小ネタその18 暇無し火間虫やる気無し
授業の開始を告げるチャイムが鳴り響き、生徒達は決まったばかりの自分の席へと急ぎ戻る
新学期が始まり最初の授業に、やや緊張した面持ちの生徒が多い中で
五分経過
生徒の間にひそひそと不安げな声が上がり始め
十分経過
何かあったのだろうかと心配する者と、とりあえず先生が現れない事で休み時間のノリになり始める者で教室は混沌とし始める
そして十五分が経過した頃合で、がらりばたんと教室のドアが勢い良く開かれた
雑談に耽っていた生徒達は慌てて佇まいを正すと、開いた扉の方へと意識をむける
開いた扉から姿を現したのは、白衣姿の男性教師
その顔に見覚えのある生徒達は、思わず首を傾げていた
何故なら、本日一時間目の授業は数学
そして現れた教師は化学の担当だったからだ
だがその疑問はすぐに晴れる事となる
教室に踏み込んできたやる気の無さそうな化学教師は、その手にジャージの襟首を握っていた
ずるずると教室に引きずり込まれてきたのは、ジャージ姿の若い女性
ぼさぼさの髪を一つに束ね、眼鏡の奥で眠そうを通り越して半分ぐらい寝ていそうな目をしていた
「初日からサボるな。新任がそんな調子でどうする」
「ぐぅ、先輩が赴任したとこだから、サボっても平気だと思ったのに」
「サボるにもサボり方があるんだ。それを覚えるまでは真面目に仕事してろ」
おおよそ教師の会話とは思えないダメな会話に、生徒達はもうどうしたものかといった様子で完全に凍り付いている
「しょーがないにゃー、もー」
のそのそと立ち上がったジャージ姿の女教師は、ぺたんと教壇に手をついて教室を見回す
どう見ても拘束解除されている特盛りの胸がどたぷんと揺れ、ゆるいTシャツの上からでもその形をはっきりと伝えていた
「えー、今年からこの学校で数学を受け持つ事になりました、後樹撫莉(おくれぎ・なでり)です」
その胸に男子からは欲情と羞恥、女子からは羨望と嫉妬の視線を全力で受けながら、撫莉はにへらと笑う
「あたしが教えなくても何でも自分達でできる強くて頭の良い子に育ってくれると、先生とても嬉しいです」
「いきなり全力で生徒任せにするな」
真横から蹴りを入れられ、豪快にもんどりうって倒れる撫莉
「先輩、痛いー」
「やかましい。お前の担当する生徒に一人でも赤点を出してみろ、二度とサボれないように監視をつけるよう校長に掛け合ってやる」
「むー、それは嫌だなぁ」
派手に転がった割には平然と立ち上がり、また教壇にぺたんと手をついてにへらと笑う
「ともあれ、クビになんなかったら今年一年とりあえずよろしくね」
こんな教師で大丈夫か
教室の生徒一同の心は今、一つとなったのであった
新学期が始まり最初の授業に、やや緊張した面持ちの生徒が多い中で
五分経過
生徒の間にひそひそと不安げな声が上がり始め
十分経過
何かあったのだろうかと心配する者と、とりあえず先生が現れない事で休み時間のノリになり始める者で教室は混沌とし始める
そして十五分が経過した頃合で、がらりばたんと教室のドアが勢い良く開かれた
雑談に耽っていた生徒達は慌てて佇まいを正すと、開いた扉の方へと意識をむける
開いた扉から姿を現したのは、白衣姿の男性教師
その顔に見覚えのある生徒達は、思わず首を傾げていた
何故なら、本日一時間目の授業は数学
そして現れた教師は化学の担当だったからだ
だがその疑問はすぐに晴れる事となる
教室に踏み込んできたやる気の無さそうな化学教師は、その手にジャージの襟首を握っていた
ずるずると教室に引きずり込まれてきたのは、ジャージ姿の若い女性
ぼさぼさの髪を一つに束ね、眼鏡の奥で眠そうを通り越して半分ぐらい寝ていそうな目をしていた
「初日からサボるな。新任がそんな調子でどうする」
「ぐぅ、先輩が赴任したとこだから、サボっても平気だと思ったのに」
「サボるにもサボり方があるんだ。それを覚えるまでは真面目に仕事してろ」
おおよそ教師の会話とは思えないダメな会話に、生徒達はもうどうしたものかといった様子で完全に凍り付いている
「しょーがないにゃー、もー」
のそのそと立ち上がったジャージ姿の女教師は、ぺたんと教壇に手をついて教室を見回す
どう見ても拘束解除されている特盛りの胸がどたぷんと揺れ、ゆるいTシャツの上からでもその形をはっきりと伝えていた
「えー、今年からこの学校で数学を受け持つ事になりました、後樹撫莉(おくれぎ・なでり)です」
その胸に男子からは欲情と羞恥、女子からは羨望と嫉妬の視線を全力で受けながら、撫莉はにへらと笑う
「あたしが教えなくても何でも自分達でできる強くて頭の良い子に育ってくれると、先生とても嬉しいです」
「いきなり全力で生徒任せにするな」
真横から蹴りを入れられ、豪快にもんどりうって倒れる撫莉
「先輩、痛いー」
「やかましい。お前の担当する生徒に一人でも赤点を出してみろ、二度とサボれないように監視をつけるよう校長に掛け合ってやる」
「むー、それは嫌だなぁ」
派手に転がった割には平然と立ち上がり、また教壇にぺたんと手をついてにへらと笑う
「ともあれ、クビになんなかったら今年一年とりあえずよろしくね」
こんな教師で大丈夫か
教室の生徒一同の心は今、一つとなったのであった
―――
撫莉の数学の授業は思いのほか、いや、とんでもなく理解し易かった
要点をきちんと押さえ、勉強が得手とは言えない生徒達でも二、三度説明を受ければ容易く理解できてしまう
その上で全員が理解したと判断すれば、指導要項などガン無視して次へ次へと進めてしまう
「んふふ、問題解けるって楽しいでしょ? パズルだってクイズだって解いたら楽しいのに、数学は違うって事は無いのよー?」
生徒達の驚きと戸惑いをよそに、撫莉はくてりと教壇に突っ伏す
「んじゃ、あと自習。教科書の問題とか好きに解いてみなさい? 解き方も全部書いてあるんだから、ちゃんと順番に読めば簡単よー? どうしてもわかんないって事があったら起こしてねー」
すぐさますぴーと鼻息を立てて寝入ってしまった撫莉
生徒達はそれぞれ好き勝手に教科書を読み、問題を出し合い、解き方を模索していく
彼女は生徒がそうなるように誘導していったのだ
「色んな意味でとんでもない先生だな、この人」
学年で常に上位の成績を修めている生徒の一人は、この女教師のやり口を理解して尊敬の念を持ちかけたのだが
「せんせー、わかんない事があるんですけどー!」
声を上げて教壇に寄っていったのは、いかにもお調子者といったノリの男子生徒
「うなー? なにがわかんにゃいのかなー?」
口の端から涎を垂らした顔を上げ、寝惚け眼で男子生徒を見詰める
「先生のおっぱいでかいですけどサイズいくつですか?」
教室が、水を打ったようにしんと静まり返った
フリーズ三割、好奇心七割といった具合に分かれた生徒達の視線が集中する
「んー? 98のGだったかなー? 最近計ってないやー、ブラ買ってないし」
質問に解答したという事で、そのままぽてんと教壇に突っ伏す撫莉
というか、答えるか普通
ざわ、ざわと解答が伝播し騒がしくなる生徒達を正気に戻すかのように、スピーカーから授業の終了を告げるチャイムが鳴る
「先生、授業の時間は終わりですよ」
教壇の前の席に座っていた優等生風の男子生徒がそう声を掛けると、撫莉はがばりと起き上がっててきぱきと教材を片付ける
「んじゃ、次の授業でまた会おうねー。ばっははーい」
酔っ払いのような頼りない足取りで教室を出て、廊下をふらふら歩いていく撫莉
そのまま階段の陰にある掃除用具入れの脇に座り込んで寝ようとしていたところを、まるで予想していたかのように一直線に向かってきた化学教師に蹴りをくれられてそのまま職員室へと引き摺られていった
要点をきちんと押さえ、勉強が得手とは言えない生徒達でも二、三度説明を受ければ容易く理解できてしまう
その上で全員が理解したと判断すれば、指導要項などガン無視して次へ次へと進めてしまう
「んふふ、問題解けるって楽しいでしょ? パズルだってクイズだって解いたら楽しいのに、数学は違うって事は無いのよー?」
生徒達の驚きと戸惑いをよそに、撫莉はくてりと教壇に突っ伏す
「んじゃ、あと自習。教科書の問題とか好きに解いてみなさい? 解き方も全部書いてあるんだから、ちゃんと順番に読めば簡単よー? どうしてもわかんないって事があったら起こしてねー」
すぐさますぴーと鼻息を立てて寝入ってしまった撫莉
生徒達はそれぞれ好き勝手に教科書を読み、問題を出し合い、解き方を模索していく
彼女は生徒がそうなるように誘導していったのだ
「色んな意味でとんでもない先生だな、この人」
学年で常に上位の成績を修めている生徒の一人は、この女教師のやり口を理解して尊敬の念を持ちかけたのだが
「せんせー、わかんない事があるんですけどー!」
声を上げて教壇に寄っていったのは、いかにもお調子者といったノリの男子生徒
「うなー? なにがわかんにゃいのかなー?」
口の端から涎を垂らした顔を上げ、寝惚け眼で男子生徒を見詰める
「先生のおっぱいでかいですけどサイズいくつですか?」
教室が、水を打ったようにしんと静まり返った
フリーズ三割、好奇心七割といった具合に分かれた生徒達の視線が集中する
「んー? 98のGだったかなー? 最近計ってないやー、ブラ買ってないし」
質問に解答したという事で、そのままぽてんと教壇に突っ伏す撫莉
というか、答えるか普通
ざわ、ざわと解答が伝播し騒がしくなる生徒達を正気に戻すかのように、スピーカーから授業の終了を告げるチャイムが鳴る
「先生、授業の時間は終わりですよ」
教壇の前の席に座っていた優等生風の男子生徒がそう声を掛けると、撫莉はがばりと起き上がっててきぱきと教材を片付ける
「んじゃ、次の授業でまた会おうねー。ばっははーい」
酔っ払いのような頼りない足取りで教室を出て、廊下をふらふら歩いていく撫莉
そのまま階段の陰にある掃除用具入れの脇に座り込んで寝ようとしていたところを、まるで予想していたかのように一直線に向かってきた化学教師に蹴りをくれられてそのまま職員室へと引き摺られていった
―――
「変な先生だったな」
変わり者の教師が多い中央高校の中でも、かなり目立つ変人具合
忘れようのない存在感を叩きつけていったその教師との再会は、とても早かった
掃除当番を終えて廊下へ出たその途端、足元にくてりと座り込んで寝ている撫莉の姿があったからだ
「先生?」
「んー、むにゃむにゃ……もう食べられないよぅ」
もぐもぐと口を動かしながら、だらしなく涎を垂らしてにへらと笑みを浮かべているその姿は、教師どころか人としてもかなりやばい
「こんな所で寝てたら風邪を引きますよ? というか職員会議とか無いんですか」
「食べられないけどおかわりー……むーしゃむーしゃ」
「……ダメだこれ」
体育座りで膝と腕を枕ににやにやした顔で寝ているジャージ姿の新人女教師
こんな厄介な存在に近付こうという生徒はなかなか居ないのか、それともこの生徒が出てくるタイミングでここで寝入ったのか
「とりあえず起こすか運ぶか。職員室の方にでも」
そう思って足を踏み出そうとした瞬間
ぞわりと背中を駆け巡る悪寒と違和感
何も変わらないはずの学校の廊下に立っているはずなのに、まるで深夜の墓地にでも立っているかのような感覚に襲われる
「なん、だ、これ」
男子生徒は身動きもまともにできず、軋むような動きで辺りを見回す
誰も居ない、何も無い、広い空間特有の残響感
どこかでボールが弾むような音が響いている
否、近付いている
たむん
たむん、と
バスケットボールを床につく音が、廊下の奥から近付いてくる
廊下の奥の行き止まりの更に奥から、じんわりと滲み出るように
半袖のシャツとショートパンツという、運動部のユニフォームか何かを着た少女の姿
ただその首から上は何も見当たらず、首の断面は引き千切られたかのようにぐちゃぐちゃになっていた
そしてそこにあるべきだった頭は少女の手元にあり、ボールが弾む音を立てながら床にぶつかっては跳ね上がり、にたにたと不気味な笑みを浮かべていた
あからさまな怪異の登場に、男子生徒は逆に冷静になる
すぐさま足元で座り込み寝ている女教師の腕を取り、肩を貸すような形で引き起こす
「ふみゃ?」
流石に無理矢理引き起こされたせいか、夢の世界からも引き起こされる撫莉
「先生! なんだかよくわからないけどとりあえず走って!」
「んー? ああ、なんだ」
ずり落ちた眼鏡を直しながら、じりじりと近付いてくる『生首バスケ』少女を見て、暢気な声を上げる
「きみ、こういうの初めて? 真面目に相手するとめんどいし疲れるよ?」
「初めてって……先生は何度もこういうのを見てるんですか?」
「まーねー」
まだ眠そうな顔に、にへらと笑みを浮かべ
「それじゃま、よろしく」
その言葉と同時に、丁度廊下の陰の死角になった部分から、頭の禿げ上がった髭の男がにょろりと現れる
完全に死角から不意をついた形で『生首バスケ』少女の背後に迫ったその男は、床を弾んでいた顔を長い舌でべろりと舐め上げた
「ひぃぃぃぃっ!?」
思わず悲鳴を上げて、ドリブルするはずの自分の首を守るように抱えて身を竦ませる『生首バスケ』少女
そこからしばらくは、つい先程まで恐ろしかった異形の少女に同情するばかり
顔といわず身体といわず、べろんべろんと舐め回されて、その目からはすっかり光が消え落ちていた
「あれね、『火間虫入道』っていってさ。行灯の油を舐めたりして明かりを消して、仕事の邪魔をしたりする妖怪みたいなものなの」
「そういう行為をしてれば妖怪ですが、今の所業は変質者のそれです」
「いやね、その由来から転じて、やる気を無くさせる能力があるのよ。舐める事で」
見れば『生首バスケ』少女は、まるで十年来の引き篭もりのような目で廊下の隅っこで丸くなっており、時折「息をするのもめんどくさい」とか「植物みたいな人生を送りたい」などと呟くばかりだった
「何だ、何か湧いたみたいだと校長に言われて来てみたらお前のところか」
呆然としていた男子生徒の背後に現れたのは、白衣姿の化学教師
その背後には人体模型と骨格標本が自立歩行しており
緊張の糸が切れた上に精神的許容量を大きく越えた状況で、男子生徒はぱたりと倒れてしまったのだった
変わり者の教師が多い中央高校の中でも、かなり目立つ変人具合
忘れようのない存在感を叩きつけていったその教師との再会は、とても早かった
掃除当番を終えて廊下へ出たその途端、足元にくてりと座り込んで寝ている撫莉の姿があったからだ
「先生?」
「んー、むにゃむにゃ……もう食べられないよぅ」
もぐもぐと口を動かしながら、だらしなく涎を垂らしてにへらと笑みを浮かべているその姿は、教師どころか人としてもかなりやばい
「こんな所で寝てたら風邪を引きますよ? というか職員会議とか無いんですか」
「食べられないけどおかわりー……むーしゃむーしゃ」
「……ダメだこれ」
体育座りで膝と腕を枕ににやにやした顔で寝ているジャージ姿の新人女教師
こんな厄介な存在に近付こうという生徒はなかなか居ないのか、それともこの生徒が出てくるタイミングでここで寝入ったのか
「とりあえず起こすか運ぶか。職員室の方にでも」
そう思って足を踏み出そうとした瞬間
ぞわりと背中を駆け巡る悪寒と違和感
何も変わらないはずの学校の廊下に立っているはずなのに、まるで深夜の墓地にでも立っているかのような感覚に襲われる
「なん、だ、これ」
男子生徒は身動きもまともにできず、軋むような動きで辺りを見回す
誰も居ない、何も無い、広い空間特有の残響感
どこかでボールが弾むような音が響いている
否、近付いている
たむん
たむん、と
バスケットボールを床につく音が、廊下の奥から近付いてくる
廊下の奥の行き止まりの更に奥から、じんわりと滲み出るように
半袖のシャツとショートパンツという、運動部のユニフォームか何かを着た少女の姿
ただその首から上は何も見当たらず、首の断面は引き千切られたかのようにぐちゃぐちゃになっていた
そしてそこにあるべきだった頭は少女の手元にあり、ボールが弾む音を立てながら床にぶつかっては跳ね上がり、にたにたと不気味な笑みを浮かべていた
あからさまな怪異の登場に、男子生徒は逆に冷静になる
すぐさま足元で座り込み寝ている女教師の腕を取り、肩を貸すような形で引き起こす
「ふみゃ?」
流石に無理矢理引き起こされたせいか、夢の世界からも引き起こされる撫莉
「先生! なんだかよくわからないけどとりあえず走って!」
「んー? ああ、なんだ」
ずり落ちた眼鏡を直しながら、じりじりと近付いてくる『生首バスケ』少女を見て、暢気な声を上げる
「きみ、こういうの初めて? 真面目に相手するとめんどいし疲れるよ?」
「初めてって……先生は何度もこういうのを見てるんですか?」
「まーねー」
まだ眠そうな顔に、にへらと笑みを浮かべ
「それじゃま、よろしく」
その言葉と同時に、丁度廊下の陰の死角になった部分から、頭の禿げ上がった髭の男がにょろりと現れる
完全に死角から不意をついた形で『生首バスケ』少女の背後に迫ったその男は、床を弾んでいた顔を長い舌でべろりと舐め上げた
「ひぃぃぃぃっ!?」
思わず悲鳴を上げて、ドリブルするはずの自分の首を守るように抱えて身を竦ませる『生首バスケ』少女
そこからしばらくは、つい先程まで恐ろしかった異形の少女に同情するばかり
顔といわず身体といわず、べろんべろんと舐め回されて、その目からはすっかり光が消え落ちていた
「あれね、『火間虫入道』っていってさ。行灯の油を舐めたりして明かりを消して、仕事の邪魔をしたりする妖怪みたいなものなの」
「そういう行為をしてれば妖怪ですが、今の所業は変質者のそれです」
「いやね、その由来から転じて、やる気を無くさせる能力があるのよ。舐める事で」
見れば『生首バスケ』少女は、まるで十年来の引き篭もりのような目で廊下の隅っこで丸くなっており、時折「息をするのもめんどくさい」とか「植物みたいな人生を送りたい」などと呟くばかりだった
「何だ、何か湧いたみたいだと校長に言われて来てみたらお前のところか」
呆然としていた男子生徒の背後に現れたのは、白衣姿の化学教師
その背後には人体模型と骨格標本が自立歩行しており
緊張の糸が切れた上に精神的許容量を大きく越えた状況で、男子生徒はぱたりと倒れてしまったのだった
続くか続かないかは不明