首塚の首領である将門は、あまり首塚本体から動かない
契約者が存在しない都市伝説である彼は、テリトリーである首塚から長時間、離れる事はできないのだ
だからと言って、彼は今のところ、契約者を得るつもりはない
…都市伝説としてあまりに力が大きすぎる首塚と契約したところで、人間は一瞬で、彼という存在に取り込まれてしまうから
契約者が存在しない都市伝説である彼は、テリトリーである首塚から長時間、離れる事はできないのだ
だからと言って、彼は今のところ、契約者を得るつもりはない
…都市伝説としてあまりに力が大きすぎる首塚と契約したところで、人間は一瞬で、彼という存在に取り込まれてしまうから
そんな将門の元には、大抵、「首塚」組織に所属する者が、傍にいる
将門が退屈しないよう、相手をしてやっている事が多いのだ
この日は、以前、○本木ヒルズの呪いで傷を負った少年が、将門の傍にいた
あの時の傷は既に癒え、包帯はとれている
将門が退屈しないよう、相手をしてやっている事が多いのだ
この日は、以前、○本木ヒルズの呪いで傷を負った少年が、将門の傍にいた
あの時の傷は既に癒え、包帯はとれている
「………」
あむあむ
少年は、もぐもぐとお菓子を食べていた
まだ幼い少年、将門相手に、うまく会話できる訳でもない
将門も無理に話し掛けはせず、少年の様子を気まぐれに眺めていた
少年は、もぐもぐとお菓子を食べていた
まだ幼い少年、将門相手に、うまく会話できる訳でもない
将門も無理に話し掛けはせず、少年の様子を気まぐれに眺めていた
「…………う」
もぐ
と、少年の手が止まる
何か、素晴らしい物でも見つけたように、その表情が輝いた
と、少年の手が止まる
何か、素晴らしい物でも見つけたように、その表情が輝いた
てちてちてち
少年は、将門に駆け寄る
少年は、将門に駆け寄る
「む?どうした?」
「うー、将門様にあげる!」
「うー、将門様にあげる!」
す、と少年が差し出してきたのは…先ほどまで少年が食べていたお菓子
とある動物をディフォルメしたイラストが描かれたその菓子
一つ一つ、表情などが違うそれ
少年が差し出した、それは
眉毛が描かれた物だった
とある動物をディフォルメしたイラストが描かれたその菓子
一つ一つ、表情などが違うそれ
少年が差し出した、それは
眉毛が描かれた物だった
少年の能力を思い出し、将門は笑ってみせる
「では、ありがたく受け取るとするか」
「うー!将門様にも、幸せがありますように!うーうー!」
「うー!将門様にも、幸せがありますように!うーうー!」
無邪気に声をあげてくる少年の頭を、撫でてやりながら
将門はその菓子をぽい、と口に放り込み、しばし、その甘さを楽しんだのだった
将門はその菓子をぽい、と口に放り込み、しばし、その甘さを楽しんだのだった
おしまひ