「死体からダイヤモンド」
皆さん初めまして。それなりにオーソドックスに、先ずは自己紹介から始めようと思います
僕の名前は士代 大哉(ましろ だいや)。それなりにごくふつーの高校生です
大哉「ふぁー…。今日もそれなりにいい天気だね。こんな日はそれなりにブラブラ散歩するのが一番だよね」
そんなことを言いながら学校町の道を歩く大哉。ここからは三人称視点で進行いたします
大哉「うーん。やっぱり学校町はそれなりに平和だよねー」
空を飛ぶ小鳥達を眺めながら、そんな感慨に浸っていると
「あなたピアスしてる?」
後ろから女性の声が聞こえた。振り向くとそこには俯いた女性の姿が
大哉「え? いや、それなりにしてませんけど」
正直に答える大哉。真っ当に生きている高校生なら耳に穴を開けているわけなど無い
「ふーん。そっかー。してないんだー」
大哉「ええ。してません。それなりに今までも、これからも」
「じゃー貴方に用は無いわ。さよなら」
大哉「ええ。さよなら」
別れを告げた女。それに答え、大哉は何処かへ歩いていこうとする
「…なーんて言うと思ったぁ!?」
…とその瞬間、女は大哉の耳に向かって歯を向けてきた
大哉「うわッ!」
ぎりぎりのところでかわす大哉
「へぇ。なかなかやるじゃない。惜しいなー。もう少しで噛み千切れるとこだったのにー」
大哉「…ッ! 『耳齧り女』ですか! …それなりに厄介な都市伝説だ…!」
「正解。よく分かったわねぇ。…ま、分かったところでどうしようも無いんだけど…ね!」
再び飛び掛ってくる『耳齧り女』。しかし、今回は不意打ちではない。さっきよりも楽に避けることが出来た
勢い余った『耳齧り女』は近くの家の石塀に齧り付き…噛み砕いた
大哉「!? …貴方は確かそれなりにピアスをつけた女性しか襲わないはず…。ピアスをつけてない男性である僕をなぜ!?」
「あーその話ねー。確かにあたしは耳にピアスをつけた女しか襲わなかったわよ。昔は、ね」
歯を剥き出しにしながら話し出す『耳齧り女』
「だってその当時は復讐が目的だったから。恨みでやってたのよ。あなたもあたしの名前を知ってるならもちろん知ってるわよね?
あたしが『ピアス穴から白い糸』の被害者だってこと」
大哉「引っ張ると失明するって奴ですね」
「そ。でもさ…周りのピアスをつけてる女どもは健康そうじゃない。だから許せなかったのよ…あたしばっかりが不幸な目に遭うのが、ね」
大哉「それなりに逆恨みじゃないですか…」
「…否定はしないわ。でもね、色んな女の耳を齧ってるうちにあたし気づいちゃったのよ。耳の美味しさに。それからはもう病み付きよ。手当たりしだい女の耳を齧っていったわ
…で、ある日思ったわけ。『男の耳の味はどうなんだろう』って。案の定美味しかったわ」
大哉「なるほどね。それなりに良く分かりましたよ」
「そう。じゃ、そういうわけで…」
大哉に飛び掛りながら…
「あたしの腹の足しになってねぇ!!!」
叫ぶ『耳齧り女』
大哉「くッ…」
それをかわす大哉。しかしそれもきつくなってきた
「あなたねぇ…さっきから避けてばっかだけど、それじゃあジリ貧よ? 都市伝説のあたしと人間のあんた。力の差は歴然でしょ?」
大哉「…確かにそうですね。じゃ、僕もそれなりに…攻撃させてもらうとしますか!」
そう言いながら大哉は鞄から棒状の物を取り出す。先のほうが鉛筆のようにとがっている
大哉「枯れ木の棒。これがそれなりに使える僕の武器ですよ」
枯れ木の棒を『耳齧り女』に向ける大哉。しかしそれに対して『耳齧り女』は…
「あなた、馬鹿?」
呆れ顔。それはもう、まさに鳩が豆鉄砲を食らったように。何処までも呆れた顔だった
「さっきのあたし見てなかったの? あたしの歯ならそんな棒切れ豆腐のように噛み砕けるのよ」
大哉「そうですか。残念。じゃ、他の武器で行きますか」
そう言って大哉は棒切れを投げ捨てた。その枯れ木の棒は地面に深く突き刺さった
大哉「じゃ…それなりに食らえ!」
そう叫び、大哉は『耳齧り女』に殴りかかった
「はぁ。…あなたやっぱ正真正銘の馬鹿だわ」
ため息を吐きながら余裕でそれをかわす『耳齧り女』。そう。確かにかわした。かわしたはずだった
「ッ……!?」
しかし『耳齧り女』の頬には傷がつき、血が出ていた。それは殴られてできるような傷ではない。何か鋭い物で引っ掻かれたような、そんな傷
「あなた何をしたの!?」
大哉「ただ宣言どおり他の武器を使っただけですよ」
「何を言ってるの…? あなたは確かに素手で…」
大哉「だから…あるじゃないですか。ここに」
大哉が手を空にかざすと、其処にはキラキラ輝く物が
「宝石…?」
大哉「その通り。正確にはダイヤモンド。今のところ自然界でそれなりに一番硬いとされている物質です。ま、ロンズデーライトがダイヤモンドを超しそうですけどね」
「ダイヤ…モンド…? そんな高級な物を何故!?」
大哉「さーて何ででしょう? 正解はCMの後で!」
再び殴り…否、引っ掻きかかる大哉
「くッ…………!!」
今度は大きく動いてかわすことが出来た『耳齧り女』
「…ずいぶんリーチが短いのね」
大哉「ええ。でも攻撃力はそれなりにすごいですよ?」
「ふん。当たらなければどーってことないわ。…でも貴方が何でそんな高級な物を武器に出来るか気になるわね」
大哉「仕方ないなー。教えてあげますよ。…『死体からダイヤモンド』って都市伝説、知ってます?」
「まさか契約者?」
大哉「その通り。僕は『死体からダイヤモンド』の契約者。だからそれなりにあらゆる死体から炭素を取り出してダイヤモンドを精製出来るのさ」
丁寧に説明する大哉
「でも! それじゃあなおさら分からないじゃない! 死体なんて何処にも無いわ!」
大哉「…枯れ木とか枯葉って何て言うか知ってます? 正解は枯死体。…『あらゆる』死体からダイヤを取り出すっていったよね?」
「…そういうことね。でも。貴方の攻撃は見切った。そんな短いリーチじゃこれ以上あたしに触ることすら出来ない…!」
大哉「それはどうでしょう? 例えば僕がダイヤモンドで剣を作ることが出来たなら? 」
「ふん。死体も無いのにどうやって…」
大哉「例えば今、この地面に死体が埋まってるとしたら…?」
そう言いながら大哉は先ほど枯れ木の棒を突き刺した地面に手をかざした
…すると、地面からダイヤモンドが出てきて…剣の形になった
大哉「これで文句無いよね? それなりに世界一硬い剣…さっきの攻撃を食らった君なら…それなりに分かるよね? こいつの攻撃力」
「そんな…それじゃああたし99%勝てないじゃない…! でも! たとえ1%の勝率しか無くったって…あたしは負けない! 食らいなさい…石をも砕く顎(ブレイクティース)!!」
先程よりも口を大きく開けながら飛び掛る『耳齧り女』
大哉「…えぇ!? 技名叫ぶ流れなの!? …しょうがない、それなりに流れに乗ろう…だ…金剛石の剣(ダイヤモンドソード)…乱れ斬り!!!」
「遅い!!」
大哉「次!」
「遅い!!!」
大哉「食らえ!」
「遅い!」
しばらく激しい攻防を繰り返す大哉と『耳齧り女』
大哉「はぁ、はぁ、はぁ」
「はぁ、はぁ、はぁ」
お互い距離をとった。両者共に疲れが見える
「…さっきから気になっていたけれど…あなたその剣、どうやって作ったの?」
大哉「勿論これも『死体からダイヤモンド』の能力さ」
「死体なんて無いじゃない」
大哉「『桜の木の下には死体が埋まっている』…僕のもう一つの契約都市伝説だよ。さっきの枯れ木の棒…あれは桜だよ」
「…成程。どの道もうすぐ決着だわ。ピアスビーム!」
ピアスを召喚し、投げつける『耳齧り女』
大哉「金剛石の盾(ダイヤモンドシールド)!!!」
ダイヤモンドの剣を盾に変形し、防ぐ大哉
「ピアスマシンガン!!!」
今度はピアスを大量に召喚し、飛ばす『耳齧り女』
大哉「金剛石の鎧(ダイヤモンドアーマー)!!」
今度はダイヤモンドを鎧にして防ぐ大哉
大哉「それなりに止めだよ…金剛石の槍(ダイヤモンドランス)!!!」
ダイヤモンドの剣を長く伸ばし、槍にする
「避けられない…!」
その槍は『耳齧り女』の腹を…貫いた
大哉「…僕の勝ちだよ」
「…そうね。でも、あたしは都市伝説。皆があたしのことを忘れない限り何度でも蘇るわ…。
次は誰かと契約して、必ず貴方を倒す!! 其れまで耳洗って待ってなさ…い…」
その言葉を最期に『耳齧り女』は消滅した
大哉「首じゃないの?」
大哉はダイヤモンドの槍を丸めて鞄にしまうと、何処かへ歩いていった
大哉「あーやっぱり…学校町は“それなりに”平和だなー」
皆さん初めまして。それなりにオーソドックスに、先ずは自己紹介から始めようと思います
僕の名前は士代 大哉(ましろ だいや)。それなりにごくふつーの高校生です
大哉「ふぁー…。今日もそれなりにいい天気だね。こんな日はそれなりにブラブラ散歩するのが一番だよね」
そんなことを言いながら学校町の道を歩く大哉。ここからは三人称視点で進行いたします
大哉「うーん。やっぱり学校町はそれなりに平和だよねー」
空を飛ぶ小鳥達を眺めながら、そんな感慨に浸っていると
「あなたピアスしてる?」
後ろから女性の声が聞こえた。振り向くとそこには俯いた女性の姿が
大哉「え? いや、それなりにしてませんけど」
正直に答える大哉。真っ当に生きている高校生なら耳に穴を開けているわけなど無い
「ふーん。そっかー。してないんだー」
大哉「ええ。してません。それなりに今までも、これからも」
「じゃー貴方に用は無いわ。さよなら」
大哉「ええ。さよなら」
別れを告げた女。それに答え、大哉は何処かへ歩いていこうとする
「…なーんて言うと思ったぁ!?」
…とその瞬間、女は大哉の耳に向かって歯を向けてきた
大哉「うわッ!」
ぎりぎりのところでかわす大哉
「へぇ。なかなかやるじゃない。惜しいなー。もう少しで噛み千切れるとこだったのにー」
大哉「…ッ! 『耳齧り女』ですか! …それなりに厄介な都市伝説だ…!」
「正解。よく分かったわねぇ。…ま、分かったところでどうしようも無いんだけど…ね!」
再び飛び掛ってくる『耳齧り女』。しかし、今回は不意打ちではない。さっきよりも楽に避けることが出来た
勢い余った『耳齧り女』は近くの家の石塀に齧り付き…噛み砕いた
大哉「!? …貴方は確かそれなりにピアスをつけた女性しか襲わないはず…。ピアスをつけてない男性である僕をなぜ!?」
「あーその話ねー。確かにあたしは耳にピアスをつけた女しか襲わなかったわよ。昔は、ね」
歯を剥き出しにしながら話し出す『耳齧り女』
「だってその当時は復讐が目的だったから。恨みでやってたのよ。あなたもあたしの名前を知ってるならもちろん知ってるわよね?
あたしが『ピアス穴から白い糸』の被害者だってこと」
大哉「引っ張ると失明するって奴ですね」
「そ。でもさ…周りのピアスをつけてる女どもは健康そうじゃない。だから許せなかったのよ…あたしばっかりが不幸な目に遭うのが、ね」
大哉「それなりに逆恨みじゃないですか…」
「…否定はしないわ。でもね、色んな女の耳を齧ってるうちにあたし気づいちゃったのよ。耳の美味しさに。それからはもう病み付きよ。手当たりしだい女の耳を齧っていったわ
…で、ある日思ったわけ。『男の耳の味はどうなんだろう』って。案の定美味しかったわ」
大哉「なるほどね。それなりに良く分かりましたよ」
「そう。じゃ、そういうわけで…」
大哉に飛び掛りながら…
「あたしの腹の足しになってねぇ!!!」
叫ぶ『耳齧り女』
大哉「くッ…」
それをかわす大哉。しかしそれもきつくなってきた
「あなたねぇ…さっきから避けてばっかだけど、それじゃあジリ貧よ? 都市伝説のあたしと人間のあんた。力の差は歴然でしょ?」
大哉「…確かにそうですね。じゃ、僕もそれなりに…攻撃させてもらうとしますか!」
そう言いながら大哉は鞄から棒状の物を取り出す。先のほうが鉛筆のようにとがっている
大哉「枯れ木の棒。これがそれなりに使える僕の武器ですよ」
枯れ木の棒を『耳齧り女』に向ける大哉。しかしそれに対して『耳齧り女』は…
「あなた、馬鹿?」
呆れ顔。それはもう、まさに鳩が豆鉄砲を食らったように。何処までも呆れた顔だった
「さっきのあたし見てなかったの? あたしの歯ならそんな棒切れ豆腐のように噛み砕けるのよ」
大哉「そうですか。残念。じゃ、他の武器で行きますか」
そう言って大哉は棒切れを投げ捨てた。その枯れ木の棒は地面に深く突き刺さった
大哉「じゃ…それなりに食らえ!」
そう叫び、大哉は『耳齧り女』に殴りかかった
「はぁ。…あなたやっぱ正真正銘の馬鹿だわ」
ため息を吐きながら余裕でそれをかわす『耳齧り女』。そう。確かにかわした。かわしたはずだった
「ッ……!?」
しかし『耳齧り女』の頬には傷がつき、血が出ていた。それは殴られてできるような傷ではない。何か鋭い物で引っ掻かれたような、そんな傷
「あなた何をしたの!?」
大哉「ただ宣言どおり他の武器を使っただけですよ」
「何を言ってるの…? あなたは確かに素手で…」
大哉「だから…あるじゃないですか。ここに」
大哉が手を空にかざすと、其処にはキラキラ輝く物が
「宝石…?」
大哉「その通り。正確にはダイヤモンド。今のところ自然界でそれなりに一番硬いとされている物質です。ま、ロンズデーライトがダイヤモンドを超しそうですけどね」
「ダイヤ…モンド…? そんな高級な物を何故!?」
大哉「さーて何ででしょう? 正解はCMの後で!」
再び殴り…否、引っ掻きかかる大哉
「くッ…………!!」
今度は大きく動いてかわすことが出来た『耳齧り女』
「…ずいぶんリーチが短いのね」
大哉「ええ。でも攻撃力はそれなりにすごいですよ?」
「ふん。当たらなければどーってことないわ。…でも貴方が何でそんな高級な物を武器に出来るか気になるわね」
大哉「仕方ないなー。教えてあげますよ。…『死体からダイヤモンド』って都市伝説、知ってます?」
「まさか契約者?」
大哉「その通り。僕は『死体からダイヤモンド』の契約者。だからそれなりにあらゆる死体から炭素を取り出してダイヤモンドを精製出来るのさ」
丁寧に説明する大哉
「でも! それじゃあなおさら分からないじゃない! 死体なんて何処にも無いわ!」
大哉「…枯れ木とか枯葉って何て言うか知ってます? 正解は枯死体。…『あらゆる』死体からダイヤを取り出すっていったよね?」
「…そういうことね。でも。貴方の攻撃は見切った。そんな短いリーチじゃこれ以上あたしに触ることすら出来ない…!」
大哉「それはどうでしょう? 例えば僕がダイヤモンドで剣を作ることが出来たなら? 」
「ふん。死体も無いのにどうやって…」
大哉「例えば今、この地面に死体が埋まってるとしたら…?」
そう言いながら大哉は先ほど枯れ木の棒を突き刺した地面に手をかざした
…すると、地面からダイヤモンドが出てきて…剣の形になった
大哉「これで文句無いよね? それなりに世界一硬い剣…さっきの攻撃を食らった君なら…それなりに分かるよね? こいつの攻撃力」
「そんな…それじゃああたし99%勝てないじゃない…! でも! たとえ1%の勝率しか無くったって…あたしは負けない! 食らいなさい…石をも砕く顎(ブレイクティース)!!」
先程よりも口を大きく開けながら飛び掛る『耳齧り女』
大哉「…えぇ!? 技名叫ぶ流れなの!? …しょうがない、それなりに流れに乗ろう…だ…金剛石の剣(ダイヤモンドソード)…乱れ斬り!!!」
「遅い!!」
大哉「次!」
「遅い!!!」
大哉「食らえ!」
「遅い!」
しばらく激しい攻防を繰り返す大哉と『耳齧り女』
大哉「はぁ、はぁ、はぁ」
「はぁ、はぁ、はぁ」
お互い距離をとった。両者共に疲れが見える
「…さっきから気になっていたけれど…あなたその剣、どうやって作ったの?」
大哉「勿論これも『死体からダイヤモンド』の能力さ」
「死体なんて無いじゃない」
大哉「『桜の木の下には死体が埋まっている』…僕のもう一つの契約都市伝説だよ。さっきの枯れ木の棒…あれは桜だよ」
「…成程。どの道もうすぐ決着だわ。ピアスビーム!」
ピアスを召喚し、投げつける『耳齧り女』
大哉「金剛石の盾(ダイヤモンドシールド)!!!」
ダイヤモンドの剣を盾に変形し、防ぐ大哉
「ピアスマシンガン!!!」
今度はピアスを大量に召喚し、飛ばす『耳齧り女』
大哉「金剛石の鎧(ダイヤモンドアーマー)!!」
今度はダイヤモンドを鎧にして防ぐ大哉
大哉「それなりに止めだよ…金剛石の槍(ダイヤモンドランス)!!!」
ダイヤモンドの剣を長く伸ばし、槍にする
「避けられない…!」
その槍は『耳齧り女』の腹を…貫いた
大哉「…僕の勝ちだよ」
「…そうね。でも、あたしは都市伝説。皆があたしのことを忘れない限り何度でも蘇るわ…。
次は誰かと契約して、必ず貴方を倒す!! 其れまで耳洗って待ってなさ…い…」
その言葉を最期に『耳齧り女』は消滅した
大哉「首じゃないの?」
大哉はダイヤモンドの槍を丸めて鞄にしまうと、何処かへ歩いていった
大哉「あーやっぱり…学校町は“それなりに”平和だなー」
続く