何で、あの時僕は・・・
―――――にぃにぃ、逃げて!!
妹を・・・麻夜を、庇ってあげられなかったんだろう
僕の方が、お兄ちゃんなのに
また、戦わせて、痛い目に合わせて
――――――貴方は、自分の命と妹の命、どちらが大切なのですか?
本当に・・・どっちが大切だと思ってるんだろう
それに
僕は、麻夜のこと・・・大切に出来てるのかな・・・
† † † † † †
「――――――――ッ!?」
飛び跳ねるように起き上がる漢
目に飛び込んだのは、見たこともない部屋だった
目に飛び込んだのは、見たこともない部屋だった
【 神 力 秘 詞 】
六之巻~不知ナル 天井~
六之巻~不知ナル 天井~
(漢>・・・こ、ここは・・・?
「気がついた?」
「あんまり、無理しない方がいいよ?」
「気がついた?」
「あんまり、無理しない方がいいよ?」
ふと、横から聞こえた声の主を見ると・・・
(漢>・・・分、身・・・の、術?
がくっ、と身体の力が抜ける2人の高校生ほどの少女
(少女A>あの、そうじゃなくて・・・私達、双子なの;
(少女B>私は天倉紗江、こっちは妹の紗奈
(漢>え、あ、ししし、失礼しました! ぼ、ぼぼぼ、僕は神崎 漢と申します!
(少女B>私は天倉紗江、こっちは妹の紗奈
(漢>え、あ、ししし、失礼しました! ぼ、ぼぼぼ、僕は神崎 漢と申します!
慌てて土下座すると同時に自己紹介する漢
それを宥める紗江と紗奈
それを宥める紗江と紗奈
(漢>と、ところでここは―――っま、麻夜は!?
(紗江>落ち着いて、あの子は大丈夫。ちゃんと治療して、今は安静にしてるわ
(漢>そう、ですか・・・よかったぁ・・・
(紗江>落ち着いて、あの子は大丈夫。ちゃんと治療して、今は安静にしてるわ
(漢>そう、ですか・・・よかったぁ・・・
ほっ、と胸を撫で下ろす
目尻に溜まりかけた涙を、人差し指で拭う
目尻に溜まりかけた涙を、人差し指で拭う
(紗奈>あと、ここは「首塚」の・・・隠れ家、でいいのかな?
(漢>・・・くび、づか?
(漢>・・・くび、づか?
―――――女、子供を泣かせる奴は「首塚」の敵だよ
―――――「首塚」の名にかけて、必ず助けるよ…だから、安心して?
(漢>(そういえば・・・何度か、言ってたような・・・)
(紗江>どうしたの?えっと・・・
(漢>あ、す、すみません、神崎 漢と申します
あの、「首塚」、って・・・何なんですか?
(紗江>「首塚」っていうのはね、―――――
(紗江>どうしたの?えっと・・・
(漢>あ、す、すみません、神崎 漢と申します
あの、「首塚」、って・・・何なんですか?
(紗江>「首塚」っていうのはね、―――――
漢は、2人の説明を注意深く聞いた
「平将門」という都市伝説の下で活動している組織だということ
女性や子供、弱い人々を守る、言わば正義の味方のような集団であること
「平将門」という都市伝説の下で活動している組織だということ
女性や子供、弱い人々を守る、言わば正義の味方のような集団であること
(漢>・・・守る、か・・・
――僕には、麻夜を守ることができなかった
――でも、この人達は、見ず知らずの僕達を助けてくれた
―――僕も・・・この人達みたいに、強くなりたい・・・!
深い、心の奥底で、
漢は強く、そう誓った
その時、がちゃり、部屋のドアが開く音と、金属同士が軽くぶつかり合う音が混じりあって響いた
現れたのは、シルバーアクセサリーをつけた金髪の青年
漢は強く、そう誓った
その時、がちゃり、部屋のドアが開く音と、金属同士が軽くぶつかり合う音が混じりあって響いた
現れたのは、シルバーアクセサリーをつけた金髪の青年
(青年>お、目を醒ましたか
(紗奈>はい、つい先程
(漢>あ・・・!
(紗奈>はい、つい先程
(漢>あ・・・!
漢は、彼に見覚えがあった
この町――学校町に来て間もなく出会った、裂邪と一緒に歩いていた、その青年
この町――学校町に来て間もなく出会った、裂邪と一緒に歩いていた、その青年
(漢>え、っと・・・翼、さん?
(紗江>え?2人共、お知り合い?
(翼>まぁな。その様子じゃ、脳の損傷もなさそうだな
お前の妹も、今隣の部屋で休んでるよ
(漢>そう、ですか・・・良かった・・・
(紗江>え?2人共、お知り合い?
(翼>まぁな。その様子じゃ、脳の損傷もなさそうだな
お前の妹も、今隣の部屋で休んでるよ
(漢>そう、ですか・・・良かった・・・
心から嬉しそうに、安堵の表情を浮かべる漢
しかし、すぐにその表情は悲しみに染まってしまった
しかし、すぐにその表情は悲しみに染まってしまった
(翼>・・・ん、どうかしたか?
(漢>あ、あの・・・本当に、ありがとうございました
僕の、所為で・・・紗江さんも、紗奈さんも、翼さんも巻き込んで、しまって・・・
(翼>気にすんなって。それに、何もお前が気に病むことじゃ―――
(漢>で、でも!・・・僕が、弱かったから・・・
周りの人に、迷惑ばかりかけて・・・妹まで・・・傷つけて・・・
(漢>あ、あの・・・本当に、ありがとうございました
僕の、所為で・・・紗江さんも、紗奈さんも、翼さんも巻き込んで、しまって・・・
(翼>気にすんなって。それに、何もお前が気に病むことじゃ―――
(漢>で、でも!・・・僕が、弱かったから・・・
周りの人に、迷惑ばかりかけて・・・妹まで・・・傷つけて・・・
ぽろ、ぽろ、と零れる涙が、彼の手の甲を濡らす
(漢>僕、が・・・もっと、強かったら・・・
(紗江>・・・そんなこと、ないよ?
(紗江>・・・そんなこと、ないよ?
「え?」という声も出ず、彼は咄嗟に顔を上げた
(紗江>もし本当に漢ちゃんが弱かったら、妹を取り返そうなんて考えないと思うわ
(紗奈>うん、家族を想って立ち向かえる事も、立派な強さよ
(紗奈>うん、家族を想って立ち向かえる事も、立派な強さよ
2人に続いて、翼も彼の頭をぽん、と撫でて、
(翼>無理に、強くなる必要なんてない・・・お前はまだ子供だしな
行き詰まったら、遠慮無く誰かを頼っていいんだぞ?
そういう仲間がいるっていうのも、強さの一つだ
行き詰まったら、遠慮無く誰かを頼っていいんだぞ?
そういう仲間がいるっていうのも、強さの一つだ
そう言って、優しく微笑みかけた
―――この人達といると・・・すごく、温かい・・・
―――やっぱり、僕は・・・
ぐしぐし、涙を拭い、翼の目を真っ直ぐ見た
(漢>・・・つ、翼さん!
(翼>ん?
(翼>ん?
息を大きく吸い、彼ははっきりと、彼に尋ねた
(漢>どうすれば・・・「首塚」に入れますか?
突然の漢の言葉に、驚きの声を漏らす紗江と紗奈
真剣な彼の目を見て、翼は問い返した
真剣な彼の目を見て、翼は問い返した
(翼>・・・突然、どうした?
(漢>ぼ、僕、やっぱり強くなりたい・・・でも、それまで、時間がかかるかも知れない・・・
だから、その間、麻夜を守って欲しいんです
・・・自分勝手なのは、分かってます・・・けど、もう、麻夜には傷ついて欲しくないから・・・!
(漢>ぼ、僕、やっぱり強くなりたい・・・でも、それまで、時間がかかるかも知れない・・・
だから、その間、麻夜を守って欲しいんです
・・・自分勝手なのは、分かってます・・・けど、もう、麻夜には傷ついて欲しくないから・・・!
溢れそうになる涙を拭って、もう一度顔をあげ、
(漢>お願いします・・・麻夜を、守ってください・・・!
深く、頭を下げた
少し間を開けて、翼は先程とは違う、重い声色で口を開いた
少し間を開けて、翼は先程とは違う、重い声色で口を開いた
(翼>復讐を抱える者、護るべき相手がいる者、護られなければならぬ者・・・
そして、「首塚」の信念に背かなければ、「首塚」は何者であろうと歓迎する
(漢>・・・え?
(翼>将門様も、認めてくれるだろう・・・なんなら、俺から伝えておこうか?
(漢>・・・は、はい! ありがとうございます!
そして、「首塚」の信念に背かなければ、「首塚」は何者であろうと歓迎する
(漢>・・・え?
(翼>将門様も、認めてくれるだろう・・・なんなら、俺から伝えておこうか?
(漢>・・・は、はい! ありがとうございます!
また、深々と頭を下げる漢
こうして、彼は「首塚」に――――――
こうして、彼は「首塚」に――――――
「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
バキッ!!と扉が蹴破られた
立っていたのは、血塗れの服を着た小柄な少女
立っていたのは、血塗れの服を着た小柄な少女
(漢>ま、麻夜!? け、怪我はもう、大丈夫なの?
(麻夜>にぃにぃずるいよ! 1人だけでそんな大事な事決めて・・・
私だって、にぃにぃを守りたいもん!!
(麻夜>にぃにぃずるいよ! 1人だけでそんな大事な事決めて・・・
私だって、にぃにぃを守りたいもん!!
頬を膨らませ、激しく憤慨している
それを宥めるように、
それを宥めるように、
(漢>で、でも・・・麻夜は、女の子なんだから・・・そ、それに、僕はお兄ちゃんだし・・・
(麻夜>関係ないよ! にぃにぃは私が守るから!
にぃにぃがその首何とかに入るなら、私も一緒に入る!!
(漢>そ、そんな我侭言っちゃ・・・
(翼>・・・こりゃ、また賑やかになりそうだな
(麻夜>関係ないよ! にぃにぃは私が守るから!
にぃにぃがその首何とかに入るなら、私も一緒に入る!!
(漢>そ、そんな我侭言っちゃ・・・
(翼>・・・こりゃ、また賑やかになりそうだな
翼は小さく笑いながら、そう呟いた
こうして、「首塚」に新たなメンバーが――――
(紗奈>あ、あの
(漢>はい?
(紗奈>『お兄ちゃん』、って?
(漢>はい?
(紗奈>『お兄ちゃん』、って?
...物語猶続