(麻夜>うーん、どうしよっかなぁ・・・
自分の部屋の中で、麻夜は考えていた
今日は4月1日――エイプリルフール
「嘘」を吐いても許される日である
そんな日に彼女が唸るまでに考える事は、ただ1つ
今日は4月1日――エイプリルフール
「嘘」を吐いても許される日である
そんな日に彼女が唸るまでに考える事は、ただ1つ
(麻夜>にぃにぃがビックリするような嘘・・・うーん・・・
『にぃにぃがビックリした顔を待ち受けにしたい!』
その欲望の為だけに彼女の脳は働き、心臓は動いている
む~~~~~・・・と唸りに唸って、顔を真っ赤にするまでに唸り続け、
呼吸をして無かったらしく、ぷはぁっ!!と息を大きく吸ってベッドの上に寝転がる
その欲望の為だけに彼女の脳は働き、心臓は動いている
む~~~~~・・・と唸りに唸って、顔を真っ赤にするまでに唸り続け、
呼吸をして無かったらしく、ぷはぁっ!!と息を大きく吸ってベッドの上に寝転がる
(麻夜>あぁんもう・・・全然思いつかないよぉ・・・
むー、と今度はほっぺたを膨らませる
残念そうに天井を見上げて、ふと呟く
残念そうに天井を見上げて、ふと呟く
(麻夜>・・・でも、嘘吐く私よりも、正直な私の方がにぃにぃも好き、だよね?
自分に言い聞かせると、勝手に顔を真っ赤にして布団に潜った
もぞもぞと動く布団が、一瞬だけ大きく跳び上がったかと思えばぴくりと動かなくなり、
暫くして布団の中から息を荒げて出てきた麻夜は、
数回深呼吸をし、落ち着いた後にようやく下着を穿いて服を着て、自分の部屋を出た
もぞもぞと動く布団が、一瞬だけ大きく跳び上がったかと思えばぴくりと動かなくなり、
暫くして布団の中から息を荒げて出てきた麻夜は、
数回深呼吸をし、落ち着いた後にようやく下着を穿いて服を着て、自分の部屋を出た
(麻夜>にぃにぃ~、今日の御飯は―――――
(漢>あ、麻夜、起きてたの?
(漢>あ、麻夜、起きてたの?
固まった
台所にいたのは、確かに自分の兄、神崎 漢だった
問題は、彼と一緒にいるナマモノである
全体的に灰色で、鼻が長く、足も太く、何よりデカい、とにかくデカい、部屋ギリギリの大きさのナマモノ
白く尖った牙を輝かせ、そのナマモノは、ぱおぉぉぉぉん!と鳴いた
台所にいたのは、確かに自分の兄、神崎 漢だった
問題は、彼と一緒にいるナマモノである
全体的に灰色で、鼻が長く、足も太く、何よりデカい、とにかくデカい、部屋ギリギリの大きさのナマモノ
白く尖った牙を輝かせ、そのナマモノは、ぱおぉぉぉぉん!と鳴いた
(麻夜>キャアァァァァァァァァァァァ!?
どさ、と彼女はその場に倒れた
慌てて漢は気を失った麻夜を抱きかかえる
慌てて漢は気を失った麻夜を抱きかかえる
(漢>ま、麻夜!? ごごごごごめんよ、こ、これは、その・・・も、もう一度起きてよぉ・・・
慌てたり泣いたりで忙しい漢の背を見つめながら、象はすぅ、と消えていった
実はあの象は漢が『為』という字から復元したもので、
「ペットにして飼おう」と嘘を吐く予定だったのだ、という真相は永遠に闇の中へ・・・
実はあの象は漢が『為』という字から復元したもので、
「ペットにして飼おう」と嘘を吐く予定だったのだ、という真相は永遠に闇の中へ・・・
† † † † † †
嘘は時に人を喜ばせるが、それはあくまで偽りの喜び
嘘は時に人を憤らせるが、それは嘘に対する真の憤り
「人」の「為」に「偽」ることも大切ではあるが
例え許されたとしても、嘘を吐くのは程々に
「ね、ねぇにぃにぃ、象は!? 象は何処!?」
「さ、さぁ、何の事かな、あは、あははは・・・」
「さ、さぁ、何の事かな、あは、あははは・・・」
【 神 力 秘 詞 】
八之巻 ~ 四月馬鹿 ~
八之巻 ~ 四月馬鹿 ~
...物語猶続