から」
「妹からでもチョコはチョコだろうが」
「いや……家族からはノーカンというか、むしろ逆に寂しくないか?」
「あれだけ可愛い妹と一つ屋根の下で、チョコまで貰ってその言い草か」
首でも絞めてきそうな勢いで迫る銀河に、全く理解できないといった顔で首を傾げる銅島
「可愛いって言っても妹だぞ?」
「何でお前はそんなとこだけ常識人なんだよ」
「怒られるところなのかそれ」
「当たり前だ。世に存在する全ての妹萌えを敵に回す愚か者め。お前がいらないなら俺に寄越せ、お義兄さんと呼んでやるから」
「それは御免被る」
ぎゃいぎゃいと喚き合う二人をよそに、読んでいた漫画を本棚に戻して次の巻を手に取る金田
「高校生活はラスト一年。今年のうちに彼女作りてぇなぁ」
「いやお前、受験とかが先じゃなくてか」
「今更じたばたしててもどうにもなんねぇって。それより彼女できた方がモチベーション上がるだろうし」
「本当にどうしようも無いなお前」
「銅島、お前だけには言われたくないぞ」
男三人のどうでもいい日常はこうしてぐだぐだ過ぎていくのであったとさ


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