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連載 - 悪意が嘲う・悪意が消えたその後に・純白の騎士-03

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だれでも歓迎! 編集
 ピンポ~ン、と
 玄関のチャイムが鳴らされた

「はーい?」

 …何故、こう言う時に限って、無用心に扉を開けてしまったのか
 バスカルは、自分の迂闊さを呪いたい気分になった

「ハッピー・クリスマス!乙女、おすそ分けにきたz」

 ばたん!!
 ………
 とんとん、とんとん
 とんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとん

「えぇいっ!?ノックを繰り返すなっ!?逆に不気味だっ!?」
「おや、チャイム連打する訳にもいかないだろ」

 がちゃん!
 ピンポン連打する訳でもなく、乱暴なノックをする訳でもなく、紳士的なノックを繰り返してきやがったヘンリーに突っ込むバスカル
 こうされると、逆に無視するわけにもいかないだろう
 ご近所から変な目で見られない意味で
 非常に残念なイケメンであるヘンリーだが、その本性を知らないご近所さんには微妙に評判いいから困る

「で、何の用だよ」
「言っただろう、おすそ分けだ」

 ぽん、と渡されたバスケット
 それなりの重みだ

「…中身は?」
「クリスマス・プティングとローストターキー。クリスマスだから作ったけど、一人じゃ食べきれないから」
「畜生、イギリス料理かっ!?」
「大丈夫、ちゃんと不味くならないように作ったから」

 まぁ、こいつの料理の腕なら、不味くなく作れたかもしれないが
 せっかく日本にいるんだから、イギリス料理以外が食べたかったと思うのは贅沢か

「まぁ、受け取っておく」

 …呂布の分の食事作るのが大変だし
 まぁ、受け取っても、いいか

「良かった、受け取ってもらえて」
「あぁ、受け取ってやるから帰れ帰れ。ここにいられても迷惑だかr」

 我ながら酷い言葉だと思いつつ、ぞんざいに扱う
 普通の男なら、怒り出すところだろうが

「うん、それじゃあ、迷惑かけたくないし、帰るな。乙女、良いクリスマスを」

 ヘンリーは
 バスカルの言葉をあっさり鵜呑みにして、そういいながら頭を下げてきた
 料理を受け取ってもらえただけで満足だ、とでも言うように帰っていく

「………ったく」

 ……その、後姿を見送りながら
 一応、後でお返しくらいはしてやるか、とこっそり考えるバスカルなのだった





fin



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