「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - 水を行く魚

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kemono

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高校生ともなれば、さすがにテレビの心霊や宇宙人、未確認生物なんかの胡散臭い特集を鵜呑みにしたりはしない。
それでも、ネッシーにツチノコ、宇宙船や地底人、幽霊、超能力なんかが一つぐらい在ったら面白そうだと考えたりする。
でもまあ、それは世界の何処で見つかったら、という話で、実際そんなモノが目の前に現れても対応に困るわけで。
まあとりあえず一言叫ばせてくれ。
「なんだこれえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!??」
木々の間からは、月明かりがさしこみ、今日は満月だなあ、なんてのんきな事は考えずに走る。もっとも、街灯もない山の中を全力疾走出来るわけもなく、懐中電灯だよりの走りは当然遅い。
後からは、赤い大きな眼の二足歩行の生き物が木々の間を跳び回りながら近づいてくる。
意味がわからない。こんな生物がいることも意味不明だが、なにより、
「なんでチュパカブラが日本にいるんだ!?」
とにかく、少しでも立ち止まると追い付かれてしまう。血を吸われて死ぬなんて真っ平ごめんだ。いやまあ、なんなら死んでいいのかって言われると困るんだが。
あ、やべ。蹴つまずいた。
すぐに体勢を立て直すが、既にチュパカブラは飛び掛かろうとしていて。
そくざに横へ逃げ……………………………あれ?
いやーな浮遊感と、スローモーションの世界。
横に跳んだら、崖だった。

そして、落下。
「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

なんか恥ずかしい。物凄い悲鳴をあげたにもかかわらず、崖はせいぜい5m。しかも下は池だった。
怪我なんか全然なく、この季節に夜中の水泳は寒いなあとか、その程度の感想。
「大変そうだな、坊主。」
突然、どこからか声をかけられる。しゃがれた眠そうな声。こんな時間に寒中水泳してる物好きは誰だと、懐中電灯で辺りを照らす。
「ここだ、ここ。下だ。」
下?…………そこには、魚がいた。鯉ぐらいの大きさで、顔が、顔が……
「じ、人面魚……」
なんなんだ今日は、未確認生物のバーゲンセールでもやってんのか。
「確かにわしは人面魚だ。ところでお前さん、このままだと死ぬぞ。」
へ?……ああ、そうだった。この池から出たらさっきのチュパカブラとエンカウントしてしまう。ヒノキボウすら無しにあんなのに勝てるはずがない。
かといって、いつまでも此処にいたら凍え死ぬ。
「お前さん、わしと契約しないか?そうすれば助かるぞ。」
「契約?なにそれ?えっと、それしたら助かるの?じゃあしよう。すぐしよう。」
「契約成立だな。」
「でさ、具体的には何してくれれの?」
寒さで噛んだ。後から誤字に気付いた言い訳じゃないぞ!
「あれをたおす。」
「たおす、たって、お前何か出来んのか?魚だから水から出る事すら出来なさそうだけど。」
「確かに、人面魚は水中でしか目撃例がないからな。水からは出れない。」
「じゃあ……」
「だが、契約したわしにとってそんな事は些細な問題だ。」
そう言うと、オッサン顔の人面魚は上に向けて泳ぎだした。

そんなのありかよ。水量が半分になった池に立ち、呆然としながら呟いた。
水中でしか人面魚の目撃例はない、言い方を変えれば、人面魚が目撃された時、そこは水中という事だ。そんな、詭弁、戯言、言葉遊び。
空を見上げると巨大な水の塊、その中には人の顔を持つ魚がいる、はず。暗いうえに、眼鏡を奨められる視力ではそこまでは確認出来ない。
そして人面魚は、チュパカブラに向かって泳ぎだした、たぶん。
木の折れる音、揺れる地面。そして、何十キロの上空から高速で落下してきた何十トンの水によって押し潰されるチュパカブラ。

「とりあえずありがと。これで無事家に帰れそうだ。」
「気にするな。これからよろしくな。」
「これ、から……………?」

高校生ともなれば、さすがにテレビの都市伝説なんかの胡散臭い特集を鵜呑みにしたりはしない。
それでも、ネッシーにツチノコ、宇宙船や地底人、幽霊、超能力なんかが一つぐらい在ったら面白そうだと考えたりする。
でもまあ、それは世界の何処で見つかったら、という話で、実際そんなモノと戦う事になっても困るわけで。
「勘弁してくれよ……」






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