「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・万能の魔法使い-06a

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 カラミティがもたらした情報
 …この現場の死体を生み出したのは、中学生くらいの異国人の少女
 真実を映し出すと言うその魔法の大鏡は、その少女が、男達を無邪気に殺していた様子すら、映し出した
 まぁ、男達もロクでもない事をその少女にしでかそうとしていたわけで、正当防衛と言えなくもないのだが
 ………問題は

「この少女が、「教会」という組織の一員で、さらに「13使徒」という集団の一員であるということは、確かなのですか」
「あぁ、そうだぞ」

 美緒の質問に、あっさりと答えてくるカラミティ
 …その答えが、問題なのだ

 学校町に不介入のはずの「教会」のメンバー
 それも、「13使徒」などという特別な集団が、学校町に来ている、事実
 そこが、問題となってくる

「「13使徒」が全員、学校町に来てるって言ったよね?他の奴らってどんなのなの?」
「ん?あぁ、こういう連中」

 希の言葉に、カラミティがまた、杖を振った
 ぱっ、ぱっ、ぱっ、と
 鏡は、次々と「13使徒」のメンバーを映し出していく

 20代ほどの美しい女性、小学生程度と思われる男女の双子、司祭服をまとった、紫の髪に紫の瞳のメガネの青年に、同じく司祭服をまとい……棺桶を持った青年
 シスター服をまとった20代の女性と高校生程度の少女の二人組、パンク系ファッションの青年と白い髪に赤い瞳の青年
 頭のてっぺんからつま先まで、黒一色の衣服に身を包んだ、帽子を目深にかぶった男、それに、今まで映し出された中では、一番幼い外見の少女…意識を失って、誰かに背負われているようだ
 最後に映し出されたシスター服をまとったマッスルオカマに関しては以前から目撃情報があって警戒するように言われていたが、これも「13使徒」のメンバーだったのか

 …未成年が多い
 その事実に、影守は眉をひそめた

「…連中、何をしに学校町に来てるんだ」
「さぁ?そこまでは知らねぇ。ただ、ロクでもない事なんじゃないのか?」

 影守が口にした疑問に、カラミティはあっさり、答えてくる
 じ、と影守がカラミティを見つめてみせるが、それ以上は何も言ってこない
 …本当に、知らないようだ

「「終末の火」、と、あなたはあの少女をそう呼びましたね。それが、彼女の契約都市伝説なのですか?」
「ん~、つーか、あの餓鬼の能力からつけられた二つ名だな、それは。「教会」では正体とか隠すために、二つ名で呼ぶこととかよくあるっていうから」
「…コードネームみたいなもん?」
「そういう事だろうな」

 美緒と希の質問に、カラミティはすらすらと答えてくる
 それらを聞いて、影守は考える

「…肝心の、契約都市伝説が何かは、わかるか?」
「断言はできないけど。大体は。アレだと思うぞ、聖書に書かれてる…」

 カラミティが続けて口にした単語に、影守は再び、眉を難しく寄せる
 …カラミティの推測が正しければ、その「終末の火」と呼ばれる少女、かなり危険な能力だ
 その気になれば……学校町の住人を、皆殺しにすることとて、できるのではないだろうか?
 特別聖書に詳しい訳ではない影守だが、「組織」に育てられた人間として少しは知識をたたきこまれているため、そのような推測ができる

「そいつの事とか、他の連中の事とか、もっと詳しく調べてこようか?」
「できるのですか?」
「報酬しだいで何でも調べてくるって奴、知ってるから。そいつにもっと調べさせる」

 前にも調べさせたけど、さらに詳しく、とカラミティは言ってくる
 …嘘は、ついていないのだろう
 「美緒に対して答えている」から、なおさらだ

 影守としては、カラミティの言葉は信用ならないが……彼は、「友達の美緒に嘘なんてつかない」と、以前、言いきってきたことがある
 それも、「カラミティ・ルーンの名に懸けて」と、自身の名前にかけて誓ってきたのだ
 ……魔法使いにとって、己の名に懸けた発言・誓いは魔法的意味すらあり、それを覆すことは不可能に近い
 つまり、カラミティが美緒に対して嘘をつくことはないのだ

「その情報提供主、信用できるのか?」
「できると思うぞ。っつか、信用第一だろうし、そういう仕事は」

 ……まぁ、確かに
 不確かな情報や偽りの情報を提供してくる情報屋など、誰も利用しないだろう

「それでは、カラミティ。お願いできますか?」
「頼むわけ?」

 希の言葉に、はいと、美緒は頷いて見せた
 影守としては、若干、面白くないが…

「あぁ、わかった。美緒が言うなら、調べるぞ。そうすれば、影守の役にも立つから、美緒もうれしいだろ?」
「!!!カ、カラミティ!?」

 カラミティの発言に、美緒が赤く頬を染める
 抗議するようなその声に、カラミティは首をかしげてきた
 なぜ、首を傾げられたのかわからない
 そうとでも言うように

「…あ、そうだ。こいつ」

 つい、と、思い出したように杖を振るカラミティ
 鏡に、先ほども映し出された、棺桶を背負った司祭姿の青年が映し出される

「こいつ、気を付けとけよ。特に、この季節は」
「……どういうことだ?」
「能力が冷気系なんだよ。二つ名は「アイスマン」この季節だったら……その気になりゃ、かなりヤバイ事もできると思うぞ」

 まぁ、と
 再び杖を振り、大鏡を消しながら、カラミティは笑う

「ここは、美緒が影守と一緒に暮らしている街だし。それに、今はこの街にカインもいるから、俺様がぜぇんぶ、素敵な魔法でどうにかしてやるから、大丈夫だけどな」
「い、いいいいいい、一々余計なことを言わないでくださいっ!?」
「??本当の事だろ?」

 なぜ、美緒が赤くなって恥ずかしがっているのか、わからない様子のまま
 カラミティは、その身を漆黒の蝶の群れに変えて…姿を、消していった

 ぷしぅ
 美緒は真っ赤になって、思考をフリーズさせかけている

「美緒さん、大丈夫?」
「え……あ、は、はい、だ、大丈夫です」

 固まっていた美緒に影守が気遣うように声をかけ、美緒はフリーズ状態からは脱したものの、さらに頬を赤く染めていっている
 その様子に、希はやれやれ、とあきれながらも

 ……カラミティが姿を消す直前、「あ、そうだ」とでもいうように、何かを思いついたような表情をしていた事に、彼女は気づいていて

「何か、しでかさないといいんだけど」

 と、ぽつり、小さく呟いたのだった








to be … ?









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