ぺち
ぺちぺちぺち
アパートの窓ガラスが、ぺちぺち叩かれる音がする
続いて、ぎしゃーしゃげーと、鳴き声
ぺちぺちぺち
アパートの窓ガラスが、ぺちぺち叩かれる音がする
続いて、ぎしゃーしゃげーと、鳴き声
あぁ、猫達が帰ってきたのだな、と山田は顔を上げた
正確には子ライオンな訳だが、まぁ、細かい事は気にしない
窓に視線をやれば、ぺとん、と座った2匹が、ぺちぺち、窓をたたいている
開けろ、と言うことなのだろう
外は雪も降っているし、ずいぶんと寒い
冬場は炬燵に入ってダラダラしている事の多いこの2匹が、こんな日に外に出るのは珍しい、と思ったものだ
正確には子ライオンな訳だが、まぁ、細かい事は気にしない
窓に視線をやれば、ぺとん、と座った2匹が、ぺちぺち、窓をたたいている
開けろ、と言うことなのだろう
外は雪も降っているし、ずいぶんと寒い
冬場は炬燵に入ってダラダラしている事の多いこの2匹が、こんな日に外に出るのは珍しい、と思ったものだ
…とまれ、このままでは寒いだろう
早く中に入れてやろうと、山田は窓ガラスを開けた
早く中に入れてやろうと、山田は窓ガラスを開けた
ひゅう、と冷たい空気が室内に入り込み……2匹の子ライオンが、飛び込んでくる
外から帰ってきた2匹が、勢いよく室内へと入ってくるのはいつもの事
外から帰ってきた2匹が、勢いよく室内へと入ってくるのはいつもの事
………ただ
「ぎしゃー!!!」
「しゃぎゃーーー!!!」
「しゃぎゃーーー!!!」
----ごがすっ!!!
「おぶぉっ!?」
…このように、顔面に向かって突進してくるかのように入ってくるのは、わりと初めてなんじゃないだろうか
不意打ちのその体当たりをもろにくらい、その衝撃そのままに床に倒れ後頭部を強かに打ちながら、山田はそう考えた
不意打ちのその体当たりをもろにくらい、その衝撃そのままに床に倒れ後頭部を強かに打ちながら、山田はそう考えた
『ーーーーイッテェエエエエエエ!?何スンダ、コノ小動物共っ!?」
にょろり
山田の胸ポケットに入っていたデビ田が顔をだし、抗議の声を上げた
ぴょこぴょこと、尻尾で怒りを示しているが、まぁ、こんな小さな蛇の姿ではただのラブリー生物である
山田の胸ポケットに入っていたデビ田が顔をだし、抗議の声を上げた
ぴょこぴょこと、尻尾で怒りを示しているが、まぁ、こんな小さな蛇の姿ではただのラブリー生物である
…デビ田が子ライオン達に抗議するのも、無理はない
元・悪魔の囁きであり、現・イマジナリーフレンドであるデビ田は、宿主である山田と感覚を共有しているのだ
すなわち、山田が痛みを感じれば、デビ田も同じ痛みを感じる
先ほどの顔面タックルと後頭部強打の痛みも、当然伝わっているのだ
元・悪魔の囁きであり、現・イマジナリーフレンドであるデビ田は、宿主である山田と感覚を共有しているのだ
すなわち、山田が痛みを感じれば、デビ田も同じ痛みを感じる
先ほどの顔面タックルと後頭部強打の痛みも、当然伝わっているのだ
しゃげー
げしゃー
げしゃー
子ライオン達は、そんなデビ田の抗議など、さっぱり気にする事なく、後頭部を打って呻いている山田の胸元に2匹そろって立ち、ぺちぺち、ぺちぺち、猫パンチを繰り出している
容赦なき、猫パンチの嵐
子供とはいえ、ライオンはライオンである
しかも、彼らはの正体は「ゴースト&ダークネス」……人食いの、都市伝説だ
子供の姿でも、その力は並の猫より強い
そんな2匹に、ぺちぺちと猫パンチを食らい続ける山田
まぁ、所詮はちみの攻撃なので、致命傷になったりはしないのだが
………猫好きが見たら、その立場を変われ、と羨ましがる様な光景かもしれなかった
容赦なき、猫パンチの嵐
子供とはいえ、ライオンはライオンである
しかも、彼らはの正体は「ゴースト&ダークネス」……人食いの、都市伝説だ
子供の姿でも、その力は並の猫より強い
そんな2匹に、ぺちぺちと猫パンチを食らい続ける山田
まぁ、所詮はちみの攻撃なので、致命傷になったりはしないのだが
………猫好きが見たら、その立場を変われ、と羨ましがる様な光景かもしれなかった
「っちょ……お前ら、どうしたんだよ」
ぎしゃ!
しゃぎゃ!
しゃぎゃ!
山田の言葉に、何かを訴えかけてくる2匹
…が、山田には、子ライオンの言葉などわからない
正直、何を訴えたいのか、伝わってこない
…が、山田には、子ライオンの言葉などわからない
正直、何を訴えたいのか、伝わってこない
ただ、なんとなく、これだけはわかる
……これは、八つ当たりだ、と
2匹の声が、切実に、不機嫌を訴えてきているからだ
どうやら、散歩中に何かあったらしい
……これは、八つ当たりだ、と
2匹の声が、切実に、不機嫌を訴えてきているからだ
どうやら、散歩中に何かあったらしい
「ぎしゃーーー!」
「しゃげーーー!」
「しゃげーーー!」
ぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺち!!
止まらぬ、猫パンチの嵐
顔面に向けられてくるそれは、肉きゅうの柔らかさと2匹の力強さを伝えてくる
止まらぬ、猫パンチの嵐
顔面に向けられてくるそれは、肉きゅうの柔らかさと2匹の力強さを伝えてくる
ヘタに避けようとしても、受け止めようとしても、2匹の機嫌がさらに悪くなる事は確実で
仕方なく、山田は2匹の猫パンチの嵐を、甘んじて受け続ける事となった
仕方なく、山田は2匹の猫パンチの嵐を、甘んじて受け続ける事となった
この日
ゴーストとダークネスが、二度も「13使徒」の一員に遭遇していた事実に
山田達は、気づかない
ゴーストとダークネスが、二度も「13使徒」の一員に遭遇していた事実に
山田達は、気づかない
to be … ?