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連載 - 仄暗い魂-18

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Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
(ルート>・・・んーぅ・・・っあぁ、良く寝たぁ

ぐっと伸びをして、木の枝から飛び降りるルート
学校町を離れ、日本を離れ、早数日・・・とはいえ、実は大して時間は経っていない
旅をしているルートは、大きな木のある草原で休息を取っていたのだった
荷物を確認し、キョロキョロと辺りを見渡す

(ルート>・・・? エーヴィヒぃ?

白いふさふさの毛並みのネコ――エーヴィヒの姿が、見当たらない
一緒に寝ていた筈なのに、何処へ・・・?

(ルート>ったくぅ、世話の焼けるネコねぇ・・・仕方ないわぁ

ハァ、と溜息を吐いて、まず彼女は木の上を見た
自分が寝ていた枝よりも、もっともっと空に近い枝を・・・
しかし、それらしき姿は見当たらない
だがこの木にいないとなると、探すのは困難だ
ここは広い草原、辺りを見渡して見つからないなら、
探しものは遥か遠くに行かなければ発見できないかも知れないのだ

(ルート>・・・本ッ当に厄介ねぇ、もぉ・・・!

とにかく、エーヴィヒを探さなければ
彼女が一歩踏み出した時だった

「・・・ルート?」

声変わりを迎えていない、高めの少年の声
はっとして、ルートはすぐさま振り向いた
木の陰に、黒いスーツを来た中性的な少年が立っている

(ルート>日、天・・・さん? どう、して・・・
(日天>やっぱり、ルートなのか・・・ルート!

駆け出した少年――栄 日天の腕に、ルートの小さな身体が包まれる
ぽんっ、と顔を赤く染め、慌てて彼女はその腕から逃れた

(ルート>え、あ、うぅ、リ、日天、さん、なんで、ここにぃ・・・?
(日天>決まってるだろ・・・お前を探しに来たんだ
(ルート>アタシを?
(日天>お前を、「組織」に迎えたい・・・頼む、帰ってきてくれ
    ローゼさんも、蓮華さんも皆、お前の帰りを待ってる

微笑みながら、彼はルートに手を伸ばした

(ルート>・・・あ・・・あぁ・・・・

愛しの人が、自分に手を差し伸べてくれている
それでも彼女は、その手に触れることができなかった

(日天>どう、した?
(ルート>アタシ・・・やっぱり、無理だよぉ・・・まだ、帰れない
(日天>ッ!・・・まだ、自分の罪を・・・
(ルート>アタシは、色んな人の幸せをぶち壊しちゃったからぁ・・・
     そんなアタシが、自分だけ幸せになって良い訳、ないもん・・・
     だから、まだ、トップの姉貴にも、堅物の姉貴にも会えない
     そして・・・日天さんの手も、受け取れないよぉ・・・

振り返り、彼女は相棒の元へと向かう
日天が一歩近づいたのを感じ取り、「来ないでぇ!」と怒鳴った

(ルート>・・・わざわざ、探しに来てくれてありがとぉ・・・でも、もう良いからぁ・・・さよなら

涙を堪え、彼女は俯き振り返らずに走り出した
今振り返ると、ついて行ってしまいそうな気がしたから
強い決心を胸に秘め、ルートはいなくなったエーヴィヒの元へ―――

(日天>それが君の正直な気持ちかい?

「へ?」と素っ頓狂な声をあげ、思わず振り返ってしまった
そこにいたのは確かに日天だったが、何やら様子がおかしい
と、その直後、彼の身体がゆらり、と煙のように揺らめいて、
その煙の中から、白いネコが現れた

(ルート>・・・エーヴィヒ?
(エーヴィヒ>悪いね、日本時間だと、今日は4月1日、エイプリルフールらしいから
       君の信念を聞いておこうと思ったついでに、ね

何処までも爽やかな声で、彼は平然とルートに歩み寄った

(エーヴィヒ>さて、そろそろ行こうか
       今日はどっちへ―――――――む?

しかし、彼は知らなかった
乙女の純情ハートの恐ろしさを

(ルート>・・・エェェェェェェェェヴィヒィィィィィィィィィ!!!!!

その日その草原にて、物凄い速さで豹を追いかける少女が目撃されたそうな

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